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2022年1月16日日曜日
憲法改悪を許さない! 全国署名ひろげよう
「9条改憲NO!全国市民アクション」がよびかけた「憲法改悪を許さない 全国署名」を訴え、一月七日、日本共産党が全国でいっせい行動にとりくみ、兵庫県委員会は参院兵庫選挙区に挑むこむら潤さん(写真左)を先頭に、十人で寒風のなかJR神戸駅前で宣伝をおこないました。
「岸田首相は、敵基地攻撃能力などと憲法・国際法を無視しアメリカとともに戦争できる国へ暴走しようとしています。改憲勢力に参院選で審判を」と、こむらさんと松田隆彦県委員長が訴えました。
県内あわせて二十九カ所で二百十七人が参加し、署名百七十人分を集めました。
署名に応じた人の中にはミャンマー出身の人も(県委員会)、女性がよく協力してくれた(東灘・灘・中央地区委員会)、「政府は何を考えている。共産党がんばれ」(兵庫・長田・北地区委員会)、成人式会場前で宣伝(淡路地区委員会)などの報告がありました。
(兵庫民報2022年1月16日付)16:30
こむらさんと県議団が県庁前宣伝:医療・公衆衛生充実させる強い経済に
一月六日、日本共産党兵庫県会議員団とこむら潤参院兵庫選挙区予定候補が、県庁前で新年の宣伝を行いました。
こむらさんは、改憲に前のめりの岸田首相を批判し、「侵略戦争を反省し、二度と戦争を起こさないと誓った憲法九条は、子どもたちに平和な未来を引き継ぐためにも、なんとしても守らなければならない」と訴え。新自由主義を転換し、医療や公衆衛生を充実させるやさしく強い経済にしたいと強調。男女賃金格差の是正、選択的夫婦別姓の制定などジェンダー平等社会の実現のために奮闘する決意を述べました。
また、神戸で石炭火力発電所を新設しようとしていることを指摘し、「石炭火力発電に固執している岸田首相は世界から批判されています。日本共産党は気候危機打開『2030戦略』で、石炭火力発電を全廃、二〇三〇年度までに六〇%(二〇一〇年比)の二酸化炭素排出を削減する政策を示しています」と紹介し、気候危機打開を訴えました。
各県議からは、「コロナ感染拡大がすすんでいる。コロナ対策の強化を」「県民の命と暮らしが守られる県政に、力をあわせましょう」など訴えました。
〔門屋史明〕
(兵庫民報2022年1月16日付)16:00
憲法守り平和な港に:神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会
第六十一回神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会が十二月二十四日、神戸市中央区の波止場町広場でひらかれました。
神戸港は、戦後すぐに米軍(連合軍)の占領のもとにおかれました。以来、一九七四年に神戸市へ全面返還されるまで、米軍の補給・休養基地として重要な役割を果たしました。クリスマスイブぐらい平和な街にとはじまった集会です。その後、通信基地のあった六甲山山頂も返還、非核「神戸方式」も実現しました。
今回の集会は、改憲・戦争する国づくりへ暴走する自公政権のもとでの開催。こむら潤共産党県国政委員長(写真手前)、あわはら富夫新社会党県本部委員長も挨拶しました。真っ暗ななか目立つように松田隆彦党県委員長は自作のLEDプラカードで参加しました。
集会後、参加者は元町商店街をパレードして「憲法守れ!」「非核『神戸方式』を守れ!」と市民に訴えました。〔小林明男〕
(兵庫民報2022年1月16日付)15:30
県行財政運営調査特別委員会:住民サービスのための事業を安易に削減するべきではない:日本共産党入江県議が質疑
兵庫県行財政運営調査特別委員会が十二月二十三日に行われ、見直し案として提出されている「県政改革方針 (仮称)」「県政改革方針実施計画(仮称)」などについて、日本共産党の入江次郎議員が、質疑を行いました。
入江議員は、税収の伸びが鈍化したことにより、二〇二八年度までに四百四十億円の税収不足が発生するという見込みについて、「税収は、ここ二十年延びておらず、GDPも横ばい。兵庫県では、産業立地条例や基幹道路八連携軸のような施策を行ってきたが、大企業を支援すれば、経済が潤うというトリクルダウン経済政策が失敗してきたことによるものだ」と指摘。そのうえで、高速道路をさらに延長する基幹道路八連携軸について、「二〇二八年までの県費支出がいくらになるのか」と問いました。
