2022年7月31日日曜日

若者がふつうに暮らすには時給1600円以上が必要:最低賃金1500円以上を――兵庫労連が「最低生計費調査」結果発表


兵庫労連は二〇二〇年から取り組んできた「最低生計費調査」の結果を七月二十日に発表しました。
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最低賃金は、中央最低賃金審議会で全国をA、B、C、Dの四つの段階に分け目安が示されます。
その目安をもとに都道府県の審議会で①労働者の生計費、②労働者の賃金の状況、③企業の賃金支払い能力を総合的に勘案して最低賃金の金額が決定されます。
兵庫県のいまの最低賃金は九百二十八円で、この金額未満で働かせることは違法となります。しかし、最低賃金で週四十時間働いても、月額十六万円、年収で百九十三万円にしかなりません。いわゆるワーキングプアの状態です。
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今回、兵庫労連が調査した最低生計費は、「若者がふつうの暮らし」をするには最低でもいくらの時給額が必要かを統計的に調査したものです。その結果、男性で時間額千六百二十六円、月額二十四万三千九百三十二円、女性で時間額千五百八十二円、月額二十三万七千三百十一円が必要だと算出されました。
これまでに同様の調査が全国二十六都道府県で実施されていますが、都市でも地方でも、どの地域でも千五百円程度の時間額が必要だとの結果が出されています。いまの最低賃金では、普通の暮らしができないことが結果から得られました。
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七月二十九日には、この調査結果をもとに最低賃金の大幅な引き上げを求めて、兵庫地方最低賃金審議会で意見陳述を行います。
また、兵庫労連は審議会と専門部会の全面公開と、審議委員の公平な任命と、女性の任命を求めて労働局との交渉を行っています。
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七月二十日は土井直樹兵庫労連事務局長らが兵庫県庁で記者会見。調査について監修を行った静岡県立大学短期大学部の中澤秀一准教授が同席し、集計方法や得られた結果について説明しました。


記者からは、最低賃金と今回の最低生計費調査との関係や、モデルケースとした二十五歳の若者の統計について質問が出されました。
記者会見の様子の録画は兵庫労連Webチャンネルで視聴できます。
〔岡崎史典=兵庫労連事務局次長〕

兵庫最低生計費試算調査の結果について

――兵庫で若者がふつうに一人暮らしをするには時給1600円が必要

2022年7月20日 兵庫県労働組合総連合

○現在の兵庫県の最低賃金は928円である。この金額では、フルタイムで働いたとしても月額16万円程度である。年収200万円にも届かず、ワーキングプア状態である。

○兵庫県労働組合総連合(兵庫労連)では、兵庫で労働者がふつうに暮らすために必要な費用を科学的データにもとづいて明らかにするために、初めて最低生計費試算調査に取り組んだ。

○具体的には、主に兵庫労連に加盟する各単産の労働者を対象に、生活のパターンを調べる「生活実態調査」及び持ち物をどれくらい所有しているのかを調べる「手持ち財調査」を実施し、それらの結果をもとにふつうの暮らしに必要な費用を一つひとつ丁寧に積み上げる「マーケット・バスケット方式」により算定した。

〇調査には、約750名が回答をしている(回収率約10%)。今回は、その中から兵庫に住んでいる、もしくは兵庫で働いている一人暮らしの若者112名分(女性=41、男性=71)のデータの分析結果を報告するものである。

○兵庫県で若者がふつうに一人暮らしをするためには、男性=月額243,932円、女性=月額237,311円(ともに税・社会保険料込み)が必要である。これは年額に換算すると約300万円となる。ちなみに、2月に大阪府でも同様の調査結果が公表されているが、男性=月額244,951円、女性=月額242,110円であった(ともに税・社会保険料込み)。

○この生計費で想定した「ふつうの暮らし」の内容は、以下のようなものである。
  • 神戸市須磨区板宿の25m2の1Kワンルームマンション・アパートに住み、家賃は管理料込みで46,000円(2階、エアコン付き)。通勤には公共交通機関を使い、月の交通費は約10,000円。
  • 冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、掃除機などは、量販店で最低価格帯のものでそろえた。
  • 1か月の食費は、男性=約44,000円、女性=約36,000円。朝晩は家でしっかりと食べ、昼食について男性はコンビニなどでお弁当を購入し(1食あたり500円)、女性には週に2日は弁当持参の日もある。そのほか、月に2回、同僚や友人と飲み会・会食に行っている(1回当たりの費用=3,000円で、女性はこれにランチが1回追加される)。
  • 休日は家で休養していることが多い。1泊以上の旅行は帰省を含めて年に3回で、その費用は年間9万円。月に4回は、恋人や友人たちと郊外のショッピングモールに行って、映画・ショッピングを楽しんでいる(1回2,000円で月に8,000円)。
○試算の月額を賃金収入で得ようとすると、時給換算で男性=1,404円、女性=1,365円(中央最低賃金審議会で用いる労働時間=月173.8時間で除した場合)になるが、これはお盆もお正月もGWも想定されていない、きわめて非現実的な働き方である。ワーク・ライフ・バランスに配慮した労働時間で換算(月150労働時間)してみると、男性で1,626円、女性で1,582円となる。これまでに調査を行った全国26都道府県の結果には大きな差はない。つまり、最低賃金は全国一律で1,500円以上に引き上げなければならないという結論となる。

〇昨今の物価高騰の状況にあって、すべての労働者・国民の生活を守るためには、最低賃金は労働者の生計費の水準まで引き上げられなければならない。賃金の底上げこそが日本経済が再生するためのきっかけになる。今年の最低賃金審議会でのまっとうな議論に期待したい。
以上


(兵庫民報2022年7月31日付)11:30

兵庫革新懇と県憲法共同センターが全県交流会議:危険な「改憲・軍拡」翼賛の動きのなか、各地域から強固な共同めざそう

交流会議後の緊急デモ

危険な「改憲・軍拡」翼賛の動きのなか、〝各地域から強固な共同をめざす全県交流会議〟を七月二十四日高教組会館で開催。主催は兵庫革新懇と憲法改悪ストップ!兵庫県共同センター。学習しつつ、秋へのたたかいへ意思統一しました。
司会と進行は樫村庸一兵庫革新懇事務局長が担当。石川康宏神戸女学院大学名誉教授が「二二年参議院選挙結果とこれからの憲法闘争」のテーマで八十枚の画像を駆使し、九十分の講演をしました。

石川さんの講演


石川さんは、まず二〇一三年以降の衆参選挙の推移を詳細なデータで示し、単なる議席数でなく投票率や得票率の変化、その背景にある国民生活の困難な状況と対比させつつ解説。参議院選挙結果としての議席数変化とともに投票率と得票数の推移を分析し、明らかに自公政権の支持が減少していることとその原因を多角的に検討しました。
しかし、改憲派は十三議席増となりました。石川さんは、二〇一三年以降、市民と野党の共闘が驀進することに恐れた自公政権と財界が「市民と野党の共闘を分断する」大きな〝しかけと圧力〟を行い、残念ながら一部の野党が屈服したり脱落したことが主因であることを様々な資料で解説しました。
こうした結果を受けて、岸田政権とその軍拡の状況を示し、敵基地攻撃能力の軍拡だけで数百倍の軍事力を持つ中ロと対決するような政治は日本列島が壊滅する道だと批判しました。
「なぜ安倍元首相が銃撃で死去したのに、ウルトラ右翼の安倍政治を引き継ぐ岸田政権になっているのか」について、「自民党内の保守派」とは統一協会・勝共連合・日本会議に毒された「右翼集団そのもの」だと指摘しました。
こういう事態に対し「では、我々はどうたたかうのか」について石川さんは、「侵略やめよ」の圧倒的な国際世論、その原動力となっているのが国連憲章であり、同時に世界戦争を二度と起こさない日本国憲法の「九条に象徴される平和への希求」だと強調しました。実際にニュージーランドの首相が世界の動きについて「民主対専制」との見方は間違いで、「中国もロシアを支持せず国連憲章の立場で私らの仲間に入ってほしい」と述べているように、世界各国は変わりつつあると述べました。
石川さんは私たちのいまからのたたかいについて、一つの例として「選挙に行かなかった人たちも含めた世論調査では、憲法九条は変える必要がないという人が多数。むしろコロナ第七波、すごい物価高騰でくらしが大変。大門実紀史さんが『やさしく強い経済学』でのべているとおり、給料アップ・最賃千五百円などまず国民のふところを温め内需拡大で日本経済を正道に戻す運動を強めよう」と訴えました。
そのためにも参院選の悔しさを沖縄知事選から立て直すことを最優先にしつつ、あらゆる地域で「市民と野党の共同」の再生・再建・強化が最重要だと結びました。

活動交流

  • 新婦人須磨支部 須磨共同センターの事務局も担当し、全国署名は千二百筆に到達。七月中に四百五十筆集めて目標を達成したい。新婦人の憲法リーフの人気は非常に高く、一つの班で八百部も使って成果を上げている。
  • 明石革新懇 長年、市内の様々な団体で共催している〝ピースフェスタ〟は改憲反対を明確にしているが、読売新聞も後援している。この歴史が基盤となって〝総がかり行動明石〟が統一行動できている。明石駅前で二百名、大久保駅では百名規模で宣伝。先日は女子高校生が飛び入りスピーチ、さらに男子高校生数人もビラをたくさん持ち帰った。改めて運動の狭さの克服が必要と感じている。
  • 北区・九条の会 「西鈴の会」は十三年間「九条を守れ」の一点で団結し、今も七千枚のニュースを発行し全戸に配布している。「戦争法に反対する北区の会」は各九条の会や各団体が総結集して頑張っている。
  • 長田区革新懇 戦争させない長田の会、「九条の会連絡会」、革新懇の三者でいつも行動を取り組み、その上で区内の各政党も参加してもらい、大きな宣伝もしている。「いま大事なのは沖縄知事選」ということを大きく打ち出し、街頭宣伝しつつ現地派遣も行う。
  • 元弁護士の深草徹さん 『9条とウクライナ問題』と題する書籍を発刊。憲法九条の文だけでなく世界平和を希求していることを強調した。

行動提起とまとめ

津川知久憲法共同センター代表は、石川さんの講演で「はっきり方向」が見え、交流発言の「長年の定時定点などの宣伝行動」の持続性によって、高校生までが飛び入りで参加してくる変化を確認しようと述べました。そして「黄金の三年間にさせない」ために当面の行動提起として①あらためて憲法全国署名を②コロナ禍第七波と熱中症に気をつけながら学習を③署名の数も大切だが、むしろその一筆をもらうための〝対話〟を重視しよう④各団体や地域は、それぞれの「諸要求実現」のため幅広く共同を拡げよう――と訴えました。
最後に、「安倍元首相の賛美・礼賛、国民への弔意の強制に繋がる「国葬」に強く反対し、撤回を求めます」との決議を参加者全員で確認しました。

緊急デモ

交流会議終了後、花隈公園に集まった三十五名が元町商店街から大丸前、三宮商店街を「ロシアは侵略戦争をやめよ」「大軍拡でなく、憲法九条と国連憲章で話し合い外交実現せよ」など訴え、行進しました。
〔速水二郎=憲法共同センター〕

(兵庫民報2022年7月31日付)11:00

神戸製鋼さん石炭火力発電所つくらないで――裁判日記(民事訴訟第16回):人間活動が温暖化を進めている、残されたCO 2排出量はわずか

原告・廣岡 豊(写真左端)


神戸製鋼の石炭火力発電の建設・稼働の中止を求めた民事訴訟の十六回目の期日は七月十九日。原告側二人――専門家証人の東京大学教授の江守正多さんと原告証人の高田寿子さん――の証言が行われました。

江守さんは昨年発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第六次報告書の作成にかかわった科学者の一人として以下のように証言されました。
――IPCCの報告書は二百人の世界の科学者のチームで作成される。作成までには何回もレビュー(批評、論評)が行われ各国からコメントが寄せられ精度が高くて正確な報告書になる。第六次報告書では近年の気候変動(温暖化)の原因は「人間の影響が気候システムを温暖化させてきたことは疑う余地がない」と断定した。
――その根拠として過去二千年の気温の変化で近年ほどの上昇の時はない。特に産業革命以降に急速に上昇している。自然現象による要因では説明がつかない。
――その原因として産業革命以後二酸化炭素濃度が急上昇している。世界は一・一℃上昇した平均気温を一・五℃までに押さえることを決意した。そのためのカーボンバジェット(残り炭素排出量)は四千億㌧しか残っていない(現在の排出量で約十年分)。
――ティッピングポイント(元に戻せない)を超えると気温の上昇により①高温(熱中症)②大雨(水蒸気の増)③干ばつ④海面上昇⑤食糧や水、生態系が侵されるなど被害が増大して人権が侵害される。神戸でも二〇一八年のような浸水被害や大雨による土砂災害が多発する。

原告の高田さんは「娘が神鋼石炭火力発電所近くの幼稚園に通うようになってからぜん息になった。横になれば発作が激しいので二人で座ったまま一晩過ごしたこともある。娘も「コンコンが出る」ので幼稚園には行きたくないと言っていた。発電所から離れた山手の小学校に通うようになってからぜん息もかなり改善した」など深刻なぜん息の状況を証言しました。
また、「自宅が川に囲まれた土砂災害警戒区域なので温暖化による大雨や土砂災害の危険も心配」と訴えました。

次回の期日は十月十八日(火)十一時から。結審の予定です。

(兵庫民報2022年7月31日付)10:30

参院選結果からこれからの社会考える:民青県委員会が学習会

民青同盟兵庫県委員会は七月十八日、「選挙結果から見えるこれからの社会」と題して学習会を開きました。講師は日本共産党兵庫県委員会の松田隆彦委員長。
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松田さんは今回の参院選を振り返り、論戦では日本共産党が外交でも暮らしの問題でも自民、公明、維新を追い詰めたと解説。とりわけ軍拡の問題でこれらの政党は堂々とその主張を兵庫県民の前でできなかったと紹介しました。
憲法改正についても自民党支持層の中ですら「憲法改正を急ぐべきでない」の声が多いことを示し、「改憲勢力三分の二というが、国民は白紙委任したわけではない。国民世論をさらに広げていくたたかいがこれから大事」と話しました。
そして最後に自身が民青同盟に加盟し入党した経緯とその後の活動家としての生き方を語りました。
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感想交流では――「唯一政党の中でリアルな外交政策を掲げていることが重要だと思って今回応援したいと思った。対話や論戦で与党を追い詰めたという話が印象的。民青として希望が持てた」
「さっそく自民党議員が安倍元総理の意思を受け継いで九条改憲を達成すると訴えているのを見て、必ずこれを阻止しないといけないと思った」
「今回も投票率が低くて、自分の周りでも生活に関わる問題なのにそれが認知されていない問題があった。どこから情報を仕入れたらいいかわからない、どこに投票したらいいかわからない、という声がたくさんあり、だからこそ個々人が発信しないといけない。だからこそ食料支援での対話や、シールアンケート対話で知らせたり、地道だけどそれが大事だと思う」――など活発に意見が出されました。
〔上園隆=民青県委員長〕

