Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2022年8月21日日曜日

原水爆禁止世界大会:兵庫から75人が広島大会に、オンラインは県内44カ所で

「広島宣言」採択

原水爆禁止二〇二二年世界大会は、三年ぶりの現地開催とオンライン参加の「ハイブリッド」式で行われました。世界が直面している核大国による国連憲章違反の戦争と核兵器使用の重大な危機を打開し、「核兵器のない平和で公正な世界」を切り開く世界大会は、四日に広島からスタートし延べ四千人が参加。四千三百カ所でオンライン視聴されました(主催者発表)。兵庫県からは、七十五人が広島大会に参加、オンライン参加が四十四カ所、約二百五十人となりました(集計中)。

兵庫県原水協のオンライン試聴会

八月六日の兵庫県原水協の視聴会には十四人が参加し、広島大会での国内外の代表の報告、冨田宏治・世界大会起草委委員長(関西学院大学教授)の提案する「広島宣言」などに聞き入りました。現地会場で、一万本を越える「平和行進ペナント」を掲げて「広島宣言」の採択が行われると、オンライン会場でも拍手で応えていました。中央区原水協の渡部昌武事務局長は「コロナ禍の制約がある中、全国から結集して採択した「広島宣言」を全力で実践したい」と決意を語っていました。
兵庫県では尼崎市、西宮市、姫路市、但馬など十二地域原水協が集団視聴会を行ったのをはじめ、各地の民商、新日本婦人の会の各支部でも視聴会が行われました。
小村潤さん(日本共産党兵庫県国政委員長)は、長崎大会に参加し、現地で行われたナガサキデー行動で、海外代表らとともに訴えました。

長崎の商店街で署名を訴える小村さん

兵庫県原水協は、九月三日に、世界大会報告会・交流会を行い、「広島宣言」の実践をすすめることにしています。
〔梶本修史=兵庫県原水協〕

(兵庫民報2022年8月21日付)14:30

核兵器のない世界へ:原水爆禁止世界大会に参加して:古澤佑貴さん、KAさん、小村潤さん

長崎大会会場で海外代表らとともに(右から3人目が小村潤さん)

古澤佑貴さん(兵庫民主医療機関連合会)

今回の原水爆禁止世界大会は、「衝撃」を感じる世界大会だった。三年ぶりのオンラインを交えたハイブリッドで開催され、三日間で現地では千六百名以上、オンラインでは千八百カ所以上と全世界から注目された大会だったと感じた。
そして私自身も核兵器・放射能の恐ろしさ、平和の大切さを再認識する大会になった。日本では、広島・長崎に落とされた核兵器による被ばくに苦しむ方の戦いが今でも続いていること。同じ放射能に苦しむ福島の原発事故。世界でもアメリカの水爆実験による被害に苦しむ人たち。だが核兵器・放射能に苦しんでいる人が救われない現状に虚しさと怒りを感じた。そして現在もロシアによるウクライナ侵略戦争で核兵器が使用されるかもしれない現状に恐怖を覚えた。
また「黒い雨被爆者の証言」「米国の原爆投下の責任を考える」分科会では、戦後七十七年経った今でも原爆症認定がされず、後遺症に苦しんでいる方が大勢いること。そして原爆投下の責任のある日本・アメリカの誠意のない対応が被爆者をより苦しめている状況に憤りを感じた。
日本の核兵器禁止条約・核不拡散条約の姿勢を聞いた中学生からは「どうして核兵器を使用された日本が核兵器禁止条約に賛成しないのか」と感想があり、若い世代が日本政府の姿勢に素直に疑問を感じたことは嬉しく感じた。
大量殺戮・地球破壊兵器である核兵器が一つでも世界にある限り、真の平和が訪れないこと。また核兵器がなくなっても原発がある限り放射能の恐怖はなくならないこと。そのことを日本の仲間と全世界の仲間と共有できたことは、今後の活動していく大きな力になったと思う。

KAさん(学生)

