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2021年8月29日日曜日

おかしな政治、変えてこ!――政治を変えよう!尼崎市民交流会が取り組み本格化


同交流会事務局長 松岡宗治

街頭で「憲法を守りましょう!」「九条を壊さないで!」と訴えてもなかなかビラを受け取ってもらいにくいです。若い人は特にその傾向が強いと実感します。
「あっ、また共産党がやってる」とか署名活動していても「共産党?」と、良くも悪しくも聞いてこられる方がおられます。
衆院兵庫八区(尼崎)では公明候補と共産候補が早くから名乗りを上げています。しかし他会派からも、この対決構図では、「たたかわれへん」との声が上がっていました。

党派や考え・立場の違い超え政権交代実現を

尼崎革新懇の呼びかけで、立憲野党会派や地域の団体などの代表に、党派や考えの違いを超え、尼崎で立憲野党の候補者を押し上げようと相談しはじめたのが、昨年の秋でした。
その頃、県段階での野党も、八区では共産党候補への推薦を決定し、大きな動きの中で十二月に「市民と野党の共闘を進める会」が三十六名の参加で発足し、年明けの一月三十一日には「会」の呼びかけ人により「政治を変えよう!尼崎市民交流会」と改称を決め、正式に「市民と野党の共同組織」ができ、兵庫八区で「日本共産党のこむら潤さん」を推薦することを決定しました。ポスターやチラシ、ネット配信、横断幕、各地域でのミニ集会など具体的に進めることを決め、まず街頭宣伝をはじめました。

棄権する人の多くは政治を変えたいと思っている

尼崎の有権者数が三十八万人で、毎回ほぼ投票率が三〇%~五〇%です。投票率が一〇%上がるだけで約三万八千票が変わるのです。組織固めがしっかりしている政党以外は、投票率が上がれば上がるほど有利になります。棄権者の多くは「こんなにしんどい思いをしているのは自分たちのせいじゃない」「政治を変えたい」と思っている人たちです。だからこそ、「おかしな政治、変えてこ」なんです。

初めての街頭宣伝に取り組んで

八月十七日十八時から一時間、JR尼崎駅前での宣伝をすることにし、横断幕とチラシを作り、立憲野党の議員や個人、団体に呼びかけました。県議二名(みどりの党、共産党)、現・元市議四名(新社会党、みどりの未来尼崎)、また立憲民主党からのメッセージもあり、二十七名の参加で十三名からスピーチをいただき、用意したチラシがすぐになくなってしまうほど、通行人から注目を浴びた取り組みになりました。参加者も雨の中での取り組みではありましたが、大きな盛り上がりでできたことに確信を深め、全員による集合写真にも快く応じてくださいました。実施したことで次につながる課題もたくさん見え、地域にどんどんアピールしようと意気込みを強めています。
 
写真:8月17日、JR尼崎駅前での宣伝に取り組んだ政治を変えよう!尼崎市民交流会の人々(横断幕中央は、こむら潤さん)

(兵庫民報2021年8月29日付)18:00

大雨のなか、宣伝と「折り入って作戦」:兵庫二区 宮野つるおさん


日本共産党の宮野つるお兵庫二区国政対策委員長は十七日、大雨のなか、北区・大池地域で宣伝活動。雨の中でも家から出て来て手を振ってくれる人もいて、演説にも力が入りました。
雨脚が強くなった午後は、安否確認を兼ねた電話で「折り入って作戦」。「国会を開き、コロナから国民のいのちと暮らしを守るあらゆる手だてを尽くすべきです」など訴え、選挙での協力をよびかけました。
対話の中では「うちの地域は投票所が遠いからいけない人も多い。菅政権を終わらせるためにももっと投票率をあげないと」など、菅政権を変えたい思いとともに、「バス路線を使いやすく」など身近な要求が出されました。
ツイッターで「兵庫2区 宮野つるおサポーターズ」が八月十七日から活動を始めています。兵庫二区(神戸市兵庫区・長田区・北区、西宮市北部)の方はぜひフォローを。

