豊岡市議会は九月議会の開会日九月二日に平和都市宣言を全会一致で議決しました。日本共産党議員団は二〇〇五年の市町合併以来、ずっと市議会で非核平和都市宣言を要求・提案してきました。また新日本婦人の会豊岡支部が核兵器禁止条約発効を機に「日本政府の批准を求める意見書」の請願を行うなど、市民の取り組みもありました。ともに今回の議決を大変喜んでいます。
豊岡では昨年春の市長選挙で市長が交代。合併前から二十年続いた中貝市政に代わり、同じ保守派ながらも「主人公は市民」を選挙公約にした関貫市政が誕生。市長選後の市議会で奥村忠俊前議員が宣言を求めた際に、関貫久仁郎市長は「検討する」と答えていました。
昨年秋の市議選で日本共産党議員団は、非核平和都市宣言を公約の柱の一つにしました。「宣言をしていないのは但馬三市二町で豊岡市だけ、兵庫県の中でも豊岡市と佐用町だけ。直ちに宣言を」と訴えました。今年に入り、ロシアのウクライナ侵攻、核兵器使用の威嚇という情勢を踏まえて、「今こそ宣言すべき」と三月議会では決議案を用意(後に取り下げ)、六月議会では須山市議が一般質問で取り上げました。
今回の決議については事前に関貫市長から「議会で決議を」と意向があり、議会運営委員会で調整し、開会日の全会一致採決となりました。全会一致とするために宣言文は抽象的になりましたが、さっそく具体化を求める市民の声もあり、豊岡市における非核・平和の取り組みの充実につなげていきたいと考えています。
〔須山ひろかず=豊岡市議〕
平和都市宣言に関する決議
世界の恒久平和は、全ての人々の共通の願いです。しかし、最近の世界情勢を見ると今もなお、武力紛争が起こり、核兵器などの存在と拡散が、世界の平和と人類の生存に深刻な脅威と不安を与えています。今を生きる私たちは、世界の全ての人々と手を携え、核兵器のない社会をつくるために、最大限の努力を重ねていかなければなりません。
私たちは、未来の子どもたちが、この自然豊かなふるさとで安全安心に暮らしていくこと、そして、世界の全ての人々の恒久平和を希求し、ここに「平和都市」を宣言します。
以上、決議する。
令和四年九月二日
豊岡市議会
(兵庫民報2022年9月18日付)14:00