2022年6月5日日曜日

民青同盟兵庫県委員会は五月二十九日、映画『わが青春つきるとも』上映会とトークイベントを開きました。トークイベントでは漫画『伊藤千代子の青春』著者のワタナベコウさんと漫画評論家の紙屋高雪さんが語り合いました。

語るワタナベコウさん(左)と紙屋高雪さん(右)

民青同盟兵庫県委員会は五月二十九日、映画『わが青春つきるとも』上映会とトークイベントを開きました。トークイベントでは漫画『伊藤千代子の青春』著者のワタナベコウさんと漫画評論家の紙屋高雪さんが語り合いました。
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紙屋さんは「伊藤千代子はごく短い期間で死んでしまったので不屈だったかどうかというよりも、優れた活動家としての伊藤千代子に関心がある。社研を立ち上げて実践にも踏み出すが、理論家であって優秀なオルガナイザーであったことが証言からも出ている。理論と実践がすごく近い関係にある」と話すと、ワタナベさんは「社研をまとめるリーダーでもあり、共産党の中央事務局にも出入りして重要な文章を担う幹部でもあった。それゆえに変節しなかった。女性で戦前に重要なポジションにいた党員がいたことにすごいなとびっくりした。理論を学んで確信があったからではないかと思っている」と応じました。
さらに紙屋さんは「自分の活動を振り返って、理論を学ぶことと、組織建設とか要求運動は本来一体のものにならないといけないが、かなりバラバラにやってしまっている。伊藤千代子やあの時代の人たちは、学んだことと組織を作ったり運動を広げることが一体のものととして捉えられているという印象がある。そこが戦前の活動家にあって今私たちにないものかなと見ている」と話しました。
紙屋さんが「ワタナベさんからすると、伊藤千代子という存在はどこに注目する点がありますか」と問うと、ワタナベさんは「伊藤千代子は能力的には特別な人だったと思う。高等教育を受けられる女性は限られていて、学習意欲がものすごく強かった人なんだなと思う」と応じました。
紙屋さんが「不屈さの描き方について、映画の中では、山縣謙蔵の選挙費用にと自分の意思で学費を渡すシーンがある。また、拘禁性精神病から回復し意志的な姿を取り戻しながら亡くなる描かれ方だった。そこは何か感じたところはありますか」と質問。
ワタナベさんは「藤田廣登さんの研究によれば、面会者の証言などでも千代子は最期、意志を持ち直したとある。学費の話は、実際のところは浅野が優越的な立場を利用してぶんどったのではないかと私は思っている。その点、映画の描き方について監督に聞いたら、「僕は浅野と千代子は戦後も生きていたら二人はとてもいい夫婦だったと思う」と言っていた。映画では浅野も社会の犠牲者という描き方になっている」と話しました。
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参加者からは「浅野さんの描き方について、なぜこのように描いたのか気になっていたので聞けてよかった」「自己犠牲という面もあるが、それよりも千代子を支えたのは他者への思いやりだったなと思う。そこがシスターフッド的な文脈でも感動的だった」など感想が寄せられました。
〔上園隆=民青県委員長〕

トークイベントの全体は、民青同盟兵庫県委員会のYouTubeチャンネルで視聴できます。
https://youtu.be/NP0fXGe3aJA



制作を支援する会HPアドレス
https://chiyoko-cinema.jp/index.html

(兵庫民報2022年6月5日付)10:00