(兵庫民報2021年8月29日付)17:30

衆院選必勝めざし県内比例キャラバン宣伝再開


日本共産党兵庫県委員会は八月十六日、衆院選挙必勝をめざし、県内比例キャラバン宣伝を再開しました。
十六日は、こむら潤衆院近畿比例候補(兵庫八区重複)が、兵庫十二区に入り、太子町、たつの市、相生市、赤穂市で街頭演説を行いました。
こむら候補は、コロナ対策での菅政権の無為無策を厳しく批判し、パラリンピックを中止しコロナ対策に集中するべきだと提案。コロナ禍で女性の離職率が増えていることなどから「ジェンダー平等社会を実現することは切実な課題です」と訴えました。
また、政権による憲法改悪を許さず、子どもたちに平和な世の中を手渡したいとの自身の政治原点を述べ、憲法を活かした平和で民主的な社会をつくろうと呼びかけました。
県内比例キャラバンは、現在、党が小選挙区候補を擁立していない選挙区を中心に、コロナ抑制の提案とコロナ禍後の新しい社会の展望、日本共産党の魅力などを語り広げる目的で、九月末まで実施する予定です。
〔金田峰生〕

写真:赤穂市内で宣伝する(右から)こむら潤さん、深町直也赤穂市議、岩崎修西播地区委員長・相生市議
 
(兵庫民報2021年8月29日付)17:00

コロナ自宅療養者への毎日のフォロー体制など日本共産党尼崎市議団が6度目の申し入れ


尼崎共産党市議団は八月十九日、昨年から数えて六度目のコロナ対策の要望を市長へ届けました。感染者が急増する中、緊急事態宣言が八月二十日から兵庫県も発せられるもとでの緊急申し入れでした。
尼崎市では八月十三日から十九日の一週間当たり新規陽性患者数が八百二十五人で、前週発生した陽性患者数四百二十一人から約二倍の人数の増加となっています。特徴として三十歳代までの感染が増加、第四波(三月一日〜七月一日)と比較して感染割合は四三・二%から六四・六%と急増しています。人口十万人あたりの新規報告数は百八十・一で大阪府と類似した傾向ですが、それを少し上回る状況となっています。
市民の実態としても、家族が職場などで感染しても、濃厚接触者と認められなければ、検査を受けたくても自費で高い費用を出さなければならない。軽症の場合、医療機関、療養施設に入れない、自宅療養していても保健所からの連絡が来ないこともある。このままでは家族全員が感染してしまう、子どもがいる家庭は対応できないなどの不安の声が上がっています。
市議団は一週間以内の文書回答を求め、以下三項目の緊急申し入れを行いました。
1、市の責任で職場、学校園、保育所、家庭などで、気軽に繰り返しPCR検査を受けられるようにすること。
2、自宅療養者に対して、無症状でも毎日丁寧にフォローする体制を維持すること。
3、軽症・無症状者も、原則ホテル等宿泊施設での療養を行うよう、県に求めること。
〔川崎敏美=尼崎市議〕

