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2021年6月20日日曜日

県知事選勝利へ:憲法県政の会オンライン集会 県内4百カ所以上で視聴


「憲法が輝く兵庫県政をつくる会」は六月十一日、オンライン集会を開き、県内四百会場以上で視聴。知事選挙勝利に向けて、大きな決起の場となりました。
金田峰生さんは「自助・自己責任を押し付ける政治から公助の役割を果たし、生きることを励ます県政をつくる。共同の力で憲法を実践する県政をつくる。そのために全力でたたかい抜きます」と決意を表明しました。

石川康宏代表幹事の情勢報告

兵庫県で長く続いていた「オール与党」が崩れ、国政野党にも新しい動きが生まれている。形は色々あれど、兵庫でも「市民と野党の共同」のたたかいをめざそう。全国では共産党も含む共同で実現した首長は六十五自治体もある。金田さんも立候補の記者会見で「県民と野党の共同の候補としてがんばります」と決意を表明された。自民・維新相乗り候補はいや。保健所・医療減らしの県政を継承する候補もいやという声を、あまさず市民と野党の共同候補・金田峰生へと訴えよう。

津川知久代表幹事の行動提起

七月一日告示までの行動提起をします。①目に見え、耳に聞こえる宣伝を地域・職場で大きく展開しよう、②地域の会・加入団体は対話・得票目標を持ち、「金田さんのことを伝えたよ」という人を増やすことに力を注ごう、③宣伝用に初めて作った「連名のぼり」に続いて、大判の「連名ポスター」が間もなく地域に届く、大いに活用しよう。コロナ禍のもとでの県知事選挙です。感染に気をつけながら元気に明るく、選挙戦をたたかおう。
*
集会では、環境問題に取り組んでいる市民団体「Fridays For Future Kobe」からメッセージ動画が寄せられ、新日本婦人の会垂水支部のショートムービー「だから私は金田さん」が紹介されました。
「丹波の会」の西本嘉宏さん、新日本婦人の会の荻野潤子さん、民青同盟兵庫県委員会の上園隆さんがたたかう決意を表明しました。

各層・地域の決意表明

新婦人 荻野潤子さん


兵庫県は男女賃金格差、女性の就業率、保育所待機児童数も全国ワーストで、女性の支援制度が遅れている。コロナ禍、女性支援制度を知らせるチラシをまくと「DVやパワハラで苦しんできた。同じような女性たちに寄りそう活動をしたい」との声が寄せられる。
SDGsを本気でめざすのは金田さんだけ。「安心して病院に行きたい」など切実な声を力に、日本のジェンダー平等度を国際水準へ、兵庫から変えていこう。

民青同盟 上園隆さん


コロナ禍もと、学生への食糧支援活動に取り組む中で、学生の置かれている実態は深刻だ。毎月の食費は二~三万円。中には六千円から一万円という学生も。二万円なら一日七百円、一万円なら三百円で過ごさなければならない。健康で文化的な生活が破壊されている。「今月はバイトがゼロに」「食料支援があるから何とか生活できている」「白いご飯に醤油をかけて何とかしのいでいる」など悲痛な叫びが寄せられている。「部活動のためのPCR検査を自費で払った」「帰省のためにPCR検査を受けた」―せめてPCR検査の費用は出して欲しい。
政治がすべきことは何か、兵庫県が何をしてきたが問われます。私たちが出した「学生支援」の請願は県議会で否決され、県当局の冷たい姿勢も忘れられません。知事選挙は、こうした県の姿勢を変える大きなチャンスです。金田さんには今までも私たちの要求を正面から受け止めていただいた。一人ひとりの声に寄りそう県政を金田さんで実現していきたい。

丹波の会 西本嘉宏さん
丹波の会には十二団体が加入し、先ほど総会を開き金田必勝へ決意を固めたところだ。
先日、ある自動車販売会社の社長と会って話をしたおり、「丹波市、丹波篠山市で、同じ自民党県議と違う知事予定候補との連名ポスターが張ってある。自分は自民党員だが、あれは何だ。もう自民はあかんと思う」と話され、「金田さんを」という声も広がっている。
「丹波の会」はいち早く二台の宣伝カーを運行し、連名のぼりを立て、リーフを全戸配布中だ。自公県政から命と暮らしを守る県政へと、地域要求を掲げて運動していきたい。

