存続・充実を!――三田市と北神地域、二つの会が集会
済生会兵庫県病院の存続・充実を求める会と三田市民病院を守る会が六月二十七日、北神区文化センターで「講演会&報告集会」を開きました。藤末衛医師(神戸健康共和会理事長・全日本民医連前会長)が「コロナ禍における公的公立病院の役割」と題して講演。感染症指定病院の九四%が公立・公的病院で占めている事実、民間病院との連携が今後、必要であることを強調しました。
また、「第一回北神・三田地域の急性期医療の確保に関する検討委員会」について兵庫の医療を守る会の今西清代表が報告し、次の問題点を指摘しました。①済生会兵庫県病院の経営悪化の原因と対策が議論されていない②再編統合し病床削減すれば入院できない患者が増える③経営優先の病院になる④地域住民にとって遠距離過密診療になる⑤病院利用者や市民の声をまったく聞かない。今西さんは「検討委員会は、市民の声をしっかり聞いてこの地域に必要な医療提供体制のあり方を科学的に調査し、民主的に報告書を作成することが求められている」としめくくりました。
また、西宮北部地域住民の声として、西宮市議会に陳情・請願提出を予定していることが報告され、運動の広がりを確認することができました。〔浜本宏=済生会兵庫県病院の存続・充実を求める会〕
日本共産党・朝倉えつ子市議が要求:神戸市長として存続の立場で
この問題について神戸市議会では日本共産党の朝倉えつ子議員が六月二十八日、一般質問で取り上げました。
朝倉えつ子議員は、コロナ禍で医療の大切さが浮き彫りになったことを強く指摘し、存続・充実を求める一万筆を超える署名など、市民の願いにこたえ、病床を削減するような再編統合はやめるべきだと主張し、市長として存続の立場を明確にして検討会に臨むよう求めました。
久元市長は、「済生会兵庫県病院から単独で将来的に地域の基盤病院として急性期医療を継続して維持していくことが困難だとの報告があり、それを踏まえ検討委員会を設置、再編統合も視野に入れた方策を検討していくことになった」と答弁しましたが、存続の是非については一貫して答弁を避けました。
朝倉議員は「兵庫県が統合や病床削減を誘導する発言をしているが、北神地域の医療需要は今後も増え続けている」と指摘。検討委員会には住民の代表が一名しか入っていないが、もっと多くの地域のみなさんの声を反映させ、方向性を決めるべきだと重ねて求めました。
朝倉議員は、このほか、旧北区役所跡への図書館整備と、小学校給食費の引き下げなどを求めました。
〔前田明〕
(兵庫民報2021年7月11日付)
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