Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2021年10月3日日曜日

日本共産党兵庫県委員会オンライン演説会:比例はどこでも必勝区――こむらさんを兵庫から四人目の党女性国会議員に

視聴者に手をふり挨拶する予定候補のみなさん

日本共産党兵庫県委員会は九月二十六日、「いざ総選挙! オンライン演説会」を開催。

リモートで講演する小池晃書記局長

小池晃書記局長が質問に答える形でリモート講演し、「比例はどこでも必勝区。比例近畿ブロックで四議席を絶対に回復し、兵庫県四十六万票の獲得で、こむら潤候補を国会へ」「日本共産党の躍進と、市民と野党の共闘で政権交代を実現し、医療・介護を切り捨てる新自由主義の政治を終わらせよう」と訴えました。とくに、こむらさんについては、「安武ひろ子さん、藤木洋子さん、大沢たつみさんに続いて、兵庫から四人目の党女性国会議員を」と強調しました。
比例候補の清水ただし衆院議員、こむら潤さん(兵庫八区重複)、県内小選挙区候補の、宮野つるおさん(二区)、赤田かつのりさん(三区)、福原ゆかりさん(九区)、太田清幸さん(十一区)が県委員会大会議室からそれぞれ決意を語りました。
また、民青同盟の山本真理奈さん、未来の社会を考える仲間たちの久一千春さん、兵庫民医連の大澤芳清さんが日本共産党躍進への期待、共同してたたかう決意をビデオメッセージで語りました。
神戸市長選に立候補を表明している市民にあたたかい神戸をつくる会の岡崎ふみのりさんも挨拶しました。
開会に先立ち、まだ候補者が確定していない小選挙区からは、地方議員や後援会員らがそれぞれの地域の課題、要求、日本共産党躍進への決意を語りました。



(兵庫民報2021年10月3日付)18:00

亀井洋示「市民にやさしい市長を」


(兵庫民報2021年10月3日付)17:30

日本共産党兵庫県労働者後援会が学習決起集会:衆院選で自公政治を終わらせよう:岡崎ふみのりさんで神戸市政を転換

挨拶する岡崎ふみのりさん

日本共産党兵庫県労働者後援会は九月二十二日、総選挙・神戸市長選挙の勝利に向けて学習決起集会を神戸市内で開催しました。
後援会の成山太志会長は「メディアの自民党総裁選ばかりでいやになる。コロナで無策の自公政治は、衆院選で政権交代で政治を変えよう」「神戸市長選には兵庫労連の岡﨑ふみのりさんが決意した。神戸市政はコロナでも三宮の大規模開発に突っ走っている。岡崎さんで市政転換をしよう」と挨拶しました。
*
講演は、こくた恵二衆議院議員・国対委員長。こくたさんは、菅首相の政権投げ出しは国民のたたかいと声が追い詰めたものだと強調。「総裁選で自民党の表紙を替えるだけに終わらせてはいけない。野党がコロナ対策を論議するための国会開会要求を拒否し続ける憲法無視の自公政権を終わらせよう」と呼びかけました。さらに、医療機関への支援を求める京都の病院院長らの連名訴えを紹介し、「今度の総選挙はコロナ禍のなか国民の命がかかった歴史的選挙だ」と意義を語りました。
総選挙で日本共産党がコロナとくらし・経済、環境、ジェンダー、平和の四つの大争点を明確にしてたたかかうと表明しました。
一方、維新については、「自民党の補完勢力としての本性も明確。安倍首相とかけあいで、『共産党が暴力革命の方針を持っている』と安倍首相に答弁させ、これが今回の『ひるおび』での攻撃の背景になっている」と報告しました。
しかし、その攻撃に対して野党が結束して民主主義破壊の攻撃と反撃している背景について、六年前の戦争法強行直後に共産党が連合政権を提案して以来の、選挙や国会での共同、市民と野党の共闘の六年間の発展を語り、「今年野党が共同で予算組み替えを提案。税金の使い方を変える提案をするところまできた」と振り返りながら、今回の市民連合と野党の合意の大きな意義を語りました。
今年の国政三補選、都議選での野党共闘の勝利、横浜市長選で野党が統一したら勝てることを示し、「だから反共攻撃も強まるだろう。分裂策動も労働分野ではある」と、職場でのたたかいの意義を強調しました。
こくたさんは、この政治を変えるためには、綱領に統一戦線を明記し、「二つの異常」を変える展望を持った共産党の躍進が絶対必要だと訴え、総選挙の主戦場は比例だと強調。職場のたたかいの意義を語り、後援会の奮闘を呼びかけました。
*
市民にあたたかい神戸をつくる会の岡崎ふみのりさんが挨拶。神戸市民要求実現の運動や、子どもの医療費無料化、中学校給食、敬老パス守ってなどの署名数も示し、市民の声を聞かず、公約破る市長は代えないといけないと決意したと語りました。岡崎さんは、労働相談でも市民運動でもみなさんの声を届けることに徹して頑張ってきたこと、今すぐ実行できる公約も語り、決意表明しました。
北川事務局長が当面の宣伝行動などを提案。成山さんの音頭で団結ガンバローで閉会しました。
(小林明男)

