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2022年9月25日日曜日

「国葬」反対!:新しい流れつくる〝希望のデモ〟にと内田樹さん

出発前集会でスピーチをする内田さん(右)

九月十七日「国葬」に反対する市民デモが神戸三宮で四百人の参加で行われました。
憲法改悪ストップ!兵庫県共同センターと、こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGOとの共催で、八月二十七日に続き、二回目の開催です。
神戸三宮・東遊園地花時計前の出発前集会では、神戸女学院大学名誉教授で思想家の内田樹さんがスピーチをしました。
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内田さんは、東灘革新懇や、九条の会.ひがしなだでも活動し、安保関連法に反対する学者の会でも活動しているアクティビストだと自己紹介して、次のように語りました。
――今回は国民世論の過半数が同じことを言っている時にデモをする貴重な機会。「どうしてこんなことに」と岸田首相も後悔していると思う。法律の根拠もなく立法府(国会)の承認も得ていない。国民に同意してもらうには国民の前で声を限りにして説明すべきだが、それもしない。オリンピックのスキャンダル、統一協会の問題もあってますます支持率が低落。大きな政局になる可能性もある。
来年は統一地方選挙がある。地方議会にも統一協会と癒着している議員はいっぱいいる。沖縄の今回の選挙を見ても統一協会と関係のある候補者は勝てない。
市民が小さな抵抗の声をあげるのではなく、新しい流れをつくる「革命」――新しい運動を起動する〝希望のデモ〟を行いたい。――
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集会参加者は、安倍元首相の「国葬」中止を求めるアピールも確認し、首相官邸に送ります。
デモは「「国葬」反対!」「弔意を強制するな!」「私の心を動員するな!」「「国葬」よりコロナ対策!」「「国葬」より物価対策!」などのコールを響かせ、通行人や商店の方もいっしょに唱和しました。
「国葬」が予定される九月二十七日は、▽憲法共同センターは各地で行動、神戸では十二時から神戸大丸前でスタンディング、▽市民デモHYOGOは十三時から三宮マルイ前で宣伝を行います。
〔小林明男〕

(兵庫民報2022年9月25日付)14:30

兵庫革新懇が県知事と教育長に申し入れ:「国葬」への知事参列、県民への弔意強要はしないよう


兵庫革新懇は九月十六日、齋藤元彦兵庫県知事と藤原俊平兵庫県教育長へ「国葬」に関する申し入れを行いました。
段野太一代表世話人が「私たちは、県民・市民の声を日常的に聞いて活動しています。その声にもとづいて今日は申し入れます」と切り出し、「「国葬」を強行することは、国民を分断することになるだけに今からでも中止すべきだと考えています」と主張。「国葬」が手続き的にも、憲法上も、政治的な面でも大きな問題があると具体的に問題点を指摘し、県知事に対し、
①政府に対し、「国葬」中止を求める県民の声を届けること、
②知事並びに県職員の公費を使用しての参列は一切行わないこと、「国葬」に関して公費の支出を行わないこと、
③県行政機関、県民に弔意を示す黙禱、半旗の掲揚など強制しないこと、
――を求めました。
教育長には、
①教育機関、県民・生徒・教職員に黙禱、半旗の掲揚などを強制しないこと、
――を求めました。
対応した小倉陽子総務部総務課長は、「知事は、反対の方の意見をよく承知している」と述べつつ、県を代表して「国葬」に公費で参列すること、県庁舎・県公館・総合庁舎など約六十カ所に半旗を掲揚することは固執しましたが、「県職員・県民に黙禱は求めない」と述べました。
また、山野慎一県教育委員会総務部副課長は、県立学校及び市町の教育委員会に対して、「国葬」対応について通知は発出しないと述べました。
県民の声や運動が県政に大きな影響を与えていることと共に、更に中止を求める運動の重要性を痛感する申し入れでした。
〔樫村庸一=兵庫革新懇〕

(兵庫民報2022年9月25日付)13:00

文化後援会が秋の文化の集い(10月10日)


日本共産党文化後援会が十月十日(月・祝)に「二〇二二年秋の文化の集い」を開きます。推理小説作家の芦辺拓さんが「探偵小説だからこそ書ける真実」と題して講演します。また、広瀬一葉さんがピアノでムソルグスキーやショパンの作品などを演奏します。会場は兵庫県立中央労働センター大ホール、十三時三十分開会。協力券千円(当日千三百円)。☎090・9546・9118(濱本)