(兵庫民報2022年7月31日付)10:00

「私たちの個人情報をわたさない 神戸市民の会」が学習会――改正「個人情報保護法」による後退許さず、自衛隊への個人情報提供を中止させる運動を全国的な運動に


神戸市が自衛隊に求められるまま、電子データとして十八歳、二十二歳の個人情報を提供し始めたのが二〇二〇年、今回の学習会のテーマである「個人情報保護法」が改正されたのが二〇二一年五月です。改正された個人情報保護法が自衛隊への個人情報の提供についてどのような影響を与えるか、「私たちの個人情報をわたさない 神戸市民の会」は七月二十二日、神戸学院大学の福嶋敏明教授を講師に迎えて学習会を開催しました。
「個人情報の保護」については、自治体が先行して国が追随してきたこれまでの経過があり、全国の自治体や公共団体ごとに「個人情報保護」の条例や制度が設けられていますが、これを国の一元的な管理のもとに集約しようとしているのが今回の改正の大きな目的です。個人情報の保護よりもいかに活用しやすくし、その情報で民間が利益を生み出せるか考え抜かれた法律となっています。
自衛隊への個人情報の提供については、神戸市のように何ら制限を加えることなく提供しているケースから、個人情報保護審議会に意見を求めて提供に制限を加えた福岡市や、自衛隊法などの法律では「提供を義務付けている」とまでは言えないと判断し提供を行っていない自治体も多くあります。今年五月には、市民・市民団体の運動により尼崎市が提供の事実をホームページで告知し、提供を望まない市民の情報については利用停止請求(オプトアウト)も認めるようになりました。兵庫県弁護士会も県内のすべての自治体に意見書を送り、自衛隊法と施行令は提供の根拠法にならないことを指摘しています。
改正では、このような自治体の独自判断をさせないように「個人情報保護委員会」が規制。自治体での個人情報保護の後退をもたらし、憲法九十二条、九十四条の地方自治体の本旨や条例制定権を侵害することにつながり、住民自治を脅かすものとなります。
福嶋教授は、宇賀克也最高裁判事の著書を引用し「個人情報保護法が定める共通ルールの遵守することのみに意を用いて、あるべき個人情報保護制度について検討する意思を放棄してしまうとしたら、それはわが国の個人情報保護制度の発展にとって望ましくない」との結果につながるとし、自衛隊への個人情報提供問題について全国的運動へと発展させることが課題になっていると結びました。
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「私たちの個人情報をわたさない 神戸市民の会」では個人情報の提供中止を求めて署名に取り組んでいます。是非、多くの方に署名への協力をお願いします。
〔岡崎史典=同会〕

(兵庫民報2022年7月31日付)9:30

観感楽学


一九四五年八月十五日、無謀な戦争に敗北してから七十七年の歳月が流れた。戦後、戦争犯罪を暴く軍事裁判で多くの軍人や政治家たちが裁かれることになったが、安倍元首相の祖父・岸信介も最も責任の重いA級戦犯として同年十二月に巣鴨プリズン(監獄)に収監された。同じプリズンにいたのが児玉誉士夫であり笹川良一だった。彼らは戦時中から軍の中枢部に深くかかわり多くの隠匿物資と情報機関の実権を握って軍や政治家を操っていた。右翼である彼らは同じプリズンに収監された岸信介と親密になりいずれもA級戦犯ながら、三年後の一九四八年十二月に釈放されている▼戦後、右翼勢力が日本の政治に深くかかわるようになるのは巣鴨でつながったこの三人が源流といわれ、背景にはアメリカCIAの関与も指摘されている▼ところで、安倍元首相の殺害事件以降、統一協会と自民党などの関わりが追及されているが、そもそも、一九六〇年代、日本国内に統一協会・勝共連合の活動を広めようと画策したのは児玉、笹川ら右翼と岸信介だったとされる▼安倍元首相が尊敬してやまなかった祖父・岸信介が右翼とともに日本に持ち込み、その布教活動を支えた統一協会が孫の安倍元首相の命にかかわるとは、なんともおぞましくおそろしいものだ。(D)

(兵庫民報2022年7月31日付)9:00

2022年7月24日日曜日

7月末と8月の発行予定


7月31日付:第5日曜日ですが8月14日付の代わりに発行します。
8月 7日付:発行します。
8月14日付:『しんぶん赤旗日曜版』の配送がないため『兵庫民報』は発行しません。
8月21日付:発行します。
8月28日付:発行します。

(兵庫民報2022年7月24日付)14:30

論点知れば「憲法9条守るべき」:青年とシールアンケートで対話――民青県委員会


民青同盟兵庫県委員会はこの参院選で、「憲法九条についてどう思う?」と「気になるキーワード」の二つの項目で対話するシールアンケートに取り組みました。〔上園隆=民青兵庫県委員長〕

問1「憲法九条 どう思う?」

合計四百二十枚のシールが貼られ、「憲法九条は守るべき」が二百八十七枚(六八・三%)、「変えるべき」は六十六枚(一五・七%)、「わからない」が六十七枚(一六・〇%)という結果でした。
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まず「憲法九条については何が論点になっているか知っていますか」と聞くと「知らない」と答える青年が多く、こちら側から個別的自衛権と集団的自衛権、敵基地攻撃能力など問題になっている論点を説明した上で問うと、大半の青年が「憲法九条守るべき」と答えました。
「守るべき」と答えた理由を聞くと「戦争になるから」「変えてしまうと取り返しのつかないことになってしまう」「先制攻撃はやりすぎ。専守防衛であるべき」などの声が相次ぎました。
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一方、「変えるべき」にシールを貼る青年に理由を聞くと「アメリカ言いなりをやめるためにも、日米安保条約で守ってもらうのではなく自分で守れるようにした方がいい」と答える青年が各地で一定数いました。「どのあたりがアメリカ言いなりだと思う?」と尋ねると「辺野古の基地問題とか明らかにおかしいのにアメリカにものが言えないこと。大学の授業で勉強して沖縄の実態を知って、自分なりに色々考えると日米安保条約を無くすために憲法九条は変えるべきだと思った」と話します。
そこで「核兵器禁止条約に入るなどのように、アメリカ言いなりをやめる外交的アプローチも重要で、その方が現実的だと思いますがそれはどうですか」と問いかけると「それは賛成ですね」と答える青年もいました。
この意見はどの場所での宣伝でも一定数出された意見であり、「日米安保条約によるアメリカ言いなりを変えるべき」だと考えているという点で重要です。

問2「教えて! 気になるキーワード」

「学費」「長時間労働」「物価高」「ケア労働の低賃金」に多くの青年がシールを貼りました。
「学費が高すぎる。自分でやりくりしているので学費を下げてくれたら助かる」「教員を目指していて長時間労働は本当に深刻だからなんとかしてほしい」「保育士を目指して勉強しているけど、給料が低すぎるから本当にその職に就くかどうか悩んでいる」など現状を変えたいとの思いが次々と寄せられました。
これらの声には、日本共産党の「やさしく強い経済」の政策が非常によく噛み合って共感がその場でも表明されました。
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岸田政権は選挙後早々、改憲について「できる限り早く行う」と述べていますが、今回の対話で示されたように、青年は憲法九条改憲を許しません。

(兵庫民報2022年7月24日付)14:00

新型コロナウイルス関連の給付金は県営住宅家賃算定に含ませず:山添参院議員への政府答弁生かした日本共産党県議団の質問実る


兵庫県は、七月十三日、県営住宅各指定管理者に対し、新型コロナウイルスに関連する給付金等(持続化給付金、各種協力金等)について、県営住宅の家賃算定に含まないことができる旨を通知しました。県は、さらに「県住だより」で県営住宅の全居住者に周知するとしています。
これは、日本共産党の入江次郎県議が、六月十六日に建設常任委員会で質問したことに対する対応として、十四日、建設常任委員に報告されたものです。
入江県議は、日本共産党の山添拓参院議員の質問主意書への政府答弁書(四月二十二日付)を示し「持続化給付金などは一時的な収入として扱い、県営住宅の家賃算定に含まないようにすべきだ」と要求。このときは、「検討する」との答弁でした。
十四日の報告では、入居者から持続化給付金等が一時的な収入だと申請があり、確定申告書などで確認できる場合、家賃算定の収入としないこと、入江議員の発言も踏まえ入居者などへの周知が必要だとして、指定管理者へ通知、『県住だより』に掲載する――などとしました。
〔門屋史明〕
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山添拓参院議員への政府答弁書(四月二十二日付)は――
「公営住宅の事業主体の判断により、公営住宅の入居者及び同居者が受給した持続化給付金等を、「公営住宅法施行令第一条第三号の収入の認定の特例について」(昭和三十六年三月六日付け住発第五十六号建設省住宅局長通知)における「退職所得、譲渡所得、一時所得、雑所得その他の所得のうち一時的な収入(おおむね一年以内の期間ごとに継続的に得る収入でないもの)」に該当するものと取り扱い、所得金額の認定に当たって当該持続化給付金等の額を除くこととすることは可能である」としています。
市営住宅・町営住宅についてもそれぞれの市町の判断で県営住宅と同様、持続化給付金を家賃算定に収入から除くことができます。

◎質問主意書と答弁書
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/208/meisai/m208035.htm

(兵庫民報2022年7月24日付)13:30

県の物価高騰対策:中小事業者への一時支援金、15日から申請受け付け

兵庫県が原油価格や原材料価格高騰等への対策として、売り上げの減少した中小法人・個人事業主などに支給する「兵庫県中小企業等一時支援金」の申請が七月十五日から始まりました。同支援金は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業。兵庫県の補助を受け、公益財団法人「ひょうご産業活性化センター」が実施しています。
支給対象となるのは、①国の事業復活支援金を受給している②県の経営円滑化貸付(原油価格高騰、原材料価格高騰)を借り受けており、県内に本店の所在地ある中小法人、県内に住所地がある個人事業主です。
支給は一事業者につき一回限り。申請受付期間は七月十五日から九月三十日までですが、「申請期限前であっても、予算額に達し次第終了となります」としています。
支給額は、国の事業復活支援金の受給者のうち売上高減少率が五〇%以上、または県の経営円滑化貸付の利用者は、中小法人等三十万円・個人事業主十五万円、事業復活支援金の受給者で売上高減少率が三〇%以上五〇%未満は、中小法人等二十万円、個人事業主十万円です。
申請は「原則、オンライン申請」としていますが、「オンライン申請が困難な方は、郵送による申請も可能」としています。
〔森勇治〕
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◎申請案内ページ
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/shienkin2207.html

(兵庫民報2022年7月24日付)13:00


高砂市議選8月28日告示・9月4日投票:さかべ・大西両市議の再選へ決起集会


高砂市議選(八月二十八日告示・九月四日投票)での日本共産党の、さかべ勝彦・大西ゆき両市議の再選をめざす決起集会が七月十七日、開催されました。
参院選について兵庫選挙区候補として奮闘した、こむら潤さんが挨拶し、選挙のなかでの無党派の方々の支援の広がりも紹介し、選挙結果にがっかりしてはいられない、選挙中に掲げた政策・公約の実現のために力をつくす、と決意を表明しました。
大西市議は、前回市議選で当選したらすぐに相談が次々とやってきたと語りながら、切実な市民要求実現のため二期目への決意を訴えました。さかべ市議は、市議会で果たす共産党議席の役割を語り、憲法九条を守りぬく議席を必ずと訴えました。
今回の市議選は定数十九に九人はみ出しの大激戦の様相です。市民病院守り、高い国保料・介護保険料の引き下げなどの切実な市民要求実現に何としても勝ち抜こうとガンバロー!と参加者一同、決意を固め合い、終了後には、暑い中、早速ビラ配布に出ていきました。
〔小林明男〕

(兵庫民報2022年7月24日付)12:00

原発をなくす兵庫の会 第21回恒常学習会:石炭火力発電問題についても運動強めよう

気候危機は待ったなしの課題です。原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会(以下「原発をなくす兵庫の会」)は七月十四日、第二十一回恒常学習会を開催し、神戸製鋼石炭火力発電所について、講師に神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会から廣岡豊さんを講師に迎え、こうべまちづくり会館で学習を行いました。
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廣岡さんははじめに、ロシアによるウクライナ侵略について「人のいのちが失われることはもちろんだが、環境・自然破壊、貴重な動植物の絶滅、限りある資源の無駄遣い、気候危機をさらに加速させることにもつながり、核兵器まで使用されると数世代後まで甚大な影響を及ぼす。ロシア軍はウクライナから即刻、撤退するべきだ」と述べました。
次に、インドのバンダで気温が五十度近くまで上昇、シベリア、アラスカなどで大規模な山火事が発生、日本では二〇二〇年の球磨川氾濫、二〇二一年の九州・佐賀での大雨、そして二〇二二年は六月末に四十度越え、七月十二日の神戸での局地的大雨――など近年の世界各地での異常気象について事例を示し、気温・海水温度の上昇が影響していると説明。「その被害は、一九七〇年から二〇一九年までの五十年間で四百兆円に上り、二〇一〇年からの十年間では百五十四兆円と急激に被害額が増加していて、今後十年間で二百五十兆円も被害額が想定されている。世界一、気候リスクがあると言われているのが日本だ」と指摘しました。
近年の気候危機や温暖化は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が「人間の影響が気候システムを温暖化させてきたのは疑う余地がない」と初めて指摘したことなど、さまざまな観測記録・資料などをスクリーンに映し、わかりやすく解説しました。
また、「気温の上昇を一・五度に抑えるためには残されたCO 2の排出量・カーボンバジェットは世界で四千億トン、人口比で日本が排出できるCO 2は六十五億トンになり、毎年十億トン余りを排出している現状を考えれば残された期間はあとわずかしかない」と示しました。
「日本政府のエネルギー計画ではアンモニア混焼などでCO 2を削減するとしているが、二〇%混焼の場合、神鋼石炭火力四基だけで国内生産量百八万トンを上回る百三十五万トンが必要であり、アンモニア一〇〇%燃焼にしてもCO 2を二割程度しか削減できない。神戸市が進める水素活用についても、褐炭という質の悪い石炭から生成される過程で大量のCO 2を排出し、なおかつ排出量については原産国に押し付ける形となり、まったく無責任な政策だ」としました。
最後に、神鋼石炭火力発電所ついて、国・関西電力・神戸製鋼を相手に起こしている裁判に対する支援を訴え、神戸市内で排出される大気汚染物質のほとんどが神戸製鋼からの排出で、石炭を燃やすことで水銀が大気に放出されていることや神鋼石炭火力発電所三・四号機の稼働で再び大気汚染が広がり、排出される温排水の影響で神戸港の水温が上昇し、神戸市民の生活と健康に影響が出ていることを語りました。
*
国を訴えた行政訴訟は、今年四月に大阪高裁が「CO 2排出による被害について原告不適格であり争う資格がない」と不当な判決を出し、原告は最高裁での審理を求めています。また関西電力、神戸製鋼所などを訴えた民事訴訟は神戸地裁で審理が進んでいて、七月十九日に原告・専門家の尋問がおこなわれ、二三年度中にも判決が出される見込みです。
原発問題とともに石炭火力発電についても運動を強め、裁判所に石炭火力発電の停止を求める判決を出すよう求めましょう。
〔岡崎史典=同会〕