県当局は、「二〇二八年までの総事業費、千六百億円で、その約四割が県費支出になる」と答弁。入江議員は「約六百四十億円の県費を支出することになる」と明らかにし、「財政厳しいおりに、高速道路の延伸のみ追求するのではなく、八連携基幹軸などの事業を見直し、不足額を補い、今回、予算が削られようとしている防災・減災対策や、事務事業等県民サービスに資する削減をやめるべきだ」と述べました。
また、県が所有する公共施設について、見直し案で指定管理の原則公募化やPFIの推進等を検討するとしていることに対し、入江議員は「民間活力を導入し、コストとともにサービス向上を進めるとしているが、現に指定管理者制度を活用している六十九施設のうち、四十一施設では利用者が減っている。サービス向上も図られていない。そのうえ、五年で雇い止めが起こるなど、労働条件も悪化している施設もある。県所有の公共施設は、利益追求ではなく公共福祉につとめるべきもので、すべてを民間に移譲していいわけではない」と強調しました。
また入江議員は、阪神北県民局、阪神南県民センターの統合に伴う伊丹新庁舎建設の凍結に関わって、「県民局の新庁舎建設を行う前提で、芦屋健康福祉事務所の宝塚健康福祉事務所への分室化計画があった。新庁舎建設を凍結というのなら、なおさら、芦屋健康福祉事務所の分室化も中止し、存続させるべきだ」と訴えました。県当局は、「芦屋健康福祉事務所については、コロナの状況をふまえ、分室化の時期については、検討したい」と答弁しました。
入江議員は、県民交流バス、障害者小規模通所援護事業、百歳高齢者祝福事業、老人クラブ活動強化推進事業、音楽療法定着促進事業など今回廃止・見直しが検討されている事務事業について、「齋藤知事は、『誰も取り残さない』をキャッチフレーズにしている。その立場に立てば、こうした住民サービスのための事務事業を安易に削減するべきではない。ぜひ、県民一人ひとりに心の通った施策充実を求める」と述べました。〔門屋史明〕
(兵庫民報2022年1月16日付)14:30
済生会兵庫県病院、三田市民病院を残して!:浜本宏(済生会病院の存続と充実を求める会)
三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合・再編に関する第四回「検討委員会」(北神・三田地域の急性期医療の確保に関する検討委員会)が一月七日、神戸市で開かれました。
今回、座長が「再編統合が望ましい」とのまとめを強引に行い、市民無視の態度をあからさまにしました。
「資料」(神戸市と三田市が指示してコンサルが作成したもの)では三田市民病院と済生会兵庫県病院の両病院を残すという案にはデメリットが列挙されていました。
統合再編では、加古川市と三木市・小野市の事例を紹介しながらメリットを強調しました。しかし、その事例の実態はどうでしょうか?
加古川西市民病院と神鋼加古川病院を二〇一六年に統合した加古川中央市民病院は、独立行政法人化され、もうけ優先の病院経営がなされています。点数単価の低い患者は排除されています。
北播磨総合医療センター(三木市民病院・小野市民病院 二〇一三年統合)では統合して医師数が増えていると「資料」には書かれています。、しかし、三木市民病院や小野市民病院はもともと医師が少なく、統合後は増えるのはあたりまえの話です。統合したすべての病院にはてまるのではありません。
*
「検討委員会」では統合再編で突き進み、強行突破を図ってきていますが、三田市や神戸市北区での「今の場所でそれぞれの病院を存続・充実してほしい」という住民要求運動が当局を追い詰めていることも間違いありません。
(兵庫民報2022年1月16日付)14:00
旧優生保護法被害者支援へ明石市が独自の条例制定
旧優生保護法で障害などを理由に不妊や中絶の手術を強いられた市民とその配偶者にそれぞれ三百万円を支給する明石市旧優生保護法被害者等の尊厳回復及び支援に関する条例(略称=旧優生保護法被害者等支援条例)案について、明石市議会は十二月議会で可決しました。自治体が独自に被害者を救済する条例は、全国初となります。
*
昨年六月、スマイル会の議員が「旧優生保護法被害者への市としてできる支援はないのか」と質問。これに対し、市長は「被害者支援という観点からは、被害者に寄り添う明石市として、私としては、犯罪被害者等支援条例に加え、アスベスト被害者支援条例と優生保護法の被害者支援条例を三つの明石市の被害者支援条例という形で位置づけられないかと考えており、これから条例の制定に向けて検討していきたいと考えている」と答え、九月議会で提出に至りました。