(兵庫民報2021年8月29日付)16:30

正規・非正規の区別なくコロナ対策を:兵庫労働局へ日本共産党県委員会が要請


日本共産党兵庫県委員会は八月十九日、兵庫労働局に対し、新型コロナウイルス感染症の影響から労働者を守る対策についての要請書を提出しました。要請書は、こむら潤党県国政委員長(代理・金田国会議員団兵庫事務所長:写真左)と小林明男労働部長が届けました。
新型コロナの爆発的感染拡大により、四度目の緊急事態宣言が発出されるなど、国民生活を巡る状況は深刻さを増しています。
職場での感染拡大によって労働者が命と健康の危険に晒される中、「会社が職域ワクチン接種を行うとしたが対象が正規社員だけ。非正規労働者は自費。それも取りやめになった」「隣の席の人が陽性だったが濃厚接触者とみなされず、PCR検査は自費、自宅待機は欠勤だと言われた」などの差別、「コロナの影響で雇止めになり収入が激減した」などの貧困拡大、女性労働者の失業率が高くなるなどのジェンダー問題が顕著になっていることから、新型コロナウイルス感染症の影響から労働者を守るため、左記三点を要請しました。
①正規・非正規等に関わらず、職場ですべての労働者に「自己負担なし・繰り返しのPCR検査」を実施するよう、事業所に強く要請し、援助すること。
②陽性患者の療養にあっては、正規・非正規等に関わらず、賃金および職場復帰を保障するよう、事業所を指導すること。なお、コロナ対策に関わる休暇は、有給休暇とは別とさせること。
③希望者への職域ワクチン接種についても、正規・非正規の別によらず無料接種を速やかに実施し、接種後の副反応による有給休暇を含め、すべての労働者に保障するよう、事業所に助言し、援助すること。
〔金田峰生〕

(兵庫民報2021年8月29日付)16:00

ジェンダーわたしの視点「認識や規範も人によってつくられたもの」日本共産党淡路市議会議員 かまづか聡

私がジェンダーという言葉を初めて聞いたのは二十年も前、大学の講義ででした。ジェンダーは性のことだが、身体的な性ではなく、耳と耳の間(脳)にある性だと習ったように記憶しています。その時は漠然とした捉え方でしたが、多様な性について認識を持つに至ったのは、以下のでき事も一つだと思います。
私はワーキングホリデー制度を利用した海外生活の経験があり、旅行も好きです。ニュージーランドのオークランドに行った時、宿の近くにK(クランガハペ)ロードという通りがあり、夜になるとゲイの人や女装した人が集まるということを見聞きしました。また、カナダ・トロントのクイーンストリートでは、レインボーフラッグをマンションのベランダに掲げ、LGBTsの人たちがその存在を示しているという風景も見たり、その当時はカルチャーショックというか、そうした人もいるのだとの認識を持ちました。海外の友人などにも性にたいしてオープンな考えを持つ人もおり、自分が知っていることだけが全てではなく、性に関しても様々な認識があるのだなと思ったところです。
党とジェンダーの点で言えば、二〇〇九年頃に宮本たけしさんが対談している本(※)を読んだと記憶しています。性的少数者やLGBTという言葉があまり社会で言われていない中、先進的だなと思ったものです。
そもそも、男らしさや女らしさという認識や規範も人によってつくられたということが、ジェンダーという言葉を知るうえで重要ではないでしょうか。
誰もが自分らしく生きられる社会こそが大事であり、社会が作り出してきた規範を押し付けられるという生き方は私には合っていませんし、人に押し付けたくありません。だからこそ、ジェンダー平等を阻害していることは私たちの生活の中にもないかを考え、不断に学び、改善していくことが大事です。
私はこれまでLGBT自治体議員連盟主催の講義などに参加していますが、今後も発信や行動ができるよう努めてまいります。
 
※杉山貴士(編)『聞きたい 知りたい 性的マイノリティ:つながりあえる社会のために』日本機関紙出版センター、2008年
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784889008517

