市民にあたたかい神戸市政をつくる会(あったか神戸)は十月十日告示・二十四日投票で行われる神戸市長選挙に、兵庫労連事務局次長の岡崎ふみのりさん(52)を無所属候補として擁立することを九月九日、記者会見を開いて発表しました。同会に参加する日本共産党兵庫県委員会も十日に岡崎さんと政策協定を結び、党として推薦することを決定しました。
岡崎ふみのり(おかざき史典)さん略歴
大阪府岸和田市生まれ。会社員を経て全日本放送受信料労働組合兵庫県協議会議長など歴任。市民にあたたかい神戸をつくる会共同代表、神戸・市民要求を実現する会事務局長、兵庫労連事務局次長。
岡崎さんの立候補にあたっての決意を紹介します(見出しは編集部)。
現在の久元市政を続けていては、市民の命、くらし、雇用・営業守れない
「市民にあたたかい神戸をつくる会」から神戸市長候補となることを決意いたしました岡崎ふみのりです。私は、現在、兵庫労連事務局次長として働くみなさんの権利を守るために奮闘するとともに、市民要求を実現する会では神戸市をよりよい街にしようと頑張る市民団体のみなさんと力を合わせて市民要求実現のために力を尽くしてきました。
私が今回、市長候補への決意に至ったのは、何よりも、長引くコロナ禍のもとで、現在の久元市政を続けていては、市民の命、くらし、雇用・営業を守ることができないと感じたからです。
国でも、神戸でも、感染拡大が深刻化しているのは、安倍・菅首相はじめ歴代の自民・公明政権と、その国の姿勢に追随している久元市長がやるべきことをしてこなかった結果です。今の市政運営には、公的責任を果たさず、安上がり・民間・非正規まかせで、市民に自己責任をおしつけるという致命的な弱点があります。この市政を変え、市民にあたたかい神戸市政に転換するために、コロナ禍で苦しみ、政治の転換を願う広範な市民のみなさんと力を合わせて、勝利するため奮闘する決意です。
新自由主義を神戸市政へ押しつけ、こども医療費無料化公約も覆す久元市長
コロナ禍の下で、市民の命、くらし、雇用・営業が脅かされ続けた一年半でした。「自助」「共助」では、市民の命も、くらしも、雇用・営業も守れないことがはっきりとしました。菅首相を信奉し、新自由主義路線を極端な形で神戸市政に押し付ける久元市政の継続ではなく、なにより、市民の命、くらし、雇用・営業を守る神戸市への転換を求めて奮闘する決意です。久元市長は、コロナ禍の市民の苦しみ寄り添わず、病床削減を当然視し、PCR検査の拡充など、科学的なコロナ封じ込めの対策まで「費用対効果」を優先させ、行いませんでした。
また、地域経済を支えている中小企業、商店などに対する自治体として独自の支援も新たに打ち出さず、一方で三宮再開発に象徴される不要不急の大型開発を推進し、市民生活は置き去りの状況です。
子どもへの感染がひろがるなかで、千二百五十二名もの児童・生徒が感染の不安から登校できないなど、深刻な状況がひろがっています。今行われている議会で、「学校での感染防止対策を強めるべき」との質問に、「国からは何も言われていません」と答弁したことも、久元市長の心底をのぞかせているものです。
さらに、コロナ禍のもとでも、民間・非正規任せの「行財政改革方針」を断行することで、児童相談所の一時保護所では保護されている子どもや幼児の命が脅かされ、交通振興株式会社を解散させ四百人もの官製失業者を生み出そうとしています。
私が、久元市長の政治姿勢でとくに問題だと感じているのは、「中学卒業までの医療費無料化」についてです、久元市長は一期目の公約で、無料化すると市民に約束しながら、二期目には「無料化する考えはない」「無料化してほしいと言っている方は、明石市でも三木市でも引っ越されたらよい」と平然と言ってのけたことです。保護者の「自己責任」に転嫁し、市民との約束である公約を投げ捨てる市長に、市政運営を任せるわけには参りません。
私は、命とお金を天秤にかけることをやめ、「市民の命とくらしを守る」神戸市への転換を求めたいと思います。
切り捨て施策を押しとどめ、押し返し、前進させてきた市民の運動とともに
私は、「神戸・市民要求を実現する会」でこの六年間、六百近くの要望を神戸市に提出し懇談を重ねてきました。中学校給食実現の運動、敬老・福祉パス改悪反対の署名運動、都市空間向上計の撤回など多くの声を集めて、神戸市に要求を突き付けて、市民生活を切り捨てる施策を押しとどめ、あるいは押し返し、前進させてきました。
高すぎる国保料の問題、待機児童・学校過密問題、公契約条例や中小企業を支える制度、正規雇用を増やし、雇用をまもる要望など市民の声と願いを集め、思いを届けてきました。
同時に、私は、安上がり・民間・ 非正規まかせで、市民に自己責任をおしつけるという現市政の致命的な弱点を転換しない限り、つまり市長を変えない限り、苦しんでいる多くの市民の願いは叶わないと痛感しました。
コロナ禍のもと、非正規労働者が切り捨てられ、とくに女性にしわよせがいっています。ジェンダー平等の立場から性別の差なく働ける環境にすることが求められています。「八時間働けば普通のくらしができる社会」「最低賃金を引き上げ千五百円に」と、このことを神戸市から発信していきたいと思います。
同時に、須磨海浜水族園の存続を求める運動、少人数学級を求める保護者や教育関係者、また神鋼石炭火力発電所増設をやめ気候危機をとめようと運動されている市民や大学生や若い世代のみなさんなどと話し合いを重ねてきました。また、私は、原発をなくす市民運動も行っています。いまある原発はすぐに廃炉にすべきだとはっきりとした立場にたっています。
多くの市民の皆さんがやむにやまれぬ思いで立ち上がり、声をあげ、行動を起こしておられることに、大変勇気を与えて頂きました。市民のみなさんとの新しい共同の力も生かし切りたいと思います。
市民の切実な願いを、市長になり実現できるよう頑張りぬきたいと思います。
「三つの基本姿勢」と「五つの転換」で市民にあたたかい市政へ
こうした思いから、この市政を変え、市民にあたたかい神戸市政に転換するために、三つの基本姿勢でのぞみます。第一に、コロナから命、くらし、雇用、営業を守りぬく。
第二に、自己責任押し付けやめ、公的責任を果たす。
第三に、市民の意見を良く聞き、公約を守る。
――この三点です。
また、「あったか神戸」として、一人ひとり市民が希望を持て誇りに思える神戸へ「五つの転換」を示して、市長選挙に挑みます。
第一は、市民の命と健康を守る「ケア」に手厚い神戸への転換です。
第二は、地域に根ざした雇用と営業を応援、基盤が強い神戸経済への転換です。
第三は、教育・子育て支援の予算を抜本的に増やすことへの転換です。
第四は、九つの行政区・地域特性を伸ばし、どこでもくらせる神戸への転換です。
第五は、だれもが等しく自分らしさが輝く、真の国際都市への転換です。
今の神戸市政を憂い、政治を変えたいと願っている広範な市民のみなさんと力を合わせて、何としても勝利する決意です。どうかよろしくお願いいたします。
(兵庫民報2021年9月19日付)17:00