金田峰生さんの決意表明(大要):共同の力で憲法いかす県政を

県内全自治体を訪問し、五月には政策第一次案を発表しました。県政の流れをかえる選択肢を示してくれたという歓迎の声と、切実なご要望もご意見も頂いています。
政策発表は私たちが最初でしたが、他の予定候補も「コロナから命を守る」というスローガンは共通して掲げられました。これまでの対応ではコロナを抑え込むことができなかった。コロナから命を守れていない。ではどうするか。大規模・頻回のPCR検査実施に踏み切ろうではありませんか。同時に、これ以上保健所を減らすことはしない。具体的には芦屋保健所統廃合計画を撤回し、地域医療構想・計画は抜本的に見直すことを表明しようではありませんか。立候補を表明している私たちが一致すれば今からでも実現できるはずですから、そうしようじゃないかということを呼びかけたいと思います。
コロナ禍でとりわけ女性の離職率、失業率が増大しています。共働き、共稼ぎの世帯にとって大変不安な状況ですし、母子家庭にとっては文字通り死活問題です。女性が自立できる社会、性別によらず誰もが安心して幸せに暮らせる社会、ジェンダー平等社会を兵庫で構築していきたいと改めて決意しています。
一方で人権教育を言いながら、一方で子どもの権利をないがしろにする校則を押し付ける。校則の抜本的見直しを求める声も伺い、改める必要があると思います。
私は、命と尊厳を大切にする社会にしたい、優しい兵庫県にしたいという初心に立って、知事選挙をたたかいます。自助・自己責任を押し付ける政治から公助の役割を積極的に果たし、生きることを励ます県政をつくる。共同の力で憲法を実践する県政をつくる。そのために全力でたたかい抜きます。

集会の録画公開中

集会の録画はユーチューブで公開されています。
https://youtu.be/j288SWQwDng?t=54



〔田中邦夫=憲法県政の会〕

(兵庫民報2021年6月20日付)

『2021年版これでいいのか兵庫県政』――井戸県政全体を視野に入れ批判的に検討

兵庫県自治体問題研究所事務局長 岡田裕行
 

兵庫県自治体問題研究所はこの度、七月の兵庫県知事選挙を前に、県民のくらしと権利を守り、発展させる立場から、県政を批判的に検討した、『2021年版 これでいいのか兵庫県政』を発行しました。
今回は、井戸敏三現知事の退任が決まったことで、過去四年間の県政だけでなく、井戸県政全体を視野に入れ、検討を行いました。
兵庫県の大きな人口減少は、井戸知事が掲げてきた「県民本位」「生活重視」「現場主義」が余りに不十分で、多くの県民の生活が困難になり、その結果、必然的に生み出された現象であることを明らかにしています。新型コロナウイルス感染症対策や、この間の公立病院の病床削減も同様です。
また、「創造的復興」などこの二十年間の財政状況を視野に入れて、兵庫県財政の特徴と問題点を検討しています。
その他、①県民のくらし②産業・労働・農業③震災復興④災害・防災、環境・エネルギー⑤公共事業・開発行政⑥教育と子ども⑦平和・人権・県職員⑧地域の実情と課題――の八つの柱で構成しています。
新たに、病院の統合再編、ジェンダー、公共交通なども県政の課題として検討しています。
但馬、丹波、淡路の三つの地域について、それぞれの地域が抱える実情と課題を考察しています。
県知事選挙に当たり、本書が広く県民に普及され、県政を巡る議論の材料になることを期待します。
 
頒価1,000円+送料
問い合わせ・注文:同研究所
Tel. 078-331-8911
Fax 078-599-5531
E-mail hyogojitiken@sunny.ocn.ne.jp

(兵庫民報2021年6月20日付)

