日本共産党兵庫県議団は二十二年連続となる予算組み替え提案を行い、きだ結県議が三月二十八日の予算特別委員会で提案しました。
きだ議員は、提案説明で、知事提案の新年度予算案について、「「県政改革方針」に基づき投資事業を見直すとしながら、総事業費五千億円ともいわれる播磨臨海地域道路など不要不急の基幹道路八連携軸などは推進。その一方で、新型コロナウイルス感染症対策は不十分、高齢者・福祉施策などを切り捨て、多発する災害や地球温暖化対策にも消極的―という予算案となっている」と批判。「コロナ禍のもと、県民の命、暮らしを守る立場から、二十二年連続となる予算組み替え動議を提案する」としました。
きだ議員は、組み替え全体について説明。一般会計で見直しが必要な事業七十一項目、合計三百九十七億円(約一・七%)を減らし、そこから生み出された一般財源、特定財源など約百三十五億円を▽「県政改革方針」で削られた高齢者・福祉施策等の回復(具体的な回復事業名は増額一覧)▽新型コロナウイルス感染症対策▽気候変動対策▽ジェンダー平等対策▽子育て・教育の充実▽中小企業、小規模農業支援▽災害対策の充実―など三十項目の増額に充当、県債の発行額は一般会計と二つの特別会計で二百十一億円抑制するとしました。
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県が新年度からの実施をきめた高齢者補聴器活用状況調査事業について、きだ議員は「この事業が恒久制度となるように引き続き要望するとともに、動議では、四百人に二万円の補助から、五千人に四万円の補助を行う規模に拡充する提案を行った」と述べました。
このほか組み替え提案の主な内容は――
新型コロナウイルス感染症対策は、不十分な検査やワクチン、病床体制の強化のための増額を行います。
気候危機打開の取り組みでは、再生可能エネルギーの抜本的導入のために、再生可能エネルギー普及総合支援事業費を新設。
ジェンダー平等推進のために、女性を正規雇用に雇った中小企業に支援を行うジェンダー平等促進中小企業支援事業費を新設。
子どもの医療費については、伊丹市が新たに中学三年まで無償にしますが、県の施策として中学三年まで無償化とし、各自治体の上乗せで十八歳までの無償化を全県でひろげることを可能に。
中学校で一学年に限り三十五人学級の選択が可能になりましたが、小学校ではまだ四年生にとどまっている三十五人学級を五、六年生でも実施できるよう教員の配置を増やす。
県の施策では一万二千人に留まっている高校一年生へのタブレット端末貸与を、高校一年生全員に行えるよう増額。
兵庫県の私立高校の平均授業料がこれまでの四十万八千円から二万六千円引き上がり、四十三万四千円となっていることから、年収五百九十万円未満世帯の授業料補助額を二万六千円増額するために予算増。
――であることを説明しました。
削減する事業については▽過大な需要予測などに基づく高速道路や空港事業等の大型投資事業▽大企業呼び込みのための産業立地補助金▽消費税増税分を財源とする病床削減のため予算――などをあげました。
*
最後にきだ議員は、県政改革方針にもとづく県民サービス切り捨てを見直し、新型コロナウイルス感染症対策、気候変動・災害対策、県民の命と福祉・くらしを守る施策を充実させ、ジェンダー平等など、だれもが安心して暮らせる兵庫県とするための日本共産党兵庫県議団の組み替え提案への賛同をよびかけました。
共産党提案の組み替え動議に対して、庄本えつこ議員が、「コロナ対策を始め、福祉、医療、子育て、教育にあたたかい心のこもった予算案になっている」「ジェンダー平等、気候危機打開など新しい課題へのアプローチを強めている」などと賛成の立場で討論を行いました。
一方、他会派からは、「高速道路事業の削減はもってのほか」(自民)、「ムダ、不要不急の投資事業を削減し、医療、福祉、教育などを充実させることは理解するが、継続的な事業削減は混乱を生む」(県民連合)、「産業立地補助金削減に賛同できない」(自民兵庫)、「社会保障、教育、福祉の充実は、コロナからの経済が好転してから」(公明)、「県政改革で削減した事務事業の回復など同意できない」(維新)などと主張。採決の結果、組み替え提案は否決され、知事提案予算案が採択されました。
庄本議員は、組み替え動議に対する少数意見としての留保の申し出を行い、きだ議員が賛成したことで、少数意見が留保され、少数意見報告書を本会議に提出することが認められました。
〔門屋史明〕
(兵庫民報2022年4月3日付)14:30
県が新年度からの実施をきめた高齢者補聴器活用状況調査事業について、きだ議員は「この事業が恒久制度となるように引き続き要望するとともに、動議では、四百人に二万円の補助から、五千人に四万円の補助を行う規模に拡充する提案を行った」と述べました。
このほか組み替え提案の主な内容は――
新型コロナウイルス感染症対策は、不十分な検査やワクチン、病床体制の強化のための増額を行います。
気候危機打開の取り組みでは、再生可能エネルギーの抜本的導入のために、再生可能エネルギー普及総合支援事業費を新設。
ジェンダー平等推進のために、女性を正規雇用に雇った中小企業に支援を行うジェンダー平等促進中小企業支援事業費を新設。
子どもの医療費については、伊丹市が新たに中学三年まで無償にしますが、県の施策として中学三年まで無償化とし、各自治体の上乗せで十八歳までの無償化を全県でひろげることを可能に。
中学校で一学年に限り三十五人学級の選択が可能になりましたが、小学校ではまだ四年生にとどまっている三十五人学級を五、六年生でも実施できるよう教員の配置を増やす。
県の施策では一万二千人に留まっている高校一年生へのタブレット端末貸与を、高校一年生全員に行えるよう増額。
兵庫県の私立高校の平均授業料がこれまでの四十万八千円から二万六千円引き上がり、四十三万四千円となっていることから、年収五百九十万円未満世帯の授業料補助額を二万六千円増額するために予算増。
――であることを説明しました。
削減する事業については▽過大な需要予測などに基づく高速道路や空港事業等の大型投資事業▽大企業呼び込みのための産業立地補助金▽消費税増税分を財源とする病床削減のため予算――などをあげました。
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最後にきだ議員は、県政改革方針にもとづく県民サービス切り捨てを見直し、新型コロナウイルス感染症対策、気候変動・災害対策、県民の命と福祉・くらしを守る施策を充実させ、ジェンダー平等など、だれもが安心して暮らせる兵庫県とするための日本共産党兵庫県議団の組み替え提案への賛同をよびかけました。
共産党提案の組み替え動議に対して、庄本えつこ議員が、「コロナ対策を始め、福祉、医療、子育て、教育にあたたかい心のこもった予算案になっている」「ジェンダー平等、気候危機打開など新しい課題へのアプローチを強めている」などと賛成の立場で討論を行いました。
一方、他会派からは、「高速道路事業の削減はもってのほか」(自民)、「ムダ、不要不急の投資事業を削減し、医療、福祉、教育などを充実させることは理解するが、継続的な事業削減は混乱を生む」(県民連合)、「産業立地補助金削減に賛同できない」(自民兵庫)、「社会保障、教育、福祉の充実は、コロナからの経済が好転してから」(公明)、「県政改革で削減した事務事業の回復など同意できない」(維新)などと主張。採決の結果、組み替え提案は否決され、知事提案予算案が採択されました。
庄本議員は、組み替え動議に対する少数意見としての留保の申し出を行い、きだ議員が賛成したことで、少数意見が留保され、少数意見報告書を本会議に提出することが認められました。
〔門屋史明〕
(兵庫民報2022年4月3日付)14:30