憲法改悪ストップ!兵庫県共同センターは二〇二二年度・第十八回総会を二月五日、高教組会館で開催しました。兵庫労連・兵庫革新懇・兵商連・日本共産党・憲法会議・AALAの六団体、中央区・灘区・兵庫区・長田区・須磨区・垂水区・西区・西宮市・明石市の九地域センター、西明石九条の会が参加しました。
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はじめに津川知久代表は現在開会中の国会での「改憲策動」の動きについて詳しく解説しました。衆院本会議での「改憲あおる維新」や改憲自公の腰を押す「国民民主」の具体発言、とりわけコロナ第六波に便乗して「緊急事態条項」を改憲導入の焦点にしていることを厳しく批判しました。
こうした動きに対する私たちの〝たたかいの基本〟は、①生活をまもるたたかいとして、②「戦争する敵基地能力の発動」が自衛隊員・国民・相手国民の〝いのちを奪う〟ことから、誰のいのちも守るたかいとして、③「市民と野党の共闘」めぐる〝動揺〟を克服・発展させる地域・職場からのたたかいとして、確固たる姿勢で立ち向かうことを強調しました。
総会の議事として、議案は和田邦夫事務局長から簡潔に報告と提案を行いました。討論と交流では、既に広がっている新憲法署名の実践報告が行われ、その創意と工夫を互いに学び合う画期的な場となりました。
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【共産党県委員会】 二月三日の「全国署名」推進担当者会議の模様を報告。改憲勢力は、北朝鮮・中国に対する「危機感」をマスコミで広げても、世論調査では国民が〝改憲〟には無関心が多いので焦りが出ている。自民党は「憲法改正実現本部」を各県ごとに改憲組織を全面展開させている――などの動きを解説し、神奈川県・千葉県・京都府などの憲法署名運動の具体的な姿を紹介。
【兵庫労連】 中央では連合会長が「野党共闘壊し発言」を続けていても、兵庫県の総がかり実行委は引き続き共同の憲法集会の成功へがんばっている。今年五月三日の憲法集会の企画も進んでいること、新憲法署名提案者に兵庫県実行委もなっている。
今春闘の賃上げ要求と共に憲法アンケートも行い各地域労連が地域ごとの憲法署名行動団体と共同するよう提起した。このとりくみの中である組合がアンケートをとってみると「憲法九条を知らない、わからない」という人がけっこう多いことも分かり、改めて「九条とは」を語る必要を感じた。
【AALA】 アジア各国共通で「どの国も戦争はしない」という統一で頑張っているのでこれと結合して新憲法署名を広げていく。
【兵庫区】 中央憲法会議の「憲法九条守る赤ちゃんポスター」を百枚購入して地域に張りめぐらしています。共産党のポスターを張らせてもらっている家で「このポスターはダメ。中国が攻めてくるから」と断られびっくり。反論せず「その時、あなたはどうするんですか、戦争にいくのですか」と聞き役にまわると対話が深まっていく。
【西宮市・芦屋市】 二〇一七年に「憲法九条改憲NO!西宮芦屋市民アクション」を結成し、社民党系・新社系・共産系の共同代表のもと諸選挙もたたかいつつ共同宣伝にとりくんできた。今年、「新憲法署名を共同で行う相談会」で全野党と市内の諸団体参加で迫力ある討議を行い、それぞれが目標を持ち、署名を集める人の組織、共同の宣伝など大きくもりあがり、十万筆の目標も決まった。
【長田区】 一月に長田区の諸団体が新憲法署名立ち上げ集会として総決起を準備したが、コロナ感染者も出てやむなく中止。しかしこの準備団体で二月十五日に長田区で二万を目標に署名のニックネームも「いのちを守り戦争させない憲法守る長田区の署名」と決めていこうと準備中。
【西区】 西神中央などで毎月のように定例の宣伝署名活動をしているが「許可とっているのか、中国が攻めてきたらどうするのか」などの妨害も。二月から全国で自民党が宣伝に出てくるのでしっかり対応した。二月十九日の総会、三月十九日の総決起学習会を軸に「短期間で一気に署名を集める」手立てをつくっていきたい。
【須磨区】 「戦争の危険・敵基地攻撃能力」などに対応するため、懸案だった「須磨区平和委員会」を一月に結成した。
共同センターも津川代表を囲んで学習を深め、三月二十三日の総会成功へとりくんでいる。区内のすべての「九条の会」は連絡を取り合いつつ、それぞれが近所の人たちも気軽に参加できる「小学習会」を頻繁に行っている。「落合の会」は学習会案内に「三名署名」欄付きのハガキを送り、署名を広げている
【灘区】 今まで灘区の署名の最高は一万三千五百筆だったので、あらためて署名センターの事務局を強化し二万目標で頑張りたい。定例の街頭宣伝はもちろん強めるがそれでは目標に届かないので、かつて区内のすべてのお寺・教会などに核廃絶署名簿を置かせてもらった経験に学び、今回「核廃絶+憲法」の署名簿をもって再訪問することにしている。
【西明石九条の会】 東播地域では全体で参議院選挙で勝つ得票を憲法署名目標にしようという雰囲気で、とても街頭宣伝だけではダメ。それで「署名を集めていただけませんか」との「お願いの各戸訪問」をしようと計画中。そのための資料Q&Aも用意したい。
【垂水区】 区内四カ所のターミナルで定時定点宣伝を十数年継続中。年末から憲法平和ネットで小リーフを作成して手渡しているが大変好評。「受け取って次回に署名」の人が結構多く、二月三日垂水駅前では一時間で七十筆も集まった。
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津川代表は討議のまとめで「今日の交流ですごい活動が展開されていることに感動した」と述べ――
①各地で、何十回・延べ千人参加の行動などが継続されているがこの影響は一過性でないことがよく分かった。
②発言で強調されたのは「自分らがどれだけ集めるべきか」という意識から地域や団体の目標がつくられてきている。
③労働組合員でも「九条が知られていない」現実もあり、一方「中国攻めてきたらどうするの」の声も多く、そのための学習がますます必要となっている、
――とまとめ、五月三日までに五十万筆目標へ向けそれぞれでしっかり頑張ろうと結びました。〔速水二郎=憲法共同センター〕
(兵庫民報2022年2月20日付)11:20