(兵庫民報2021年8月29日付)15:30

伊丹市立アイホールは演劇専用として存続を

伊丹市は、市立演劇ホール「アイホール」(JR伊丹駅西)について、サウンディング型市場調査(以下「調査」)を行い、演劇ホールの用途変更も含めて活用方法を検討しています。その理由として、市民の利用率が一五%と低く、年間九千万円と指定管理料が多額であることなどをあげています。
八月二十日に公表された「調査」概要では、屋内アスレチック施設やクライミング施設とすることなどの提案がされており、このままでは公共の演劇専用ホールとしての存続が危ぶまれることになります。
演劇ホールは、一九八八年、JR伊丹駅周辺の再開発事業の中で設置されて以来、演劇専門施設として、関西だけではなく全国の優れた舞台芸術作品を上演してきました。また、小・中、高校生を対象としたアウトリーチ事業を展開し、演劇を身近に体験できる拠点施設の役割も果たしてきました。この貴重な施設を採算性や経済効率のみで存続を判断することは問題です。また、この「調査」手法は企業の提案によるもので、公共施設を企業の利益優先の施設として提供することにもなります。
すでに市内外で市内中学高校演劇部OBOG会などを中心に「演劇ホールの存続を求める」運動が始まり、日本劇作家協会会長の渡辺えりさんや日本演出家協会理事長の流山児祥さん、日本劇団協議会会長の西川信廣さんから存続を求める陳情が議会に寄せられています。
党議員団として、これらの運動と連携し、市民に知らせる活動や署名活動、地域住民の意見集約などに取り組み、演劇ホールの存続を求めていきます。
〔上原ひでき=伊丹市議〕

(兵庫民報2021年8月29日付)15:00



宝塚大橋――日本初のガーデンブリッジ:文化的景観を生かしたまちづくりを――市民団体が県に要望――


日本共産党県議会議員 ねりき恵子

武庫川にかかる宝塚大橋には彫刻や四阿、花壇が配置され、ジャングル大帝レオなど手塚治虫作品のタイルがはめ込まれた趣のある歩道が宝塚歌劇、花のみち、手塚治虫記念館へと続き宝塚らしい景観をつくってきました。
その宝塚大橋で二〇一八年度から長寿命化計画の一環として耐震補強工事が行われています。橋梁の下部工事が一段落し、今年から橋上の歩道工事が始まりました。
ところが、彫刻や花壇がすべて撤去され、黒いアスファルト舗装の姿に、これが工事の完成形なのか⁉と驚きの声があがりました。六月八日には宝塚の市民団体が集まり「宝塚大橋の改修工事にともなうブロンズ像など復旧とさらなる景観整備等に関する要望」を県知事に提出し、私を含め宝塚市選出の三人の県議も同席しました。
一九七八年に全国初の「ガーデンブリッジ」として架けられた宝塚大橋。四十三年が経ち、想像以上に劣化が進んでおり、歩道のタイルを剝ぎ防水層を作るため、ブロンズ像などの構造物はいったん撤去したというのが、県宝塚土木事務所の説明です。
現在、歩道の黒いアスファルト舗装は、「洗い出し」という景観に合うような加工が施されています。
 

一番重要な彫刻や花壇をどうするのかについて、県当局は市民からの要望を受け、基本的にはブロンズ像やタイルなどを再度設置する事を表明。今後、市民へのアンケート調査を実施し、景観と安全対策をどう両立させるか検討するとしています。
また、彫刻の一つ「愛の手の裸婦像」については、建設当時から女性蔑視につながると反対運動も起こり、ジェンダー平等の立場からも撤去を求める要望も上がっています。
県は、「ガーデンブリッジ」の宝塚大橋から花のみち、宝塚大劇場、宝来橋、宝塚温泉、宝塚南口と、武庫川を挟んで「マイタウンマイリバー構想」のまちづくりを進めてきました。未整備だった右岸側の河川敷公園整備が行われています。また、宝塚大橋は宝塚市の観光プロムナードの一部でもあり、阪神モダニズムの息づく宝塚の歴史と文化を活かした景観、まちづくりに沿った整備が求められています。
 
写真上:一九七八年完成当時のパンフレット(兵庫県・宝塚市の共著)と市民団体の要望書
写真下:2009年、工事前の宝塚大橋(宝塚市オープンデータから)彫刻は淀井敏夫「渚」、その右後ろは宝塚大劇場