(兵庫民報2022年7月24日付)11:30

論点詳論:気候危機回避と日本の水素エネルギー開発――後編――:西川榮一(神戸商船大学名誉教授)


■大量の水素利用を見込んでいる6次エネ基本計画

国の温暖化対策は、CO2排出量を2013年比で2030年までに46%削減(日本共産党は50~60%の削減必要と指摘しています)、50年までに排出実質ゼロにするという目標を立てています。そしてこの目標を視野に入れて6次エネ基本計画が作られ、エネ政策が進められています。水素・アンモニアについては以下の計画になっています。(水素を原料にしてアンモニアを作れば、化石燃料に替わる脱炭素燃料に使えるとして6次エネ計画は重視しています)
①供給量は、2030年で水素、アンモニアそれぞれ300万t、2050年で水素2000万t、アンモニア3000万t(水素換算500万t)。
②製造は、2030年までは現在の製造法によって調達し、その間クリーンな水素・アンモニア大量供給のために革新的技術を研究開発し、30年以降その技術を実用化してクリーンな水素・アンモニアを供給する。
③2030年、発電電力量9340憶kWh、その1%を、2050年は、参考値ですが、発電電力は30年比1.3~1.4倍程度、その10%を、水素・アンモニアで賄う。
現在、日本の水素生産は年200万t程度といわれますが、そのほとんどは自家消費で一般用途への供給量は数万t程度、アンモニア生産はおよそ100万tですが、そのほとんどは肥料用途です。この需給量の現状と比べると①の計画供給量は大変多く、水素もアンモニアも、製造、輸送・貯蔵、利用など全面にわたる大規模な供給体制を一から構築しなければならず、巨大な投資事業になります。この水素・アンモニア計画、ここでは2つ問題点を指摘しておきます。

□1つは、急迫している気候危機回避に役立たない

現在の水素、アンモニアの製造法ではその製造過程でCO2が排出されます。アンモニア製造では石炭を燃やした場合のCO2とほぼ同量が、水素製造では70%程度が排出されます。なので前者では削減効果ゼロ、後者では20%混焼とすると削減効果6%です。これでは2030年まではCO2削減はほとんど期待できません。50年以降はどうか。電解法による水素製造ならクリーン電力つまり再エネ電力が必要です。①にあるように、50年にはアンモニアの分も合わせると2500万tの水素供給が計画されています。これを水の電気分解で製造するとなると一兆数千億kWhもの再エネ電力が必要です。確かな再エネ電力生産の準備なくしては不可能でしょう。計画では、その頃になれば世界で安価な水素が製造されるようになっているだろうから、不足分は輸入すればよいとみています。日本は世界に先駆けて水素液化タンカーの開発も進めている、というのです。そんなに都合よくいくでしょうか、外国の水素依存、輸入依存では危うい。国産による再エネ主力電源化は6次エネ計画の柱の1つですが、それとも矛盾します。

□2つは、無駄の極み、火力発電の代替燃料という使い方

アンモニア3000万tはほとんどすべて石炭火力の代替燃料に利用されるのでしょう。クリーンなアンモニアであるためにはその原料となる水素500万tを作るのに2500億kWhの再エネ電力が必要です。一方、このアンモニアを燃料に使って発電できる電力は、発電効率43%、およびアンモニアの製造、輸送・貯蔵、発電プラント維持、送電などのためのロスを考えると、700億kWh程度でしょう。つまり2500億kWhの再エネ電力を使ってその30%にも満たない電力しか作れないのです。2500億kWhを送配電して直接需要側に届ければほとんどそのままの量利用できるでしょう。しかも石炭火力もアンモニア供給施設整備も不要です。2000万tの水素もかなりの部分は、化石燃料の代替燃料としてガスタービンなど在来熱機関に利用されるのでしょうが、アンモニアほどではないとしても、同じように大きな無駄を伴います。

■いま全力かけるべきは再エネ利用拡大の取り組み

再エネ利用拡大は、急迫の気候危機回避のために待ったなしの課題です。再エネ利用を拡大すれば拡大しただけCO2排出量は削減されます。再エネ利用の技術はすでに広く実用化され、その生産体制も整っており、コストも下がってきています。日本では再エネ利用が遅れているといわれています。これまで旧大手電気事業者は再エネ電力拡大に積極的ではありませんでした。政府の施策もそれに追随してきた面があります。そのような態度が反映しているのでしょう。いま日本で送配電網とその運用の仕組みが再エネ電力拡大のネックになっています。政府も旧大手電気事業者も、いかにして再エネ拡大を加速させるか、その方向に方針を転換すべきです。政府は再エネ拡大施策の強化を、大手電気事業者は送配電のしくみを再エネ電力拡大最優先に改善を急ぐべきでしょう。
水素は、在来熱機関の延命ではなく、化石燃料依存の熱機関からの脱却に向けて、その利活用が図られるべきです。そうしてこそ再エネ電力の拡大とともに、“水素社会”への展望も開けてくると思います。

(兵庫民報2022年7月24日付)11:00

日本共産党の元兵庫県委員長、元国会議員、元兵庫県議団長、元神戸市議団長のみなさんが連名で訴えを発表しました。:県委員会事務所大規模改修への募金を訴えます

党員、後援会員、支持者のみなさん。今回の参議院選挙と日本共産党への日ごろのご支援、ご協力に、私たちからも心をこめて感謝いたします。

さて、このたび、県委員会が党創立百周年記念事業として、県委員会事務所の大規模改修を決意し、募金への協力を呼びかけました。二〇二三年六月に着工し、工期一年、総事業費一億六千万円の大事業です。

私たちは、現役を引退していますが、いまの事務所は、ここを拠点に国政選挙、地方選挙、統一戦線活動をはじめ、政治革新の諸運動に取り組んできた者として、特別の思いが刻まれた事務所です。同じ思いの方も多いのではないでしょうか。私たちも、この事務所の大規模改修への募金活動を成功させる一助になりたい、と考えて連名の訴えを出させていただきました。

現在の事務所は、一九六五年に著名な建築家の設計で新開地商店街の一角に料理屋として建てられたものを、一九八〇年に買い取り、事務所にしました。
最近では、国政選挙事務所、東日本大震災救援バザー会場、商店街主催のお祭り時のステージなどにも活用され、近隣の皆さんにも親しんでいただいています。しかし、阪神・淡路大震災には耐えたものの、築後半世紀を超えており、基本部分の老朽化に加え、消防上も問題が生じるなど、抜本的な改修が必要となったものです。

日本共産党は、創立百周年を迎えました。戦前、戦後を通じて労働・農民運動、平和と民主主義、社会進歩をめざすたたかいで、兵庫県党が果たした役割は、私たちの誇りです。今の事務所で活動を始めてからも、参議院兵庫選挙区での勝利、阪神・淡路大震災での立党の精神を発揮した救援活動、県議会議員選挙での十四名当選、南光町、福崎町、市川町など一時は五町に及んだ共産党員町長の誕生など、紆余曲折があっても政治革新と社会進歩をめざす運動で果たしてきた活動は、大きなものです。
日本の政治革新は、日本共産党の前進と奮闘ぬきにありえません。県委員会は、大規模改修後の新しい事務所を、強く大きな党をつくり、市民と野党の共闘を発展させ、政治を変える拠点として環境にやさしく省エネ・再エネ、防災、バリアフリー、ジェンダー平等などを考慮した「安全・快適・県民に開かれた事務所」にすることを決めています。

党員、後援会員、支持者のみなさん。県委員会事務所の大規模改修募金に、お力をお貸し下さい。お知り合いにも声をかけていただき、大口、小口、工事期間中の積立募金、さまざまな方法でご協力下さい。心からお願いいたします。

二〇二二年七月十五日

永井 堯 (元県委員長)
西川 恭次(元県委員長)
岡  正信(元県委員長)
藤木 洋子(元衆議院議員)
大沢 辰美(元参議院議員)
筒井 基二(元県議団長)
森原 健一(元神戸市議団長)

(兵庫民報2022年7月24日付)10:30


論点詳論「今こそ食糧自給率の抜本引き上げを」日本共産党国会議員団兵庫事務所長 金田峰生


コロナ禍とロシアによるウクライナ侵略によって、穀物・原油・肥料などの価格が高騰し、国連が「戦後最大の食糧危機」と警告する事態になっています。
FAO(国連食糧農業機関)は、コロナ禍で世界人口七十九億人のうち二十三億七千万人(三〇・四%)が、飢餓・食糧不足に苦しんでいると報告(『食料不安の現状2021』より)、国連は今年五月、「急性飢餓人口」が三億二千三百万人に増えると警告しました。ロシアとウクライナが、世界の小麦輸出量の約三割を占めていることが、主な要因です。二〇二一年にWFP(世界食糧計画)などが報告した「急性飢餓人口」は一億九千三百万人でした。
日本でも食料品の値上げが続き、「食料が買えない・食べていけない」国民が増えています。
世界の食料価格(平均)は二〇二〇年に比べて一・五倍以上に跳ね上がっています。このままウクライナ危機・コロナ禍・異常な円安が続き、何も手立てを打たなければ、大変な事態になりかねません。
ところが岸田自公政権は、何ら手立てを講じないばかりか、逆行しています。
小麦や飼料への転作補助金(水田活用交付金)の大幅カット、小麦・大豆の保証価格引き下げなど、農家を疲弊させ、食糧自給率をさらに下げる政策を打ち出しています。
兵庫県内のいくつかの自治体では、米の買い取り価格上乗せや、肥・飼料代補助などの支援策を講じていますが、本来、国が行うべきであり、そうしないと農業を支えることはできません。
緊急対策として、水田活用交付金の打ち切りをやめ、余剰米を政府が買い上げるなど米価下落対策を講じること、燃油、肥・飼料、農業資材の高騰への十分な対策を講じること、消費税を五%に減税し、インボイス制度を中止することが必要です。

抜本的な食糧政策・農業政策の転換が必要

同時に、抜本的な食糧政策・農業政策の転換が必要です。
日本の食糧自給率(カロリーベース、以下同じ)は三七%しかありません。小麦の自給率は一五%、大豆はわずか六%です。農地は六十年間で、かつての三分の二に減少し、基幹的農業従事者も二〇〇〇年の二百四十万人から百三十六万人へと減少しています。
長年の自民党政治がわが国の農業を壊し、今日の食糧危機をもたらしました。
日本の食糧自給率は、農林水産省が統計公表を開始した一九六〇年が七九%でした。それが四十年後には四〇%へと半減しました。
食糧自給率の異常減少の原因は、歴代自民党政権が「アメリカいいなり・財界べったり」の政治を続けているからに他なりません。
日本政府も戦後暫くは、米、麦、大豆、砂糖などを主要な農産物として保護する方針を取っていました。しかし、アメリカから、当時まだアメリカが輸出できない米、精肉、牛乳、卵などを除く農産物を輸入するよう要求され、一九六一年には大豆、翌六二年には鶏肉、鶏卵、たまねぎ、七一年にはブドウ、リンゴなどと共に豚肉、九一年には牛肉、オレンジを自由化し、九五年に麦類と乳製品、九九年には主食の米まで明け渡してしまいました。さらにTPPに加入し、国民の命の源である食糧を外国に依存する、亡国路線を突き進んでいます。
一方、歴代自民党政権はそれら農産物輸入自由化を取引材料にして、自動車をはじめとする工業製品の輸出を拡大してきました。また、一九六一年に農業基本法を制定し、「機械化」「大規模化」を推進。酪農・畜産もアメリカ式に切り替えさせ、農家に輸入飼料の使用や施設・設備の「近代化」を押し付けるなど、アメリカの巨大農業企業、穀物メジャーと日本の大企業が儲かる仕組みをつくっていきました。

資本主義国でも異常な第一次産業軽視

わが国の第一次産業軽視は同じ資本主義国の中でも異常です。
アメリカ、カナダ、オーストラリア、フランスも食糧自給率は一〇〇%を超えています。ドイツ、イタリア、そして同じ島国のイギリスも一〇〇%は切っていますが、八六%~六〇%と、日本の倍はあります(農水省調べ)。
農業支援策では、水田の持つ水質浄化機能、生物多様性の維持、洪水防止機能を評価して、その対価を農家に直接支払う(イタリア)、高関税・価格支持・輸出補助金の三点セットで酪農を保護(アメリカやEU)、農業所得に占める政府からの直接支払いの割合が八割(フランス)などに対し、日本は稲作農家に対して政府からの直接支払いは所得の二割程度です。
食糧自給率一三二%のアメリカでは、かつてジョージ・H・W・ブッシュ大統領(当時)がしばしば、「食料自給は国家安全保障の問題であり、それが常に保証されているアメリカは有り難い」「食料自給できない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ」と演説していたように、自国の食糧自給を国家安全保障の柱として重視し、食糧生産を手厚く保護しています。
その一方でアメリカは、余剰農産物処理と食料による世界戦略を進めるため、他国には、WTO(世界貿易機関)などを通じて農産物貿易自由化を求め、「非効率な」食料生産をやめてアメリカから食糧を買うよう推進、日本は真っ先にその戦略に呑み込まれ、今も追従しています。
日本は経済力にものを言わせて、世界から食料を輸入していますが、この稿の冒頭で述べたように、世界の食料価格(平均)は直近二年間で一・五倍以上に、二〇〇〇年からの二十年間では最大三倍以上に高騰し、日本が買入競争に負ける場面が増えています。
そもそも、気候変動による不作、コロナ禍、紛争などで世界的に食糧不足になった場合、自国民の食糧確保を最優先するのが当然でしょう。日本のように、自国で食糧自給が可能であるにもかかわらず、これを行わずに輸入に依存していては、食料価格高騰を誘引し、貧困に喘ぐ国々の国民から食料を奪うことになり、さらに自国民の命を支えることもできなくなります。