原水爆禁止世界大会で印象に残った発言を紹介します。ベルギー「平和」グループのルド・デ・ブラバンデル氏は、NATO(北大西洋条約機構)がTPNW(核兵器禁止条約)に反対するのは、核戦略での政治的結束を脅かすためであると述べ、続けて「NATOは軍備管理、軍縮、不拡散に取り組んでいるが、核兵器が存在する限りNATOは核同盟にとどまるであろう」というNATOの主張を紹介しました。
私にはこの主張が腑に落ちました。核の非人道性、残虐性は万人に共通の理解であるとしても、核抑止を唱える者たちがなお核と訣別できないのは、核をめぐる態度によって同盟がつくられ、そのもとで外交や経済が切り離せなくなっているためであり、為政者たちは核の善悪を論じる前に、核を議論に据えた国家間の協力関係を断ち切れない事情があると感じました。
個々人の為政者が腹のなかで核の抑止を本当に信じているか否かは私の存するところではありませんが、私には彼らは核以上に核同盟に甘んじているように見えます。被爆者の思いなど馬耳東風、国家間の利権が先行しています。
この軍事利権のもとでの団結を崩すには、軍事に代わる協力の枠組みが必要です。武器ではなく対話での外交の場として、OSCE(欧州安全保障協力機構)やASEAN(東南アジア諸国連合)をこそ発展させるべきです。
それをすすめるのは市民の声にほかなりません。当事者の思いが結集するこの大会に、核抑止を掲げる為政者たちは目を背けてはなりません。

小村潤さん(日本共産党兵庫県国政委員長)

原水爆禁止二〇二二年世界大会ナガサキデー集会に兵庫県原水協チームとして参加しました。
長崎の原子爆弾落下中心碑を訪ねる小村さん

九日の長崎会場で開会前に海外代表の皆さんと記念写真。海外の方との交流が久々でドキドキしました。こんな時のために英語の名刺も必要だな、とか、英会話が出てこなくてインドネシア語ばかり頭に浮かんできたり、と課題山積です。
海外代表の報告は「核兵器の非人道性と、核廃絶を地道に訴え続け、核兵器禁止条約実現の道を拓いてきたのは、ヒバクシャの皆さんと、平和を願う世界の市民である」ということを実感するものでした。「軍事拡大を優先し、人間のニーズを犠牲にする政策ばかり。その巨費があればどれだけの病人、赤ん坊、女性、貧困などを救えるか。政府の優先順位の転換を」との訴えは万国共通なんだと確信しました。
NPT再検討会議から帰国した笠井議員も報告にかけつけました。「フィジー代表がNPT第六条(すべての締約国に核軍備縮小撤廃の交渉を行なうよう義務付け)が肝心!と訴えた直後、岸田首相は六条にも核禁条約にも言及せず、後の米国ブリンケン国務長官は日本の岸田首相のスピーチは素晴らしかったと、もてはやす始末」という話が印象的でした。
集会後、商店街での署名運動にも参加。学生さんや女性達が「絶対に戦争はイヤ」と署名する様子を見て、戦争で犠牲となるのは若い人や女性であり、差別や破壊、暴力は絶対に嫌だと声を上げる中心的存在だと確信しました。貴重な体験をさせていただき、今後も平和実現のために頑張る力をもらいました。

(兵庫民報2022年8月21日付)14:00

日本共産党兵庫県委員会事務所大規模改修募金に引き続きご協力を

日本共産党兵庫県委員会は、党創立百周年記念事業として、県事務所(神戸市兵庫区新開地三丁目四―二十)を大規模改修する計画で、現在、「事務所改修募金第一次集中期間」(七月十五日~八月末日)に取り組んでいます。
この間、「平和と国民の暮らしを守る活動のための大切な拠点です。立派な事務所ができますように」「改憲阻止、コロナ克服、すみよい兵庫、日本をめざしがんばりましょう」「政党助成金を受け取っていない貴党の呼びかけなのでお応えしたい」「野党共闘の要と共に、県民のオアシスにもなって」などの声と共に、約三千二百万円の募金が寄せられています。ありがとうございます。
改修費用総額一億六千万円のうち、今回の集中期間中に五千万円を突破したいと、取り組みを広げています。
引き続きのご協力を、なにとぞ、よろしくお願いします。