(兵庫民報2021年8月29日付)14:30

神戸・中央区革新懇第32回総会:草の根から市民と野党の共闘実現めざし政権交代・連合政権実現を


神戸・中央区革新懇は八月二十一日、第三十二回総会を開催。コロナ緊急事態宣言発令のもと感染予防対策を徹底し二十六人が参加し成功のうちに終わりました。
武村義人生田診療所所長が主催者挨拶を兼ね情勢報告――コロナ禍でも菅政権は国民に自己責任を押し付けていることを批判。また「大企業は利益に応じた社会的責任を果たせ」と主張しました。
二〇二〇年のまとめと二一年の活動計画が提案され、青年革新懇、労働者、婦人、業者、共産党、税理士の六人が発言・討議を経て採択されました。また会計報告を確認、十九名の世話人を選出しました。
駅へのエレベーター設置を求める運動を二〇一三年からとりくみ、阪急花隈駅、阪神西元町駅で実現し既に稼働、阪急春日野駅でもバリアフリ―化工事が始まりました。ねばり強い住民との行動の大きな成果です。
「憲法九条守れ」の毎月三の日行動も二〇〇四年九月から連続二百十三回となり、のべ千八百八十二人が参加し、四千九百六人分の署名を集ました。
昨年結成された青年革新懇(Team Anchor)の活動が生き生きと前進していることが報告され、若い息吹を感じました。
コロナ禍に対する菅政権の「命置き去り政策」に対し、秋に迫る総選挙で決着をつけようと発言者から共通して訴えがありました。
全国革新懇『四十年のあゆみ』で革新懇の歴史を学び、これからの活動に元気が出たとの感想も寄せられました。
中央区革新懇が活動する衆院兵庫一区は「市民と野党の共闘実現で」と期待の高まっている地域。それに応え機敏な行動が強く求められています。組織を強めながら「全国革新懇ニュース」の普及にも努めることが提起されました。
中央区革新懇は結成四十周年に向けて、「三つの共同目標」と「三つの任務」を掲げ、〝学び、楽しく、元気が出る〟革新懇運動に取り組むんでいくことを確認しました。
〔漁島国弘=同革新懇事務局長〕

(兵庫民報2021年8月29日付)14:00

雨の中でもビラを受け取りよく:総がかり行動・明石の定例駅頭宣伝


総がかり行動・明石は八月十九日、定例の駅頭宣伝を明石駅と大久保駅で行いました。「コロナ問題」「市民と野党の共闘」「核兵器禁止条約」についてのビラを配り、ハンドマイクと横断幕で訴えました。
雨の降る中、いつもより参加者が減りましたが、明石駅は十五名の参加でビラ約百枚、大久保駅は八名の参加でビラ約五十枚を配布しました。
大久保駅では、雨をしのげる跨線橋下はユニセフと国境なき医師団が訴えを行っていたため、階段付近で雨のなか傘をさしながらビラ配布・スタンディングを行いました。参加者からは「市民の関心は強い」「雨の中ビラの取りがよい」などの報告が寄せられています。
明石駅でも、「頑張ってください」と激励してくれる女性の姿があったことややはり「雨の中よくビラがはけた」との報告がありました。
〔石井勝幸=明石革新懇事務局長〕

(兵庫民報2021年8月29日付)13:30

瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈689〉


(兵庫民報2021年8月29日付)13:00

「高校生が描く原爆絵展」にとりくんで:新日本婦人の会兵庫支部


前田みさ子(同支部)

新日本婦人の会兵庫支部は八月二十一日、午前十時から午後三時まで「高校生が描いた被爆絵展」を神戸市兵庫区のかもめ会館で開催しました。
お天気が心配でしたが三十六名の方が来てくださいました。署名、アンケートにも協力して頂き募金も頂きました。