日本共産党の取り組み

日本共産党は兵庫でも、種子法・種苗法の改廃や漁業法の改悪に反対し、直ちに自治体に対策を取るよう申し入れました。
価格補償と所得保障を組み合わせた農業支援、燃油対策や安全確保、海洋環境保全や外国船籍対策などの漁業支援、林道整備推進と環境保全評価、国産材市場開拓などの林業支援を提案し政府と交渉するなど、尽力しています。
日本共産党は、第一次産業を国の基幹産業に位置付けることを綱領に明記している日本で唯一の政党です。食糧自給率の抜本引き上げ、豊かな国づくりを進めるために力を尽くします。

(兵庫民報2022年7月24日付)10:00

兵庫山河の会 〈七月〉

産直の買物タイム玉ねぎはとても背負へず加齢はかなし
 石井敏子

どかどかとカタログ届く無神経旅もお洒落も無縁のわれに
 古谷さだよ

完熟のトマトも葱もしがらみもスパッと切れよ砥石を当てる
 山下直子

一輪の紫陽花柵を抜け出して皆に撫でられ俯いており
 山下正弘

アガパンサスが咲いてるよあの笑顔も一度見せてよ夏がまた来る
 山下洋美

冷蔵庫梅にらっきょに紫蘇ジュースこの年ごろの暑さ対策
 塩谷凉子

ピカソ描く「貧しい食事」のスープ皿貧しい二人の青春の糧
 大中 肇

封鎖にて小麦届かず飢える子に大食い競うこの国を恥ず
 山下 勇

この地球を即破壊する危険物造るも人なら無くすも人なり
 西澤 愼

新設の産直売場にならびたる大玉トマトは陽の匂いもつ
 古賀悦子

(兵庫民報2022年7月24日付)9:30


亀井洋示「青年の貧困」

 


(兵庫民報2022年7月24日付)9:20

観感楽学「人口に膾炙」


「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは野村克也が発した名句として人口に膾炙されている。参院選の投票結果が出て少し時間がたち、なぜ改憲勢力三分の二を許したのかをこのコラムで考えようと思ったときこの句を思い出した。調べてみるともともとの出所は肥前平戸藩の第九代藩主・松浦静山の剣術書『剣談』にあるとわかった▼そこで止めればよかったが、こんどは自分がふと使った「人口に膾炙」が気になった。膾とはなますで炙とはあぶり肉、だれの口にもうまく感ぜられるところから広く人々の話題に上ってもてはやされること、と国語・漢和辞典が教えてくれた▼が、横道にそれてしまい肝心の考察をする字数が足りなくなった。とっかかりとして気になっていることを一つだけ。東京選挙区の山添拓候補は「憲法が、希望」というスローガンを掲げた。「改憲許すな」ではなく「憲法まもれ」でもなかった。しかも「が」のあとにわざわざ読点を入れている。押しつけことばでなく想像と対話を引き出せるようにと考え抜かれたのでは▼心をとらえることばは運動から生まれ、それが運動を励まし広げる反作用を果たす。九条改憲めぐる一段激しいステージを共同の力でたたかうためにもこのスローガンを深めなくては。(T)

(兵庫民報2022年7月24日付)9:00

2022年7月21日木曜日

兵庫教育共闘:神戸高塚高校事件慰霊の集会、知事・県教委・県議会へ要請も

兵庫県立神戸高塚高校事件から三十二年目を迎えた七月六日に、兵庫の教育をよくする県民会議(兵庫教育共闘)は、最寄駅の西神中央駅での早朝宣伝の後、同校校門前で慰霊の集会を開きました。また、兵庫県知事・教育委員会・県議会へ事件三十二年目にあたって兵庫県の教育の改善を求める要請を行いました。
神戸高塚高校事件は、一九九〇年七月六日、初めての期末試験に遅れてはならないと駆け込んだ一年生の女生徒が教師の閉めた校門に挟まれ亡くなった事件です。
遅刻者には校庭のランニングなどのペナルティを与えるため、「校門指導」として鉄製の門扉を閉じることを校長らが決め、教師に厳格に実行させていました。この事件を通じて、生徒を一人の人間として扱わない「管理主義教育」や「校則」が改めて明らかになり、大きな社会問題になりました。
事件後、労組や市民団体で教育共闘を結成して、改善を求め、毎年行動を継続してきました。また、当時の保護者が子どもの学校の実態を知らなかったことを反省し、「高塚高校事件を考える会」をつくり、事件の裁判では教師一人の責任だけが問われたため、「親の教育権」を求めて提訴し、たたかいました。
校門前の慰霊の集会では、事件当時の生徒の「あの時の記憶が鮮明に蘇る、あの教師一人の責任にしてはならない」とメッセージが読み上げられ、当時の父母、教師、教職員組合、諸団体からも、「事件を風化させてはならない」「学校や教育を変えるたたかいを」との決意も語られました。
〔小林明男〕

(兵庫民報2022年7月24日付)12:30


2022年7月17日日曜日

兵庫県常任委員会「参議院選挙の結果について」(声明) 二〇二二年七月十二日

花束を贈られた、こむら潤選挙区候補(中央)と赤田勝紀比例候補(左)

新型コロナや猛暑の困難な状況の下で、ご支持・支援をいただいたみなさん、「しんぶん赤旗」読者、後援会員、サポーター、党員の皆さんに、心から感謝を申し上げます。


参議院選挙の結果、わが党は比例代表選挙で改選五議席から三議席に後退し、再選を勝ちとった東京選挙区をあわせて四議席にとどまりました。


兵庫県で比例三十六万票(得票率一五%)を目標にしましたが、得票は比例十四万五千二百五十一票(得票率六・三三%)、選挙区十五万四十票(同・六・五二%)でした。


こむら潤兵庫選挙区候補は議席に届かず、また比例代表で近畿から送り出していただいていた大門みきし候補も議席を失う結果となりました。ご支持いただいたみなさんのご期待に添うことができず、責任を痛感しています。


日本共産党は、今回の選挙を「戦争か平和か」を問う選挙、物価高から国民のくらしを守る選挙として位置付け、こむら候補を先頭に正面から大軍拡に反対し、憲法九条を生かした平和外交と東アジアの平和体制づくりを訴えました。また物価高騰に苦しむ国民のくらしを支えるため、新自由主義経済の転換とやさしく強い経済の実現を訴えてきました。


日本共産党とこむら候補が訴えた政策は、国民の皆さんの切実な願いであり、こうした訴えが伝わったところでは、大きな共感が寄せられました。それを結果に実らせられなかった要因は、その「訴え」を届けきれなかった党としての力不足にありました。


今後、この弱点を打開していくために、ぜひ党内外から率直なご意見・ご提案をお寄せ下さい。
大軍拡・改憲に反対し、国民生活を守るために、私たちは立ち止まるわけにはいきません。選挙中に掲げた政策・公約の実現のために力をつくすことを決意しています。とりわけ、憲法九条改悪反対の一点での運動を県民の皆さんとともに発展させることは、待ったなしの重大課題です。


また、先進性と不屈性を発揮する百年の歴史を持つ党として、必ずや自力の不足を克服し、捲土重来を期して奮闘いたします。

以 上

みんぽう川柳〈六月〉「決める」 選 者 島村美津子

特 選

憲法は平和を決める九条で
 神戸市 高馬士郎

【評】どんな時でも命がけで戦争に反対し続けた党の存在を誇りに思います。
そして少女の日の戦争を思い出しています。空襲で生まれ育った家を焼かれ、飢えに苦しみ原爆の惨禍に怯えて、ひとつしか無い尊い命が失われていくのを目の当たりにしました。
憲法の殊に九条が生まれた時は、喜びで胸がいっぱいになったことを思い出されます。

入 選

日本は「戦争しない」と決めました
 尼崎市 大野幸雄

戦争を誰れが決めたか忘れまい
 尼崎市 富田明美

決めました迷惑かけて生きて行く
 神戸市 中村好孝

防衛費倍増きめて国民ヒイヒイ
 芦屋市 梶原嘉代子

庭を見て献立て決める物価高
 稲美町 川島八重子

決定権いつもなんでも妻にあり
 明石市 上河規江

生き方は体と話し決めていく
 尼崎市 富田 断

決めたことサボらずやれば競り勝てる
 神戸市 長尾粛正

書き直す決めた項目壁に貼る
 神戸市 松尾美恵子

墓仕舞決めて気がつく俺の墓
 神戸市 坂口和義

平和願い出展決めてひまわりを彫る
 神戸市 眞鍋靖子

孫娘決まった夢のインターハイ
 神戸市 玉山歳子

戦争放棄貫く党へまっしぐら
 神戸市 山本尚代

戦争か平和か決める投票日
 明石市 小西正剛

みんぽう川柳募集

▽七月の題は「励む」、締切七月二十六日(火)▼八月から締切を第四金曜日必着に戻します。八月の題は「金曜日」、締切八月二十六日(金)▽一人二句まで。葉書に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記。葉書のみ受け付け。お体の具合などで投函に出かけられない方はいままでどおりメール・ファクスでけっこうです。

(兵庫民報2022年7月17日付)9:30



観感楽学


ニュージーランドのヘレン・クラーク首相が二〇〇一年十一月、日本の新聞に「ニュージーランドは、平和です」との全面意見広告を掲載して驚かれた。前年九月十一日、米国で起こった同時多発テロの恐怖から航空機利用が激減したことに対する観光立国の同国の反応だった▼「わたしたちは平和と反核という政策も、大切な国の基本にしています」と反核をアピールするものだった。「反核」政策とは、非核「神戸方式」を国として実行しようと一九八七年に制定された非核法のことだ▼このごろ「平和」という文字が朧げに霞んで見え、意味さえ虚ろに響く――傾向が強い。非核三原則では不安だと「核共有」に走り「国是」を投げ出し、禁止条約に反対する日本が恥ずかしい▼現在のアーダーン首相は同国史上最年少三十七歳でヘレン・クラーク首相に次ぐ三人目の女性首相。核兵器禁止条約を国連が定めた署名手続きの開始日(一七年九月二十日)に早々と署名した。反核・平和できっぱりした態度は清々しい▼選挙の結果、「黄金の三年」という。三年先は、今年八月の再検討会議が禁止条約締約国会議の成功をふまえさらなる前進をめざし、次の再検討会議の年。世界はきっぱり核兵器廃絶が大勢だ。この流れを加速させ、決着をつける三年は楽しみだ。(K)

(兵庫民報2022年7月17日付)9:00

2022年7月7日木曜日

「教育に穴があく」――兵庫県の教員未配置の実態:兵庫教職員組合書記長 永峰博義

調査結果を発表する岡田恭治副委員長(右)と永峰書記長(左)
=6月20日、県庁記者クラブ

○兵庫教組で実態調査

文部科学省は二〇二一年度「教師不足」調査に乗り出し、始業日時点で二千五百五十八人の「教師不足」があると発表しました。
この調査で兵庫県では小学校二十二人、中学校五十七人が不足していることも発表されました。現場からは、始業日以降も年度途中で休職に入り、代替が見つからない状態や、四月一日から、そもそも未配置になっている「定員未充足」といった状態が数カ月続いているなど、深刻な実態も報告されていました。
*
兵庫教職員組合は、この「教員の未配置」の実態をリアルにつかみ、県教育委員会に対して「教師不足」の実態を示し、抜本的な改善策を迫っていきたいと考え、独自に「教員未配置実態調査」を今年五月から六月にかけて行いました。兵庫県下四十市町(政令市である神戸市は除く)教育委員会に直接、調査依頼をし、六月十日には全四十市町教育委員会から回答を得ました。その結果は下の表の通りです。

未配置の教員数(5月16日現在)
小学校
中学校
特別支援学校含む
合計
常 勤 60人 42人 102人
非常勤 24人 42人 66人
合 計 84人 84人 168人


ある程度の数は予想していましたが、新学期が始まってからわずか一カ月でこの数。未配置のあるすべての学校が対応を余儀なくされ、「みんなでカバー」することになっています。また、未配置のうち、常勤で一番多かったのが、「定員未充足」で四十七人、次いで「病気休暇代替が見つからない」が四十人でした。「定員未充足」というのは論外ですが、「病気休暇代替が見つからない」というのは、今の学校現場の長時間過密労働の蔓延の結果だとみるべきです。
私たちは、今回の調査結果を、保護者、地域の方、教育委員会関係者、そして教職員など、教育に関わるより多くの人と共有すること、この課題の解決のためにそれぞれの立場で知恵を出し合い、一刻も早くこの状況を変えていくことが重要と考え、六月二十日に県庁記者クラブで記者発表を行いました。新聞社五社、テレビ局二局が参加し、二十日の夕方のニュースでは二局とも取り上げるなど、この問題の関心の高さがうかがえます。
放送後には、現場教職員から、「教育現場がかかえる重大な問題をよく指摘してくれた」「専科や兵庫型学習システムの担当者は、未配置になっている学級の調整定員ではない」「これからもとにかく現場の生の声を届けてください」などたくさんの声が届きました。また、管理職からも「ギリギリの状態で学校を回しているがもう限界だ。これ以上職員に無理は言えない」というメッセージも寄せられました。