(兵庫民報2021年10月3日付)17:00

秋の市議選・町議選:日本共産党の候補者

日本共産党兵庫県委員会サイトをごらんください。
https://www.jcp-hyogo.org/election-local

(兵庫民報2021年10月3日付)16:30


あったか神戸 岡崎ふみのりさん:〝すぐやる〟提言で「命を守ります!」


市民にあたたかい神戸をつくる会の岡崎ふみのりさんは、「〝すぐやる〟提言・命を守ります!」を掲げ「命とお金を天秤にかける冷たい市政はもう終わりに」と市内各地を駆け回って訴えています。その提言は三つ――
 

①病院病床と保健所を増やす すべての患者に必要な病床医療を提供します。政府の「原則自宅待機」では市民の命は守れません。行政区に保健所を復活させ、病院統廃合や病床削減をストップし、医療機関と従事者への支援をつよめます。
②雇用と営業をしっかり補償 コロナ禍で事業継続が困難となっている中小企業・自営業者への補償を強め、持続化給付金・家賃支援給付金の第二弾の実施を求めます。離職、減収となっている非正規労働者、ひとり親家庭、学生を支援します。
③少人数学級をただちに実施 学習の遅れと格差の拡大、子どもたちの心身のストレスには手厚い教育が必要です。教育予算と教員を抜本的に増やし、少人数学級で、学び、身体のケア、感染防止と安全を保障する学校をつくります。

(兵庫民報2021年10月3日付)16:00

『2021版私たちの暮らしと神戸市政』刊行記念:兵庫県自治体問題研究所が学習会


兵庫県自治体問題研究所は二十日、神戸市内で、『2021年版 私たちの暮らしと神戸市政』刊行記念の「神戸市政を考える学習会」を開催。三十五人が参加しました。
同冊子の執筆協力者のうち、三名が報告しました。
池田清・元神戸松蔭女子学院大学教授(写真)は、神戸市の都市経営を検証。従来の神戸市都市経営は――大企業の活力を優先し、大型インフラ整備などによる経済成長を追求してきた、「開発利益」が市民の福祉に還元されず基金として貯め込まれた――と批判。そうではなく、一人ひとりの市民の活力、生活を重視することによって、雇用や所得も生まれ、市民の豊かさにつながる、既成事実や現状の追認ではなく、対話し、学び合うための場を数多く持つことが必要と強調しました。
山本じゅんじ・神戸市会議員は、久元市政の実態と問題点を明らかにする報告。コロナ対策でも国と一体になっての病床削減、社会的検査への消極的な姿勢、民間丸投げによるワクチン接種混乱発生を指摘。また、国の方針に追随した「行革」により、職員の大幅削減、公共施設の削減・民間化、行政の関与の縮小など新自由主義路線を推進する一方、三宮周辺整備など大規模開発を聖域化する開発主義があると指摘しました。
前田竜成・兵庫民医連常任理事は、神戸市のコロナ政策を振り返りました。地域保健法(一九九八年)により市内九カ所の保健所が一カ所になり(その他は保健センターに)、保健所機能が破綻した、保健所を元の体制に戻し、保健師も増員することが不可欠と指摘。医療でも病床の不足、マンパワーの不足が明らかになり、入院できない患者が増え、亡くなる例も発生したと説明。神戸市の政策は総じて国の指示の範囲であり、独自の施策が少なかったとしました。
参加者からは質問とともに、神戸市内の医療体制の脆弱さ、神戸市政を変えていく市民の運動のあり方などについて、活発な意見が交わされました。
〔岡田裕行=兵庫県自治体問題研究所事務局長〕
 
『2021年版 私たちの暮らしと神戸市政』の問い合わせは同研究所まで。頒価800円。Tel. 078-331-8911 hyogojitiken@sunny.ocn.ne.jp

