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2022年4月10日日曜日

日本共産党の躍進で命・暮らし第一の政治を

日本共産党兵庫県委員会は、きたる参院選で暮らしと平和を守る日本共産党を躍進させようと、4月4日から5日間の連続宣伝に取り組みました。初日は元町駅東口で通勤・通学の市民に向け、こむら潤兵庫県国政委員長、松田隆彦県委員長らを先頭にハンドマイク・横断幕・チラシ配布で訴えました。

(兵庫民報2022年4月10日付)17:00

たつの市議選迫るなか演説会:堀ゆずる氏が決意

日本共産党西播地区委員会は四月三日、たつの市新宮ふれあい福祉会館に宮本たけし衆院議員を迎え演説会を開催。きたるたつの市議選(四月十七日告示・二十四日投票)、参院選での日本共産党の必勝へ各弁士が熱く訴えました。
堀ゆずる市議は、子どもの医療費無料化や学童保育料の引き下げ、中学校の給食費無料化などを実現したことを報告。引き続き市民要求実現へがんばる決意を述べ、支援を訴えました。
こむら潤参院兵庫選挙区予定候補は、三人の母親として、未来に展望が持てる働き方、やさしく強い経済、ジェンダー平等の視点で一人ひとりが大切にされる社会の実現へ、「安武ひろ子さん、大沢たつみさんにつづいて、参議院へ押し上げてください」と訴えました。
宮本たけし衆院議員は、「ロシアは共産主義」という誤解に対し、ソ連時代から共産主義とは無縁で、ソ連共産党の解体に際し日本共産党は「もろ手をあげて歓迎」したことを紹介。ロシアのウクライナ侵略が国連憲章や国際人道法に違反していること、核兵器先制使用の恫喝を行っていることを告発。平和なウクライナを取り戻すため、世界が力を合わせることを力説し、結党百年、反戦平和を貫いてきた党として、憲法を守り抜く決意を表明しました。
また、日本共産党は「なんでも反対」の党ではないとし、衆院文部科学委員として、国際人権規約に基づき大学を含めた教育の無償化に道を開いたこと、子どもの権利条約に則した校則問題への取り組みなどを紹介。「世論と運動が政治を変える」と強調し、日本共産党への支持を訴えました。
〔岩崎修=党西播地区委員長・相生市議〕

(兵庫民報2022年4月10日付)16:30

町議選せまる佐用町で演説会:金谷・平岡・児玉3氏が決意

日本共産党佐用郡委員会は四月二日、佐用町の南光文化センターで演説会を開催しました。
大門みきし参院議員・比例予定候補、こむら潤参院兵庫選挙区予定候補がロシアのウクライナ侵略に抗議するとともに参院選での党躍進と、四月二十四日投票の佐用町議選で現有三議席の確保をと訴えました。金谷英志、平岡きぬえ、児玉まさよしの三町議が決意を表明、山田謙三元南光町長が挨拶を行い、佐用町民百人余が参加しました。
大門さんは、ロシアのウクライナ侵略を強く批判。プーチン大統領が一番恐れているのは国内外の世論だと述べ「今何より大事なのは、力の論理に陥らず、世界の国々と市民社会が「侵略やめろ」の声を上げ、国際世論でロシアを包囲することだ」と訴えました。
コロナ禍とあいつぐ物価値上げから庶民の生活を守るためにもっとも即効性のある対策は、消費税減税であると指摘。コロナ禍で持続化給付金をはじめ日本共産党の具体的提案が実っていることを紹介し、新自由主義を転換してやさしく強い経済をつくる提案について五つの内容を詳しく説明。北欧の事例を紹介し「女性の社会進出を後押しし、男女の賃金格差をなくした方が経済も発展する」と訴えました。
また、党の地方議員団はどこでも活躍しているが佐用町の議員団ほど数々の住民要求を実現している議員団はないと述べ、「必ず三人を押し上げてほしい」と支援をよびかけました。
こむらさんは、「子どもをもつ母親として九条を守り、かけがえのない命を守りたい」とロシアのウクライナ侵略に厳しく抗議するとともに、「なんとしても兵庫から国会に送ってほしい」と決意を語りました。