兵庫県議会6月議会:コロナ対策、「行革」、温暖化対策、産廃問題:日本共産党 入江次郎議員が一般質問

日本共産党の入江次郎県議は六月七日、兵庫県議会本会議で日本共産党議員団を代表して一般質問にたちました。

コロナ対策

入江議員は、新型コロナウイルス対策における病床の確保について質問。第四波で、必要な入院ができない入院調整者がピーク時で千八百三十一人(五月五日)となり、病床が逼迫していることを指摘。また、神戸市長田区の介護施設では、入所者で死亡した三十一人のうち、二十八人は、病院などに搬送もされなかったとして、ひとたびパンデミックが発生するとたちまち立ち行かなくなる状況にあると述べました。しかし、一方で、県は、もっとも必要な急性期病床を削減する地域医療構想を推進し、コロナパンデミックの最中の二〇二〇年度にも、百二十床の急性期病床を削減していると告発。入江議員は、「大規模感染症パンデミックが医療需要予測に全く含まれていない地域医療構想は白紙にし、いま必要な病床を確保することこそ必要」だとして、答弁を求めました。
また入江議員は、高齢者施設等での三月の集中検査実施率が兵庫で二二%であり、当時のまん延防止措置が出された十都府県で最低、四月も実施率九・七%に留まっていると指摘。県内で行われているモニタリング検査も一日平均五十七件程度の検査キット配布数で、隣の大阪府の四百二十九件や人口規模が同規模の福岡県の三百二十六件程度と比べても、兵庫県は余りにも少なすぎると言及。入江議員は、「今度こそ、検査を抜本的に拡大し、感染のリバウンドを抑え込む具体的な取り組を行うべき」だと訴えました。
答弁にたった井戸敏三兵庫県知事は、「新興感染症の感染拡大時にも対応可能な医療提供体制の構築に向け検討を深め、住民が安心して必要な医療が受けられるよう地域医療体制の強化を図る」としながらも、病床削減を進める地域医療構想については、計画どおり進める立場を鮮明にしました。高齢者施設等の社会的検査について井戸知事は、検査対象の高齢者施設等八百四施設のうち約半数の四百三十一施設が受検、モニタリング調査については、今後事業者や学校等も対象になるなどの状況についての説明しかなされず、感染者が減少しているいま、検査を抜本的に強化する姿勢は示されませんでした。

県「行革」

入江議員は、県「行革」について質問。「中核市へ移行した明石市分を除いても二〇〇七年時点の百五十二名から百十六名へと保健師を三十六名も削減し、県所管の保健所も二十五カ所から十二カ所へと統廃合」「総合土木職職員を二〇〇七年度時点の千七十三名から八百十四名へと大幅に削減」してきたことを指摘。
こども医療費助成、重度障害者医療費助成、ひとり親家庭医療費助成など、医療費助成制度も削減が繰り返され、制度設計時には無料化だった老人医療費助成制度は二〇一七年に廃止されたことにも言及しました。
入江議員は、「南海トラフ等の大規模災害、発生頻度が高まっている新型ウイルス感染症パンデミックに備え、これまでの県行革を見直し、今度こそ適切な人員配置と体制整備を行うべきだ」と述べ、答弁を求めました。
答弁に立った企画県民部長は、県行革で削減した人員の復活には触れず、今後も適切な配置を行うに留まりました。削減した福祉医療制度については、「持続的、安定的な制度にした」と開き直りに終始しました。

学生支援など

入江議員は、事業者支援、学生支援、少人数学級の早期実施などについても質問。
学生支援について当局は、「県としては、高校生の就学支援金より要件が厳しい国の修学支援新制度の要件緩和、さらには支援対象経費の拡充等を国に要望してきたが、国への緊急提言において、改めて国の支援強化を求めた」と述べました。

温暖化対策

入江議員は、地球温暖化防止対策について、二〇三〇年までの温室効果ガス削減目標について、日本が四六%、兵庫県が最大三八%(いずれも二〇一三年比)を掲げたことに対し、「『パリ協定』で求められる水準から大きく立ち遅れている」として、「二〇三〇年削減目標を六二%(二〇一三年比)に引き上げるとともに、大規模排出事業者等への上限規制や炭素税・排出量取引制度等のカーボンプライシング導入などを実効性あるものにすること、石炭火力発電所の全廃計画を策定・実行し、神戸製鋼の石炭火力発電新設については、中止を求めよ」と迫りました。
答弁に立った県環境部長は、「今後COP26に向け示される国の施策などもふまえ、県計画の二〇三〇年度削減目標を見直す」と明言しました。

上郡町・赤穂市での産廃処分場計画

最後に、入江議員がとりあげた上郡町・赤穂市での産業廃棄物最終処分場建設計画について、答弁に立った県当局は、「県は事業者に対して、住民や市町からの意見を踏まえ、水質への影響を含め、設置計画の内容や生活環境への影響等を適切に調査・検討し、関係者へ丁寧な説明を行うよう指導していく」とこたえました。

(兵庫民報2021年6月20日付)