今回は、作品の一部しか展示ができず小規模なとりくみでしたが兵庫支部としては成功と言っても良いかなと思います。
参加者の感想では「何回も被爆者からお話を聞いたとは言えここまで描けるとは驚きです」「若い人たちが被爆者の体験や思いを引き継いで行ってくれることは良いこと」等々です。
またほとんどの方が「他の作品も観たい」と回答されているので全ての作品を観てもらえるようにしたいと仲間と話し合っているところです。今回のとりくみをこれからの平和運動に生かして頑張ります。

(兵庫民報2021年8月29日付)12:30

『民主主義の日本めざして――「川崎・三菱大争議」100年』発行の意義


堤 隆二
JR神戸駅南のハーバーランドの突き当りの目の前に川崎重工神戸工場があり、自衛隊の潜水艦が係留されているのが見られる。さらにその先の和田岬には三菱重工の神戸造船所の工場があり、関西電力などの原発はここで製造されている。
この二大工場で、百年前(一九二一年)に四十五日間にわたるストライキの大闘争があり、神戸製鋼の労働者などを含め、全市的な闘いが繰り広げられた。
この大闘争がどのようなものであったのか、なぜ争議が起こり、その結果は今にどのように引き継がれているのか。争議百年に当たり治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部(以下「同盟」)が特集記事を企画し、「兵庫民報」に掲載した。それをまとめてパンフレットとして発行されたのが『民主主義の日本めざして――「川崎・三菱大争議」100年』である。
連載は十六回にわたり、その内容は次のようになっている。
第一回・第二回プロローグ=岡正信(同盟会長)、「川崎・三菱争議の歴史的意義」
第三回・第四回=吉川圭太(神戸大学大学院人文学研究科)、争議の背景となった情勢と闘争の意義
第五回~第八回=田中隆夫(同盟副会長)、争議の経過を丁寧に紹介、婦人運動にも触れている
第九回~第十四回は大争議と共に前進した各分野の闘いの紹介
第九回=兵頭晴喜(同盟常任幹事)、生協運動
第十回=藤原紀嘉(同盟常任幹事)、尼崎での労働者のたたかい
第十一回・第十二回=小牧英夫弁護士(元自由法曹団兵庫県支部長)、争議支援の中から立ち上がった弁護士の活動・自由法曹団の誕生
第十三回=乾信行(元兵庫県農民連事務局長)、解雇された労働者などによる農村のたたかい
第十四回=前田武(兵庫県地域人権運動連合会事務局長)、水平社運動の誕生とひろがり
第十五回・第十六回=田中、岡によるまとめ、治安維持法が果たした役割(田中)、日本共産党誕生の意義(岡)など
川崎・三菱争議が歴史に残る争議であっただけでなく、その後の労働運動、民主運動にのこした大きな影響を全体として捉えた論集となっている。
争議当時、日本共産党はまだ創立されておらず、争議に参加した労働者の中には大杉栄などが唱えた無政府主義・アナキズムの影響や、争議の先頭にたった賀川豊彦のキリスト教社会主義などの影響が強く、社会全体を改革する政治闘争の展望が十分示されなかったために、資本と権力の圧力に押されて争議は「敗北」に終わっている。争議の約十年後から始まった十五年間にわたる侵略戦争の惨事を経て、現在の国民主権・民主主義の憲法が生まれた。五十年後の一九七〇年代になると、春闘ごとに労働者はストライキで闘い、まがりなりにも社会党と共産党の共闘が進む中、太平洋ベルト地帯で革新自治体が誕生、「七〇年代の遅くない時期に民主連合政府を」というスローガンが現実味を帯びて叫ばれた。これにおびえた反動側の策動で、安保・自衛隊容認、共産党を除く政権構想の社公合意がなされ、共闘は分断、労働運動は退潮を余儀なくされていった。
その後、天安門事件やソ連の崩壊などが起こり、「社会主義」の誤りが宣伝され、困難な時代が続いたが、大争議から百年後のいま、地球環境の破壊、核兵器使用の脅威、格差の拡大、民族問題など、人類的な課題が深刻化するなかで、資本主義社会の限界を超えて新しい社会への展望が求められている。こうした中で、科学的社会主義の立場から未来社会を展望する日本共産党が市民権を得て、国政や自治体で大きな役割を果たし、それを基礎に市民と野党の共闘が前進してきて政権に挑む歴史的な時代となってきた。
この趨勢を真に実らせるためにも、その原点にある百年前の労働者の闘いの経過、及ぼした影響を、このパンフレットで学び、伝えていくことはきわめて大きな意義を持っている。
(日本共産党兵庫県文化後援会副会長)