ご送金は郵便振込で

口座番号 00960‐7‐222575
加入者名 日本共産党兵庫県委員会
住所、氏名、職業を忘れずご記入下さい。

(兵庫民報2022年8月21日付)13:30


高砂市議選8月28日告示・9月4日投票:さかべ・大西両市議の再選へ全力


高砂市議選(定数十九)は八月二十八日告示・九月四日投票で行われます。日本共産党は、さかべ勝彦・大西ゆき両市議の再選をめざします。
さかべ・大西両議員はこの間、中学校給食、小中学校普通教室へのエアコン設置、中学校女子トイレへの生理用品設置、手話言語条例制定、「生活保護のしおり」改善、中小事業者事業継続支援給付補助金支給など、市民と力をあわせて実現してきました。
今回の市議選にむけては「市政アンケート」をもとに、▽コロナ危機から市民の暮らしと中小業者の営業を守る給付・補償をすすめる▽住宅・店舗リフォーム助成制度▽高砂市民病院の公立・公営を守り医療の充実をはかる▽国民健康保険の保険料引き下げ、子どもの均等割撤廃、減免制度拡充▽子育て支援とともに「子どもの権利条約」を大切にした教育▽給食費無償化▽浸水対策など災害に強い街づくり▽公共交通の充実▽ジェンダー平等――などの政策を掲げるとともに、「外交による平和」「やさしく強い経済」へ高砂市から声をあげていくと述べ、「平和・命・くらし第一の市政」へ日本共産党の二議席をかならずと訴えています。

(兵庫民報2022年8月21日付)13:00

9条生かした外交努力で平和を:77年目の終戦記念日に日本共産党が宣伝


日本共産党兵庫県委員会は日本による侵略戦争と植民地支配によりアジア・太平洋地域で二千万人以上、日本で三百万人以上の命を奪った戦争が終結して七十七年の八月十五日、元町駅前で宣伝を行い、清水ただし前衆院議員、小村潤兵庫県国政委員長、松田隆彦県委員長が訴えました。青年二人もビラ配布を行いました。
*
松田委員長は、終戦の年には神戸も何度も米軍の大空襲にみまわれ、遺体が線路上に累々と並べられたこともあげ、二度と戦争の惨禍を起こさないために、軍事には軍事をと緊張を高めるのではなく、憲法九条を生かした外交の実現でこそ、戦争犠牲者の思いに応える道だと訴えました。
*
小村さんは、戦後三十年の八月十五日に生まれたと自己紹介。原水爆禁止世界大会の長崎大会に参加したこと、ことしの世界大会が核兵器を本当にこの世の中から一日も早く無くしていくことを確認するすばらしい大会になったと報告しました。
また、日本共産党が日本原水協の一員として国会議員を派遣した核不拡散条約再検討会議も、核兵器を持つ国も持たない国も、核兵器廃絶、軍備縮小へ動き出さなくてはならないということを確認する場になったと述べました。
しかし、いくつかの核大国と「核の傘」に入っている日本が、核兵器禁止条約にも、戦争をなくそう・核兵器をなくそうという世界の流れにも背を向けていることについて小村さんは「悔しくてたまらない」と訴え、終戦記念日を機に、平和の実現へいっしょに考えていこうと道行く市民に呼びかけました。
そして、憲法九条を生かしていくこと、核兵器禁止条約に参加する日本をつくることを力一杯頑張る決意を表明しました。
*
清水さんは、もう二度と戦争を起こしてはならないと制定されたのが日本国憲法であり、国連憲章より優れた平和への誓いだと多くに人々から認められていると指摘しました。
また、日本共産党は戦前戦後、戦争反対、自由と民主主義を守れと一貫してたたかってきたことも紹介しました。
さらに、ロシアによるウクライナ侵略に乗じて自民党や維新の会が軍事費倍加を主張していることについては、清水さんは、日本の軍事費は現在でも世界第九位、ミリタリーランキングでは世界第五位であり、自民・維新のいうようにGDP二%にすれば、米中に次ぐ第三位の軍事費になると指摘し、戦争放棄の憲法九条を持つ日本が世界第三位の軍事力をもつことは大きな矛盾だと、軍事費拡大の動きを強く批判しました。
軍事対軍事では平和をつくることはできないというのが歴史の教訓だと指摘し、ではどうやって日本の平和をつくるのかについては、外交努力でしかつくれないと世論調査でも多くの人が思っていることをあげ、憲法九条を生かすことを力説しました。

