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2021年7月25日日曜日

兵庫県知事選:県民と野党の共同追求し金田峰生さん健闘

翌朝、元町駅前で結果を報告する金田さん

兵庫県知事選挙は七月十八日投開票で行われました。
憲法が輝く兵庫県政をつくる会の金田峰生候補=新、日本共産党推薦=は十八万四千八百十一票、得票率一〇・〇九%を獲得しましたが及びませんでした。
 
開票結果表:
https://drive.google.com/file/d/1jdEBNG5CSe2p75rJX2_rQnIgHt1Ej9uG/view?usp=sharing

コロナ禍のなか、多くの県民がこれまでの県政のありかたに厳しい目を向けるもと新人五人があらそった選挙戦。金田さんは「保健所、病床削減の県政から、いのち・暮らし・仕事をまもる兵庫へ」と訴え、市民と野党の共同を追求し、これまでにないつながりをつくりました。
当選したのは自民党と維新の会が推した前大阪府財政課長の斎藤元彦氏。井戸敏三知事が後継とし、自民党県議団などが推した前副知事の金沢和夫氏も及びませんでした。

知事選大勢判明後の記者会見での金田峰生さんの挨拶から

県民のいのちと暮らしを守る県政への転換と、県民と野党の共同を訴え、感じた確かな民意
私を知事に押し上げるべくご尽力いただいたことに深く感謝を申し上げます。
立候補表明の場で述べたように、自民党が担ぐお二人の候補のどちらを選ぶのかというのは、県民不在の争いでしかありませんでした。しかし県民の多くは県政の転換を求めていました。
私たちは、県民の切実な願いを受けて、県民のいのち、暮らしを守るという地方自治体の役割を果たす県政に転換する選択肢を示しました。そしてこの抜本的転換を実現する力は県民と野党の共同の力にあることを呼びかけました。
選挙戦を通して、私たちの提案に広く共感が寄せられたと思います。私に寄せていただいた票数はもちろん、それ以上に、政策への共感、支持がありました。
そして、県民と野党の共同という点では、残念ながら政党として共同したのは日本共産党だけでしたが、県民の共同の輪は広がりました。「自民党支持だったが金田に入れた」「無党派で今度は誰が良いか吟味したところ金田にした」との声もお聞きしました。若い方々からも注目がありました。中学生から「私に選挙権があったら一〇〇%金田さんに入れる」というメールもいただき感激したのですが、新たに支持して下さった方が決して少なくありませんでした。
従って、ここに確かな民意が存在している。新しい知事はこれを無視してはならないということを申し上げておきたいと思います。とりわけ、コロナ対策は人のいのちがかかっています。これまでの反省と、中央政府ではなく、他の自治体の優れた教訓に真摯に学び、県民のいのちと健康を守られるよう、切に求めます。
今回私に一票を投じて下さった方々は、本当に真っ直ぐにご自分の意思を、切実な願いをお示しになられた方々です。そういう一票をいただきながら、当選に至らなかったのは、やはり私の努力不足、精進が足りなかったということであって、大変申し訳なく思っています。
いただいた一票は無駄にはしません。必ずご期待に応えると約束しました。形は異なりますが、皆さんの要求、公約実現に、これからも努力を続けます。

(兵庫民報2021年7月25日付)
14:00

淡路市議選1議席増・上郡町議選空白克服


淡路市議選(定数十八・立候補二十三人)と上郡町議選(定数十・立候補十四人)が七月十八日、投開票で行われ、日本共産党は淡路市議選で岡田のりおさん(60)が次点候補と一票差で初当選、かまづか聡さん(43)も四回目の当選を果たし、複数議席を回復しました。会派復活と両常任委員会への出席で住民要求実現への力が大きくなります。得票合計は千九百六十二票、得票率八・七四%。
上郡町議選では米田ひろきさん(59)が六百六十四票(得票率七・五九%)五位で初当選。日本共産党空白議会を克服しました。住民無視の議会を改革し産廃ストップ、赤ちゃんから高齢者まで住み続けられる街づくり、憲法九条守る―公約実現のため全力で頑張る決意を表明しています。