尼崎市議選:日本共産党5議席に

尼崎市議選(定数四十二、立候補五十五人)は六月六日、投開票が行われ、日本共産党の現職、川崎としみ(67)、まさき一子(63)、松沢ちづる(66)、広瀬わかな(41)と新人の山本なおひろ(51)の五候補が当選しました。新人のシバタ稔候補(56)は及びませんでした。
日本共産党の得票合計は一万五千六百一票、得票率一〇・三〇%。前回比で得票は四千二百二十二票、得票率は二・一九ポイント、それぞれ減らしました。二〇一九年参院比例票比では得票は一八〇八票減ですが、得票率は〇・三一ポイント増やしました。
前回獲得した六議席の回復はなりませんでした。

(兵庫民報2021年6月20日付)


兵庫革新懇が初のオンライン講演会:連合政権実現へ本気の力発揮を――渡辺治一橋大学教授が強調

兵庫革新懇は六月十二日、長田区文化センターで、渡辺治一橋大学名誉教授・政治学者を講師に「連合政権実現へ本気で力の発揮を!」を題して、初めて「オンライン講演会」を開催し、会場に七十六人、Zoomで三十一人が参加しました。


渡辺さんは、菅政権の三つの悪政を明らかにしながら――国民は菅政治に絶望しても、どうしたら良いのかわからないのが現状。それは、菅自公政治に代わる「選択肢」が見えないからだ。新しい政治の構想とそれを担う担い手を明らかにすることが大事だ。その力が「市民と野党の共闘」という形で創り出されつつある――と強調しました。
市民と野党の共闘はなぜできたのかという点について、六〇年の安保共闘からの歴史と今日の到達点を明らかにしました。
更に共闘を、政権をめざす共闘へ発展させるために、何が必要かを解明しました。
さらに、「草の根の共闘」の重要性とともに、運動の課題として、①市民の運動の強化②「野党共闘で政権交代を」という声を広げる③全選挙区で市民連合を―などを強調し、革新懇への期待として地域の「草の根の共闘」の担い手の役割を果たしてほしいと訴えました。
参加者からは、「明快で分りやすい話でした」「今の政治状況の全体像が分かった。また今やるべきことの概要を知ることができた。あとは行動のみ」など多くの積極的な感想が寄せられました。
*
講演に先立って、兵庫革新懇代表世話人の段野太一さんから「何としても、市民と野党が一緒になって政治を変えるために、私たちは何をすべきなのかをしっかり学び、革新懇としても全力をあげます」と主催者挨拶をしました。
〔樫村庸一=兵庫革新懇〕

(兵庫民報2021年6月20日付)

石炭火力発電所火入れに抗議:神戸製鋼所本社前でスタンディング:気候危機回避・脱石炭に逆行


神戸製鋼は巨大な二基の石炭火力発電所を増設し、二〇二二年には一基目の営業運転を強行しようとしています。子どもの日の五月五日にはこっそり火入れ(試運転)を行いました。
この試運転に対する抗議スタンディングを六月十日、神戸市中央区の神戸製鋼本社前で行いました。

気候変動問題が議題となる主要七カ国首脳会議を前にした全国行動の呼びかけに応え、「G7直前 神鋼石炭火発 火入れ抗議スタンディング実行委員会」主催で行ったものです。
急な取り組みにもかかわらず、真夏のような暑さの中、緑の服やカバン、ハンカチ、ネッカチーフを身に着けるなどした三十一人の市民が横断幕やのぼり、手書きのステッカーを掲げ、石炭からの転換を求めて訴えました。
――気候危機の最中、国会で「気候危機」が宣言され、危機を回避するためには脱石炭が求められています。国連も石炭火力については期限を切って撤退することを要請しています。先進国は二〇三〇年までに段階的に石炭火力発電の全廃を求めているのに新たな石炭火力発電所の稼働は世界の流れに逆行します――と神戸製鋼を厳しく批判し、三号機の試運転を直ちに停止するとともに、四号機の建設工事の中止を求めました。
〔廣岡豊=神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会〕

(兵庫民報2021年6月20日付)

