「労働者が声をあげ、職場地域から平和で公正な社会をつくろう」をスローガンに掲げ、兵庫労連が第六十二回定期大会を九月十日、神戸市内で開催しました。
成山議長の挨拶
成山太志議長が挨拶を行い――
市民と野党の共闘に対する昨年の総選挙以来の攻撃と、ロシアのウクライナ侵略戦争とそれに乗じた「憲法九条で平和が守れるか」など、「二重の大逆流」のなかで参院選はたたかわれ、改憲勢力が三分の二を占めた。
岸田首相は投票日直後、早期に改憲発議をと言い出した。GDP二%への大軍拡で国民の社会保障などへのしわ寄せで矛盾は深まり、大変だと思った。
しかし、法的根拠もない「国葬」の実施を決めたことや、統一協会との癒着で、政権はいま追い詰められている。
統一協会との癒着では、アジア諸国を見下し、日本の戦争は正しかったと言っていた政治家が、日本は韓国に貢ぐ国という教義を持つ統一協会と組んでいた。思想的一貫性を欠き、政治家として失格であることも明らかになった。
来年は統一地方選挙、ここで審判を下そう。
労働組合をいま大きくする時だ。出身の郵政産業ユニオンといっしょに空白職場への宣伝にも参加した。非正規職員に聞くと、組合のないところではパワハラが横行、自殺者まで出ているそうだ。使用者と対決するには労組がないとたたかえない。
――と語りました。
総括と運動方針の提案
土井直樹事務局長が総括と運動方針を提案しました。総括については――
この間、憲法改悪反対署名を全組合員のとりくみにすることや憲法学習を提起してきたことを報告し、学習会を通じて憲法共同センターを再建した但馬や川西市の例を紹介しました。
春闘総括もふまえ、何より最低賃金の底上げが必要だと、生計費調査も行い、月額二十四万円、時給千六百円以上が必要なことを明らかにした。記者会見も行い、兵庫県の最低賃金引き上げへ反映させてきた。
しかし兵庫県労働局の最低賃金審議会は連合が労働側委員を独占、女性もいない。公正な選考を引き続き要請する。
参院選では各党に公開質問状を出し回答を特別号を出して組合員に知らせるとりくみも行った。
――などを報告しました。
方針については、組合員減少のなかで、ニュースやビデオも活用した労働者との対話を大切にして組合員増へ頑張ろうと提起しました。
討論
討論では――
憲法が保障する国民の生活の実現へ年金裁判で最高裁に上告して闘っている(年金者組合)。
春闘でスト権確立し五千七百六十三円の賃上げしたが物価上昇はさらに上を行っている。さらに賃上げへ奮闘する(JMITU)。
川崎重工中国出向労働者過労死裁判がはじまる。過労の労災が二〇一六年に決まっているが、川崎重工は労災も争う姿勢。支援して包囲しよう(医労連)。
兵庫県の公立高校統廃合で十四校を六校にしようと。学区大きくて説明会も開かない、姫路では市民の集会でPTAの方も発言、西宮でも計画中。豊岡の特別支援学校統合を市民の署名運動で凍結させた経験もつくった。いっしょに闘おう(高教組)。
教員不足深刻、全市町にアンケート送るとすべてから回答、四月で百六十八人欠員が明らかになり会見するとテレビでも流れた。コロナで教師も感染し、さらに多忙化。IT化で学力はついていないと実例も紹介しました(全教)。
自治体の非正規が会計年度臨時職員になった。ネットも含めたアンケートを実施すると一・六万集まった。文句言うと「いやならやめろ」と言われた、「二時間の時給で八時間働きました」など、連絡先書いてくれたら相談に乗れるのにという声がいっぱい書かれている(自治労連)。
――など、地域労連のとりくみも含め十人が発言しました。
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方針案、会計議案が採択され、大会宣言も承認され、最後に団結ガンバローで閉会しました。
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今大会は、コロナ感染拡大もあってオンラインも併用し、時間も短縮、メッセージはボードに張り出すなどの工夫をしての開催でした。
〔小林明男〕
(兵庫民報2022年9月18日付)12:00