○教員不足はなぜ起こるのか

未配置がなぜ起こるのか。理由は、大きく二点あると思います。
*
一点目は、そもそも学校の中に、臨時教職員が多い実態があるということです。
ここ数年、各都道府県では大量退職に伴い、多くの新任教員が採用されました。それに伴い、産育休取得者が増えています。
今回の調査でも明らかになった、病気休職者が多いこともあります。これは今の教員の働き方と密接な関係にあり、それだけ学校現場が大変になっているということの裏返しです。
また、義務標準法により児童生徒数の変化で学級数が決まるために、学級定員がギリギリの時は翌年度のことを考え正規を入れず、定員内臨時教職員で対応している実態もあります。
さらに、児童生徒数の減少を見込み、本来、正規の枠のところを臨時教職員の枠にしたり、国の加配分を、非常勤に分配し配置したりしている。これらの結果、臨時教職員の占める割合が高くなっているのです。
*
二点目は、これらの背景に異常な学校の長時間過密労働の実態があり、学校現場が魅力ある職場になっていないということです。
教員の未配置が生じる最大の原因は、平均勤務時間が一日約十二時間という異常な長時間労働にあります。精神疾患の休職者が毎年五千人を超えるなど、病休や中途退職に追い込まれる教員が後を絶ちません。その結果、若い人は教職を敬遠する傾向にあります。各地の採用試験の応募倍率をみても教職志望離れは明らかです。
また、年配の経験者も「授業だけの非常勤なら」とか、「この年で常勤はかんべんしてほしい」など、再任用を含めて「常勤は希望しない傾向」があります。
「#教師のバトン」でも話題になりましたが、学校のブラック化が解消されない限り、この問題の根本的な解決にはならないと思っています。
「出勤七時、退勤二十一時、基本的に休憩なし、小学校勤務、初任者でまだ四日目でこの状況です。もう限界です。助けてください」
「つらい、我が子とあって話ができるのは一日に十分ぐらい。朝は我が子が寝てるときに朝ごはんの用意だけして学校に出勤し、夜は我が子が寝る直前に帰る日々。こんなに愛しい我が子がいるのに何やってんだろう、私。この働き方では続けられない」
どちらのツイートも、限られた職場の限られた人の特異な働き方ではなく、全国いたるところ、どこの学校でも普通に起きている状況です。
兵庫県でも、今年度四月、三日間だけ勤務してその働き方に絶望し、四月七日に退職した新任がいました。また、二つ目のツイートと同じような状況・理由で先輩教師が退職したことを涙ながらに報告する組合員もいました。
* *
「教職員の未配置」問題の解消は待ったなしの状況です。学級担任が病気休職に入り、その代替が未配置のために、代わりに入った教員も病気休職。やっと配置できた臨時教職員も続かず退職するといったドミノ倒し的な未配置の例はまれではありません。その学校で働く教職員がみんなでカバーすることで、何とか未配置の状態をしのいでいるので、その分はすべて過重労働になっているのです。これでは、ますます、病気休職者や退職者は増える一方です。

○行政の果たす役割と組合運動

文部科学省には全教を通して、引き続き、①「定数改善計画」を早期に策定し、更なる定数改善を行うこと、②義務教育費国庫負担の割合を二分の一に戻すなど、教育予算の大幅な増額を行うこと、③教職員の勤務実態とかけ離れ、残業代を支給せず「定額働かせ放題」の根拠になっている「給特法」を見直し、待遇改善を進めること―を求めていきます。
また、市町教育委員会、県教育委員会にはこの調査結果を重く受け止め、未配置の解消につながるあらゆる方策を検討することを要望していきます。とりわけ、県教委には、秋の確定交渉の場も使い、次の二点を強く求めたいと思います。
①教職員の多忙化解消で学校現場が魅力ある職場になるように、あらゆる施策を講じること。
②臨時教職員がより働きやすい職場になるようにさらなる待遇改善を行うこと。
学校に行っても受けられない授業がある、担任の先生が決まらないなどあり得ないことが起きています。本来、配置されなければならない教員がいないままでも学校が進んでいくという異常な事態の解消のために、そして、兵庫で学ぶ子どもたちとそこで働く教職員のために、今後も教職員組合として頑張りたいと思います。


(兵庫民報2022年7月10日付)11:30

期待します 日本共産党:ジェンダー平等へ女性議員を増やしたい:新日本婦人の会兵庫県本部事務局長 荻野潤子

ジェンダー平等推進を県男女青少年課と懇談する新婦人県本部

「玉ねぎも、ガソリンも高い!」「なんで物価が上がっているのに給料は上がらないの?」「軍事費が二倍になったら私たちの暮らしどうなるん?」…新婦人のサークルやおしゃべりカフェで、政治への怒り、変えたい思いがあふれています。
憲法を生かし、平和でジェンダー平等な社会を次世代に渡したい。日本は、ジェンダー平等ランキング・世界百二十位。とくに政治分野百四十七位、経済分野百十七位で遅れています。女性の平均賃金は男性の半分以下、生涯賃金は一億円差があると言われています。「正規と同じくらい、それ以上働いても、更新・更新でキャリアアップできない」。保育士・介護士さんは「給料が安く、毎日ボロボロ、クタクタ」。牛丼チェーン店でワンオペの女性が過労死しました。月収十四万円。本当にひどい働かされ方です。
女性が輝けず、成長が止まった国になっています。政治家や企業によって繰り返される女性蔑視・性差別も、意思決定機関に女性が少なすぎるからです。同性婚も、選択的夫婦別姓も認めない。国籍で差別するなど、個人の尊厳を否定する政治は、もう終わらせたい。私たちの願いを、国会にまっすぐ届けてくれるのは日本共産党です。
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兵庫県は「女性の労働力率」「男女賃金格差」とも全国四十六位です。公的保育所の不足、性的役割分業で育児・介護・家事が女性に押し付けられ、社会的参加ができない。知事公約「女性副知事」のさっそくの見送り、ジェンダー平等担当課がないなど、県の姿勢が非常に遅れていて、人口減少も進んでいます。新婦人県本部・各支部はこの間「生理用品のトイレ個室設置を」「選択的夫婦別姓を」「女性差別撤廃条約選択議定書批准を」など切実な要求をもとに請願を提出してきました。日本共産党は、紹介議員、賛成討論で強力に後押ししてくれています。
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シングルも子育て世代も、女性が明日への希望をもてる社会、平和に安心して生きられる社会に変えたいです。女性の政治参加をすすめるために、女性議員を増やしたいです。憲法を守り、戦争しない国をこれからも続けましょう‼

(兵庫民報2022年7月10日付)13:30

期待します 日本共産党:国内外の現実社会に影響与える力、現に発揮:兵庫県原水協事務局長 梶本修史

原水爆禁止運動にかかわり国際交流の機会が増え、世界中に友人ができた。四十年以上にもわたる非核「神戸方式」の存在が兵庫県の運動を国際的なものにしている。その中で、日本共産党の国際情勢分析の的確さ、国際的な活動の影響力を実感してきた。
一九六〇年代、ソ連、中国という大国が日本共産党と原水爆禁止運動に大国主義的干渉を加え、組織分裂を画策した。自国の政策に追随することを強制したり、暴力革命を押しつけようとさえした。日本の政治のあり方をゆがめる覇権主義的な重大事件なのだが、他の政党は「共産党の内輪もめ」程度の受けとめだったかもしれない。日本共産党、原水協は、徹底して闘い両国に謝罪させ、日本の運動の自主性を守りぬいた。
七〇年代、北朝鮮が金日成を「世界革命の首領」と位置づけ個人崇拝を強め、金日成への「贈り物」運動が、日本の民主団体をはじめ、国会議員や自治体首長にまで押しつけられようとした。日本共産党は、相手国政府の外交政策や方針の支持運動、指導者の崇拝運動、指導者の誕生日などにかんする行事への協賛や礼賛などの日本へのもちこみをきびしく批判した。ここでも日本の民主運動や国際友好・連帯運動の自主性を守り抜いた。
今、ウクライナ危機に、日本共産党は、「国連憲章を守れ」の一点で団結することを提起した。「民主主義対専制主義」などと「価値観」で世界を二分する対応では戦争を止められない。NATO首脳会議はロシア、中国を相手に軍事態勢を強化するという軍事ブロック的な対応をすすめる方針を決めた。岸田首相は核兵器禁止条約締約国会議をボイコットしながらこのNATO首脳会議に出席した。日本の軍事態勢の強化を約束し、アジア版NATOづくりを主導し、アジアの軍事的緊張を高めている。
日本共産党は核兵器禁止条約締約国会議に笠井亮衆院議員など代表団を派遣。日本政府が会議に姿を現さない中で被爆国日本から国会議員が出席したことは、会議に結集した世界の国々、NGOを励ました。笠井氏は、「禁止条約参加国を広げるため、被爆者を各国議会に招いて被爆の実相を聞くなど、国会議員ならではの役割を果たすこと」を提案。国(政府)にではなく、「各国議会」としたところが「世論と運動」を重視する共産党の真骨頂だ。
日本共産党は、日本の政治のあり方をしっかり示し、国内外の現実社会に影響を与える力を発揮している。

(兵庫民報2022年7月10日付)13:00

期待します 日本共産党:消費税5%減税とインボイス中止、明確に掲げ:日本共産党兵庫県業者後援会 田中邦夫


アベノミクス失政による円安、ウクライナ侵略などによる物価・原材料高騰が中小業者・国民を直撃しています。そうした中、消費税五%への減税とインボイス中止を明確に掲げる日本共産党への期待が広がっています。
消費税の引き下げは国民・中小業者の負担を軽減し、消費を刺激する効果的な経済対策であり、六月二十日までに世界九十一の国と地域が、消費税(付加価値税)の減税に踏み出しています。また、来年十月実施を強行しようとしているインボイス制度は免税業者を課税業者に仕立て上げ、税率を上げずに新たな消費税収を国民から搾り取る増税策です。日本共産党国会議員の質問でシルバー人材センターの会員がインボイスを発行しない場合、全国のセンターが負担する消費税額が二百億円も増えることが明らかになりました。中小業者やフリーランスに「取引排除」「値引き」「課税業者になって納税」のいずれかを迫るインボイス制度の実施は中止すべきです。
消費税廃止各界連絡会が取り組んでいる、岸田総理と鈴木財務相あての「消費税減税・インボイス中止を求める百万ボイスアクションハガキ」を渡す中で、「消費税減税がすべての国民の生活を守るために必要だ」(三田)、「こんな消費税額を払うのならいつまで商売がもつか心配だ」(伊丹)、「独立して自営業者になる予定だったんだけど、インボイスの登録をしなければ取引から排除されると聞き、従業員のままでいようと思う」(長田)――などの怒りの声が寄せられます。
そして、「共産党が大きくならないと私らのくらしも良くならない。知り合いに言うわ」(神戸北)、「こんなにはっきりとインボイス中止と書いたパンフ作っているのは共産党くらいだと喜ばれている」(揖龍宍粟)――の期待の声が寄せられています。

(兵庫民報2022年7月10日付)12:30

日本共産党兵庫県委員会事務所大規模改修事業へご協力を:第1期募金集中期間始まる(7月15日~8月31日)

日本共産党兵庫県委員会は、党創立百周年記念「県委員会事務所大規模改修事業」を成功させるために、「第一期募金集中期間」を、党創立記念日の七月十五日から八月三十一日までとりくみます。
この事業は、築後半世紀を超え、抜本的な改修が必要となるもとで、市民と野党の共闘で政権をめざす拠点にふさわしく、省エネ、バリアフリー化、ジェンダー平等など、安全・快適・県民に開かれた事務所に大規模改修するものです。
ことし三月にとりくみを提起して以来、兵庫県の党活動とたたかいの拠点である県委員会事務所の大規模改修事業への期待の声と事業を支える募金が多くの方から寄せられています。
▽平和を守る砦として頑張ってください。核兵器廃絶、被爆者援護でほんとうに力になっていただきました▽新しい事務所が楽しみです。夫とふたりで協力します▽多くの方に依拠して強固な党も事務所も作りましょう▽足の悪い人のためにエレベータは歓迎です▽明るくて清潔で使い勝手がよくて災害にも強く、地域に開かれた事務所に生まれ変わりますように、少額ですが送金します▽民主主義が壊れかかっている日本。腹のたつことばかり。世直しは日本共産党しかない▽より親しみやすい事務所にしてください▽会議でも使うので、きれいになるのは大歓迎――などの期待の声とともに約二千三百万円の募金が寄せられています。
第一期募金集中期間の目標は五千万円に到達することです。みなさまのご協力をお願いします。

(兵庫民報2022年7月10日付)12:00

兵庫労連が最低生計費調査:25歳単身男性で月24万3932円(時間1626円)

コロナ禍の中、2020年から兵庫労連で取り組んだ、兵庫の最低生計費調査について、厚生労働省で記者会見を行い、神戸市勤労会館で結果報告と学習会を行いました。
兵庫の最低生計費調査では、兵庫で若者が一人暮らし(25歳の単身者)をするには、男性で24万3932円(時間額1626円)、女性で23万7311円(時間額1582円)が必要だとの結果が出されました。
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6月24日、厚労省内の記者クラブで行われた会見には土井直樹事務局長が出席し、調査をした理由と結果から見えてきたことについて次のように述べました。
理由は、①兵庫の最賃審議会で最低生計費を示して最賃額を決めるのに考慮してもらうため、②1500円を要求している根拠を示すため、③議会請願の時、議員に全国どこでもかかる費用は同じであることを伝えるため、④加盟労組の賃上げ要求の基準を示すために必要な調査であること。
結果から見えてきたものは、①最賃額との差がありすぎ、②東京や大阪と差がない、④貧困の根絶には最賃引き上げ、④地域活性化には全国一律制度が必要。
また、調査の監修をした中澤秀一静岡県立大学短期大学部准教授も同席し、最低生計費の説明や最賃制度の問題点を指摘しました。記者からは「物価高騰の中、最賃の引き上げに期待するものは何か」などの質問があり、今の物価高騰で最賃や賃金について関心が高まっており、マスコミも注目していることがわかりしまた。
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6月28日の調査結果報告&学習会では、監修を行った中澤秀一静岡県立大学短期大学部准教授が報告を行い、単身で一人暮らしをしている25歳の男女をモデルケースとし、食費、家賃、被服費などの市場価格を調査、8割の人が所有しているものを買いそろえるのに必要な金額に税・社会保険料などを積み上げる「バスケット方式」を採用して最低生計費を算出したことなどの説明がありました。
中澤准教授は、これまでの調査などから、全国どこの都市でもほぼ同じ金額が試算され、都市部でも地方でも普通の暮らしをするのに必要な時給は変わらないが、最低賃金は高知・沖縄県の820円と東京都の1041円との開きは221円になっていることを指摘し、最低賃金は都道府県別に定められるべきではなく、全国一律の制度が目指されるべきであると語りました。
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兵庫労連では、この調査結果を、議会請願や春闘要求での職場内最賃でも活用していくことにしています。
また、7月15日には三宮マルイ前で最低賃金大幅引き上げを求めて「大・スタンディング宣伝」を行います。さらに労働局前での座り込み行動を7月26日、8月2日に行うことにしています。
〔岡崎史典=兵庫労連事務局次長〕