(兵庫民報2022年4月10日付)16:00

佐用町議選4月19日告示・24日投票:日本共産党の3議席必ず

佐用町議選(定数十四)は四月十九日告示・四月二十四日投票で行われます。
日本共産党は、金谷英志、平岡きぬえ、児玉まさよしの三現職をたて現有議席確保をめざします。三氏の略歴はつぎのとおりです。

金谷英志
一九五八年生まれ。一九九九年から旧三日月町議二期、二〇〇六年から佐用町議四期目。兵庫県スポーツチャンバラ協会理事。素麺木箱製造加工業。ツイッター:@kanatanieishi
平岡きぬえ
一九五四年生まれ。山崎高校卒。通信教育で保育士資格取得。全国最年少の二十五歳で南光町議に当選(六期)。佐用町議四期目。ツイッター:@hiraokakinue
児玉まさよし
一九四八年生まれ。佐用高校、大阪経済大学経営学部卒。「明るい佐用町をつくる会」会長、平福下町自治会長、平福下町宮総代を歴任。二〇一八年初当選。ツイッター:@kodamamasayoshi

(兵庫民報2022年4月10日付)15:30

日本共産党兵庫県議団:当初予算案などに反対:コロナ禍のもと病床削減、実現性不確かな温暖化対策

日本共産党の庄本えつこ県議は三月三十日、兵庫県議会本会議で五十八議案のうち、二〇二二年度当初予算案など二十六議案に対し反対討論を行いました。
庄本議員は、当初予算案に対し、「新たな行財政運営方針となる「県政改革方針」にもとづき、障害者小規模作業所援護事業、百歳高齢者祝福事業、県民交流バスなど新たに高齢者福祉施策、県民サービスを廃止・見直しする一方、播磨臨海地域道路事業など不要不急の高速道路網の整備をさらにすすめようとしている」と批判。「コロナ禍で医療現場が逼迫しているさなか、二〇二〇年に百二十床、二〇二一年度には三百七十六床の急性期病床を削減、新年度も約二十億円もの予算を確保し、病床削減をすすめることは認められない」としました。
庄本議員は、産業政策の中心が、産業立地促進条例による大企業呼び込み型で中小企業や第一次産業への十分な支援が行われていないことを批判。
切迫した気候危機打開のための地球温暖化対策については、COP26など国際水準の対策となっておらず、対策の中心が実現性が不確かで温室効果ガス削減の効果が十分期待できるとはいえない水素施策となっており、「二〇三〇年までに、二〇一〇年比六〇%の削減目標に引き上げ、再生可能エネルギーの抜本的導入を行うための予算とすること」などを求めました。
また庄本議員は、「中学校一学年での三十五人学級を選択できるようになったが、小学校五、六年、中学校全学年での三十五人学級が実現できるように教員増を行うべきだ」などとし、反対を表明しました。

「県立公園の整備等に県民一人ひとりが意見を言える仕組み必要」と条例改定案に反対

庄本議員は、「兵庫県立自然公園条例の一部を改正する条例」について、「県立自然公園の街並みを整備するため市町や民間事業者等で構成される協議会が利用拠点整備改善計画を作成し、知事が計画を認定した場合、計画に記載された事業の実施に必要な許可等を不要にするもの」だと指摘しました。この条例案は、民間事業者等による大規模な公園計画の変更等が認められる条例に改正しようとしているにもかかわらず、認定前の改善計画は県民に周知されず県民が意見を言える仕組みが十分に整っていません。
庄本議員は、「県立公園は広域の県民が利用し、親しまれている施設。広く県民へ周知し、県民目線で県民一人一人が意見を言える仕組みこそ必要」として、条例改定案に反対しました。
採択の結果、全議案が賛成多数のため可決しました。
〔門屋史明〕

