兵庫県議会で六月七日、ねりき恵子議員が一般質問に立ちました。
補聴器購入補助
都道府県レベルでは初となる高齢者補聴器購入補助事業について、ねりき議員は、「多くの方から喜ばれているが、募集枠や補助額が不十分。補助額や募集人員の引上げとともに、恒久的な制度とすること」を求めました。
県当局は、モデル事業としては、適正な人員や補助額であること、恒久制度にするには、全国的な課題であることなどから国に求めていくなどと答えました。
病院統廃合
ねりき議員は、総務省が三月二十九日に発表した「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」では、コロナ禍をふまえ公立病院の役割が改めて認識され、これまですすめてきた病院統合・再編ありきではなく、病院を残して支援する方向に軸足を移していると指摘。兵庫県が、これまで全国一位の病院統合・再編すすめてきていることを批判したねりき議員は、「病院の統廃合、病床削減ありきの姿勢を改め、病院を存続させ、連携強化、機能強化を抜本的に支援するべきです」と述べ、六月二日に発表された三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合計画等を見直すことを求めました。
答弁にたった齋藤元彦知事は、ガイドラインが病院間の連携や機能強化を求めていることは認めつつ「現在、計画・検討が進められている病院の再編については、必要と合意されている」として、病院統廃合の撤回を求める姿勢は示しませんでした。
高校統廃合
ねりき議員は、県教委が「県立高等学校教育改革第三次実施計画」で公表している公立高校二十八校を十三校に統合する計画について、生徒数の減少で学級数が減少し、望ましい規模を満たしていないなどを統廃合の理由にあげていることを批判。「統廃合ありきの「計画」は撤回し、知事の公約に従って、教職員を増やし、少人数学級の実現を」と強く求めました。
答弁に立った県教委は、「統合は、望ましい規模を確保し多様な活力ある教育活動を安定的に維持するために行うもの」とし、「計画」の撤回には応じませんでした。少人数学級についても、「国に求める」に留まりました。
平和と核兵器廃絶
ロシアのウクライナ侵略に対してねりき議員は「「ロシアはウクライナから撤退せよ」「国連憲章を守れ」の一点で世界がロシアを包囲し、戦争を終わらせること」を議場から呼びかけました。さらに、県議会が二〇一七年に「世界の恒久平和と核兵器廃絶を希求する兵庫県宣言」を全会一致で決議したことを強調。「国連憲章の立場で憲法九条を生かすことを国へ強く求めること。日本政府は核兵器禁止条約に参加せよと述べるべきです」と齋藤元彦知事に迫りました。
知事は「県民の総意として宣言の趣旨を重く受け止め、平和で安心な兵庫県を受け継いでいくため努力を重ねたい」と答えました。
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ねりき議員は、子ども医療費助成について、所得制限をなくし、十八歳まで完全無償化を行うこと、地元課題としてJR武田尾駅のエレベーター設置などバリアフリー化とトイレ改修、武庫川水系河川整備計画のスピードアップと大堀川改修工事の一日も早い完了等を求めました。
〔門屋史明〕
(兵庫民報2022年6月19日付)15:00