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2021年6月6日日曜日

「金田峰生で新しい兵庫県政を」「#本気のSDGsを兵庫から」の風を巻き起こそう:兵庫県知事選告示まで1カ月:憲法県政の会が大量宣伝・大量対話を呼びかけ:


兵庫県知事選挙告示(七月一日)まで一カ月。憲法が輝く兵庫県政をつくる会(憲法県政の会)の選挙本部は、コロナ緊急事態宣言下、「こんな工夫ができるのでは」と議論したものを加入団体・地域組織、地域の会に向け、発表しました。その概要を紹介します。
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1、何よりもまず「今回の知事選挙で問われているのは何か」の学習を

金田さんの立候補表明記者会見で石川康宏代表幹事が行った挨拶にこの問題がまとめられています。録画はYouTubeで公開されています。加筆されたものを『兵庫民報』五月十六日付に掲載しました。

2、推薦決議をあげ、九十万得票目標に見合う「対話目標」を決めよう
3、たたかう気構えをかためる「わたしの知事選政策作り」を

「個人の願い」「地域の願い」「団体の願い」が政策です。憲法県政の会は「知事選政策第一次案」を五月二十日に発表(三十日付に掲載)しましたが、各地域・団体・個人から寄せられたものを整理して「第二次案」として六月中にまとめ、発表する予定です。

4.街頭の宣伝行動へ

①アナログ編 金田さんの顔写真が入った連名のぼりをスタンディングやミニパレードで使って街の雰囲気を変えます。政策ビラも押しつけがましくならないよう配布。知事選訴えテープを作成しました。電話で訴え作戦も大事です。
 
②デジタル編 憲法県政の会ホームページをリニューアルしました。ツイッター(憲法県政の会金田さん)で発信・拡散を。各団体・個人の「だから私は金田さん」ショート動画がツイッターで発信されています。YouTube「金田峰生 兵庫・憲法県政の会」チャンネルにも金田さんの街頭宣伝などの録画が保存されています。政策・争点押し出しのオンライン用チラシ(バナー)一斉拡散作戦なども予定。組織活動のためにメールマガジンやLINE公式などへの登録を。

5、地域での「市民と野党の共同」をひろげながら

地域で野党組織へ共同のはたらきかけを。「個人」の立場での参加呼びかけも。地域のさまざまな「市民グループ」に連絡を。



 

(兵庫民報2021年6月6日付)

金田峰生「コロナの影響、地域経済応援のポイント探り、あらためて県内一巡」


四月十五日に記者会見し、兵庫県知事選に挑戦する決意を表明して以来、まずは県内をあらためて巡ろうと「行脚」し、二十九市十二町を一巡しました。
五月末までに訪ねた先は百三十二軒。役所へも表敬訪問しました。時間の関係で事前連絡していませんし、コロナ対応で多忙でしょうから、秘書課に名刺を預けるだけにしたのですが、直接市長、町長から話を伺えたこともありました。
ちょうど高齢者へのワクチン接種予約が始まる時で、少なくない自治体が庁舎の玄関を入ったすぐのところに相談窓口を設置しており、たいてい一人か二人、職員に苦情を述べていました。国がワクチン供給のロードマップを示さない一方、「七月末までに高齢者の接種を終えるように」と強要したことで、自治体も住民も苦労させられた様子が伺えました。
以前訪ねたお店へお昼に行くと休業中。近くの大きなお店に入るとまるで貸し切り状態。
私「いかがですか」
店「もうどうしようかと思います」
私「補償は出ましたか」
店「それはありがたいのですが、うちの規模では正直、少なすぎて…」
書類がややこしいうえに、その都度申請しなければならない事も大変だと話してくれました。損失補塡に値する補償が必要です。暮らしと生業の今を支えることこそ、大切な経済政策だと思います。
五月二十日の政策第一次案発表で、「今後さらに意見をいただき練り上げる」と述べました。また、これから街頭で政策を宣伝し、支援を呼びかける取り組みも進める予定なので、県内もう一巡したいと思っています。また、皆さんとお会いできることを楽しみにしています。(兵庫県知事予定候補・元県議)

(兵庫民報2021年6月6日付)