(兵庫民報2022年9月25日付)14:00

大学誘致ではなく、王子公園・動物園の充実を:署名第2弾リスタート集会

報告する味口としゆき市議

九月十七日、「みんなの王子公園&動物園の会」は、「大学誘致ではなく、王子公園・動物園の充実を求める第二弾署名リスタート集会」を王子動物園ホールで開催しました。集会には、約百三十人が参加しました。
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はじめに、会の代表である野中裕史さんが経過報告を行いました。
王子公園内に大学を誘致、遊園地を廃止して、立体駐車場を設置し、プールやテニスコート、サブグラウンドを廃止するという神戸市の王子公園再整備計画(素案)に対し、千五百通を超えるパブリックコメントが寄せられ、会で呼びかけた署名も四万七千人分まで到達したことを紹介。
「こうした取り組みにより、神戸市の計画修正素案では、遊園地は存続させるなど押し戻したのは成果です。しかし、肝心の大学誘致については、神戸市は固執。新しい署名では、大学誘致計画の撤回を求めたものにしています。ぜひご協力をお願いしたい」と訴えました。
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味口としゆき神戸市議は、神戸市が十五日に公表した王子公園再整備基本方針(修正素案)など、神戸市や神戸市議会などの動きについて報告しました。
「修正素案は、遊園地の存続、大学敷地を四ヘクタールから、三・五ヘクタールに若干縮小するなどの変化はあるが、とにかく大学誘致には固執しており、そういう点では、市民の意見を反映させたものになっていない」と指摘。
「再整備の五つの基本目標の二番目に大学誘致をもってきて、三番目に王子動物園の魅力向上を掲げるが、動物園の敷地はいっさいひろげません。公園とスポーツ施設の魅力向上というが、実際には、プールを廃止し、テニスコート、サブグラウンドは縮小、廃止するなど、魅力向上とは逆行。阪神・淡路大震災のときに防災拠点化していたメインスタジアムも移転・縮小させるのに、広域防災拠点の機能強化といっても、なんら保障はない」と計画の実態を報告しました。
そして、「動物よりも、大学誘致のことしか頭にない久元市長に対し、みなさんが集めようとしている大学誘致撤回を求める署名を集めることは大きな力になります。一緒にがんばりましょう」と呼びかけました。
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全体討論では、十六人が発言。再整備計画修正素案で、再整備の対象になっている登山研修所の関係者は、「一九六四年につくられた私たちの建物は、横が岸壁となっている、全国どこを探してもない近代登山の夜明けを告げる文化的な価値のある建物になっている。久元市長が、昨年十二月に来たときは「この建物は残しますよ」といっていた。しかし、今回の修正素案では、現在の建物を潰して、スポーツ施設に集約すると決まったという。本当に憤りを感じる」と訴えました。神宮外苑再整備に反対する運動を進めている東京からの参加者は、「東京でも、王子公園・動物園を守ろうというみなさんの運動は注目されていて、私もこの集会のためにやってきました。公園の再整備など全国で問題になっている。ぜひみなさんの運動とコラボなどしていきたい」と述べました。
「土がやさしいサブグラウンドは残してほしい」「緑豊かないまの王子公園は、このままにしておいてほしい」「大学や立体駐車場などの建設は、既存施設を廃止するだけでなく、高層建築となり、景観をも壊してしまう」など、王子公園への思いなどが語られました。
また、「署名を全戸訪問で集めている」「SNSなどを活用し、もっと若者世代の目に触れる取り組みにもしてほしい」など、取り組みへの意見や要望も寄せられました。
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最後に会事務局長の門屋史明(筆者)が、①大学誘致でなく、王子公園、動物園の充実を求める第二弾署名(紙、オンライン)を五万人分集めよう、②修正素案へのパブコメ(九月二十七日~十月二十六日)を前回を超える三千人規模で神戸市に届けよう、③王子公園再整備計画が議論される神戸市議会の傍聴などで市民の監視を強めよう―などの行動提起を行い、SNSで取り組みなどを発信することも呼びかけました。
〔門屋史明=同会〕