(兵庫民報2022年7月10日付)11:00

三田市民病院と済生会病院の統合反対緊急抗議集会:予想を上回る参加者、白紙撤回へ確信深まる

七月二日に三田ウッデイタウン市民センターで、三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合再編に反対する緊急抗議集会が開催されました。
緊急の集会でしたが、主催者の予想を超える多くの参加者で準備していた資料が足りなくなりました。
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開会にあたり、三田市民病院を守る会代表の東浦徳次さんが開会挨拶。「三田市民の税金を使って神戸市内に三田市民病院を建てるなんて許せないとの怒りの声が、たくさん出されている。市長は市民の声を聞かない。新聞では市民病院の統合再編が決まったかのような報道をしているが、たたかいはこれから」と挨拶しました。
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会事務局長で三田市議会の長尾明憲議員(日本共産党)が基調報告を行いました。「六月二日に三田市長が記者会見を行い、三田市民病院の統合方針案が公表されたが、市議会に報告があったのは翌日で、市民には説明もされていない。三田市と神戸市、済生会の三者協議もいつ、どこで、どんな内容で行ったのか議会でも報告されていない。まさに市民不在のゴリ押し。市民病院を指定管理で民営化し、神戸市域に設置し、三田市内から市民病院がなくなる。出産できる病院がなくなる。市域が広い三田からはどこからも不便な地に病院を設置する。これでは助かる命も助からない。こんな計画は撤回させよう」と呼びかけました。
日本共産党の三田市議会木村雅人議員と神戸市議会の森本真議員が、各議会でこの問題で市民の側に立って追及しているのは日本共産党だけと報告しました。
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三田市内在住のKさんは「かかりつけの医院と市民病院の連携で市民の命を守っている。市民病院は市内にあるのが当然」と発言しました。Nさんは「東京の杉並区のように市民の手で市政を変えよう。市民病院は市民の共有財産だ」と発言しました。
神戸市北区のMさんは「二つの病院の中間点に病院を建てると言っているが、高齢者や病気の人は車での通院は無理。市役所や区役所の近くに公立病院があってこそ、各種医療、保健サービスがつながる」と発言しました。
西宮市のTさんは「西宮北部には総合病院はない。西宮市の地域医療に対する無責任な態度にも問題がある」と発言しました。
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東浦代表は「十月にさらに大きな規模での市民集会を開催する。新しい署名もスタートさせる。宣伝行動も継続させて、市長方針の白紙撤回を求めていく」と行動提起しました。
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閉会にあたり、済生会兵庫県病院の存続と充実を求める会の浜本宏代表が「緊急の集会だがたくさん集まった。病院統合推進勢力は分断と嘘が武器だが、私たちは連帯と怒りで反撃する。たたかいはこれからだ、頑張ろう」と閉会挨拶しました。
三田市民病院を守る会の松岡信枝さんが司会を行いました。
〔今西清=兵庫の地域医療を守る会代表〕

(兵庫民報2022年7月10日付)10:30

気候危機回避と日本の水素エネルギー開発――前編――

西川榮一(神戸商船大学名誉教授)

■再生可能エネルギー100%を目指す

気候危機を永続的に回避するためには、石炭など化石燃料の利用をやめ、再生可能エネルギー(以下再エネと略称)への転換を急がねばなりません。原発はCO2を出しませんが、事故の恐ろしさや放射性廃棄物を考えると地震国日本では使えません。再エネ100%を目指す必要があります。現在広く実用されている技術手段(太陽電池、水車、風車など)では再エネから得られる有効エネルギー(人が何らかの活動をしようとするときに必要なエネルギーの種類)はほとんどが電力(電気エネルギー)です。しかし再エネ電力100%で産業や都市の活動、私たちの暮らしを円滑に続けていくには次のような条件整備や物質の調達が必要です。
①電力は貯蔵困難で不断に需給バランスを保つ必要があります。電力は供給側(特に再エネ電力)も需要側も季節、天候、時刻、トラブルなどで不規則に変動します。その変動を吸収して需給バランスを制御できる仕組みが必要です。そのための蓄電手段あるいは電力に変換できる貯蔵可能でクリーンなエネルギーあるいは物質も必要。
②エネルギー以外の目的で化石燃料を利用している製鉄や石油化学産業などのためのクリーンな代替物質の調達。
③交通機関(とくに大型トラック、国際航路で長距離航行する船舶、航空機など)のための軽量小容積のクリーン燃料の調達。
④在来エンジン(火力発電ボイラ、ガスタービン、ディーゼルエンジンなど)に使えるクリーン燃料の調達。

■水素の特徴と日本の水素利用研究開発

水素がこれら条件に応え得る物質とみなされています。水素は燃料電池の燃料物質として以前から注目されてきましたが、温暖化問題の進行とともに化石燃料に替わるエネルギー物質とみなされ、早くから欧米先進国でも日本でも、水素の製造・貯蔵・輸送・利用など様々な研究開発が行われてきています。上述の①~④に関わって水素の特徴をいくつか挙げると、
*水素は自然界に存在しません。主には水の電気分解によって製造されますが、クリーン水素であるためにはその電力がクリーン、つまり再エネ電力でなければなりません。水素を大量に得るにはまず再エネ電力生産の拡大が必要なのです。水の電解と別に、褐炭をガス化して水素を抽出する製造法も研究開発されています。その際生じるCO2は地中に貯留(CCS)することでクリーン水素にします。褐炭利用もCCSも日本ではできないのでオーストラリアで実施し、液化水素タンカーで日本へ運ぶ実証試験が川崎重工などによって実施されています。
*水素が普及すれば燃料電池普及の展望が開けます。燃料電池は水素と酸素の化学結合反応を電気化学的に制御して、解放されるエネルギーを電力に変えて取り出す装置です。小容量でも高効率火力発電並みの発電効率が得られます。小容量のものはすでに家庭用(エネファーム)、事業用として市販されているし、燃料電池自動車も実用されつつあります。
*水素はそれ自体燃料として利用でき、上述④の代替燃料としてガスタービン、LNG火力への混焼・専焼の実用化研究開発が盛んです。
*水素ガスは非常に軽く(空気の14分の1)、輸送するには100気圧を超える高圧圧縮が必要だし、液化するにはマイナス253℃まで冷却する必要があります。また漏れやすく、空気との混合気の爆発限界が広いなどの性質があり、大量の輸送貯蔵の面で難点があります。そのため水素を原料にしてメタン、アンモニア、合成炭化水素など、取り扱いの容易なエネルギー物質を製造して、火力発電などへの利用が目指されています。
*②にかかわって、日本の製鉄部門は大きなCO2排出源の1つで、その量は2019年度で1.34億トン、日本全体の12%を占めています。高炉製鉄の還元剤の石炭から水素への転換が目指されています。

■「水素社会」構想!?

現在日本では、このように水素を中心としたさまざまな研究開発事業が、巨額の国費補助によって進められています。それらを束ねるビジョンとして「水素社会」構想がイメージされています。水素を根幹とするエネルギー社会(水素社会)を構築するというのです。そもそもの中心課題は気候危機の回避にあります。果たしてこのような構想を背景とする諸事業でこの課題に応えられるのでしょうか。問題点を検討してみます。
(後編は7月24日付に)

(兵庫民報2022年7月10日付)10:00

兵庫の地学散歩……大地を科学する:第十三回 玄武洞の玄武岩

柱状節理が美しい玄武洞

觜本 格(かがく教育研究所)

玄武岩は二番目に多い石

太陽系の惑星で火星より内側の星(火星、地球、金星、水星)は「地球型惑星」と呼ばれ、中心に鉄などの金属からなる核をもち、外側は岩石でできている。地表を構成しているのは主に玄武岩である。月の表面も玄武岩である。地球全体の体積で一五%は金属、八二%がマントルのカンラン岩、地殻を構成しているのは一・六%の玄武岩と〇・七%の花こう岩である。玄武岩は地球で二番目に多い岩石で、ありふれた岩石だと言える。
玄武岩はマグマが地表で急激に冷やされてできる火山岩のうち、有色鉱物が多く黒っぽい石である。玄武岩マグマはマントルのカンラン岩が溶けてでき、二酸化ケイ素の量が少ないので粘性が小さく流動性に富んでいる。ハワイのキラウエア火山や富士山は玄武岩が噴き出してできたものだ。太平洋や大西洋などに連なる海底火山の列である海嶺から湧き出してくるのは玄武岩で、海洋底には玄武岩が広がっている。

玄武岩の命名

玄武岩という岩石名は、一八八四(明治十七)年に東京帝国大学の小藤文次郎が、豊岡市の玄武洞にちなんでつけた。円山川の東岸にある玄武洞は、もともと石材の採石場であった。中国の神話に出てくる四神の「玄武」にちなんで、江戸時代の儒学者である柴野栗山が命名した。天の方角を司る霊獣には、「青龍」(東)、「朱雀」(南)、「白虎」(西)、「玄武」(北)がいる。玄武洞周辺には青龍洞、白虎洞、南朱雀洞、北朱雀洞がある。いずれも玄武岩からできている。

百六十万年前の火山、柱状節理が美しい

現在は兵庫県に火山は存在しないが、今から三百万年前から一万年前までは但馬地方一帯に活発な火山活動があったことが分かっている。火山の山体の形は残っていないが、玄武洞の玄武岩は百六十万~百六十五万年前に噴出し流れた溶岩で、円山川の対岸にも分布していて広い範囲におよんだ火山活動だった。
石畳も玄武岩

いずれの洞窟でもみごとな美しい柱状節理が見られる。高い温度の溶岩が冷却するときの体積収縮によってできた割れ目が節理である。冷却面に対して垂直の規則正しい割れ目ができると考えられる。多数の柱が並んだようになっているが、それぞれの柱の断面は多角形になっている。六角形のものが多い(六六%)が、五角形や四角形、七角形、八角形のものも見つかる。玄武洞の柱状節理は縦に伸びているものや横に伸びているものが組み合わさっている。溶岩が流れた時の空気や地面と接して冷える過程の複雑さを示しているのだろうか。

画期的な発見、地磁気の逆転

ウェーゲナーの大陸移動説(一九一五年)がプレートテクトニクスとして一九六〇年代に復活したきっかけに古地磁気学の研究があった。岩石はそれが作られた当時の地球磁場を記録している。北アメリカ大陸とヨーロッパの岩石に残された残留磁気から推定した磁極の移動を比較した結果、大西洋を閉じて二つの大陸を合体させると一致することが分かった。また、海洋底に広がる玄武岩に記録された磁気の縞模様が過去におけるたびたびの地磁気の逆転を記録したものだった。この縞模様が海嶺の両側に対称になっていることが海洋底の拡大の証拠となった。
この古地磁気学発展のスタートになったのが、一九二六年、京都大学の松山基範による玄武洞の玄武岩の古地磁気の研究だった。世界で初めて「地磁気の逆転」があったことが明らかにされた。それをきっかけに世界各地でいろいろな時代の地磁気が研究された。現在と同じ方向の磁極の時代を正磁極期、反対になっている時期を逆磁極期と呼ぶ。二百四十九万年前から七十三万年前は逆磁極期にあたり、松山の功績にちなんで「松山逆磁極期」と呼ばれている。

世界ジオパーク認定「山陰海岸ジオパーク」

玄武洞に行くにはJR山陰線の「玄武洞駅」で降りて、渡し船で円山川対岸に渡る。船着き場の横に玄武洞ミュージアムがあり、玄武洞と玄武岩をめぐる解説や展示のほか世界の化石や岩石、宝石など豊富な展示が充実している。周辺は玄武洞公園として整備されている。休憩所には玄武洞と他の洞窟を詳しく案内してくれるガイドさんもいる。
玄武洞は国指定の天然記念物に指定されている。世界ジオパーク認定の「山陰海岸ジオパーク」の一部となっている。

(元神戸市立中学校理科教員、元神戸親和女子大学教授)

(兵庫民報2022年7月10日付)9:30

観感楽学

先日、兵庫県内のとある市で約四十万人以上の住民基本台帳の情報を保存したUSBメモリーを紛失したとのニュースを見ました。紛失したのは業務委託先事業者の関係社員ということでした。USBメモリーはパスワードが設定され情報も暗号化されていたそうで、現時点では外部への情報漏えいは確認されていないという話でした▼私は以前にIT企業に勤めていました。システム開発では個人情報を取り扱う開発も多く、この手の情報を使用する場合のルールが決められていました。もし漏洩などしようものなら会社の信用は地に落ち、賠償問題も発生するでしょう。会社にとっては致命的です。当然、このルールを絶対に守るように何回も言われました▼データにはパスワードや暗号化。移動中など大事な書類が入った鞄を吊り棚には絶対に置かない。座席に座るとき鞄は床に置かず膝の上に置く。寝ない。帰宅時の飲酒は禁止など、データの持ち出し、返却にも決まりがありました▼ルールを守れば絶対に事故は発生しないとは言いませんが、守れば事故の発生率は下がります。自分は大丈夫というおごりは禁物です。もしこのデータが漏れるとどれだけの人に迷惑がかかるかを考え行動しないといけないと思います。(ふ)

(兵庫民報2022年7月10日付)9:00

2022年7月2日土曜日

「平和の波」神戸を通過:兵庫県原水協は六月二十六日、国際的な反核平和団体「国際平和ビューロー」(IPB)などが呼びかけた共同行動「平和の波」を行いました。


ロシアは侵略止めよ、国連憲章守れ、核兵器使うな・なくせ、岸田政権の改憲・軍事同盟強化ノー!