(兵庫民報2022年4月10日付)15:00

日本共産党兵庫県議団:21年度予算繰越、行革方針改定に反対:三宮再開発関連など繰越、あらたな県民サービス削減

日本共産党の入江次郎県議は三月三十日の兵庫県議会本会議で、二〇二一年度予算の繰越議案、行財政運営に関する条例の改正案に反対する討論を行いました。
入江議員は、二〇二一年度一般会計繰越議案に対し、「神戸市がすすめる三宮周辺地区の再整備のうち、神戸三宮の雲井通五丁目地区の市街地再開発事業への補助が含まれている」と指摘。
入江議員は「雲井通五、六丁目の再開発を行い、新たに巨大バスターミナルをつくる事業は、新型コロナ前の成長戦略の名のもと、勤労会館や区役所など公共施設を移転させ、新たに巨大バスターミナルを建設する事業で、市民県民の理解は得られない」「サンパルの地権者も将来が見通せない中、権利返還に消極的になっているなどの声も寄せられている」ことなどを指摘しました。
また入江議員は、繰越議案の中に、播磨臨海地域道路調査費、東播磨道、浜坂道路Ⅱ期、園田西武庫線事業等、全国第二位の高速道路網をさらにひろげる基幹道路八連携軸事業や地元住民の反対が根強い道路事業等、不用不急の道路事業の繰越があることも指摘し、反対を表明しました。
入江議員は、行財政運営方針条例改正案について、「議会からの指摘を受け、当初議案を撤回し、審議会の委員構成を七名から一五名に戻したこと等は評価するが、県民サービスを切り捨ててきたこれまでの行革を評価し、行財政運営の名のもとに新たに県民サービスを切り捨てる県政改革には同意できない」として、反対しました。
〔門屋史明〕

(兵庫民報2022年4月10日付)14:30

日本共産党兵庫県議団:副知事人事に反対:女性の政策決定への参加は不可欠、公約どおり登用を

荒木一聡副知事が任期途中で退任することを受け、副知事候補者の同意人事の説明が齋藤元彦兵庫県知事からありました。後任に県土整備部長等を歴任した県幹部を登用する方針で、三十日の兵庫県議会最終日に追加議案で提出されました。
日本共産党兵庫県会議員団は副知事人事案に対して、「齋藤知事が公約に掲げた『女性副知事』登用を履行しなかったことは、各メディアが『方針転換』と報じたように、公約に反する」とし、いそみ恵子議員が反対討論に立ちました。
いそみ議員は、「女性の政策決定過程への参加は、不可欠であり、新型コロナパンデミックによる非正規の女性労働者などの生活困窮の顕在化で明らかになった日本のジェンダーギャップが注視され、その解消が今、切実に求められていることから、新型コロナウイルス対策を進めるうえでも、女性副知事の果たす役割は、大きい」「兵庫県は「男女いきいきプラン2025」に基づく「第七次男女共同参画兵庫県率先行動計画」(ひょうごアクション八)でも、本庁部局長相当職への女性登用目標が一〇%に留まり、女性幹部登用の目標が低すぎる」と指摘。
さらに、いそみ議員は、「齋藤知事が就任して、初めての新年度予算編成で新たな体制つくりの絶好の機会に、昨年に続いて、女性副知事を任命しなかったことは、明確な公約違反」と強調し、知事が県民の期待に応えて、公約を履行し、女性副知事を登用することを強く求めました。
採択の結果は、賛成多数で、服部洋平氏が副知事に選任されました。
〔三富智恵子〕