オンライン署名(Chage.org)はこちらで→https://bit.ly/3QQfCU2 

(兵庫民報2022年9月25日付)13:30

地域医療構想ノー 住民の命守り老後を支える地域の中核病院を守り充実させよう:JCHO神戸中央病院の充実を求める会が第4回総会

来賓挨拶をする朝倉えつ子市議

JCHO神戸中央病院の充実を求める会は九月十七日、神戸市北区すずらんホール多目的室で第四回総会を開催しました。
総会は、経過報告、会計報告、行動計画と松浦勝会長(新)、門脇操事務局長ほか十四人の新役員を選出しました。
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記念講演では「コロナ禍の医療現場とJCHO病院の役割」と題して全JCHO労組前書記長・大島賢氏が講演。独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の組織的特質を解説。住民に開かれた組織であることを強調しました。地域住民にかけがえのない公的病院として神戸中央病院に住民の声や要求を届けて病院のいっそうの充実を求めていきましょうと述べました。
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来賓挨拶では、済生会兵庫県病院の存続と充実を求める会の浜本宏代表が、「神戸と三田両市民の反対にもかかわらず三田市民病院と済生会兵庫県病院の統廃合を強行しようとしていることは許せない。神戸市内に新三田市民病院建設の噂に両市民から怒りの声が上がっている。コロナ禍で地域の中核病院の重要性が浮き彫りになっている」と述べました。
日本共産党の朝倉えつ子神戸市議も来賓挨拶で、神戸市と三田両市長の会談内容を質問したが議事録がないのでわからないとの対応だったことを報告・批判し、神戸市がコロナ対応で重傷者中心に偏っているとも批判。JCHO神戸中央病院の充実を求める会の発展を期待するとともに、神戸市の国の方針から一歩も出ない姿勢が市民のコロナ死を増やしていると指摘し、追及を強めたいと述べました。
〔同会役員M〕

(兵庫民報2022年9月25日付)12:30

日本共産党芦屋市議団予算要求、「国葬」問題などで市長・教育長に申し入れ

伊藤舞芦屋市長(左)に予算要求書などを手渡す日本共産党市議団
(左から、平野貞雄、ひろせ久美子、川島あゆみ)

日本共産党芦屋市議団はこのほど、二〇二三年度予算要求等で伊藤舞市長ならびに福岡憲助教育長に申し入れを行いました。
例年、党芦屋市委員会(木野下章委員長)と連名で提出している来年度予算要求書については、「新自由主義からの脱却」「「市民が主役」を貫く」など基本的についての重点要求五項目と、くらし・福祉や教育、防災、まちづくりなど百九十九項目について実施・実現を求めています。
また、コロナ禍に入って以降、これまで数度にわたって提出してきた申し入れや要望書の内容を前提に、現時点で求められる生活支援等についての要望書も併せて提出し、市長、教育長とそれぞれ懇談しました。
市長からは、コロナ禍の下での国の生活支援のあり方などについての問題意識も示され、教育長からも党の申し入れに対する率直な意見も示されるなど、なごやかに懇談しました。
同市議団は、今回の申し入れに先立って八月末に「「国葬」にあたって、公的施設での半旗掲揚や記帳所の設置を行わず、学校等にも求めないこと」や市民に黙禱等の弔意を求めないことなど三点にわたる「「国葬」に関わる申し入れ」も市長、教育長に提出し懇談しています。
〔平野貞雄=芦屋市議〕


(兵庫民報2022年9月25日付)12:00

日本初の「労働者劇団」が神戸で生まれた:★新連載「兵庫県、日本共産党誕生期を探求する――労働者、市民の活動」〈1〉

「神戸劇場」の位置:新開地二丁目の聚楽館跡地角にある新開地駅エレベーター棟の壁面に掲げられている復元図。その写真の上に白縁文字で説明を載せました。(編集部)
 
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部企画
日本共産党創立百年を記念して治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部は、「兵庫県、日本共産党誕生期を探求する」の連載を開始します。(月一回、全六回の予定)
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今回の連載は、一九二一年の川崎・三菱大争議の二年前、日本で初めて、神戸・新開地で開催された「労働劇団」の紹介からスタートして、一九二六年一月の兵庫県での日本共産党細胞(党支部)設立前後の労働者、市民の活動をとりあげていきます。
昨年の連載「川崎・三菱大争議百周年、民主主義の日本めざして」(注)の続編にあたります。