老朽原発の再稼働許すな、再生可能エネルギーに転換を:原発なくす兵庫の会がイレブンアクション


原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会(略称原発なくす兵庫の会)は6月11日夕方、神戸大丸前で「原発ゼロ・イレブンアクション宣伝」を行いました。
「関電と政府は、運転開始から40年を越える老朽原発の再稼働をすすめている。危険極まりないし、事故が起こると兵庫県も汚染される。この間の猛暑では、原発がなくても電気は足りた。自然エネルギーに転換を」と訴えました。
この日は金曜日。原発ゼロへの行動が、神戸の関西電力兵庫支社前など、各地で行われました。
原発なくす兵庫の会は、7月8日(木)18時から、笠井亮日本共産党衆議院議員を講師に政府の原発や石炭火力を前提にした「第6次エネルギー計画」の学習会も予定しています。神戸市勤労会館308号室、ネット中継も予定しています。入場無料。問い合わせTel. 078-335-3770(兵庫労連) 〔小林明男〕

(兵庫民報2021年6月20日付)

兵庫労連が夏季闘争討論会:150万全労連実現へ運動の前進を

兵庫労連は「夏季闘争討論会」を六月十二日に開催しました。感染防止のため会場参加の人数を絞るとともに、多くの組合員が参加できるようにオンラインとの併用で行いました。
三度目の緊急事態宣言が延長される中で、兵庫労連は組合員のいのちと健康を守ることを最優先とし評議員会を書面での確認としました。しかし公務員賃金、最低賃金の引き上げなど夏季の運動は春闘に続き働くものの賃金引き上げに重要なため「夏季闘争討論会」を開催し、方針議論の場を設けたものです。
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最初に、成山太志兵庫労連議長は百五十万全労連の実現に向けて兵庫労連が取り組んでいる二万人対話の行動を発展させて「対話を通じて組合員拡大につなげよう」と訴え、七月の県知事選についても職場での仲間づくりと並行して広げていくことが必要だと挨拶しました。


続いて、七月の兵庫県知事選挙に立候補を表明している金田峰生さんが挨拶し――地域を回る中で、四十代、非正規の男性の方の声を紹介し、「これまでまじめに働いてきた、賃金があがるのは最低賃金が引き上げられるのと同じ。若いころは良かったが年齢を重ねるとさすがに不安になっている。最低賃金を千五百円へと引き上げてほしい」と訴えられた。この声に応え、最低賃金の引き上げとともに非正規労働者の待遇改善、同一労働・同一賃金、男女間格差の解消など労働者の処遇改善、ジェンダー平等を実現したい。これまでの分断と格差拡大の社会ではなく、共同と団結できる社会への転換が求められている。兵庫労連のみなさんと取り交わした政策協定を実行するために県知事選を最後まで頑張り抜く決意だ――と語りました。
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討論会では、土井直樹兵庫労連事務局長が、春闘回答の集計、昨年に続きオンライン開催となったメーデーなどコロナ禍での21春闘の取り組みを報告し、夏季闘争については対話を中心に拡大に取り組むことのほか、最低賃金・公務員賃金の引き上げなどの実現への提起を行いました。
また、憲法や社会保障を改悪させない行動への結集、七月に行われる県知事選挙、十月の神戸市長選挙、秋までには実施される総選挙の勝利で要求を実現するため、投票に行こうと呼びかけました。
各労組からは、春闘でストライキを背景に闘い、賃金引き上げを勝ち取った報告、コロナ禍の中で明らかになった社会保障削減、公務員削減の転換が必要だとの意見が出されました。
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最後に、会場とオンライン参加者五十名以上が「団結ガンバロー」と締めくくり秋に向けての運動の前進を誓いあいました。
〔岡崎史典=兵庫労連〕

(兵庫民報2021年6月20日付)

憲法共同センターが緊急宣伝:国民投票法改正案の強行採択に抗議

憲法改悪ストップ兵庫県共同センターは六月十一日昼、国民投票法改正案の強行採決に抗議する緊急宣伝を元町神戸大丸前で行いました(写真上)。
「審議の中で、国民投票法は最低投票率の規定がない、CM規制がないなどの問題が指摘され熟議すべきとの参考人の意見もあった。採決すべきではない」「政府の無策でコロナ感染爆発、国民のいのちとくらしが大変な時に、改憲論議をすすめることは許せない」との弁士の訴えに、「憲法の国民の権利は大切だ」と改憲反対署名に応じる人もありました。〔小林明男〕

(兵庫民報2021年6月20日付)