(兵庫民報2021年10月3日付)15:30

兵庫の地学散歩……大地を科学する:第四回 六甲山地の生い立ちを語る歴史階段

觜本 格(かがく教育研究所)


百万年前の平野――芦屋奥池面


芦屋から六甲山地を横断して有馬温泉に抜ける芦有ドライブウェイ。車は芦屋川に沿って、何度もヘアピンカーブを繰り返しながら、急傾斜の山道を登る。芦屋川の侵食力の大きさを物語る急崖には花こう岩が露出した岩場が各所で見られる。左へ行けば芦屋ゴルフ場、右は有馬・宝塚の分岐点を右に行ってしばらくすると一気に風景が変わる。広い敷地の豪邸や別荘が立ち並ぶ住宅地である。標高が五百㍍~五百五十㍍の平坦面が広がっている。この平坦面は「芦屋奥池面」と呼ばれている。芦屋市の水源となっている奥池貯水池があり、奥池町と奥池南町の住宅地、芦屋ゴルフ場がある。
甲山のある北山面は標高二百㍍前後で百万年前に海に覆われた場所だった。ではそれより三百㍍以上も高い芦屋奥池面はいつできたのだろう。この場所でも大阪層群が分布している。正確な年代は不明だが、大阪層群中部亜層群と上部亜層群にあたる地層で百万年よりも新しい地層と推定される。ここは百万年前には海は入ってこなかったが、池や湖のある平野部だった。芦屋奥池面は六甲山地の真ん中を貫く五助橋断層で北側を区切られている。
芦有ドライブウェイを進むと六百五十四㍍地点に東六甲展望台がある。ここからは芦屋奥池面のようすがよくわかる。北山面も大阪平野から生駒山までの眺望を見ることができる。さらに車は六甲山頂へと向かう。

山頂付近の隆起準平原


六甲山地の最高峰は六甲山九百三十一㍍である。その西に観光施設や山荘の立ち並ぶ六甲山町がある。起伏はあるが、なだらかな平坦面を利用して六甲山ゴルフ場や六甲牧場、高山植物園、人工スキー場などがつくられていて、市民や観光客に親しまれている。六甲山地を縦断するように走る六甲ドライブウェイはこの平坦面を走っている。標高八百㍍前後にあるこの平坦面を「六甲山頂面」と呼んでいる。
山頂は山地が隆起して高くなる過程で削られていく場所だから、平らな面がここで形成されたはずはない。六甲山地が隆起を始めていなかった二百万年より前に、海に近い位置に広がっていたであろう「準平原」(丘陵)が持ち上げられたと考えられる。隆起量が侵食量を上回り、山が成長して谷は深く切れ込むことになるが、準平原はほとんどその地形を残して山頂付近に残った。「隆起準平原」と呼ばれている。六甲山地の隆起の激しさと新しさを物語っている。

六甲の階段状地形をつくった断層活動


六甲山地はいくつかの起伏の小さな平坦面とその間をつなぐ急斜面の組み合わせによって階段状になっていることが分かる。八百㍍級の六甲山頂面、五百㍍級の芦屋奥池面、二百㍍級の北山面がある。さらに百㍍級の上ヶ原面がある。そして現在の川原や海岸に近い沖積平野を含めて、五段の階段である。高い面ほど古い歴史を持っている。六甲山地の形成の歴史を記録している。
それぞれの階段の登り口には断層が走っている。甲陽断層・芦屋断層・五助橋断層などだ。どの断層も地形や地質にその活動を明瞭に残している活断層である。これらの活断層が動くことによって、六甲山地は高くなってきた。北山面や芦屋奥池面の地層の年代から考えると、百万年前から六甲山地は隆起を始めたと考えるのが妥当だろう。
百万年で約千㍍の山地に成長したのだから、一年で一㍉㍍の動きとなる。六甲山地は毎年一㍉㍍ずつ高くなっているのだろうか。
断層が動くと地震が起こる。そして山は高くなる。大きな圧縮力でひずみ、ストレスをためた岩盤が耐え切れなくなって破壊される。それが地震であり、破壊されたところが断層である。六甲山地はふだんは「耐えている」が、耐え切れなくなったら断層が動いて高くなる。大雑把に言えば、千年に一度、千回の地震を起こして約千㍍の山地になってきたのが六甲山地だといえる。兵庫県南部地震はそのような六甲変動の一コマだった。