日本初の「労働者劇団」が神戸で生まれた

神戸・劇団どろ代表 合田 幸平

サボタージュ闘争の結果

一九一八年・大正七年八月「川崎造船所サボタージュ闘争」が解決し、「八時間労働制」が実施され、平均十一時間五十九分だった労働時間が九時間五十五分に減少、賃金も一・三七倍に上がり、職工たちの余暇がすこしは増えた。「友愛会」の久留弘三は組合員の教育に力を入れ、未組織の労働者へのPRや文化的な働きかけを強めていこうとしていた。そんな中、日本最初の労働劇団が誕生した。
「社会運動と芸術運動が並行して発展しなければ、真の改革ができるはずがない」という強い信念で労働者のための労働劇団を作りたいと活動を開始していた東京の平沢計七と久留氏は、連携を取っていたいきさつがあった。
神戸の友愛会の会合などで以前から「自分たちだけで芝居をやってみよう」という意見が出ていた。就業時間が減り、早く家に帰れるようになったのを機会に、「労働劇をやってこましたろやないか」といった声が川崎造船所の電気工作部の一部から起こった。その中心人物は、同工作部の青柿善一郎の下でサボタージュの時も活躍した丹崎永一(勉)だった。丹崎はそれを久留氏に伝え、新国劇のファンでもあった彼は、毎日新聞神戸支局の村嶋帰之氏に相談、新国劇の沢田正二郎の指導を受けるという話まで進んだ。沢田も大乗り気だったが、この計画は日程の都合で実現しなかった。しかし稽古は造船所の仕事が終わってから神戸の山手の民家で毎夜のように行われた。

新開地・神戸劇場で

そして一九一九年・大正八年の四月十七日、荒田町の宝福座で試演をした後、五月十日から三日間、新開地の神戸劇場(聚楽館の南向かい、小料理屋の横)で華々しく開演した。
(木村和世『路地裏の社会史―大阪毎日新聞記者 村嶋歸之の軌跡』〈昭和堂、2007〉)

観客は造船所の職工がほとんどで、満席。出しものは悲劇『文明の賜』五場、喜劇『労か資か』一場、喜劇『木綿着実行』三場で、労働者の日常茶飯事を扱ったものだった。小道具に旋盤やフライス盤を運んできて舞台でそれを運転した。本物の職工、本物の機械だから真に迫るのは当たり前、客席は「しっかりやれー」や「削り過ぎたらあかんでー」という声援が飛び交うなど大騒ぎになった。
労働者による労働者のための労働劇はこうして大好評で神戸の初演を打ち上げ、加古川、姫路などへ持ってまわった。
昼間働いていた労働者が夜の余暇を利用して劇団活動を行うという試みは、「舞台と観客席が一つに融けあうことのできた」という意味において「一応の成功であった」と毎日新聞記者の村嶋氏は評価している。「日本最初の労働劇団」は第一回の公演だけで終わった。
労働演劇創始者の平沢計七は、関東大震災の一九二三年九月三日夜、身柄を拘束された亀戸署で騎兵第一旅団 (日本軍)習志野聯隊の兵士たちによって銃剣で刺殺された。いわゆる亀戸事件である。来年がその百周年。彼の創作戯曲『一人と千三百人』は、労働争議を団体交渉まで真正面から描き出した、日本文学における最初の作品。講談社文芸文庫で、平沢の他作品とともに読むことができる。
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労働演劇を現代に引き継ぐ、劇団どろの次回公演は永井愛の傑作喜劇『歌わせたい男たち』。演出・合田幸平で、十月十五日、十六日、新長田小劇場にて行います。詳しくは劇団どろHP(https://gekidan-doro.jimdofree.com/)で。

【注】前回連載は、好評で、パンフレットにまとめ、すでに千冊を超え普及しています。大争議百周年記念の集会もズームでの視聴を含め、好評のうちに成功しました。前回パンフのご注文は、治安維持法国賠同盟兵庫県本部(メール hkokubai@gmail.com)までご連絡をください。