(兵庫民報2021年7月25日付)
13:30

神戸製鋼さん石炭火力発電所つくらないで――裁判日記(民事訴訟第12回):CO2削減について神鋼に釈明を求める

原告 近藤秀子


神戸地方裁判所での民事訴訟第十二回期日が七月十三日に行われました。法廷では北弁護士から「求釈明」についてプレゼンテーションがあり、終了後JR神戸駅北側で宣伝、場所を移動して原告弁護団による期日報告会及び浅岡弁護士による学習会がありました。
私たちはCO2削減を明らかにする事を求めています。
例えばCCSです。CCSは大量のCO2を海底油田を汲み上げたところの地下に凄い圧力で詰め込み中から出て来ないようにする仕組みです。三年前の評価書には「検討する」と記載されていました。ところが中期経営計画から「CCS」と言う言葉が消えているのです。
そもそもやる気が無い、現実問題としてやれないと言う事ではないかと想像できます。
CO2を運ぶこと自体現実的ではないし、どれだけのコストがかかるかもわからない、中期経営計画に書けば株主が当然読むだろうし、嘘は書けないから省いたのではないかと言うのが池田弁護士のお話でした。
菅首相が表明した「二〇五〇年CO2排出ゼロ」に向けて神戸製鋼所もCO2排出削減を言わざるを得ません。
本気で減らすのか、今がチャンスと早く燃やして早く回収するのか、二つに一つ選ぶなら早く燃やして回収する事を選ぶでしょう。
神戸製鋼所が言う一人の人にガスを吸わせたら不法行為だが、全世界の人に広げたらそれは政治問題に過ぎないと言う判断。
私たちは被害者の権利としてハードルは高いけれどCO2の排出を止めることができる、いえ止めなければなりません。
浅岡弁護士による学習会は「どうする 日本 二〇五〇年脱炭素への道筋」。キーワードは「一・五℃」です。
二〇五〇年脱炭素へ動き出した世界に比べて日本はどうか。
一・五℃に止めるために全世界で排出できる残余総量はわずかです。石炭火力発電所を増やす計画は中止し、自然エネルギーへ転換すべきです。
神戸製鋼所の住民無視のやり方はきっと破綻する。広く世論に訴えて、子どもたちに青空を引き継いでいけるようにがんばりたいと思います。

(兵庫民報2021年7月25日付)
13:00

ジェンダーわたしの視点「ケア労働など日常を支える職場とジェンダー平等」川西市議会議員 黒田みち


大正生まれ・昭和二年生まれの養父母の下で育った私。夕飯には必ず父のおかずが一品多い食卓。父が経営していた工場が保証人・不渡りで倒産、会社勤めに。母は自宅で、市の委託を受けて「託児所」を。無資格でも子育て経験があれば大丈夫と公立保育所に入所できるまでの間、産休明けの子どもを多い時で三人みていました。
「浮気は男の甲斐性」というつまらない言動とそのことで大迷惑を被った非嫡出子の私は、養護施設で働きたいと保母資格を獲得するために奔走。いろいろあったことは割愛して(笑)保育所勤務になって直ぐから、「無認可保育所の改善要求や認可化」「保育・教育内容の発展や職場環境の改善」に力を注ぐことになりました。
せめて公立園所並みに保育基準や労働環境が良くなるように、待機児童ゼロを目指しての闘いは今も続いていますが、現政権の取り組みは、せっかく勝ち取ってきたものすら後退させる内容ばかり。公立園所の統廃合・民営化、経営優先の株式会社の参入、保育士資格がない職員配置が許される小規模園や自治体が関与しない企業主導型――などなど。待機児童はゼロにならず、五十年前の「母の託児所」に逆戻りさせられるのではないかという危機感、保育士確保が難しい現実にも危惧しています。
専門的な勉強を重ね、資格を取っているにも関わらず、保育や介護、障がい者・児など福祉施設で働く労働者の賃金が全労働者の賃金より月十万円も安いなんて異常です。社会的に必要な現場なのに評価されていない、「子育てや介護は女がやるもの」という価値観・通念の表れそのものではないでしょうか。
コロナ禍のなか、看護師さんの叫びの一番は、感染への不安と「保育所に預けられなくなったら働けない」ということ。看護師さんが働けないと医療現場は逼迫します。保育所を守り、発展させることが社会を動かす大きな力です。これは、障がいや介護、養護など福祉の現場でも同じ。私たちの日常は双方向で支え合い成り立っているのです。
人間の尊厳が大切にされ、豊かな成長・発達を保障する福祉・教育などの現場で、専門家として評価されるためにも「ジェンダー平等」の視点が絶対に必要です。私たちの日常は影響し合っています、やりがいを持って働き続けることができる「ケア労働」にしていくためには連帯も必要です。がんばってまいりましょう。