地下に隠れていた断層

一九九五年兵庫県南部地震以降、神戸と阪神間の市街地の地下の地層が詳しく調べられた。今まで分からなかったことや不確かだったことが明らかになってきた。その一つが平野の地下に大断層が隠れていたことである。地表の地形には表れないが、地下で基盤岩である花こう岩が大きく変位し、その上に重なる大阪層群の地層がたわむように曲がっている。西宮断層、岡本断層、王子断層、大倉山断層、和田岬断層、大阪湾断層など今まで知られていなかった断層(伏在活断層)の存在が明らかになった。それらの断層の変位が数百㍍にもなることも分かった。六甲山地の歴史階段はもう三段ほど増えた。
(元神戸市立中学校理科教員・元神戸親和女子大学教授)
芦屋から奥池・六甲山頂へのルート
六甲山地の階段地形(藤田和夫・佐野正人〔2000〕を参考に改変)

(兵庫民報2021年10月3日付)14:30

兵庫革新懇「市民街頭トーク」:あなたの投票で政治は変わります! 選挙に行きましょう!


兵庫革新懇は、市民の願い実現・いのちを守る政治の実現へ、目前の総選挙で政権交代・野党連合政権を何としても。そのためにも、選挙に行って政治を変えよう!と「市民街頭トーク」に取り組みました。
兵庫区在住の井村ひろ子さん、兵庫労連議長の成山太志さん、県原水協事務局長の梶本修史さん、県保険医協会副理事長の川西敏雄さん、新婦人県本部常任委員の垣本ちさとさん、民主青年同盟県委員長の上園隆さん、弁護士(自由法曹団県支部長)の佐伯雄三さんがそれぞれの立場から訴え、最後に、県革新懇から代表世話人の津川知久さんが、訴えを行いました。
各氏は、「安倍・菅自公政治を終わらせなければ、いのち・暮らしが危ない」「市民連合と四野党の共通政策の合意は画期的だ。歓迎する。実現のために政権交代を」「医療崩壊は、国の医療政策の問題だ。総選挙で声をあげていきましょう」「市民と野党がしっかり共闘して政権交代を」「声をあげれば政治は必ず変わります。選挙に行って政治を変えましょう」などと訴え、通行している方々から注目されました。
〔樫村庸一=兵庫革新懇〕

(兵庫民報2021年10月3日付)14:00

女性の登用への県民の期待や知事自身の公約に反する:日本共産党が副知事人事案に反対


九月兵庫県議会が九月二十一日に開会。斎藤元彦兵庫県知事は、補正予算案、決算議案等とともに、副知事候補者の同意人事案について説明。産業労働部長等を歴任した県幹部の登用を提案しました。
日本共産党兵庫県会議員団は副知事人事案に対し、「女性の登用をという、県民の期待や斎藤知事自身の公約に反する」とし反対。きだ結議員が討論を行いました。
きだ議員は、「現在、国際社会では、二〇一五年の国連・婦人の地位委員会で、日本も合意した『二〇三〇年までに指導的立場の半分を女性に』という目標への取り組みが各国に求められている」「しかし兵庫県は男女いきいきプラン2025、それに基づく『第七次男女共同参画兵庫県率先行動計画』(ひょうごアクション8)において、本庁部局長相当職への女性登用目標が一〇%にとどまるなど、女性幹部登用の目標が低すぎる」と指摘。
きだ議員は、「先の知事選挙で斎藤知事も掲げた『女性副知事』登用という公約は、大きな期待と共感をもって受け止められていた。今回、女性の副知事を任命しなかったことは、各メディアが『方針転換』と報じているように明確な公約違反。新型コロナウイルス対策をすすめるにあたって、女性の政策決定過程への参加は不可欠であり、女性副知事の果たす役割は大きい」と強調しました。
採択の結果、賛成多数により、片山安孝氏が、副知事に選任されました。
〔門屋史明〕