(兵庫民報2022年9月25日付)11:30

日本共産党創立百周年記念講演会への感想から

日本共産党創立百周年記念講演会(九月十七日)の県内での視聴者から寄せられた感想の一部を紹介します。
◎私は一九六〇年、安保闘争を当時組合青年部として闘っている中で、民青に加盟、続いて日本共産党に入党しました。第八回党大会の綱領確定から今日まで、講演の中で強調されたその時々のようすが、年代を追って思い出されました。これからも科学の党としての歴史を学び、頑張っていきたい。
◎「不屈」は私の好きな言葉です。戦前の闘い、沖縄での闘いに心を打たれました。
◎平和とくらしが大変になっている時、市民と野党の共闘、革新懇運動を力に、沖縄勝利を力に、支部とみんなで力をあわせて、強く大きな党をつくっていくことに力を尽くしていきたいと思います。
◎党の百年の歴史、党員のねばり強い活動、戦前の弾圧にも負けない活動が聞けて、すごく感動しました。ソ連共産党や中国共産党の日本共産党への干渉とそれに盲従する分派活動に毅然と対決する姿勢があったからこそ、自民党や他の党からの攻撃に耐え、百年活動できたのだと思う。私が学生時代に入党してもうすぐ四十五年になると思いますが、本当によかった。
◎講演は日本共産党の理論的、政治的、組織的成果と現状を分析し、よく理解できた。百年史ということで、路線と政策論だけでなく、党の発展に貢献した人々を登場させたのは良かった。
◎百年の歴史の重みを感じました。どんな困難にも屈せず、その時々にきちんと総括し、前進している党の姿に誇りを感じました。次の百年へ向けて、微力ながら努力していきたい。
◎さまざまなエピソードはリアルに伝わり感銘を受けました。さまざまな人々の偉大な功績が今につながっていることを改めて実感し、身近に感じました。困難ななか正しい道を歩む努力で今があることに感謝の念に堪えません。今、新たな大逆流を押し返す闘いが必要です。力を合わせて頑張ることが大切。みんなと語り合い進んで行こう。

(兵庫民報2022年9月25日付)11:00


学ぶ権利を保障して!:兵庫の学生たちが政府・国会要請行動


日本民主青年同盟兵庫県委員会(上園隆委員長)は昨年十二月から「学生実態アンケート」に取り組み、このほど、結果をまとめました。
兵庫県内の大学で学ぶ学生から寄せられた同アンケートには、「バイトと大学生活の両立ができない」「一日一食、同じものを食べている」「給付金は大学生全員に配って欲しかった」「もっと学生に予算を使って」など、窮状や切実な願いが書かれています。
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これらの声を受け、八人の学生代表が九月十四日に上京し、文部科学省と国会議員にそれぞれ要請を行いました。
要請内容は次の通りです。
①大学の学費を値下げしてください。将来的に無償化、早急に半額にしてください。
②給付型奨学金を拡充してください。
③学生等の学びを継続するための緊急給付金の三回目を、対象を限定せずに実施してください。
④貸与型奨学金の返済を免除してください。
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要請行動に参加した学生は「コロナに加えて物価高騰で生活自体が大変」「学費が高すぎると進学を諦めた友人がいる」「留学したいけれど費用が工面できないと諦めている」「学費のためのバイトで体を壊し成績が落ちて奨学金申請も通らない。辞めろと言われているに等しい」など切実な実態を訴えました。
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学生たちとの懇談に、日本共産党からは(写真下の右から)山下よしき参議院議員・党副委員長、宮本たけし衆議院議員、吉良よし子参議院議員が出席、「皆さんのお話に胸が痛いです。生きづらい社会にしたのは、政治の責任だと痛感しています。力を合わせて未来を切り開きたい」「高等教育無償化は国際公約です。早期実現を求めてがんばります」「入学金廃止もあわせて追及したい」などと応じました。
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文科省要請には、宮本衆院議員が同席しました。学生たちは、いさか信彦衆院議員(立憲)も訪ね、懇談しました。
〔金田峰生〕

