2022年9月18日日曜日

「社会保障の拡充は経済発展の切り札になる」:市民アクション東灘の講演会で川西氏

市民アクション東灘は九月十日、東灘文化センターで恒例の学習会を開催しました。今回のお話は、兵庫県保険医協会副理事長で歯科医の川西敏雄さんです。
川西さんは冒頭、わが国の国力の凋落を豊富な資料に基づき説明。続けて社会保険、福祉、公的扶助そして医療や公衆衛生からなる社会保障の概要をわかりやすく解説した上で、「社会保障は国の施しではなく、国民が弱者になった時の国のシステムであり、国の義務、国民の権利である」と強調、なぜなら「全員が年を取ると弱者になる」と指摘しました。
国の予算と社会保障費、社会保障費水準、GDP(国民総生産)に占める家計消費の割合など、欧米、とりわけ北欧諸国と比較すると遥かに低位にあり、これを打破しなければ経済発展のエンジンにはならない、と解説しました。
過去三十年間の平均給与や所得の推移、貧困世帯の拡大などから、国内消費の低迷が経済力の低迷に繋がっているとし、正規雇用の拡大と賃上げ→消費の活性化・拡大→国内市場の拡大・経済成長→企業収益の増加→税収・保険料の増加→社会保障の充実→将来不安の解消→国内消費の拡大・活性化、という繋がりがあることを強調しました。
雇用誘発効果では、介護や社会福祉などが断然トップで、経済発展への効果についても公共事業に次いで社会保障分野(福祉・介護・社会保険・医療)が相対的に大きな割合を占めていることを川西さんは指摘しました。
最後に「高齢化や少子化が進む今こそ、医療・社会保障の拡充が求められている。それなくして経済発展はない」と締めくくって川西さんはお話を終えました。
〔藤丸徹=市民アクション東灘〕

(兵庫民報2022年9月18日付)11:30