(兵庫民報2022年8月21日付)12:30

日本共産党国鉄後援会が交流会:政治を変える共同、労働運動破壊とたたかってきた到達点に確信持って

挨拶する本田会長

日本共産党兵庫県国鉄後援会の交流会が八月七日に開かれました。
本田信幸後援会会長が挨拶――加古川市議選に私たちの仲間の橋本和彦さんが立候補を直前に決意した、この決意を生かして勝利しようと国鉄後援会として応援、奮闘して立花俊治市議とともに二人の勝利を勝ち取れた。続く参院選でも日本共産党の比例五議席確保・選挙区のこむら潤さん勝利に奮闘したが日本共産党は残念ながら後退し、改憲勢力が三分の二の議席を取った。国政選挙はしばらくない。しかし来年統一地方選がある。ここで巻き返し日本共産党の躍進へ頑張りたい。今日は情勢学習もして交流してこのたたかいへ決意をかためよう――と訴えました。
橋本和彦加古川市議が、選挙の勝利は六十人以上も支援に駆けつける国鉄後援会の奮闘なしにはなかったとお礼を述べ、市議会では三人以上でないと会派とされず悔しい思いをしているが、次に向けて頑張りたいと決意表明し、当面する高砂市議選への支援を訴えました。
情勢学習として小林明男党県常任委員が「六中総」をもとに参院選がどういう情勢のもとでたたかわれたか、次の勝利をどう切り開くかについて語りました。小林氏は、戦後の国鉄労働組合への支配者の攻撃の歴史も振り返りながら、政治を変える共同、労働運動破壊とたたかってきた到達点に確信を持って、今の後援会活動をさらに発展させようと期待を語りました。
その後、参加者で質疑や交流を楽しく行い、決意を固めあいました。
〔小林明男〕

(兵庫民報2022年8月21日付)12:00

亀井洋示「列島総疑問」


(兵庫民報2022年8月21日付)11:30

#国葬に反対します! 昼休みスタンディング


安倍元首相の国葬に反対するスタンディング行動が八月九日、神戸大丸前で行われました。
自由法曹団兵庫県支部の吉田維一弁護士、兵庫労連の成山太志議長・土井直樹事務局長、新日本婦人の会兵庫県本部の櫻井文子会長、日本共産党兵庫県委員会の松田隆彦委員長がマイクを握りました。
弁士は、▽「国葬」には法的根拠がなく、立憲主義を逸脱すること、▽税金を投入することは国民に弔意を強いることにもつながり、思想信条の自由を保障する憲法第十九条に反すること▽法のもとの平等を定めた憲法十四条にも違反している――などをあげ、「国葬は現憲法のもとでは行えない、反対の声を神戸からあげていきましょう」と訴えました。
*
昼休みパレードは特定秘密保護法、安保法制、「共謀罪」の廃止を求め、憲法改悪ストップ兵庫県共同センター、兵庫県憲法会議、自由法曹団兵庫県支部、弁護士九条の会、国民救援会兵庫県本部、安保破棄兵庫県実行委員会、兵庫県平和委員会、原水爆禁止兵庫県協議会が共同で毎月第二火曜日に行ってきました。
今月はコロナ感染急拡大のもと、国葬反対もアピールするスタンディング行動として取り組まれました。
「国葬反対の署名をしたい」という人もあり、「憲法改悪を許さない全国署名」に応じていました。

27日(土)には「国葬に反対する市民デモ」

憲法改悪ストップ兵庫県共同センターと市民デモHYOGOは共催で八月二十七日に「故安倍元首相の国葬に反対する市民デモ」を行います。
十七時三十分から東遊園地南側の新花時計前で集会、その後十八時から東遊園地~三宮センター街~元町駅東口へとデモをおこないます。雨天決行。

(兵庫民報2022年8月21日付)11:00

『わが青春つきるとも』芦屋上映会に110人


映画『わが青春つきるとも――伊藤千代子の生涯』の上映会を八月七日に芦屋で行い、百十人を超える参加がありました。
芦屋母親連絡会、芦屋平和委員会、新日本婦人の会芦屋支部、全日本年金者組合芦屋支部、民主文学阪神支部の五団体による実行委員会の主催でした。
参加者からは「観たくない映画でしたが…やっぱり観るべき作品でした」「大学の同窓会から卒業生を描いた映画が上映されると案内が来ましたが(中略)観ることができず残念に思っておりましたところ、市の掲示板でみつけてとてもうれしく思いました」「こんな方がいらっしゃったと初めて知りました。素晴らしい映画でした」「本当に命がけで闘っていたのですね。とても感動しました。共産党はこうして培われてきたのですね」「二度と戦時中のような時代をくりかえさないため、がんばりたい」などの感想が寄せられました。
(平野貞雄=芦屋上映実行委員会)

(兵庫民報2022年8月21日付)10:30

神戸映画サークル協議会8月例会『クーリエ――最高機密の運び屋』


二〇一六年アメリカ大統領選後、この映画の脚本家トム・オコーナーは米ソ間の諜報活動の歴史に興味を持ち、様々な文献を読む過程で英国とソビエトにおいて政府の最高機密をやり取りする二人の存在を知り、その事がこの映画『クーリエ』の脚本を書くきっかけになったという。
映画は一九六二年秋に世界を震撼させた「キューバ危機」を防ぐ事に奔走した英国セールスマンとソ連高官のやり取りをサスペンスタッチで描いた緊張感あふれる作品。
キューバ危機を起こした両国指導者は、一九六三年にアメリカ大統領ケネディが暗殺され、ソ連の指導者フルシチョフも一九六四年に失脚しました。
〔松本正憲=神戸映画サークル協議会〕