兵庫県政の課題くっきり:日本共産党兵庫県議団2021年度版『兵庫県政資料』


二〇二一年版『兵庫県政資料』(№56)ができました。

コロナ対応の現実 浮き彫りに

県政資料の冒頭三ページにわたって「コロナ禍での浮き彫りになった県行政のぜい弱性」として、その特徴を紹介しています。
今回の新型コロナウイルス感染症への対応において、その要をなす県内の保健所は、一九九七年時点で四十一カ所ありましたが、現在は、半分以下の十七カ所。神戸市は、九カ所が一カ所(一九九八年)になったように、かつてはどの政令中核都市にも複数あった保健所は、それぞれ一カ所に削減、また兵庫県は、井戸県政によりすすめてきた行財政改革により、二十五カ所あったものを一気に十三カ所に削減しました。
二ページ目には、感染状況が深刻で緊急事態宣言や蔓延防止措置がとられている都道府県の高齢者施設などへの社会的検査、モニタリング検査の実施状況をまとめています。兵庫県は、社会的集中検査の実施状況が二二%(二~三月)と、十都府県でワーストとなっています。兵庫県は、昨年三月一日に、コロナ患者が発生して以降、検査能力を当初の百二十八件から、現在七千三十件まで、ふやしてきてはいますが、資料では、検査などを担う健康科学研究所の人員と予算額の推移を紹介。兵庫県は同研究所の体制も弱めています。
三ページ目には、コロナで逼迫している病床について。兵庫県は、地域医療構想を進め、この五年間で五千四百三十七床の急性期病床を削減し、感染症病床も二十年間で六百七十五床削減しました。
 

兵庫県は、新型コロナウイルス感染症の死者数が千百三十六人(五月二十六日時点)で、大阪、東京に次ぎ三番目に多く、死亡率二・九〇%は、緊急事態宣言が出されている十都府県で最悪。一月~五月十八日までで、自宅待機者や自宅療養者などの中での死亡数が二十九人と、これも緊急事態宣言が発令されている十都道府県でワーストとなっています(共同通信)。
県政資料は、コロナ対応の現実を浮き彫りにしています。このコロナ対応の実態を見ても、検査、病床、保健所体制の強化は待ったなしです。

ジェンダー平等社会へ提案

今回の資料では、二項目目が「ジェンダー平等社会を」となっています。
資料には県の「ひょうご男女いきいきプラン2025」の目標を示しています。二〇二五年までの県職員の本庁部局長相当職の女性比率は一〇%、課長相当職は二〇%、民間等は二五%となっていますが、国連が提起する二〇三〇年までに五〇%実現の目標から大きく立ち遅れています。選択的夫婦別姓の実現、パートナーシップ制を県制度になど、求められる政策についても提案しています。

気候変動対策―石炭火力全廃を

三項目目は「ゼロカーボンへ――気候変動対策」となっています。二〇五〇年のゼロカーボン、パリ協定実現のために、国際社会では二〇三〇年までの温室効果ガス削減目標がひとつの焦点になっています。先日、日本政府は、二〇三〇年削減目標を四六%としましたが、イギリスは、一九九〇年比六八%、ドイツは六五%など、ヨーロッパ諸国などは軒並み高い目標を掲げ実践しています。
しかし、兵庫県は、現在二〇一三年比最大三八%の削減目標で、低い水準に留まっています。さらに、六基の石炭火力発電がいまだに稼働し、神戸市灘区には神戸製鋼が新設の石炭火力発電所を建設・稼働させようとしています。兵庫県は、国際社会の要請にこたえるべく、二〇三〇年には六〇%以上(二〇一三年比)の削減目標を掲げ、石炭火力発電の全廃をはじめ国際社会の要請に本気で応える施策を行うべきです。

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そのほかにも、子どもの医療費無償化の状況など、「子ども・子育て支援」、少人数学級の実施状況など「教育環境の充実」、県「行革」で削られた「福祉・医療費の実態」、国保や介護の自治体ごとの保険料の推移、経済・雇用、災害対策、県営住宅、大型開発の実態、塩づけ土地、「非核平和の世界を」などの項目ごとに、県政の実情がまとめられています。
県政の学習に、ぜひご活用ください。

(兵庫民報2021年6月6日付)