(兵庫民報2021年10月3日付)13:30

ジェンダーわたしの視点「社会的につくられた不合理 変えるため一歩踏み出そう」新日本婦人の会神戸北支部 斎藤伸子


わたしは労働基準法弟三十二条で「週の労働時間は四十八時間、一日八時間を超えてはならない」とされた時代に福祉労働者になったが、当時は聖職と言われて、九時間労働、夜勤業務など長時間労働を強いられた。抗議したり労働組合をつくろうものならクビと言われ、その日のうちに荷物をまとめ家に帰された。
「利用者の処遇について施設長に文句を言った」というだけでクビを言い渡されたことをきっかけに、仲間五人と個人加盟の労働組合をつくり、団体交渉を行い「白紙撤回」させたが、その後の施設長からの嫌がらせにより主任保母は職場を去り、施設は主任保母制度を廃止した。
女性には「結婚適齢期」を強要、男女の賃金格差など当然と、どれだけ働いても賃金の差は縮まらず、生理休暇を取ろうものなら「だから女は困るんだ」と言われ続けた。西宮や神戸の少ない福祉施設において、施設長の嫌がらせや職員の賃金搾取、気に入らない職員のクビ切り、労働組合つぶしが横行し、施設利用者への暴力事件も起きた。書き出せばキリがないほど働く者への理不尽な差別が次々に起きた。
そんな中でわたしは結婚し、共働きに。二人の子どもを赤ちゃんホームや保育所に預け、夫や実家の母、労働組合の仲間、親友のあたたかい協力で子育てしながら働いた。定年まで働き続けようと決意してがんばっていたが、両足の変形膝関節炎と狭窄症を併発。立つのも歩くのも困難になり、職場を去った。
わたしが職場を去ったあとは、正規職員は男性のみ。女性は全員非正規化し、長時間労働とサービス残業を押し付けられた。施設長のあからさまなハラスメントにより、非正規で働き続けていた女性たちも全員職場を去った。
現在、わたしは地域の新婦人の会の常任として活動を続けており、女性の相談を受けることが多い。障害児を育てているお母さんから、自宅近くに保育所はあるが障害児は受けないという相談が。早速、日本共産党の議員に連絡し、入所することができた。経済的に困っているお母さんは次女が保育所に入所できず待機児童となっていたので、ともに保育課へ訴えて入所できた。この二人のお母さんに共通する悩みは、子育てしながら働かなければならないのに、「わたしには力がない」と自信をなくしていること。DV被害を原因とするストレス障害で、安定剤が手放せないなどの問題も増えてきているように思う。
神戸市は、コロナ禍の子どもの貧困に対応するとして、企業からの食品、備蓄米などを無償提供するフードバンクの取り組みを各区の子ども食堂に委託し、動き出したが、取り組みは一年間限定。子どもたちの貧困の実態にどれだけ迫れるだろうか。
子ども食堂のオーナーより、新婦人へのボランティアの依頼があり協力することになった。品物が入荷した翌日は六十五人の利用があり、口コミなどでも増えている。利用者には、夫からのDVを受け離婚はしたが、先の見通しもなく経済的に困難を抱えているお母さんもおられる。
コロナ禍で、特に若い女性の自殺が多くなっている。女性はあらゆるジェンダー問題を抱えて生きている。人権が全く保障されず、評価もされない中で問題をあと回しにしたり、恥じたり、目をそらせばどんどん歪んでくる。当事者である女性たちの訴えが問題を解いていくきっかけであり、わたしたちも寄り添い、ともに解決することが必要だと思う。
社会的につくられた不合理な問題を変えるために、一歩足を踏み出しましょう。

(兵庫民報2021年10月3日付)13:00

『気候危機を打開する日本共産党の2030戦略』――解説講演会リポート

速水二郎


九月一日に発表された『気候危機を打開する日本共産党の2030戦略』の解説講演会が九月二十二日オンラインで開かれました。
講演と解説は笠井亮衆議院議員、発表後全国から寄せられた質問・意見にも答える充実した二時間でした。
IPCC第六次報告は「様々な温暖化の原因について精密に検討した結果として人間が引き起こしたことが明白となった」と述べ、次は「政治が仕事をする番だ」と危機感・切迫感をうったえました。これを受けて国連も「人類共通の死活的任務」と強調しています。
笠井議員は、まず未来の天気予報による災害日本をリアルに説明、これに対し各国がどのような対策かを解説、その上で菅政権の無責任政策の姿を厳しく批判しました。
これに対する日本共産党の「2030戦略」を〝必ずやりきるべき目標〟として提言したと述べ、日本国内の多くの環境団体の提案とも共同できる内容と強調、特に二〇三〇年五〇~六〇%削減は「外国に比べバブル崩壊後、省エネで大変立ち後れているので、逆に達成が可能な国だ」としました。この点では現状で発電所や鉄鋼・化学産業による排出量が六割を超えているので、二〇三〇年までに五割削減させる必要があるとし、日本の大企業などもRE100などに参加も急増していること、再生可能エネの潜在量が極めて大きいことなど具体的に説明しました。
電力業界などの抵抗に関しても、化石燃料関係や原発関係者へのきちんとした雇用転換政策等についても、既に十数年前から取り組んでいるEU各国で推進されてきた具体的な姿も引用して説明しました。
各地からの質問に答える形で「FITは大手と市民参加とを区別させること」「自然破壊や地域外資本による乱開発は禁止させること」「蓄電池のためのレアメタル不足は世界ルールをつくらせること」「九電等がやっている原発優先・太陽光制限の制度をやめさせること」「森林破壊や農業崩壊を止め、食料自給率をたかめること、公共交通の維持などとも共通の推進であること」「自治体のゼロエミッションの充実強化」「再生可能エネ産業による雇用増大で経済を大きく発展させる」「何よりも十数社で独占してきたエネ産業経営者達が〝カーボンニュートラル〟にどう対応するのか明示させること」「この点で英国の財界と懇談したが〝乗り越えないと先がない〟と明言したこと」等々、極めて明快に解説しました。
最後に笠井議員は「ノルウェー総選挙は終わり、いまドイツ総選挙が行われているが、いずれも地球温暖化防止対策が争点だ、いま日本の総選挙も実質的に始まっているが、この2030戦略を実行できる政権の実現へ全力をつくそう」と訴えました。