日本共産党市議員団は、九月議会、十二月議会それぞれ質問と賛成討論を行いました。また条例制定に向けて優生保護被害者兵庫弁護団、優生保護法による被害者とともにあゆむ兵庫の会発行の「国から子どもを作っては行けないと言われた人たち」を他会派の議員五名に購読してもらい理解を求めました。障害者支援団体へも賛同してもらえるよう働きかけを行いました。
九月議会では、「国家賠償請求訴訟が続いている中、市民の税金を充てるべきか」などの意見が出て、採決では公明会派が退席、自民会派が反対して否決となりました。
市長は再度十二月議会に条例案を提出しました。十二月議会に向けて賛同議員が集まり、パブリックコメントへ意見を提出してもらえるよう、それぞれ関係する団体、個人に働きかけることを確認しました。結果は全体で二百八十通(市内百八十四通)、賛成二百六十七、反対七、その他六でした。
十二月議会では公明会派が賛成に回り、可決となりました。
*
この条例制定の目的は、明石市がこれまで「誰一人取り残さないやさしいまち」を掲げて推進してきたインクルーシブなまちづくりを踏まえて、旧優生保護法の被害者である市民に寄り添い、差別を許さないまちづくりをさらに推進するためのものです。
条例では、支援金は一人三百万円とし、国の一時金支給法の対象外の中絶手術を受けた人や、手術を受けた人の配偶者も対象に含め、申請の期限もないなど幅広く支援する内容となっています。
*
条例は制定されましたが、これで終わりではありません。他の市町村にも広げていくとともに、国の極めて不十分な支援法を被害者の方たちに寄り添った内容に改正していかなければなりません。
〔楠本美紀=明石市議〕
(兵庫民報2022年1月16日付)13:30
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昨年六月、スマイル会の議員が「旧優生保護法被害者への市としてできる支援はないのか」と質問。これに対し、市長は「被害者支援という観点からは、被害者に寄り添う明石市として、私としては、犯罪被害者等支援条例に加え、アスベスト被害者支援条例と優生保護法の被害者支援条例を三つの明石市の被害者支援条例という形で位置づけられないかと考えており、これから条例の制定に向けて検討していきたいと考えている」と答え、九月議会で提出に至りました。
日本共産党市議員団は、九月議会、十二月議会それぞれ質問と賛成討論を行いました。また条例制定に向けて優生保護被害者兵庫弁護団、優生保護法による被害者とともにあゆむ兵庫の会発行の「国から子どもを作っては行けないと言われた人たち」を他会派の議員五名に購読してもらい理解を求めました。障害者支援団体へも賛同してもらえるよう働きかけを行いました。
九月議会では、「国家賠償請求訴訟が続いている中、市民の税金を充てるべきか」などの意見が出て、採決では公明会派が退席、自民会派が反対して否決となりました。
市長は再度十二月議会に条例案を提出しました。十二月議会に向けて賛同議員が集まり、パブリックコメントへ意見を提出してもらえるよう、それぞれ関係する団体、個人に働きかけることを確認しました。結果は全体で二百八十通(市内百八十四通)、賛成二百六十七、反対七、その他六でした。
十二月議会では公明会派が賛成に回り、可決となりました。
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この条例制定の目的は、明石市がこれまで「誰一人取り残さないやさしいまち」を掲げて推進してきたインクルーシブなまちづくりを踏まえて、旧優生保護法の被害者である市民に寄り添い、差別を許さないまちづくりをさらに推進するためのものです。
条例では、支援金は一人三百万円とし、国の一時金支給法の対象外の中絶手術を受けた人や、手術を受けた人の配偶者も対象に含め、申請の期限もないなど幅広く支援する内容となっています。
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条例は制定されましたが、これで終わりではありません。他の市町村にも広げていくとともに、国の極めて不十分な支援法を被害者の方たちに寄り添った内容に改正していかなければなりません。
〔楠本美紀=明石市議〕
(兵庫民報2022年1月16日付)13:30
市民アクション東灘:気候危機を兵庫から学ぶ:石炭火力発電、地球温暖化にSTOP!