兵庫県原水協は六月二十六日、ノーベル平和賞も受賞した国際的な反核平和団体「国際平和ビューロー」(IPB)などが呼びかけた平和を求める共同行動「平和の波」を行いました。
これは、欧州で開催されるG7(先進七カ国首脳会議)、NATO首脳会談に向けて、「戦争反対、軍事同盟の縮小と解体」などを掲げ、六月二十五日のアイルランドから二十六日のウクライナまで、地球を西回りに各国で次々と行動をつなぐ行動で、日本では、日本原水協・日本平和委員会が「ロシアは侵略止めよ、国連憲章守れ、核兵器使うな・なくせ、岸田政権の改憲・軍事同盟強化ノー!」をスローガンに全国各地で行動することを呼びかけました。
炎天下のJR元町駅前で、兵庫県原水協の成山太志代表理事(兵庫労連議長)、桜井文子代表理事(新婦人県本部会長)、日本共産党の庄本えつこ県議らが、「核兵器禁止条約締約国会議が行われ、ロシアがウクライナを侵略するもとでの核威嚇が糾弾され、他の核兵器保有国・同調国も核戦力の維持・強化をすすめることが批判され、「核兵器のない世界」の実現を力強く発信した」と報告。岸田政権が核兵器禁止条約の第一回締約国会議に出席すらせず、ロシアのウクライナ侵略を口実に、改憲や大軍拡を主張していることをきびしく批判し、「被爆国にふさわしい政治に変えよう」「戦争への道は絶対に許さない。核兵器禁止条約に参加する政府を実現しよう」と訴えました。
兵庫労連の土井直樹事務局長の呼びかけで署名に応じた男性は、「核兵器禁止条約の会議に出ない岸田さんは間違っている。せっかく核兵器廃絶の機運が高まるチャンスを後押ししないなんて腹立たしい」と語り、二千円の募金を託しました。

桜井会長の訴えに応じ署名した女性たちは、「核兵器は本当に恐ろしい兵器。絶対なくなってほしい。日本政府も全然そっぽを向いている。黙っていたら私の意思が通らなくなる。憲法九条は絶対、変えたらあかん!」「今の政府は恥ずかしい、替えなあかん! がんばってください」と口々に話かけてきました。
京都府綴喜郡から来たという女性は、「日本が核兵器を持ってもいいような議論があって恐ろしくなる。被爆者の苦しさをわかっておらず、許せない議論だ」と怒りながら署名に応じました。
兵庫AALA連帯委の井村弘子事務局長、日中友好協会兵庫県連の兵頭晴喜理事長、芦屋市原水協の平野貞雄事務局長(市議)、共産党の平松順子平和部長や民医連、いしずえ会など十七人が通行の人々にチラシを配布、日本政府が禁止条約に参加することを求める署名を訴えました。〔梶本修史=兵庫県原水協事務局長〕

(兵庫民報2022年7月3日付)13:30

期待します! 日本共産党:生活を支え、将来不安をなくす社会保障に

尼崎医療生協 大岩陽子(看護師)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、発熱外来、ワクチン接種、コロナ病棟の立ち上げなど、地域の受療権を守るために奮闘してきました。軍事費を拡大するのでなく気兼ねなく受診できる医療体制や社会保障に力を入れる政治の実現に期待したい。

神戸健康共和会 藤末 衛(医師)

新型コロナで日本の医療や介護など社会保障制度のぜい弱さが露呈されました。そしてロシアがウクライナに一方的に侵略戦争を始めて四カ月。何よりも「いのち」を大切にする私たちは、国連憲章の先を行く憲法九条を守り生かすことを実現するために、日本共産党を応援します。

神戸医療生協 元田好彦(理学療法士)

介護保険の訪問リハビリ業務で、「リハビリでしか歩いてないので回数を増やしたいが、利用料が高いから」と、リハビリ回数を制限されている利用者もいます。必要なサービスを適切に受けられる社会保障制度の構築を期待します。

姫路医療生協 黒田ゆうこ(介護福祉士)

介護の現場は、常に介護人材不足の中でやりくりしています。介護職員が安心して働き続けられるよう介護報酬の引き上げを行ってほしい。若い職員が働き続けるためにも、子どもが病気になっても見てもらえる病児保育の整備も必要です。日本共産党には、介護と保育の充実を期待しています。

宝塚医療生協ヘルパーステーションひだまり 山下久実子(訪問介護)

コロナ禍の訪問業務は利用者の生活・生命を支える最後の砦と感じることが増えましたが、助成金が医療に比べ低すぎて事業継続できません。私は日本共産党に、介護職員が専門職としてやりがい持ち働き続けられるように利用者負担増の加算ではなく報酬の増額を期待します。

たじま医療生協 松本幹雄(本部)

国保保険料(税)、介護保険料、後期高齢者医療一部負担金などの増大に加え、年金額の引き下げ、物価高騰で、健康権、受療権の侵害が大きな問題になっています。いのちとくらしを守り健康をはぐくむ医療生協として、社会保障制度の抜本的な見直しを進める日本共産党に大いに期待しています。

(兵庫民報2022年7月3日付)13:00


川崎重工業(株)・中国出向エンジニア過労死事件――その概要と核心

川崎重工株主総会(6月24日、神戸国際会館前)会場前で訴える
八木弁護士(マイク)ら支援者

弁護団 八木和也

一.はじめに

本件は、川崎重工業株式会社(以下「川崎重工」という)で働く若き優秀な技術者が、中国合弁企業へ出向後、単身での海外赴任のストレス及び過重な業務に押しつぶされ、わずか赴任三カ月余りで自宅マンションから飛び降り、愛妻と愛娘二人を残して自死(享年三十五歳)した痛ましい事件である。
当該事件について、遺族は、令和四(二〇二二)年五月十二日、川崎重工を被告として、損害賠償を求める訴訟を神戸地方裁判所に提訴した。

二.事案の概要

⑴ 当事者

被災者は、平成十四(二〇〇二)年四月一日に川崎重工に入社した。
川崎重工は、中国大手セメントメーカーであるCONCHと共同で出資して、CKEという会社を中国に設立し、セメント製造設備の設計、製作、販売等を行うこととした。
⑵ CKEへの出向
被災者は、平成二十五(二〇一三)年四月一日、川崎重工から中国のCKEに出向することとなった。当初、被災者は、もう一人の技術者と一緒に出向する予定であった。ところが、当時、川崎重工のセメントプラント装置の一部である「AQC」の設計に重大なミスがあったことから、もう一人の技術者は川崎重工に残ってそのトラブル対応に当たることとなり、被災者が一人でCKEに出向することになった。
また、被災者は、中国語をほとんど話すことができず、健康状態も出向前の健康診断で、「要精検査」「条件付き赴任可」とされていたが、川崎重工は、これらに対する対応をほとんどすることなく被災者を出向させた。

⑶ 出向後の経過

被災者が出向した本来の目的は、「脱硝装置」というAQCとは別の装置の設計を行うことであった。ところが、上記の通り、当時の川崎重工ではAQCトラブルが続発していたため、被災者は、単に中国に出向していたというだけの理由で、AQCに関する知識はほとんどない中、専門知識を多分に要するAQCトラブルの対応にも当たることとなった。
当時、川崎重工とCKEは、AQCトラブルのために深刻な相互不信状態にあった。被災者は、両社の間で板挟みとなって苦悩し、かつ、本来業務の滞留によって業務を大量に抱え込むこととなり、家族から切り離された異国の地で、孤独にもがき苦しみ、うつ病を発症し、出向からわずか三カ月余りの平成二十五(二〇一三)年七月十日に自死するに至った。

⑷ その後の経過

川崎重工は、事故後も遺族へ虚偽の説明をするなど無責任極まりない対応を続け、労災認定がなされた後もなお事件と向き合うことなく、責任を全く認めない。
そこで遺族がやむを得ず、川重の責任を問うべく提訴に至ったものである。

三.最後に

現在のグローバル社会において、日本企業が労働者を海外出向させるケースは増えている。海外赴任は、単なる転勤とは異なり、言葉や文化等が違う異国の地で生活をしながら働くというものであり、労働者が激しいストレスを受けることは必至であり、使用者としては、本来、日本にいる時よりも、より注意深く労働者の健康が損なわれないように配慮しなければならないはずである。
本事件は、日本企業が、海外出向中の労働者に対する配慮についてどうすべきであるかを問うているものであり、この問題意識を社会へ広めていかねばならないと考えている。以上のことから、ぜひとも多方面からのご支援をお願いしたい。

(兵庫民報2022年7月3日付)12:30

郵政20条裁判勝利判決に確信を!:さらに職場と社会に広く訴える活動を念頭に!

ストを決行したたかう郵政ユニオン(3月18日、神戸中央郵便局前)

郵政産業ユニオン神戸 坪井裕二

「郵政二十条裁判」とは郵政産業ユニオンの十一人の非正規組合員が、「郵便局で正社員と同じ仕事をしながら、諸手当や休暇制度など正規労働者との待遇に格差があるのはおかしい。労働契約法二十条に違反する」として起こした裁判である。二〇二〇年十月に最高裁は、扶養手当、年末年始勤務手当、夏期冬期休暇、有給の病気休暇、年始期間の祝日給を、正社員との不合理な格差と認定する判決を出した。(※)
会社は最高裁判決を前にして、アソシエイト社員(無期雇用の非正規社員)に夏冬休みを各一日与えた。
しかし、会社は、正社員の手当を減らしてそれを非正規社員に回すという「ニセ均等待遇」、「見せかけ均等待遇」を実施した。莫大な内部留保には一切、手をつけずに。その結果、正社員は年末手当や住居手当、扶養手当を無くされたり減らされる事になった。
さらに昨年九月、会社は「労働条件の新たな見直しに関する基本的考え方」を労働組合に提案した――
①期間雇用社員(有期雇用の非正規社員)にも夏冬休みを各一日与え、正社員の各休みを一日ずつ減らす。
②年始の正社員分の祝日給を減らして、それをアソシエイト社員(無期雇用の非正規社員)に回す。
③アソシエイト社員に十五日の病気休暇は与えるが、病気休暇は正社員分も含めて、入院などで長期、三十一日以上休む病気や怪我に限る場合でないと認めない。風邪やインフルエンザでは病気休暇は取れない。生理休暇は無給。――
組合は全国で宣伝ビラを配布して職場労働者に提案の中身を知らせ、各職場でアンケートも取り、要求書を出して交渉。
労働者の怒りで、会社は当初の提案を撤回せざるを得なくなった。
ことし五月には、アソシエイト社員の病気休暇は初日から取れて三十日、十年以上勤務した人は六十日とされ、非正規社員に初めて有給の病気休暇制度ができた。生理休暇は有給一日。期間雇用の非正規社員については、夏冬休みについて財源も含めて考え直すと回答があった。
まだまだ不十分なものもあるし、再検討や継続協議のものも多数あり、予断は許さない。
さらに足を踏み出して、労働組合の違いを超え、要求実現に向けて職場労働者とともに粘り強くたたかうことが大事だ。暮らしや雇用のあり方が問われる。ブラックな職場や社会、政治を変えていく事が一層大切!と感じる。
※二次訴訟では非正規組合員百五十四人が会社を訴え、九州や中国・四国で和解。

(兵庫民報2022年7月3日付)12:00

自公政権による医療改悪を許さない

日本共産党国会議員団兵庫事務所長 金田峰生

岸田政権は六月七日、「経済財政運営と改革の基本方針2022」を閣議決定しました。
このいわゆる「骨太の方針」は、財界人や政府に近い立場の学者が大半を占める、財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)が提出する「建議」を土台に置いています。
財政審は、社会保障費を財政悪化の最大の要因として、社会保障制度の改悪を要求し続けています。今回も「建議」では「医療給付費の伸びを経済成長率に合わせるべきだ」という議論がされたといいます。今後、医療の発展や高齢化などで医療需要がいくら高まろうと、経済が成長しなければ、医療給付費は増やさないというのですから、あまりにもひどい医療敵視です。
医療費抑制政策は、「第二次臨調」(一九八一年設置)から開始され、新自由主義路線を暴走させた「小泉構造改革」で本格化しました。その結果、今回の新型コロナウイルス感染症拡大で病床逼迫、医療崩壊などの異常事態を引き起こすことになりました。コロナ危機で浮き彫りになった日本の医療の脆弱性は、長年にわたって医療費削減を強引に進めてきた結果にほかなりません。
重い症状の患者が入院どころか治療さえ受けられず、「自宅療養」という「自宅放置」のまま亡くなる事例が相次いだにもかかわらず、政府は今も病院ベッドを減らす、「地域医療構想」に固執しています。
「地域医療構想」では、二〇二五年時点での人口構成推計に基づいて「必要病床数」を機能別に算出し、それを目標にして、それまでに病床を減らそうというもので、安倍政権は「このままでは目標を達成できない」と、消費税を財源に「病床機能再編支援」と称して、病床削減を行った病院に「補助金」を出す制度までつくり、病床削減のスピードアップをはかりました。病床を減らすという事は、医師や看護師も減らすということです。現状には合わない、脆弱な医療体制になるのは当然です。
事実、病床数は、二〇一三年に全国百三十四万七千床が、二〇一八年には百二十四万六千床とわずか五年間で十万床以上減らされています(「平成三十年度病床機能報告の結果について」厚労省ワーキンググループ)。
また、人口千人当たりの医師数は、OECD諸国の平均三・三人に対し日本は二・五人と大きく下回っています(OECD Health Statistics)。また、日本感染症学会は、感染症専門医が約千五百人不足していると試算、日本集中治療医学会も専門医が約二千人不足していると試算しています。
岸田政権はこの路線を引き継いでおり、安倍政権と同じ、国民の命と健康を守ろうとしない最低・最悪の政権だと言わなければなりません。
岸田首相は新自由主義の弊害を認め、転換を言わざるを得ませんでした。
ところが実際には転換どころか新自由主義路線をさらに推し進めようとしています。これでは国民の命・健康は守れません。
例えば、医療を経済効率だけでみれば、営利化という話になります。
しかしわが国の医療法は、医療機関の営利活動を禁じています。
医療の非営利原則は権利としての医療を保障する重要な柱であり、憲法十三条条および二十五条を具現化したものです。とりわけ公立病院は不採算医療と民間病院支援を担う、地域医療の要です。公立医療機関は、私たちの医療を受ける権利を確保する存在であり、その確保は政治の責任です。
「医療費が国を亡ぼす」という議論があります。前述した「第二次臨調」路線と軌を一にして、当時の厚生省保険局長が一九八三年に発表した「医療費増大は国を亡ぼす」という「医療費亡国論」が発端で、以来、医療費をはじめ、社会保障が次々と攻撃され、改悪されてきました。
しかし、社会保障を予算の中心に据えるというのは、国際社会では常識です。
わが国でも、憲法二十五条で保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の水準について争った「朝日訴訟」(人間裁判)で第一審判決(一九六〇年)は、憲法二十五条の「健康で文化的な生活水準」とは「必ずや国民に「人間に値する生存」あるいは「人間としての生活」といいうるものを可能ならしめるような程度のものでなければならない」として「特定の国の特定の時期的段階における生活状況の中ではやはり客観的、一義的に存在し、科学的、合理的に算定可能のものと考えられる。したがってそれは年々の国家の予算額や政治的努力の如何によって左右されるべきものでないことは当然である」とし、憲法で保障された権利は全ての国民に保障されなければならないと判決しています。
私たちは「医療費亡国論」と闘い続けてきましたが、コロナ禍を経て、「医療費亡国論」は大きな誤りであり、「医療費亡国論」こそ、国を亡ぼす議論であることが事実を持って示されました。
岸田首相は社会保障や教育の予算は抑制し、削減する方向を打ち出しています。一方でアメリカ政府から言われるままに軍事費を二倍に引き上げようとしています。しかも軍事費倍増の財源について問われても、明確な答弁ができないでいます。軍拡の財源が、社会保障費削減と消費税増税であることは明らかです。
「医療費亡国論」を払拭し、新自由主義路線からの抜本転換で、国民の命と健康を守る政治を実現したいと思っています。