ジェンダーわたしの視点「個人の尊厳を 大切にする社会へ」日本共産党宝塚市ジェンダー平等委員会責任者 三富智恵子


小学生の頃、母は私にスカートをはかせて学校に通わせようとしました。私はとても活発な子どもで、休み時間は男の子に交じって校庭でサッカーをしたり、野球をしたりしていたので、動きにくいスカートをはくのが嫌で、ズボンをはいて学校に通っていました。
少年野球にも入りたかったが、女の子だからという理由で入ることができませんでした。
私が、「女の子」「女らしく」という言葉に違和感を持ち始めたのは、この頃だと振り返って思います。
学生時代は、髪を短くすると、母や学校の先生からも「切りすぎ」と言われることがありました。外見が男の子に間違われることから、自分のことを「僕」や「俺」と言っていた時もありました。
社会に出ると、人との付き合いでお酒を飲む場面も多くなり、飲みニケーションも必要と思っていました。お酒を飲んで家に帰ると、母から「女の子がお酒を飲めるなんて恥ずかしい!」と言われました。
私は、「女らしく」という言葉が大嫌いです。
私は以前に大手民間企業で、非正規として仕事をしていました。今までとは違う男女間の差別が、色濃く出始めました。
管理職に女性がいない、課内でも女性は十二人。その中でも、備品の管理・テプラ貼り・上司のお土産配りなどが女性の仕事になっていました。私は、十二年非正規として働いてきましたが、正規社員になることができませんでした。しかし、一方で入って二、三年で社員になる男性を目にしてきました。残業ができる、出張に行けるが理由でした。どうすれば社員になれるのかと考え、仕事ぶりから女性を意識されないようにしようと思い、髪を短く切って、作業服も男性の物を着たりしましたが、結局は社員にはなれませんでした。
夫と出会って、「声を上げていいんだ」「自分は自分でいいんだ」という気持ちが強くなり、固定観念が弱くなりました。
ジェンダーギャップ指数では日本はまだまだ低いですが、当然と思って過ごしてきた日常で「あれ? おかしい」「なんで?」と気づき、声を上げていくことが大事だと思います。

(兵庫民報2021年6月20日付)

大門みきし「コロナ対策は野党連合政権に任せて」連載エッセイ63


六月十五日、野党四党は菅内閣不信任決議案を提出しました。決議案には「もうこれ以上、菅政権にコロナ感染症対策を任せるわけにはいかない」という野党の強い意思が込められていました。
安倍、菅政権のコロナ対策は全てが後手後手、右往左往の連続でした。なにしろ最初に配布したのがあの小さな「アベノマスク」です。私は間違って眼帯を送ってきたのかと思いましたが、清水ただし衆議院議員によれば、「一枚では口が隠せないので二枚送ってきたのではないか」とのこと。さすが清水さんだと思いました。いずれにせよ一事が万事。政府のコロナ対策は最初から支離滅裂でした。
わが党は批判だけでなく、具体的な提案を行い実現してきました。例えば、PCR検査では、検査の拡充・徹底と感染者の「封じ込め(隔離してきちんと治して頂くこと)」が大事だと求めてきましたが、政府もやっと今年に入って検査の拡充を打ち出しました。
中小事業者支援では、わが党はいち早くドイツの例をもとに具体的な提案を行い、現場の運動と合わせて持続化給付金を実現しました。また国民一人十万円の特別定額給付金は野党が力を合わせて実現したものです。しかし菅内閣はオリンピックの開催に固執し、持続化給付金など事業者支援策の継続を拒否しています。
もはやコロナ対策は、菅政権より野党連合政権に任せてもらった方が早いし的確です。総選挙での政権交代をめざし、全力で頑張ってまいりましょう。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2021年6月20日付)

こむら潤「日常的な場で対話と信頼を広げて」こんにちは♡こむら潤です!16


尼崎市議選で日本共産党は五議席を獲得し、新人一議席は惜しくも当選に届きませんでした。大激戦の中奮闘された皆さん、応援してくださった皆さんの思いを政治に届けるために、私も総選挙に向けて気持ちを引き締め、がんばります。
今回の市議選の結果で特徴的なのは、維新の会が大量に公認候補者を擁立し勢力を伸ばしたこと、そして女性候補者が一人を除き十四人当選したことです。(前回比四人増。)トップ当選は維新の女性です。
対話の中でも、マスコミの報道効果で吉村洋文大阪府知事による維新の会のイメージが良く、市民が肯定的にとらえていることがわかりました。また選挙戦では、応援者から「直接名指しで他党批判するのは感じが悪い」という声もいただきました。
つまり、選挙本番ではなく日常的な場でいかに対話をひろげ、維新の会の実情や日本共産党の政策について語るかが、選挙の結果につながると感じています。井戸端会議、立ち話も立派な対話になります。コロナ禍だからこそ、顔の見えない中で信頼をどうつくるのかを工夫したいものです。
女性議員の数が増えることは喜ばしいことですが、逆に「今後、男性候補者はどうやって魅力を発信するのか」が大きな課題です。私は、カギはやはりジェンダー視点だと思います。
さまざまに反省の思いが巡ると同時に、教訓を総選挙に活かしたい!とやる気に燃えています。皆さん、ともに頑張りましょう。
(衆院近畿比例・兵庫8区予定候補)