(兵庫民報2022年4月10日付)14:00

日本共産党兵庫県議団:請願採択を求め討論:「インボイス制度実施中止」「コロナ下の事業者支援」「高校入学時にタブレット端末を公費で配備」

三月三十日の兵庫県議会本会議で、日本共産党のきだ結議員は請願採択を求める討論を行いました。
きだ議員は、「消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書提出の件」について、「インボイスが導入されれば、発行できない免税事業者やフリーランス、シルバー人材センターの会員など、約千万人が消費税法では「事業者」となり、大きな影響を受ける可能性がある。また、多くの免税事業者は、課税事業者になるか、転・廃業するかの選択に迫られ、取引から排除される恐れがある」と訴えました。さらに、昨年十月議会で「シルバー人材センターの安定的な事業運営のために適格請求書等保存方式導入にかかる適切な措置を求める意見書」が全会一致で採択されていることから、請願の採択を求めました。
「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小・小規模事業者への直接支援」「新型コロナウイルス感染症に感染もしくは濃厚接触者となった個人事業者への支援制度の創設」を求める件について、きだ議員は、「新型コロナウイルスによる深刻な影響は、災害に指摘するものである」と述べ、請願の採択を求めました。
きだ議員は、「高校入学時に一人一台のタブレット端末を公費で配備することを求める件」について、「タブレット端末は他の学用品と比べても高額で、通信環境を整備する必要もあり、家計的負担は大きく、コロナ禍家庭の経済状況はさらに悪化し、経済格差が教育格差につながる」とし、「教育の機会均等の観点からも同じ性能のタブレット端末を全ての高校生に、自己負担なく、県によって用意するべきだ」と請願の採択を求めました。
〔三富智恵子〕

(兵庫民報2022年4月10日付)13:30

亀井洋示「火事場泥棒」


(兵庫民報2022年4月10日付)13:00

〝ひまわり〟の町からロシアに抗議――「軍事攻撃を中止し、ウクライナから即時撤退」を――市川町・岩見武三町長の3月議会閉会挨拶から

市川町の岩見武三町長は三月二十五日、三月議会の閉会挨拶のなかでウクライナ問題にふれました。その部分を紹介します。
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連日報道されておりますが、ロシア軍がウクライナに国連憲章を無視した、無法な軍事進攻してから昨日で一カ月です。この間、原発施設や病院、学校、民間施設への無差別攻撃を行い、国土を破壊し、子どもを含む多くの尊い市民の命を奪っています。
市川町は「人権文化の誇れる町宣言」を掲げています。人権で最も崇高なものは人の命であり、それを奪うことは絶対に許すことはできません。
ウクライナの国花は「ひまわり」であり、「ひまわり」は今や「平和と抵抗のシンボル」です。町花「ひまわり」の町として、ロシア軍の無差別軍事攻撃により多数の子どもや市民が犠牲になり人道危機が生まれていることを許すことはできません。
ロシアに対し怒りを込めて「即軍事攻撃を中止し、ウクライナから即時撤退」することを強く求めます。
そのような中で、八日の本会議において議員提案により「ウクライナからのロシア軍の即時撤退と平和の実現に関する決議」が全会一致で可決されました。これは、町民の気持ちを代弁したものだと、ご同慶の至りでございます。
今、極めて大事なことは、国際世論でロシアを包囲しウクライナを物心両面で支援することではないでしょうか。
市川町も各公共施設に「ウクライナ人道危機救援金募金箱」を設置しました。皆様方のご協力をお願いいたします。