『クーリエ:最高機密の運び屋』

監督:ドミニク・クック、出演:ベネディクト・カンバーバッチ/2021年/イギリス・アメリカ/112分/8月27日(土)①11時30分②14時30分③18時/兵庫県民会館9階けんみんホール/★金曜日の上映はありません。会場も変わっています/一般1,300円/Tel 078-371-8550、Email kcc1950@kobe-eisa.com/URL http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2022年8月21日付)10:00

みんぽう川柳〈七月〉「励む」 選者 島村美津子

特選

外交に励む日本を作ろうよ
 宝塚市 白井正登

【評】戦争中のしっぽにいた一老婆からみると、なぜもっと積極的に話し合いの場を持たないのか不思議に思う。
プーチン大統領は言うまでもなくもっぱらに軍事援助に力を注ぐアメリカ、しきりに軍事援助を要求するウクライナ大統領、防衛費を天井知らずに膨らませアメリカ言いなりの日本、「武力による紛争解決を永遠に放棄する」世界に誇るたぐいまれな平和憲法を持った私達の国です、揚句の通りだと痛感させられました。
寄せられた「励む」は皆それぞれ自分に引き寄せて詠まれた句で、人間的な愛おしさを感じさせられました。

入選

五十年励んだ年金下げるなよ
 神戸市 長尾粛正

残業に励んだ末に心病む
 神戸市 中村好孝

励むより励まされる日々多し
 芦屋市 松田良介

リハビリの散歩励ますひまわりよ
 神戸市 小林尚子

老妻に励まされて動きだす
 尼崎市 富田 断

毎日が介護に励む日々となり
 尼崎市 富田明美

ばあば好き孫の一言励まされ
 明石市 上河規江

待ち受けの孫が励ます老いの身を
 神戸市 北河豊治

親の恩おばばになっても励まされ
 稲美町 川島八重子

七波来て予防に励む老い二人
 尼崎市 大野幸雄

今日こそと励んでみたが三千歩
 芦屋市 梶原嘉代子

ここで休めば後が続かぬもう一息
 神戸市 松尾美恵子

がんばりや冷えた麦茶に励まされ
 明石市 小西正剛

励まされ下りの道を一歩ずつ
 神戸市 塩谷凉子

※紙面の都合で載せられなかった句が沢山ありました。それぞれ素敵な句をありがとうございました。

みんぽう川柳募集 ▽八月の題は「金曜日」、締切八月二十六日(金)▽九月の題は「考える」、締切九月二十三日(金)=祝日ですので郵便配達がありません。二十二日までに着くよう早めにご投函ください▽一人二句まで。葉書に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記。葉書のみ受け付け。お体の具合などで投函に出かけられない方はいままでどおりメール・ファクスでけっこうです。

(兵庫民報2022年8月21日付)9:30


観感楽学


三十四年前の八月九日、原水爆禁止世界大会を終え、昼食のために駅前の食堂に入った。頼んだ天婦羅定食のデザートに立派なメロンが出て驚いた。「長崎の日を思い起こしてほしいので八月九日だけのサービス」との説明だった。街頭に出なくてもできる6・9行動だ▼長田区原水協事務局長の岡龍雄さん(元港湾共闘事務局長・故人)は、毎月六日と九日に被爆者募金箱を取り出し、事務所に置くことにこだわった。置きっぱなしでなく、「その日に出すことで、みんなの注目を集め、その日を思い起こしてもらうことが大事」と▼副島まちさん(兵庫県被団協初代会長・故人)がはじめた被爆者のための「一円玉募金」箱も、十数カ所に置かれたが、毎月六日に回収に回ることにこだわった▼四十六年間も毎月の6・9行動を続けた神戸港原水協は、6・9行動の「三つの日」を定式化した―原爆犠牲者の命日・慰霊の日、被爆者の長寿を願う日、原水爆禁止の誓いを新たにする日。「その日」にこだわってその日のことを思い起こすことが大事なのだ▼戦争法、消費税実施、福島原発事故につながる東日本大震災など、「その日」にこだわる行動が、記憶と活動を継承、継続させている。毎月六日、九日の実施にこだわる6・9行動が兵庫県では十七カ所で続いている。(K)

(兵庫民報2022年8月21日付)9:00