市民アクション東灘は十二月二十五日、東灘文化センターで学習会「気候危機を兵庫から学ぶ」を開催しました。お話は、NPO法人気候ネットワーク主任研究員の山本元さん。
山本さんは、気候変動の直接的原因は「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」こと、産業革命前に比して地球の平均気温が一度上昇、その結果「五十年に一度の暑い日」が今日では四・八倍に増加していること――を分かりやすく説明しました。
十月三十一日から十一月十二日まで、英スコットランド・グラスゴーで開催されたCOP26についても紹介されました。COP26とは、「国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議」で、国連の「気候変動枠組条約」に参加している国が集まる会議で、今回で二十六回目。
山本さんは、COP26では、温室効果ガスの排出そのものを減らしつつ、すでに排出した分を森林などに吸収させたり除去したりすることで、実質的な排出量をゼロにする、いわゆる「ネットゼロ」を二〇五〇年までに実現すること、二〇三〇年までには半減することが決められと報告。日本政府の対策については、「石炭を延命させている」として二年連続して不名誉な「化石賞」がNGOから授与されるなど、欧米諸国に比して著しく立ち遅れていると批判しました。
さらに、温室効果ガスの削減対策として挙げられている水素・アンモニアなどの「脱炭素」燃料の問題や限界も指摘。省エネへの努力と再生可能エネルギーの導入の必要性を述べるとともに「関西電力から電気を買わないこと」を山本さんは力説しました。
「神戸の石炭火力発電を考える会」事務局を務め、神鋼火力発電増設に反対する運動にも取り組む山本さんは、「来春には三号機、四号機の稼働が始まる。民事・行政訴訟の控訴審も判決が出る。諦めることなくたたかい続けることで、途中で稼働停止に追い込む必要がある」と締めくくり、大きな拍手で話を終えましたた。〔藤丸徹=市民アクション東灘〕
(兵庫民報2022年1月16日付)13:00
「老朽原発動かすな」実行委員会が日本共産党兵庫県委員会に要請:できることからいっしょに
昨年大阪で集会を開催した「老朽原発うごかすな」実行委員会の中嶌哲演福井県明通寺住職(写真右端)をはじめ実行委員会の方々が一月六日、日本共産党兵庫県委員会を要請で訪問、小林明男党県常任委員(写真左)が応対しました。
木原壮林さん(写真右から2人目)が要請の趣旨を説明――昨年、コロナ禍のなかで集会を開催し多くの参加で成功させた。老朽原発完全廃炉へ今年が大事な年。参議院選挙の争点にも押し上げたい。五月末にも集会を計画するが、従来の集会の延長線上でなく、廃炉へ世論を盛り上げたい。そのために今、実行委員会への参加を広く呼びかけ、たくさんの知恵を集めたいと語りました。
実行委員会の方々からも――総選挙で野党が勝利できなかったことは残念。せっかく市民と野党が協力して提案した原発ゼロ法案が審議もなく廃案になったのも残念。今度は法案をつくる時から、市民の共同や政党の共同、多数派をつくるとりくみにしたい、兵庫の震災以降のたたかいもそうだったですね――との発言がありました。関電兵庫支社前反原発行動が一月二十八日に五百回迎えることも話題になり、できることからいっしょにとの話し合いになりました。
中嶌師は六十センチの積雪のなか来県、実行委員会は、県内諸団体、県議会へも要請を行いました。
〔小林明男〕
(兵庫民報2022年1月16日付)12:30
年越し助け合い村:明石の民商、新婦人、生健会、医療生協など
「年越し助け合い村」を十二月二十六日午前十一時から午後一時まで、明石市西新町一丁目公園で開催しました。
主催は、明石民主商工会、新婦人の会明石支部、明石年金者組合、明石生活と健康を守る会、神戸医療生協明石ブロックなどの実行委員会です。
参加者は四十六名、ボランティアが約三十名で、「ビラをみて」「新聞(神戸新聞)をみて」という方が多かったです。お米や野菜、インスタントラーメン、カレー、トイレットペーパー、マスクなど、おにぎりと豚汁、ひきたてコーヒーも用意しました。百人分用意した物品は一時間ほどでほとんどなくなりました。