(兵庫民報2022年7月3日付)11:30


平野喜一郎「異常な物価値上げの主犯はアベノミクスと黒田日銀総裁の「金融の異次元緩和」とそれを受けついだ岸田内閣である」

平野喜一郎さん

1 円安が物価騰貴をひきおこした

食料品を中心とした、すさまじい物価高騰の原因は何か? それは何よりも低金利による円安です。六月十三日には、一時百三十五円二十銭の円安になりました。
異常な円安の原因は何か? もちろん、コロナ禍で国際的な供給網が分断されたこと、「プーチン禍」で穀物や原油などの価格が急騰したことなどの影響も大きいのです。だが、最近の物価高騰の原因はなによりも円安による輸入品の高騰によるものです。他方、アメリカの中央銀行であるFRBは金融引き締めの方向へ舵を切りました。ゼロ金利政策を解除し、政策金利水準(誘導目標)の〇・五ポイント大幅利上を発表しました。さらに十六日には〇・七五ポイント引き上げを決めたのです。欧州の中央銀行ECBも量的緩和の縮小をしました。
一方で、日本の低金利維持、他方で、アメリカの大幅金利引き上げが、円売り・ドル買いを引き起こしたのです。金利の高い方に金が流れるのは当然のことです。お金は金利の高い国で運用する方が有利だからです。
円安の現状はすさまじいものです。二カ月前、一ドル=百十四円でしたが、いま百三十円台です。かつて一ドル=百円時代がつづいていましたし、二〇一一年には一ドル=七十五円三十二銭という、円高の戦後最高値をつけたような時代もあったのです。その頃、金利が高く、一九八〇年前半は実質金利が五%以上でした。定期預金すれば十年でほぼ倍になりました。いま一千万円を預けても年百円です。タンス預金が増えるのは当然です。

2 物価高騰の主犯は安倍と黒田

責任は何より第二次安倍内閣(二〇一二年十二月発足)のアベノミクスと、それを忠実に実行した黒田日銀総裁の金融政策でした。黒田の「金融の異次元緩和」こそアベノミクスの柱だったのです。二〇一三年、安倍は看板政策として「三本の矢」をかかげました。その第一の矢は「大胆な金融政策」つまり大幅な金融緩和、低金利でした。「異次元緩和」とは量的・質的な緩和であり、過去最大の二倍となるお金を増やすことです。安倍は「輪転機をまわして紙幣をどんどん印刷すればよい」といいました。当時、「紙幣じゃぶじゃぶ」といわれたものです。二〇一四年の第二次金融緩和では出回っているお金の量を八十兆円にふやす、といい、二〇一六年の第三次金融緩和ではマイナス金利が実施されました。円の値うちが下がるのは当然のことです。
アベノミクスは貨幣の減価によってインフレになり景気が良くなるというのです。これは全くまちがっています。原因と結果の取り違えで、正しくは、景気が好いと物がよく売れその結果インフレになるのです。だが「インフレになれば景気がよくなる」と原因と結果を逆転したアベノミクスは、二%の物価高騰を目標にしたのです。
二%の物価目標(インフレ・ターゲット)に当時の白川日銀総裁は反対しました。「物価の番人」である日銀が反対するのは当然のことでした。ところが後わずかの任期を残して白川氏をクビにし黒田氏を後に据えました。オセロゲームのように白を黒にかえたのです。白川総裁から「異次元緩和」の黒田総裁へ変わる事で、日銀は物価の番人から物価の破壊者になりました。

3 過ちを改めない安倍と黒田

今、超低金利によって物価高騰という悪い結果がでたのに、黒田は過ちをみとめず、超低金利の金融緩和政策を続行しようとします。先月の日銀経済政策決定会議は「短期金利をマイナス〇・一%、長期金利を〇%程度に誘導する大規模な金融緩和政策を維持」を決定しました。黒田は二%の物価目標の実現が重要だ、と発言しました。物価の番人がさらに物価を壊しているのです! そして、日銀法では日銀の独立性がいわれているにもかかわらず、安倍は日銀を政府の子会社だと発言しました。
安倍と黒田の低金利政策は裏目にでています。低金利は地方銀行を直撃しました。低金利だから金が株式に向かうと株高を期待したが株は上がっていません。
円安によって輸出産業が儲かるといいますが、今日では現地生産が進み、円安のメリットは、トヨタなどをべつにすれば期待されたほど大きくないのです。トヨタのような輸出産業は多国籍企業化し、円安によって巧妙にもうけを大きくしていますが、原料を海外に頼る中小企業は輸入原料の高騰で苦しくなっています。

4 貨幣の減価は資本主義を覆すというケインズの見解

黒田がすすめているのは円という貨幣の減価です。円という通貨の減価は困ると思うのは健全な常識から言っても当然のことです。海外旅行の際に、今まで、一ドルを得るのに百円払えばよかったのに、今、百三十円出さなければならないのですから。
貨幣の減価を通貨の堕落と考える経済学者ケインズが次の様に書いています。
「レーニンは、資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させることだといったといわれる。レーニンは正しかった。現代の社会の基礎を覆すのに、通貨を減価させるほど巧妙で確実な方法はない」(「平和の経済的帰結」一九一九年)
この点でケインズは正しかったのです。貨幣は資本の基礎です。通貨を減価=堕落させれば、貨幣の上になりたつ資本主義も危うくなる、というのは容易に理解できます。
たしかにケインズは資本家階級の立場に立っていました。「貨幣改革論」(一九二三年)で、ケインズは資本主義を三階級から構成される社会として把握していました。①投資家階級、②企業家階級、③労働者階級―からなる階級社会と把握したのです。自分は労働者階級の立場には立たない、企業家階級の立場に立つ、一方で、投資家階級、つまり利子生活者には安楽往生を期待する、つまり、消えてもらいますといっているのです。そのケインズが、通貨を減価堕落させれば資本主義が危うくなるよ、と言っているのです。
一九三〇年代から一九六〇年代はケインズ経済学の時代でした。自由放任の資本主義では大恐慌になった、国家によって管理されるべきだと時代が要請したのです。
一九二九年にはじまる大恐慌で、三〇年代初期アメリカ資本主義は破壊され、アメリカは死んだといわれました。そこにルーズベルトが登場し、ニューディール政策を掲げました。直接にケインズを採用したのではないけれども、アメリカのニューディール政策もケインズと同じ方向をめざしていました。

5 新自由主義

一九七〇年代には反ケインズ主義が台頭しました。サッチャー主義、レーガノミクスの新自由主義です。新自由主義という名前は自由放任主義と言い換えた方がよく内容をあらわしています。
日本には少し遅れて九〇年代に新自由主義が動き始めました。小泉の郵政民営化がそのシンボルでした。推進者は小泉内閣のブレイン竹中平蔵氏(現在人材派遣会社会長)でした。最悪の「自由化」は雇用の「自由化」であり、それまで労働者を護ってきた労働法が改悪され、労働者の四割が非正規社員になったのです。そのため、この三十数年、何より賃金が上がらなかったのです。また成果主義になったので、すぐれた技術者は海外へ流失していきました。新自由主義は日本の大企業をも弱くしたのです。トヨタ以外の日本企業は「トップ50」から転落しました。自動車以外に海外に打って出るすぐれた商品がなくなったのです。

6 輸出超過が国富を生むというのは二百五十年前に否定された謬論である

黒川日銀総裁らの、円安で輸出が増え、その結果国が富むという考えは、十七、十八世紀の重商主義の考えたことであって、すでに否定された説です。
重商主義は、十七世紀、絶対主義の経済政策として提唱されました。総貿易差額を輸出超過(出超)にすれば、英仏などの絶対主義国が豊かになるという経済政策です。これに反対したのがアダム・スミスです。
アダム・スミスは、国富が貿易差額によって生ずるとする重商主義に全面的に反対しました。『国富論』全編にわたって諸国民の富は労働者の労働によって生み出されることを明らかにしました。重商主義こそスミスの敵だったのです。

おわりに

黒田総裁は六月六日の講演で「家計の値上げ許容度は高まっている」と発言し、国民の批判が集中しました。「値上げは受け入れていません」「もういっぺん言ってみろ」「日銀総裁不適格なことは明らか」と怒りの声がまきおこりました。彼は謝罪し、撤回したもののなお批判が続きました。
岸田首相のいう「新しい資本主義」は、黒田総裁のインフレ期待説と、その背後にあるアベノミクス、さらにその源流である新自由主義を批判も否定もしていません。間違いが証明済みの過去の説を批判し、否定してこそ真に新しい資本主義といえるでしょう。過去の誤謬を否定しないのならば、当面の物価値上げの主犯は岸田内閣といえるでしょう。
(三重大学名誉教授・経済学)

(兵庫民報2022年7月3日付)11:00

亀井洋示「もの上がり」



(兵庫民報2022年7月3日付)10:30

特別障害者手当:制度の周知徹底と普及を――もっと多くの人が受けとれる

特別障害者手当は、著しく重い障害があり、日常生活に常時特別な介護が必要な二十歳以上の人に月二万七千三百円(二〇二二年度)が支給される国の制度です。制度の周知徹底と普及が大きな課題になっています。
支給手続きは、市町の窓口(障害福祉など)。医師の診断書などが必要です。障害者手帳がなくても受給でき、介護保険の要介護四、五の人も受け取れる可能性があります。
厚生労働省のホームページでは支給対象者について「在宅」と説明していますが、自宅だけでなく、有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅なども対象です。
また在宅で受給中の方が入院や老人保健施設、介護療養型医療施設に入所されても、三カ月を超えなければ支給が止まることはありません。特別養護老人ホームは対象外です。
介護保険の要介護四、五の人は全国で約百四十六万人です。対象外の特養ホーム入所者(約三十九万人)を除いても約百万人です。手当の受給者は十二万八千七百五十七人であり、もっと多くの人が受け取れる可能性があります。

「普及率かなり低い」:県内自治体に聞き取り:神戸女子大客員講師の阿江さん

神戸女子大学客員講師で兵庫県高齢者生協理事長の阿江善春さんが兵庫県内九自治体の担当課に手当受給状況を電話で聞き取りました(表)。
要介護四、五の人の合計人数から推定在宅者数(全国的な平均=重度要介護者数の約半数)を計算。推定在宅者数を分母にした、手当受給者の割合がカッコ内の数値です。受給割合が低い自治体は一四%、いちばん高い自治体でも三七%です。〔森勇治〕

阿江善春さんの話

介護度の重い方は同時に障がいの重い方ですから、施設入所以外の在宅療養の方はこの手当の受給対象となりますが、表を見ていただければおわかりの通り、推定の対象者に対する普及率はかなり低いです。在宅・地域福祉の推進や福祉予算の費用対効果を考えても、この手当の受給拡大をすることは通所介護、訪問介護、福祉用具レンタル、短期入所等の自己負担を軽くし、在宅の療養を介護者を含め援助することにつながります。また同時に、在宅の安定は、入院や入所を減らすことを通して結果的に国保や介護保険、後期高齢者医療保険の支出を減らすことにもつながります。

兵庫県内9自治体の手当受給状況
人数はいずれも2020年度または21年度末時点のもの
要介護4 要介護5 推定在宅者数 手当受給者数
尼崎市 3 163 2 426 2 795 518(18%)
西宮市 1 901 1 767 1 834 686(37%)
伊丹市 1 565 1 382 1 476 247(16%)
宝塚市 1 488 1 102 1 295 300(23%)
神戸市 11 071 6 985 9 028 2 279(25%)
加古川市 1 474 884 1 180 201(17%)
篠山市 350 245 298 49(16%)
姫路市 3 336 2 248 2 792 547(20%)
豊岡市 731 536 634 89(14%)

(兵庫民報2022年7月3日付)10:00

フードバンクとあわせて相談会も:加古川で実行委員会がとりくむ


フードバンクとあわせ今月から相談会を実行委員会でとりくむことにし、六月二十六日午後二時から四時までいつもの加古川駅前の空き地で行いました。
レトルトパックのご飯、缶詰、カップ麺など食品や、歯ブラシ、トイレットペーパーほかの雑貨をスタッフ三人で用意しました。
高砂からいつも車で二人乗せてくるNさんは、「作りたてよ」と言って、大きなおはぎを届けてくださいました。お隣の餃子屋さんからは、今日もカンパと冷たいコーヒーをいただきました。
また、二十分前から待っていたというリピーターの男性は、「もっと早く開けてくれたらいいのに」と言いながらターフの組み立てを手伝ってくれました。
蒸し暑い日でしたが九人ほどの方が来られ、「ありがたい」「カップ麺は何種類ももらっていいの」「レトルトパックのご飯はすぐ食べれるからいいね」「缶詰は日持ちするのがいいね」など話して物資を受け取りました。来月も第四日曜日に行います。
〔櫻本美都恵=加印革新懇〕

(兵庫民報2022年7月3日付)9:30

観感楽学


古い話で恐縮だが、一九六〇年頃、兵庫運河の根元辺り、高松橋のところにたくさんの伝馬船がもやってあり、気軽に貸してくれた。私はよく父親と二人で船を借り、苅藻島から外海に漕ぎ出し、遠矢浜沖から兵庫港へ。のんびり釣り糸を垂れながら、テンコチやベラ、キスなどを釣り、港内に入ってぐるりと兵庫運河を一周していた。時には朝早く渡船に乗り一文字防波堤にわたってチヌ釣りを楽しんだこともあった。海岸近くに暮らしていたせいかもしれないが、こうして子どもの頃から海に親しみ、自然を感じながら生きてきた▼しかし近年、海岸線一帯はほとんど埋め立てられて工業地帯となり、神戸港の突堤も鉄条網で水際には近寄れず、海釣りを楽しむのは渡船に頼るしか手立てがなくなってしまった。ところが昨年、神戸市は神戸港で渡船業を営む業者に対して神戸港にある十一の防波堤すべてを立ち入り禁止にすると通知し「防波堤に侵入した場合は拘留または科料に処す」とした▼この通知により生活が成り立たなくなりすでに廃業した業者も。「釣り」は文化の一つであり、防波堤の安全確保に努めながら多目的に利用するという長年培ってきた伝統をしっかりと将来に引き継ぐのも、港を預かる自治体の責務だと思うのだが、どうだろう。(D)

(兵庫民報2022年7月3日付)9:00