(兵庫民報2022年4月10日付)12:30

「私たちの個人情報をわたさない」:自衛隊へ電子データを提供する神戸市

神戸市は、今年も四月以降に二十二歳の誕生日を迎える、約一万四千人分の個人情報を自衛隊に提供しています。
「私たちの個人情報をわたさない 神戸市民の会」(略称:個人情報をわたさない会)は、神戸市が自衛隊へ個人情報の提供を行っていることを市民に知らせようと、三月三十日のお昼休みの時間を利用して元町商店街東口・大丸前で宣伝を行いました。
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宣伝では、最初に個人情報をわたさない会の構成団体である、自由法曹団兵庫県支部事務局長の松山秀樹弁護士がマイクを握り、神戸市が自衛隊へ個人情報を提供できる理由として示している自衛隊法は提供の根拠法とならない点や、神戸市の個人情報保護条例によって個人情報の取り扱いは適切に扱わなければならないこと、また、本人の申請によって利用停止請求ができることなどを訴えました。
また、他都市でも個人情報を自衛隊に提供していますが、自衛隊が求めるままに電子データとして提供するのではなく、シールなどに印刷して紙媒体とするなど、一定の制限を課している事例を紹介し、神戸市が電子データとして提供していることで、情報がいったん洩れると漏れた情報のすべてが拡散される危険性を指摘しました。
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続いて高教組から「教え子の情報が本人の知らないところで自衛隊に提供されていることは許されない。子どもたちの人権を守ることが必要だ。神戸市は本人や市民に知らせることなく個人情報を提供していることは問題だ」との訴えがありました。
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最後に、兵庫労連の成山太志議長は、「神戸市は国の言いなりではなく、市民の権利をまもる立場で仕事をして欲しい。自衛隊から求められるままに個人情報を提供することは中止を」と主張しました。
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宣伝には十人以上が参加し、市民に署名への協力を呼びかけ、チラシを配布しました。春休みが始まり、元町周辺には親子連れや若い人たちが多く、掲げていた横幕の文字を目で追ったり、チラシを受け取ったりするなど、宣伝は市民の関心を集めていました。
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自衛隊への個人情報の提供は、安倍元首相が衆議院本会議(二〇一九年一月三十日)で「全体の六割以上の自治体から、自衛隊員募集に必要となる所要の協力が得られていません」と発言したことをうけて、自衛隊から全国の自治体にこれまでの閲覧から電子データでの個人情報提供への変更を求める動きが強められるようになっています。
会では、個人情報の提供を中止するよう求める署名の取り組みとあわせて、今後も毎月十日に宣伝を実施する予定ですので、署名や宣伝にご協力をお願いします。
〔岡崎史典=同会事務局長〕

(兵庫民報2022年4月10日付)12:00

論点論詳:住民の命と健康を守る立場で保健所機能の回復を〈1〉:金田峰生(党国会議員団兵庫事務所長)

はじめに

新型コロナが広がり始めた当初、国民は、医師が必要と認めても、三七・五℃以上の熱が四日間以上続かないとPCR検査すら受けられませんでした。さらに、病床逼迫で必要かつ適切な医療行為も提供されないまま亡くなるという事態も起きました。それどころか政府は、「自宅療養」という名の「自宅待機・自宅放置」を方針として打ち出しました。国民の医療を受ける権利と医師の裁量権の侵害です。
こうした異常事態が起こったのは、未知のウイルスに人類が手も足も出なかったからではなく、科学を軽視する政権が、保健所の役割と機能を変更し、その数を半減させ、また、自治体病院を中心に病床を減らしたからに他なりません。
新型コロナに打ち勝つには、科学的知見に基づいた防疫が不可欠です。国民に正しい情報と知識を提供し、日常的にフォローアップする必要があります。その役割を果たせるのが保健所です。