同時に行ったアンケートでは、「仕事がない(みつからない)」「食費を削っている」「消費税の減税してほしい」「こういった企画を今後も続けてほしい」という声が多く寄せられました。子ども連れのお母さんも来られて、貧困の広がりを実感させられました。生活相談コーナーでは、生活と健康を守る会や楠本美紀市会議員が対応しました。
厳寒の日、西新町一丁目公園は人々の笑顔と優しさで、暖かな空気に包まれました。また春にとりくむ予定です。
〔北後直子=明石市衣川後援会〕
(兵庫民報2022年1月16日付)12:00
ジェンダーわたしの視点「日々の暮らしの中で気付き、乗り越えていく積み重ねを」日本共産党阪神北地区委員会 三富稔之
日本共産党は第二十八回党大会で「ジェンダー平等」を綱領に明記し、先の総選挙で「ジェンダー平等社会の実現」を公約に掲げたたかいました。この間「ジェンダー」の問題について考えたり学んだりする機会が増え、私も少しずつ理解を深めているところですが、これまでの自分の半生を振り返ってみると、「これってジェンダーの問題なんだな」と感じることがたくさんあります。
私は子ども時代、両親から「男がベラベラ喋るのはみっともない」「男はすぐに泣いたらあかん」といったことを繰り返し言われました。これも「男性らしさ=強く逞しくあれ」という価値観の押し付けだったのだと今は思います。
*
中学生時代、今でも記憶に残る印象的なでき事がありました。英語の時間、授業をしていた女性教諭がある女子生徒を指名して、英文を和訳するよう求めました。当てられた女子生徒は教科書に記された英文を日本語に訳して読み上げるのですが、husbandという単語を「旦那さん」と訳しました。すると先生はすかさず「いやいや違うよ。husbandは夫やで」と訂正しました。生徒は止められた直前のところからまた読み始めたのですが、husbandをまたまた「旦那さん」と訳し、またまた「旦那さんちゃうで。夫やで」と訂正されたのです。
私が中学生の頃ですから時は昭和後期、バブル時代の始まりの頃でした。生徒の意識の中に「旦那さん」という言葉が持つ男尊女卑的な家父長制のイメージがどれほど意識されていたか分かりませんが、戦後四十年を経たバブルの始まりの頃のその生徒は、「結婚している男性」を「旦那さん」と呼ぶことが当たり前だと恐らく思っていたのでしょう。それから三十五年ほど経った現在、ネットなどを見ると「旦那」や「主人」といった言い方に主従関係を想起して違和感を持つ人も一定数いるようですが、未だに「旦那」と呼ぶのがメジャーなようです。
*
原稿を書くにあたり色々と思いを巡らせ、日本社会にはまだまだ、「男らしさ」「女らしさ」といった性別役割分担意識や、男尊女卑的で家父長制的な価値観が底深く根付いていることを改めて認識しました。「ジェンダー平等」という言葉が今年の新語流行語大賞のトップ10に選出されるぐらいですから、「ジェンダー平等社会」実現に向けた取り組みは緒についたところだと言わなければなりません。「ジェンダー平等」という言葉だけをひとり歩きさせることなく、日々の暮らしの中にある「ジェンダーの問題」に気付き、乗り越えていくことの積み重ねが大事なのだと思います。
(兵庫民報2022年1月16日付)11:30
みんぽう川柳〈一月〉「早め」
選 者 島村美津子
明石市 小西正剛
【評】一見なんでもないようなこの句に立ちどまってしまいました。人生ってこんなことあるあると妙に納得。そして一生懸命生きていながら失敗ばかり重ねる自分を重ねてしまいました。
今回の兼題「早め」ですが、「早い」「早く」とかとは微妙に違ってきますね。留の句の凉子さんが「早め」と少しずれてしまったように思いますと投句ハガキに書かれていましたが、そう思われる句がたくさんありました。
はじめての方の投句が増えて楽しみです。指を折ってでも五・七・五のリズムを身になじませて下さい。
あとになりましたが、新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
明石市 上河規江
何事も早めにできぬ歳悲し
明石市 植木多佳子
早めでもやっておこうよガン検診
神戸市 長尾粛正
コロナ禍で早め縮めた生命あり
神戸市 梶山洋枝
鬼笑おうと準備着々参院選
明石市 上野景子
参院選傘寿の坂をかけ登る
明石市 川路政行
早早の改憲発議許さない
尼崎市 大野幸雄
大企業成長早め事故多発
芦屋市 梶原嘉代子
弁証法早めと遅め矛盾なく
神戸市 北河豊治