(兵庫民報2021年10月3日付)12:30

観感楽学


経済開発機構(OECD)加盟国の平均賃金比較によると、一九九〇年、日本の平均賃金は三万六千八百七十九ドルで十二位、フランス、イギリスより上位だったが、二〇一八年、全世界の賃金が上昇する中で、日本はわずか+百六ドル、この間、+一万三百九十ドル上昇した韓国よりも下位の二十二位に後退している▼ところで、二十年前、五日間の短いツアーだったが、夫婦で上海や北京などを現地ガイドの青年に案内してもらった。その時、路地裏に残っている古ぼけた民家に目がとまり「写真撮っていい?」と青年に聞いた。彼は「いいですけど、あまりきれいなところではないので……」と困惑しながら、「中国も早く日本のように綺麗になりたいです」「だから中国の若者はいま必死に勉強してます」と答えた。私は慌ててカメラを引っ込めた▼当時彼らは、日本は豊かな国だと思っていたし、私たちも、日本は、世界の経済大国だと思いこまされてきた▼しかし、中国はこの十年の間に、日本をしのぐ経済大国になり、韓国も平均賃金を一万ドル以上上昇させて一気に日本を上回ってきた。自公政治の悪政のもとでいつの間にか国民の暮らしが破壊されている。この現実を転換するのは一人一人が投票所に向い選挙で政治を変えるしかない。(D)

(兵庫民報2021年10月3日付)11:30

清水ただし「野党共闘は反共の刃では壊せない」国会レポート13


連日マスメディアは総裁選挙の報道一色です。今日の新型コロナの感染爆発と医療崩壊を招き、国民生活と日本経済を苦境に晒した菅政権の責任は棚上げしたまま、新たな表紙の付け替えで支持率の上昇を図り総選挙を乗り切ろうとする姿勢は極めて無責任です。
総裁選候補の誰もが改憲を標榜し、脱原発や辺野古新基地建設の中止を唱えません。自民党のコップの中の争いからは決して新しい政治を生み出すことなどできないのです。今すぐ国会を開き、国民のいのちと暮らしを守るための議論を行うことが必要です。
私たちの希望は野党連合政権です。二〇一五年九月十九日に憲法違反の戦争法が強行されたその日のうちに、日本共産党は違憲立法を廃止する一点で、野党連合政権の実現を呼びかけました。あれから六年――三度の国政選挙、補欠選挙、東京都議選などで野党共闘を発展させ、成果を積み上げてきました。今月八日には市民連合を介して総選挙に向けた政策合意を野党四党が交わすに至りました。
この間、権力側がメディアを使って反共攻撃にやっきになっているのは、野党共闘を分断するためです。その手法は使い古され説得力のかけらもない反共デマですが、共闘野党の議員、文化人や一般市民からの抗議の声が沸き起こり、デマを流した当事者は謝罪・撤回に追い込まれました。反共の刃で共闘を壊すことはできませんでした。むしろ日本共産党が平和主義の政党であることを証明することになったのです。
総選挙は日本共産党が日本の憲政史上はじめて政権に参加することをめざすたたかいになります。比例代表選挙での躍進をめざし、私も全力でがんばる決意です。
(日本共産党衆院議員)

(兵庫民報2021年10月3日付)12:00