戦前の保健所

一九世紀に貿易と交通が格段に発達し、それに伴って伝染病の拡散も地球規模になり、国際社会としての対策が迫られるようになりました。一八五一年にはコレラ流行対策を主な議題に第一回国際衛生会議がパリで開催され、一九〇七年に国際衛生事務局が、そして一九二〇年に、常設の保健委員会が国際連盟に設置されます。
わが国では、一九一〇年に行われた出稼ぎ女工の結核調査が大きな転機になります。その報告内容は非常に衝撃的であったとされています。また、「富国強兵」政策を取る政府は、国民の死亡率、乳児の死亡率、結核死亡率などが他国に比べて異常に高いことが統計で明らかになったり、農村で寄生虫が蔓延したりといった実態から、国民ではなく国家に対する責任として、労働力および兵力の維持・確保のために重い腰をあげます。
それまで伝染病対策は取り締まりが中心で、衛生業務は警察の仕事でしたが、伝染予防法制定をきっかけに衛生法規が整備され、保健所創設と厚生省設立に向かいます。
地域で誕生した「衛生組合」や民間の結核予防団体として設立された日本結核予防協会(一九一三年)が、わが国初の結核予防法成立(一九一九年)に貢献したり、母子衛生を中心とした看護師の訪問活動も民間事業として取り組まれたりなど、保健所は、住民による自主的な取り組みや、セツルメント活動の流れも汲んでいます。
急速に資本主義化を進めたわが国では、貧富の差が広がり、失業者が急増します。また、関東大震災(一九二三年)、金融恐慌(一九二七年)、世界恐慌(一九二九年)などで国民生活は窮乏のどん底に陥り、医療を受けられないことが社会問題になり、労働運動や農民運動が大きく発展しました。
これらの流れと情勢を受け、海外の先駆的な取り組みに学びながら、人口十万人に一カ所を目標に、治療ではなく専ら予防活動を役割として、保健所が発足しました。
(つづく/五回連載の予定)

(兵庫民報2022年4月10日付)11:30

はたらくみなさん・真ん中世代のみなさんへ『資本論』講座へのお誘い:楽しく学び、改革の力をいっしょに育てていきましょう:石川康宏(神戸女学院大学名誉教授)

『資本論』講座をやりませんか。共産党の兵庫県委員会に、こう声をかけたのは昨年九月のことでした。三月の定年退職を機会にあらためて『資本論』を読み返してみたい。そういう個人的な欲求もありましたが、同時に、よりよい社会づくりに向けて「自力の弱さ」を打開する道は「学び」をおいて他にない。そう強く思ってのことでもありました。
三月に発表された最新の「世界幸福度ランキング」で、日本は五十四位でした。とても先進国と呼べる状態ではありません。一位フィンランド、二位デンマークなど上位は北欧五カ国を含むヨーロッパの国々が多くを占めました。労働時間が短く、賃金が高く、公的福祉・医療が充実し、学費は無償かきわめて安い。こうした国々が一人あたりGDPでも世界の上位を占め、名実ともに「発達した資本主義国」となっています。
『資本論』の著者であるカール・マルクスは、資本主義発展の道筋を探求し、拡大する生産力を個人の儲けだけでなく、社会の幸福のために活用する力を労働者・市民がしだいに身につけていく――そうして一歩ずつ実現される資本主義の改良が、結果として資本主義を乗り越える新しい社会を準備すると述べました。
よりよい社会づくりへの鍵を握るのは労働者・市民の発達です。北欧には北欧の社会をつくりあげている人々がいます。そういう人の育ちについて、マルクスは「時間こそ労働者の発達の場だ」と述べました。限られた自由時間に、労働者は知的・組織的に成長する努力を積んでいかねばならない。それが資本主義を民主的に「発展」させる核心の力となる。今日の北欧の先進性はそうした取り組みの長年の成果だということです。
日々の暮らしを改善するためにも、気候危機を乗り越え、ジェンダー平等を達成するためにも、私たち自身の成長が必要です。「発達の場」であるみなさんの自由時間の一部を、ぜひとも月に一度の『資本論』講座に割いてください。楽しく学び、改革の力をいっしょに育てていきましょう。

(兵庫民報2022年4月10日付)11:00


連続オンライン講座「『新版 資本論』を読む」は、3つの方法―Zoom(県内の方向け)、視聴会場、YouTube―で受講できます。
Zoom受講視聴会場受講は申し込みが必要です。①氏名②電話番号③住所④メールアドレス(Zoomの場合)を明記して日本共産党の各地区委員会か兵庫県委員会(Email info@jcphg.org、電話・ファクス番号は1面下に記載)。
YouTube受講は申し込み不要です。日本共産党兵庫県委員会チャンネル https://www.youtube.com/c/JCPHyogo で配信します。第1回への直行アドレスは