密を避け早めガマンの年暮れる
神戸市 兵頭和子
早めにと思うばかりの本の終活
尼崎市 富田明美
早いめに片付けかけて手が止まる
尼崎市 富田 断
這い這いの孫の来る日は早めの掃除
神戸市 山本尚代
早く花咲けよと春を首長く
神戸市 塩谷凉子
(兵庫民報2022年1月16日付)10:30
特 選
早い目に解いたクイズは出し忘れ明石市 小西正剛
【評】一見なんでもないようなこの句に立ちどまってしまいました。人生ってこんなことあるあると妙に納得。そして一生懸命生きていながら失敗ばかり重ねる自分を重ねてしまいました。
今回の兼題「早め」ですが、「早い」「早く」とかとは微妙に違ってきますね。留の句の凉子さんが「早め」と少しずれてしまったように思いますと投句ハガキに書かれていましたが、そう思われる句がたくさんありました。
はじめての方の投句が増えて楽しみです。指を折ってでも五・七・五のリズムを身になじませて下さい。
あとになりましたが、新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
入 選
早めにと思へばこける青い空明石市 上河規江
何事も早めにできぬ歳悲し
明石市 植木多佳子
早めでもやっておこうよガン検診
神戸市 長尾粛正
コロナ禍で早め縮めた生命あり
神戸市 梶山洋枝
鬼笑おうと準備着々参院選
明石市 上野景子
参院選傘寿の坂をかけ登る
明石市 川路政行
早早の改憲発議許さない
尼崎市 大野幸雄
大企業成長早め事故多発
芦屋市 梶原嘉代子
弁証法早めと遅め矛盾なく
神戸市 北河豊治
密を避け早めガマンの年暮れる
神戸市 兵頭和子
早めにと思うばかりの本の終活
尼崎市 富田明美
早いめに片付けかけて手が止まる
尼崎市 富田 断
這い這いの孫の来る日は早めの掃除
神戸市 山本尚代
早く花咲けよと春を首長く
神戸市 塩谷凉子
みんぽう川柳募集
▽一月の題は「考える」、締切は一月二十五日(火)▽二月の題は「書く」、締切は二月二十二日(火)▽一人二句まで。葉書に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記。締切が迫っている場合に限りメール、ファクス可です。ファクスの場合は葉書大の枠の中に必要事項を記入してください▽余裕をもって、できるだけ葉書でご応募ください。締切は第四火曜日
郵便サービスが縮小され、配達にかかる日数が長くなっています。そのため来年一月から締切日を毎月第四火曜日に早めています。編集部必着です。(兵庫民報2022年1月16日付)10:30
金田峰生「素人イカナゴ(玉筋魚)考」(上)
イカナゴ(photo ACより) |
一、はじめに
垂水革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす垂水区の会)世話人会から「イカナゴがこの数年不漁で心配している。イカナゴについて話が聞きたい」という相談があり、ちょうど海苔漁が始まっていて、漁業関係者に来て頂くのは難しいだろうということで、二〇二一年十二月十六日に、まず私から話題提供として話しました。本稿は、その話を整理したものです。全くの「門前の小僧」で、見聞きした事から私なりに感じた事ですので、間違っている点もあると思いますがご容赦下さい。
二、海の力が落ちている
イカナゴが激減している原因として、今一番言われているのは、「海がきれいになりすぎた」というものです。私は十年程前に、海苔の色落ちという話を聞いて、辻本達也明石市議会議員と共に現地を訪問し、聞き取りを始めました。その時、漁師から「海の力が落ちている」と言われました。
海がきれいになりすぎて、リンや窒素などの栄養塩がなくなり、海苔が黒くならない「色落ち」といわれる現象が起こるという話です。
イカナゴの餌は動物性プランクトンですが、その餌は植物性プランクトンですから、海に栄養塩が少ないと、イカナゴも成長できない。イカナゴは中型魚、大型魚の餌でもありますから、食物連鎖のバランスが崩れます。海が栄養を失って、生物を育てる力がなくなってきているとのことです。
瀬戸内海は一九六〇年代から七〇年代にかけて赤潮被害が深刻になりました。