(兵庫民報2022年9月25日付)10:30

兵庫山河の会 〈九月〉

いつまでも庭にたたずむ垂乳根よもう眠りませ四度目の夏
 山下洋美

現在の日本を語る容疑者の男ざかりの幼な面持ち
 石井敏子

公園の放りおかれしボール蹴るうまく木陰に入りて休まる
 山下正弘

あの夏の日から三年あの方の好きなお店で思い出語る
(八月八日安武ひろ子さんの命日)
 塩谷凉子

目が泳ぐ萩生田さんの会見は危うい日本白日のもと
 山下 勇

夏帽は六甲山を思いだすイノシシと風吹き岩で綱引きしたね
 古谷さだよ

油照りの一日乗り越え縁先でかすかな海風生き伸びました
 山下直子

庭の木に蜂の巣見つけ落としたり一件落着胸なでおろす
 鵜尾和代

国葬は酷葬と揶揄しせり世界の良識見捨てる日本
 岸本 守

アベ賛辞バカな本が山積みの本屋の前で深呼吸する
 大中 肇

十三で逝きし従兄の青春は訪れぬまま卒寿となりぬ
(爆心地三百メートル、建物疎開の作業中被爆 行方不明)
 西澤 愼

百均の店に手にする物に問う つくらるる仕組み流通の背景
 古賀悦子

(兵庫民報2022年9月25日付)10:00


強制連行・強制労働による中国人犠牲者を慰霊する集い:日中友好協会兵庫県連合会


アジア太平洋戦争の末期、日本政府は国内の労働力不足を補うため国策により中国大陸から中国人を強制連行し国内百三十五事業所で苛酷な労働を強いて全国で六千八百三十四人、兵庫県内で四十五人が亡くなっています。
日中友好協会兵庫県連合会は九月十一日、神戸市兵庫区の宝地院で二十四回目の慰霊の集いを開催し、読経と焼香を行い犠牲者を追悼しました(写真)。
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兵庫県内への強制連行は、神戸港へは一九四三年から一九四四年に九百九十六人、相生の播磨造船所へは四百九十人が連行され、港湾荷役や造船所の雑役工として強制使役され、神戸港で十七人、相生の造船所で二十八人が亡くなっています。
一九五〇年に日中友好協会が創立され全国で強制連行の実態調査と遺骨送還運動に取り組みました。遺骨送還は一九五三年の第一次から一九五八年の第八次まで続き、兵庫県では一九五七年十月の殉難中国人慰霊祭の翌年に当時の宝地院住職と日中友好協会神戸支部役員の二氏が相生の市営墓地に埋葬されていた遺骨三柱を中国へ持参しました。
中国人宿舎三カ所の一つで宇治川商店街東にあった戎井旅館の主人戎井隆寿さんは生前、当時の状況について語っています。
「軍の命令で私が経営する旅館が捕虜収容所として徴発されました。木造三階建て、部屋数五十、命令がくるとすぐ建具、畳等全部取り払われ、床にむしろを敷き、空家同然の状態で中国人捕虜三百人程が入り憲兵隊の監視下に入りました。その待遇は目に余るもので、食事となればひどいものでした。捕虜への給食を日本人監視員がピンハネし彼らは一層空腹にさいなまれ青白い顔でガタガタ震えていました。就寝時も布団はなく藁むしろの上にごろ寝しドンゴロスやアンぺラ類をかぶり過ごしていました。昼間の荷役労働の厳しさと十分な睡眠、食事が取れないことから日々体力は弱り、病気も出て動くのも大儀そうでした。やがて病気で死ぬ者もありました。監視員は容赦なく牛馬のようにムチでヒッパタクので仲間に支えられ港湾へ出ていく病人も増えてきました。衛生状態が悪く、風呂に入れないので体臭は実にものすごく近隣の人から苦情が出るほどで私たちで何ともすることができません」――
神戸港での犠牲者の遺骨は今も所在がわかっていません。
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慰霊する集いは犠牲者追悼のあと同寺地階集会所でセミドキュメンタリー映画『私はシベリアの捕虜だった』を見ました。〔上田雅美=日中友好協会県連〕

(兵庫民報2022年9月25日付)9:30

観感楽学「総合的に判断」


国会閉会中の衆議院運営委員会で安倍元首相「国葬」問題での質疑が交わされた。日本共産党の塩川議員が「「国葬」は統一協会の活動を是認することになる」と問いただしたのに対し、岸田首相から出てきたのは「総合的に勘案し、政府として適切に判断していく」という答弁であった▼その「国葬」に齋藤兵庫県知事は公費で出席し、県関係の施設は弔旗を掲揚するというので県革新懇は十六日、それらの中止を求め兵庫県と懇談の場を持った。その際に当局から「総合的に判断した」という言葉が出てきた。そこに参加していた筆者はおもわず「ブルータスよ、お前もか」とノートにメモしてしまった▼「総合的判断」なるものは国民にとって不利益なことと政権が自覚している施策を進めるとき、それを押し通すための煙幕ことばである。だから岸田政権下でもしょっちゅう使われている。しかし「国葬」に異議を唱える人々がますます増えているのは煙幕の向こうの正体に気づいているからだ▼ところで十六日の懇談に同席していた県教育委員会事務局からはこんな説明があった。「県教委からは県立学校にも市町教委にも「国葬」に関わっては何らの通知も出さない」。いま様々な分野や地域からの声がこの破廉恥な「国家的行事」を追いつめている。(T)

(兵庫民報2022年9月25日付)9:00