日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ81)が十一月中旬から十二月にかけて行われることが明らかになりました。方面隊指揮所演習は、全国五カ所の陸上自衛隊総監部を中心に毎年米軍約五千名、自衛隊約千六百名規模の演習が行われており、伊丹駐屯地における同演習は五回目となります。
ヤマサクラ81は、今年六月から七月にかけて伊丹駐屯地を中心に行われた過去最大規模の「オリエント・シールド21―1」(米陸軍と陸自の共同実動演習)と一体のものとして行われることが予測されます。「史上最大の指揮所演習」と言われている今回の演習では、世界各地の米軍基地をネットワークで結び、同時に訓練ができるようにする「臨時の任務訓練複合施設」が設置される予定で、テントが張られるなど準備が進んでいます(写真上)。
アメリカが起こす戦争に自衛隊が参戦する道を開く、憲法違反の安保法制=戦争法のもと、日米共同演習がエスカレートし、日米軍事一体化が急速に進む中で、米国の戦争に自衛隊が参加・加担する危険が現実に高まっています。「米中対立」が激化する中、米国のバイデン政権は、「自由で開かれたインド太平洋」の名のもとに、軍事的対応と同盟国の役割分担の強化で対抗しようとしています。自公政権が、これに追随し、台湾海峡をめぐる問題に関して安保法制を発動する可能性に言及していることや敵基地攻撃能力の保有、軍事費倍増を掲げていることは大問題です。
このような中で、ヤマサクラ81のような日米軍事一体の危険な演習を繰り返すことは、軍事対軍事の緊張の激化と戦争の危険を高めるだけです。自衛隊基地周辺住民にとってもことが起れば戦争の中心になる可能性があるとともに、自衛官の命を危険にさらすことになります。
さっそく十一月八日に「戦争する国づくりストップ!伊丹連絡会」を開いて対応を協議、十二日には伊丹、川西、宝塚の平和を求める団体による会議で「ストップ!ヤマサクラ81実行委員会」(二十四団体で構成)結成を確認し、十一月十五日にはヤマサクラ81の中止を求める請願書を提出、演習の中止を求めるとともに、「米中対立」の激化のもとで政府がやるべきことは憲法に基づく平和外交こそが必要と求めました(写真下)。 また、二十三日(火)には学習会(下記参照)を、十二月十一日(土)午後には伊丹市内「三軒寺広場」で集会を予定しています。

〔上原秀樹=伊丹市議〕
講師:佐藤つよし(『しんぶん赤旗』国民運動部)/主催:ストップ!ヤマサクラ81実行委員会
(兵庫民報2021年11月21日付)17:30
ストップ!ヤマサクラ81学習会「急速にすすむ日米軍事一体化とヤマサクラ81」
11月23日(火)14時~16時、伊丹市立生涯学習センター・ラスタホール2階講座室/講師:佐藤つよし(『しんぶん赤旗』国民運動部)/主催:ストップ!ヤマサクラ81実行委員会
(兵庫民報2021年11月21日付)17:30