水質汚濁防止法と瀬戸内海環境保全特別措置法によって、排水に含まれるリン、窒素、有機物の基準値が定められるなどの結果、赤潮被害は概ね収まりましたが、リンや窒素は栄養塩でもあるので、今度は栄養が不足しているのは規制が過ぎるからではないかという論が出て来て、今年六月に瀬戸環法が改定され、基準上限値は変えないが、それまでの総量規制方式を、適切なリン・窒素の濃度を設定してコントロールしようという事になりました。
実は、栄養塩が少なくなっているようだから、瀬戸内海の栄養塩がどうなっているのか、それはなぜかということを調査・研究し、対策を講じるべきだという事と、瀬戸内海といっても、それぞれ海域の状態は違いますから、海域を分け、メッシュで海の状態を捉えて、海域毎に対策を考えるべきだという事を、私達も遅くとも十年前に提起していました。今回の法改正はそうした私達の提案が一定反映されていると評価し、賛成しました。
ただ、今回の法改正だけでは、根本的な解決にならず、本当にかつての豊かな瀬戸内海の姿を取り戻し、持続可能な環境にすることにはならないと思います。
そもそもなぜ、赤潮が発生し漁業被害を及ぼしたのか。沿岸部をはじめ、陸地にどんどん工場を建て、人間が集中して住み、事業排水・生活排水を海に流したからです。
栄養塩が足りなくなったのには、山を削り、河川をコンクリートで三面張りに固め、砂浜や干潟、藻場を埋め立てたことが関係しているのではないでしょうか。
陸からの栄養塩は、地に降った雨が地面にしみこみ、川に合流し海へ達する間に溶け込むのが主でした。ところが、草木の伐採や山自体を削ることで雨水が十分に栄養を溶け込ませるに至らなくなりました。川をコンクリート三面張りにしたことで雨水が海に到達する時間が早くなったことの影響も排除できません。
その一方で、工業廃水や生活排水などでかなり大量のリン、窒素が流れ込むようになりました。
干潟は、そこに生息する貝類が有機物を吸収し、海の富栄養化を防止する機能を持っていました。藻場も有機物を吸収し、海水を浄化すると共に、逆に栄養塩を吸収した藻、海草が沖へ流れて行って、あるいは動物性プランクトンが表層にある栄養塩を食べて、河口から遠く離れた比較的栄養塩の少ない沖合に栄養を届けます。
また、植物は海水中に酸素を供給する、産卵場や稚仔魚を守るなどの役割も果たしていましたが、それがほとんど潰されています。
青潮(低酸素もしくは無酸素の海水の塊)も発生頻度が増えているようです。
富栄養化で海水面付近に植物性プランクトンや海藻類が多く繁殖することで、海底まで日光が届かず、そこに生息する植物が光合成を行えなくなる等で海底の酸素供給が途絶えてしまい、青潮が出現し、そこにいる魚等は窒息死してしまいます。
つまり、リンや窒素などの栄養塩は、多すぎても少なすぎてもイカナゴには直接的に影響する訳です。従って、山を崩し、川をコンクリートで固め、海を埋め立てたことの影響を科学的に調査・分析し、反省するべきを反省した上で、元に戻すことは非常に難しいけれど、でき得る限りの手立てをまじめに講じるべきではないかと思います。
(次号に続く)
観感楽学
一月になると二十七年前に体験した阪神・淡路大震災を思い出します。あの日は地震の揺れで目を覚ますことになりました。地響きのような大きな音で始まり、すぐ後に縦に激しく揺れたように記憶しています▼一分ぐらいは揺れ続けたように思っていましたが、実際にはそれほどは長く揺れてはいないそうです。揺れが収まるとすぐに家を出ました▼幸い私の近所では、家が崩れるようなことはなかったので、少し近所の方と話をして家に入りました。しかし、家の中はと言うと食器類は割れ、タンスなどの家具は倒れ、物が散乱した状態でした。それでも家族や友人知人に怪我がなく家も崩れることもなかったので、大きな被害にあった方々に比べれば最小限で済んだと思っています▼仕事は一週間ほど休みましたが、忙しい時だったので使える交通手段と歩きで通勤し、製品を完成させ神戸を離れ、県外の客先へ納品に行きました。阪神地域の大混乱に比べ県外の平常さに驚いたのを思い出します▼いま東京では一極集中で人が集まり、再開発が進められていますが、南海トラフ地震や関東方面での大地震の発生時の対策はどうなのでしょうか。阪神地域と限られた地域であの長い混乱が続いたことを思うと本当に大丈夫なのだろうかと思ってしまいます。(ふ)
(兵庫民報2022年1月16日付)9:00
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