B5判、表紙含め28ページ、カラー/頒価100円/問い合わせ先:治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部 Tel. 078-351-0677、Fax 078-371-7376(日本国民救援会兵庫県本部内)/日本共産党兵庫県委員会でも扱っています。

(兵庫民報2021年8月29日付)12:00

清水ただし「もうこの政権に任せることはできません」国会レポート12


コロナ禍で七十六回目の終戦記念日を迎えました。連日、全国の新規感染者の数が過去最高を記録しています。重症者が増加し、医療提供体制がひっ迫するなど現場は深刻です。
自粛を要請するだけで大規模検査などの感染封じ込め対策に努めない菅政権の責任は重大です。自らのコロナ対策の失敗を正当化すべく、中等症患者を自宅療養にすると突然言い出すなど、国民の命と健康をないがしろにする姿勢に与野党から批判が噴出しました。病床不足や保健所機能のひっ迫は、社会保障と公衆衛生の増進という政府に課せられた責務を十分果たしてこなかったことの帰結です。
国民に我慢を呼びかけながら、オリンピックを開催したことが間違ったメッセージを届け、人流抑制につながらなかったと多くの専門家が指摘しています。
パラリンピックは中止してコロナ対策に集中することを強く求めます。そして、一日も早く臨時国会の召集を。
さて、五輪選手の金メダルを噛んだ市長もいただけませんが、広島での平和記念式典で大事な原稿を噛み、さらに読み飛ばしてしまった菅総理には呆れてしまいました。唯一の戦争被爆国の政府であるにもかかわらず、核兵器禁止条約への参加に背を向けていることも許せません。菅総理自身、日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配を美化し続ける靖国神社に玉串を奉納したことからも先の大戦への反省が見られないことは明らかです。
コロナ対策でも、平和の問題でも、これ以上この政権に任せることはできません。来る総選挙では本気で政権交代を実現したいと思います。
(日本共産党衆院議員)

(兵庫民報2021年8月29日付)11:30

観感楽学


菅首相が八月六日の広島平和記念式典で挨拶文を読み飛ばし、長崎平和祈念式典には一分遅刻した。核兵器禁止条約にはひと言もふれず、黒い雨訴訟について長崎では言及しなかったこともマスメディアが取り上げたのでここではくり返さない。が、広島でふれたことが長崎では消されていた箇所が実は他にもあった▼広島で読み飛ばした文の中にこんな表現があった。「我が国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり……」。これが長崎では「唯一の戦争被爆国として……」に簡略化された。「被爆の実相に関する正確な認識を持つことは、核軍縮に向けたあらゆる取り組みのスタートです」「核兵器使用の非人道性に対する正確な認識を継承し」という部分はまったく消された▼被爆者のみなさんが命を削って世界に訴え、ついに核兵器禁止条約の採択・発効に至ったそのキーワードが「核兵器の非人道性」であった。読み飛ばし問題があったので原稿作成者とその周辺ではあらためて全文章を検討し、あわてて「非人道性」を削ってしまったのだろう▼しかし広島挨拶も公文書として残る。日本政府は核兵器禁止条約に参加せよの運動が菅政権を動揺させていることのあかしとして、さらに追いつめていく立脚点として。(T)


(兵庫民報2021年8月29日付)11:00