コロナで売上減の事業者支援:県内自治体の独自施策:対象の方は期限までに申請を

コロナ感染拡大と緊急事態宣言で中小事業者の営業危機がつづくもとで、県内のいくつかの自治体が独自支援策をもうけています。自治体のホームページから見てみました。
西宮市は、一月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業要請や不要不急の外出・移動の自粛により影響を受け、売り上げが減少(ことし一月から三月で月二〇%以上五〇%未満)した中小・小規模企業者に一律十万円を支給します。「時短営業要請」「国の一時支援金」の対象にならない事業者を対象にしています。申請受付期限は六月三十日。
三田市は、「小規模事業者応援助成金(再実施)」として、緊急事態宣言の再発令などにより影響を受け、売り上げが減少した小規模事業者に一事業者あたり十万円を助成します。ことし一月から五月で月の売り上げが二〇%以上五〇%未満減少している事業者などが対象。時短営業の要請に伴う協力金を受給している事業者は、対象外です。申請期間は七月三十一日まで。
高砂市は、コロナで売り上げが減少し、事業活動に支障が生じている中小事業者に、事業の持続化を支援するため、給付補助金を交付します。昨年十一月からことし二月までに売上合計が三〇%減少している事業者に、法人は四十万円、個人は二十万円を上限に売り上げ減少額を補助します。飲食店など時短の協力金を受給している事業者も対象です。申請期間は六月十八日まで。
三木市は、ことし一月の緊急事態宣言に伴い、営業時間短縮となった飲食店と直接の取り引きがあることにより、大きな影響を受け、売り上げが減少した卸売業者などに給付金を支給します。ことし一月から三月で月の売り上げが三〇%以上五〇%未満減少している事業者を対象に、定額で個人十五万円、法人三十万円を支給します。申請受付は八月二十日まで。
加西市は、一月の緊急事態宣言に伴い、売上高が減少し企業活動に支障が生じた市内小規模事業者に支援金を交付します。ことし一月または二月の売上高が二〇%以上減少した小規模事業者に一律十万円を交付します。飲食店など時短の協力金を受給する事業者は対象外です。申請期間は六月三十日まで。
丹波市は、コロナ感染の再拡大により事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業者などが緊急事態宣言解除後の経済活動の活性化を図るため、キャンペーンやセールなど販売促進活動に要する経費を補助します。九月三十日までに完了できる事業が対象。限度額は十五万円です。
丹波篠山市も、中小企業者を対象に、販売促進活動やキャンペーンセールなどの広告に要する経費を助成します。補助対象経費の三分の二以内で上限十万円です。六月一日から申し込みを受け付け、市の予算の範囲内(二千万円)で先着順です。
〔森勇治〕

(兵庫民報2021年6月6日付)


高砂市民病院は地域の宝もの

高砂市の新型コロナウイルス感染症患者は五月二十五日現在で三百四十人となり、菅政権の変異株への対応の遅れが、兵庫県の緊急事態宣言(三回目)発出にも影響を与えています。しかし、政府はコロナ禍で医師や看護師不足が明らかになり、医療崩壊を目の前にしても、全国の公立・公的病院(四百四十)の病床削減推進計画を止めようとしません。そんな中、高砂市民病院はコロナ第四波に立ち向かい、市民の命を守るために、コロナ感染症病床を三十二床設置して、公立病院の社会的責任を果たしています。
日本共産党高砂市議団(大西由紀、坂辺勝彦)は四月二十三日、「高砂市民病院を公立病院として存続・充実を求める市民の会(守る会)」と連帯して兵庫県井戸敏三知事に「住民自治による高砂市民病院の自主的検討の保障を求める申し入れ」を行いました。高砂市民病院の改革プランの改定について、国や県の圧力を受けずに高砂市の自主的な決定を保障・尊重することを求めました。健康局医務課長は、「コロナ禍の中、公立の医療機関は重要な役割を果たしていると理解している。地域医療構想の推進にあたっては、自主的に検討していただきたい。必要な技術的支援や財政的支援は積極的に進めていきたい」。と回答しました。
「守る会」は、引き続き市長への申し入れを六月議会までに予定しています。同時に高砂市議団は高砂市民病院特別委員会に高砂市民病院を公立病院として存続・充実を求める市民の声を届け、要望実現に全力を尽くします。
〔坂辺勝彦=高砂市議〕