大門みきし「2つのアカデミー賞」連載エッセイ68

自民党参議院議員の今井絵理子さん(元人気アイドルグループSPEEDの歌手)の息子さんには聴覚障がいがあります。一昨年、今井さんが本会議で、障がい児教育について手話をつけて質問されたことがありました。美しく流れるような手話で、終わった時、党派を超え満場の拍手に包まれました。
私の孫も男の子で聴覚障がいがあります。今井さんから障がい児教育に関する本を頂いたり、お返しに、うちの本家、大阪交野の「大門酒造」のお酒を差し上げたりしてきました。
先週、今井さんに「アカデミー賞・国際長編映画賞をとった『ドライブ・マイ・カー』をみましたか? 最後のシーンがきれいな韓国手話で感動しました」といったら、「大門さん、作品賞をとった『コーダ』は見ましたか? ろう者の家族を描いた作品ですよ」といわれ、聴覚障がいに関わる作品がアカデミー賞を2つも受賞していたことを初めて知りました。
遊説日程の合間、京都の映画館のミッドナイトショーで『コーダ』をみました。ろう者の家族の中で、ただひとり耳の聞こえる少女が、家族を支え、独り立ちしていく物語です。手話をつけながら家族に向かって歌う少女の姿が今井さんと重なりました。
障がい児教育の現場にまで競争や効率性を持ちこむ自公政権の新自由主義・教育政策はおおもとから変えなければなりません。ただ今井さんには、自民党の中で少しでも子どもたちの教育環境がよくなるよう頑張ってほしいと思っています。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2022年4月10日付)10:30

みんぽう川柳〈三月〉「税金」

選 者 島村美津子

特 選
税金を払いたくない六兆円
 神戸市 玉山歳子

【評】防衛予算六兆円。誰もが豊かで平和な暮らしをおくるための税金ならどんな事をしてでもと思いますが、戦争する国になるための税なんてとんでもない。ビタ一文でも払いたくない思いです。
アメリカから途方もなく高い兵器を爆買いしたり、その上危機に乗じて憲法九条まで改憲しようとする企みがなされています。
ストレートにさらっとかかれた揚句ですが、平和に生きていくために見逃すことのできない一句でした。


入 選
消費税福祉は削り武器爆買
 明石市 川路政行

消費税福祉のためと嘘ついた
 神戸市 中村好考

レシートに今さらびっくり消費税
 尼崎市 富田明美

税金と聞くとうかぶはイヤな顔
 宝塚市 白井正登

増え続く内部留保に税金を
 尼崎市 富田 断

大元締大企業には税を負け
 神戸市 兵頭和子

ことさらに税の強調支援金
 明石市 小西正剛

税金の使いみちだよ良し悪しは
 神戸市 紙本辰雄

コンビニでラムネ一つに税が付く
 明石市 野村邦子

廃車して税金ひとつ減りました
 明石市 片山厚子

ぬぐえないとられっぱなし感北の風
 芦屋市 松田良介

税納め財布の底のジャラ数え
 神戸市 長尾粛正

税金の通知の季節うつになる
 神戸市 坂口和義

収穫の一部剥ぎ取りが税の字源
 神戸市 北河豊治


みんぽう川柳募集
▽締切は毎月第四火曜日、必着です▽四月の題は「遊ぶ」、四月二十六日締切▽五月の題は「葉書」、五月二十四日締切▽一人二句まで。葉書に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記。応募方法を五月から次のように変更します――葉書のみ受け付けます。お体の具合などで投函に出られない方はいままでどおりメール・ファクスでけっこうです。

「しんぶん赤旗」兵庫関係記事:2022年03月22日(火)~4月4日(月)