(兵庫民報2021年6月20日付)

亀井洋示「孫のこづかいを減らすか」


(兵庫民報2021年6月20日付)

みんぽう川柳〈五月〉「洗濯」

選 者 島村美津子

特 選

政権を丸ごと洗う総選挙
 神戸市 川上俊智

【評】どうしてもオリンピックをやるという、ニューヨークタイムズで言って いましたね、理由は三つ「お金、お金、お金」と。
ワクチンにしたって、この大幅な遅れはどうでしょう。救える命も救えな かった現実を私たちは今目の当たりにしています。
一方では、自民党の金権腐敗ぶりは目に余ります。揚句の「丸ごと洗う」 に私たちの思いが込められています。

入 選

共闘で悪臭政治洗濯だ
 神戸市 長尾粛正

巣ごもりで命の洗濯鯉のぼり
 明石市 川路政行

自粛にもよく働いた洗濯機
 明石市 小西正剛

二十才過ぎた洗濯機さん駄々をこね
 神戸市 伊藤マツ子

グワッグワッと働き者の洗濯機
 明石市 山澤美智子

全自動スイッチ押してこれも家事
 明石市 豊田智恵子

洗濯機内で家族が廻ってる
 神戸市 小林尚子

婿殿が洗濯してる娘ん家
 明石市 片山厚子

洗い干し取込み畳みタンスにイン
 神戸市 北河豊治

やっと晴れ心洗濯まだ先か
 神戸市 長沼幸正

つれあいは心の洗濯もしてくれる
 尼崎市 富田 断

黄砂来て洗濯日和に水を差す
 神戸市 中内眞佐子

陽の光耳にさえずり物干し場
 神戸市 塩谷凉子

取り入れる洗濯物の陽の匂い
 神戸市 兵頭和子

みんぽう川柳募集

▽六月の題は「買い物」、締切は六月二十五日▽七月の題は「波」、締切は七月二十三日▽一人二句まで。葉書に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記▽毎月第四金曜日必着。締切が迫っている場合に限りメール、ファクスでもけっこうです。ファクスの場合は、葉書大の枠を書き、その中に必要事項をすべて記入してください。切り揃えますので枠の外には何も書かないでください。

(兵庫民報2021年6月20日付)

観感楽学


「無為無策」―菅政権のコロナ対応を批判してよく使われる。相次ぐ不正腐敗、国民生活を直撃する悪政、党首討論のぶざまさ、支持率の低落。しかし、「何もしていない」との語感とは逆に、「戦争する国」づくりが着実に進められていることを見逃さないでいたい▼滋賀県あいば野などで日米合同演習が六月十八日~七月一日に行われる。陸上自衛隊中部方面隊などの参加で、これまで十数回実施されてきたが、今回はあいば野だけでなく伊丹駐屯地、奄美、北海道・矢臼別など全国規模で過去最大の演習となる▼直前の五月二十三日~七月四日、中部方面隊は、「戦闘射撃に係る戦術技量の向上」を目的に米豪軍との実動訓練を豪州で実施している。続けて中部方面隊が中心になって日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ81)と実動演習が「空軍、海兵隊、宇宙軍、特殊作戦軍の大規模参加」の過去最大規模で計画されている。自衛隊参加の演習の質も規模も格段に強化、発展されていることに注目したい▼「戦争が廊下の奥に立ってゐた」―一九三九年の渡辺白泉の作。前年には国家総動員法が、翌年には大政翼賛会が誕生。日本が戦争にのめり込む気配を日常生活の中で感じ取った作品として有名だ。目につきにくい戦争の動きを鋭敏に感じ取りたい。(K)

(兵庫民報2021年6月20日付)