(兵庫民報2021年7月25日付)
 

12:30

瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈687〉


(兵庫民報2021年7月25日付)
12:00

こくた恵二「今からでも間に合う、五輪は中止すべき」連載エッセイ10


この間の嬉しいでき事は、東京都議会議員選挙で、日本共産党が改選議席を一名上回り、十九議席獲得、都議選三連勝をなしとげ野党第一党を維持したことです。
最大の争点は五輪。五輪中止を掲げ、「五輪よりも命を大切に」との共産党の訴えが都民の心をとらえました。中止・延期を訴えた共産党、立憲民主党が議席を増やしたのです。
七月十三日の読売新聞の世論調査で、東京においては、「五輪中止」が五〇%を占める結果となっています。
私は、本紙五月二十三日号で、「オリパラ開催中止の決断を直ちに」と寄稿しました。今号の記事を読者が手にするときは既に五輪が強行開催されているかもしれません。しかし敢えて「今からでも中止を」を呼びかけるものです。
なぜなら、自粛や人流を少なくというコロナ感染症対策と世界最大のイベント・五輪は矛盾し、両立しないからです。
もう一つ、西村康稔担当大臣の「酒類取引停止」の発言。金融機関と酒販業界に圧力をかけて締め上げる。言語道断の法律違反、営業の自由を脅かす憲法違反の強権的所業です。「撤回」で済む問題ではありません。この背景には感染症対策の無為無策への焦りと、五輪絶対開催の呪縛があります。
いま必要なのは、飲食店をあたかも悪者であるかのよう仕立て上げ、「自粛警察」まがいの取り締まりを強化することではありません。補償と生活支援を中心とするコロナ対策です。今からでも遅くない、五輪を中止することです。
(日本共産党国会対策委員長、衆院議員)

(兵庫民報2021年7月25日付)
11:30

観感楽学「大相撲名古屋場所と兵庫県知事選挙」


大相撲名古屋場所の千秋楽。全勝同士の闘いで横綱は大関に対し、ヒジ鉄まがいの戦法も駆使して勝利した。この横綱、前日の取り組みでは俵に足がかかるほど仕切り線から遠く離れて立ち会い、相手を攪乱した▼「国技」としてどうかなどというより、スポーツ競技者としていかがなものか、おおいに疑問の残る闘いぶりであった。しかしそれでもどちらかに有利なように第三者が土俵の大きさや形をゆがめる、というようなことはなかった▼十八日投票の兵庫県知事選は分裂した自民党候補の一方の勝利で終わった。しかしこの選挙、マスメディアによってゆがめられた土俵の上でたたかわれた。というより土俵に乗って勝負しているのは分裂自民の二人だけかのような扱いが終始なされた。マスメディアには公平・公正な報道が求められ「社会の木鐸」とも言われる。いったいそれは誰のために鳴らされるのか▼当確が決まったとき、金田峰生候補は支援者と報道陣を前にこう語った。この選挙戦で市民と野党の共同を最後まで追求した。残念ながら政党レベルでは功を奏しなかったが、いままで結びつきのなかったみなさんや市民グループの方々との共同が拡がった。ここにこそ人の命より他のものを大事にするいまの自民党政治を変える確かな流れがある。(T)

(兵庫民報2021年7月25日付)
11:00

暑中お見舞い申し上げます(名刺広告)


(兵庫民報2021年7月25日付)