03-22国は赤字にならない 検査料保障を/発熱外来開設の東神戸診療所 郷地秀夫所長に聞く
03-23漁民への不利益 違法/クロマグロ訴訟 沿岸漁民連など集会:控訴審で意見書を提出した島村健・神戸大学教授(行政法)が判決の問題点を報告
03-239市議(補)選が告示/兵庫・西宮市議補選 庄本氏
03-233・11原発事故忘れない/兵庫の会がメモリアル集会
03-23食料支援&くらしの相談会/明石で助け合い村
03-24わがまちふるさと 伊丹市/屈指の渡り鳥飛来地
03-252022参院選 平和なアジア広げよう/神戸演説会 市田・大門・こむら氏訴え
03-25定数削減やめ増員必要/兵庫県議会 練木氏が改定案反対
03-26理研 60研究チーム解散も 600人雇い止め撤回せよ/労組・住民ら告発 国に指導要請:神戸ではビル1棟まるごと解散
03-26生活支援金引き上げを/全国災対連 7万超署名提出
03-26住民が主人公の西宮へ/西宮市議補選あす投票 庄本候補訴え
03-26子ども医療費無料化/伊丹市で中学校卒業まで 加古川・たつの両市、福崎町は高校卒業まで
03-27リーフを手に連日行動/兵庫・明石市朝霧支部
03-27労働者の要求に寄り添い「現職党員を主人公」に職場での党づくりを/20都道府県職場支部援助担当者会議
03-27気候危機止めよう 世界と連帯/@神戸 神鋼石炭火発は停止を
03-28戦争も核兵器もダメ/神戸 憲法会議など抗議デモ
03-29私立大が独自の学生支援/共産党ホームページに2020、21年度分一覧
03-29西宮市議補選/庄本氏及ばず
03-29西宮市長選/維新候補が落選
03-29論戦ハイライト/参院決算委 田村副委員長の質問
03-30全国の運動高めよう/安保破棄県委と革新懇 神戸で講演会
03-30後援会員訪問 読者増やす/兵庫県尼崎市難波北支部 ハンドマイク買い足し宣伝
03-31「3本柱」の活動貫き 目標やり切る/但馬地区 「侵略反対」「国連憲章守れ」の声上げ 地区党会議の代議員が先頭に立って
04-01サービス見直しやめよ/兵庫県議会 庄本氏が予算案反対
04-01外国人実習生支援を交流/兵庫県連絡会 結成2周年講演会
04-01女性副知事の登用迫る/兵庫県議会 礒見氏が人事案に反対
04-01石綿被害 元検数員が勝訴 神戸地裁/破れた袋から雪のように… 船倉内作業など大量暴露
04-01自衛隊に個人情報渡すな/「神戸市民の会」が署名訴え
04-02ひと目見ようと:神戸市灘区国玉通のソメイヨシノ
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(兵庫民報2022年4月10日付)9:30

観感楽学

ロシアによるウクライナ軍事侵攻が続いています。戦闘を逃れるため、やむなく大勢の市民が国外へと避難しているそうです。「ウクライナから国外へ逃げる難民四百万人超え」との記事も読みました▼また「第二次世界大戦以来でヨーロッパの広域での戦争にまで発展するおそれがある」との記事もありました▼以前、私はソフト開発の仕事に従事していました。今の武器にはソフトが組み込まれています。私自身は無かったのですが、同僚などには、武器などに使われるソフト開発に携わった人もいました。車のカーナビの開発でGPSという機能が使われていました。これも元々、軍事用で開発されたシステムを民間に開放した技術だったそうです。当時の私は、そういう話を聞いても無関心で黙々と仕事をしていました。軍事開発と聞いて何も思わなかった自分が恥ずかしい▼新しい技術開発などで便利な世の中になることは大歓迎です。でも皆が安心して暮らせる平和な世界でないと意味がないと今は思っています▼今の武器の破壊力や性能は、第二次世界大戦時の物とは比べものにならないほどの進化を遂げていると思います。恐ろしい事です。戦争を続けると悲しみと憎しみが増すだけです。ロシアは軍事作戦を直ぐに中止すべきだと思います。(ふ)

(兵庫民報2022年4月10日付)9:00