(兵庫民報2021年6月6日付)


「どうして菅政権は国民の多数の声を聞かないのですか!」:西宮芦屋市民アクションの宣伝に市民の声


安倍九条改憲NO!西宮芦屋市民アクションは、五月二十九日、定例の宣伝行動に取り組みました。二十人が参加し、横断幕を掲げるとともに、東京オリンピック・パラリンピック開催の是非についての「シール投票」を行いました。
小川嘉憲年金者組合西宮支部長、立垣満里新婦人西宮支部長、魚谷直生・奥山篤・樫村庸一市民アクション共同代表や政党から立憲民主党の安田真理さんが「コロナ禍が広がり、病院に入れず亡くなる方が各地で生まれています。これは、菅内閣の無為無策の結果でまさに〝人災〟」「こんな事態の中、オリンピックを開催することは許せません。国民のいのち第一に、コロナ対策に全力をあげるべきだ」「コロナ禍の中で、悪法の強行は許せません」「いのちを守る政治の実現へ、市民と野党の共闘で政権交代を実現しましょう」などと訴えながら、「シール投票」を呼びかけました。
多くの方が、呼びかけに応え「予定通り夏に開催」に三人、「再度延期する」に十一人、「中止すべき」に八十一人の方が投票しました。圧倒的多数の方が、オリンピック・パラリンピックの「中止」を求めています。〝ツイート〟欄には、「五輪でムダ使いするな!コロナ禍で困窮している人はいっぱい! 困っている所に税金をつかえ‼」「小中の運動会は中止なのに、何でオリンピックやるの?」「こんな時オリンピックなど誰が決めたんだ。中止せよ」「コロナ禍で医療関係者がたたかっている中で、何がオリンピックや、中止せよ」などが書き込まれました。
〔樫村庸一=同アクション共同代表〕

(兵庫民報2021年6月6日付)

市長を変え市民にあたたかい神戸を:あったか神戸が加盟団体・地域代表者会議


市民にあたたかい神戸をつくる会(あったか神戸)は、十月十日告示・二十四日投開票で行われる神戸市長選にむけ、市民にあたたかい神戸の実現をめざしそうと、加盟団体・地域の代表者を集めた会議を五月二十四日に開催しました。
冒頭に七月十八日投開票で行われる兵庫県知事選に立候補を表明している金田峰生さんが「県民のいのちと暮らしをまもる、本気の県政に転換していくために十月に行われる神戸市長選をたたかわれる皆様と共に奮闘していきます」と連帯の挨拶をしました。
続いて、味口としゆき神戸市議が市政報告。コロナ禍で、新自由主義偏重の神戸市政の矛盾と弱点が明らかになったとし、医療体制が崩壊し「命の選択」が行われていることや、さらなる病床削減を実施しようとしている国・県・市の責任は重大だと指摘しました。
また、コロナ感染が拡大している中で、私たちが求めてきたPCR検査の拡大に背を向け続けてきた市長の姿勢を追及。高齢者へのワクチン接種をめぐる混乱では民間丸投げの体制に市の無責任さが浮き彫りとなったと批判しました。
あったか神戸の那須由美子事務局長が十月二十四日投開票が決まった神戸市長選に向けて次のように行動を提起しました(写真上)――
①毎月ニュースを発行し、地域の会の取り組みと神戸市をめぐる情勢を伝える。
②要求別・問題別、地域別の市民集会・学習会をWebもまじえて開催し、市民運動の皆さんとも手を携えた運動をすすめる。その中で市長を変え市民にあたたかい神戸をつくろうと呼びかけを行う。
③ホームページとツイッターなどを連動し、千人、二千人の規模で動画を配信し市民のなかに運動を広げる。
④候補者選考について、コロナ禍の中で、いのちと人権、ジェンダー平等を大切にする候補を選ぶため選考委員会を発足させ話し合いを進めていくとともに、それぞれの団体・地域での中で、「この人なら」と思える方やさまざまな運動に携わる人の中から選んでいく。
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コロナ禍の中で、会議はオンラインと会場との併用で開催し四十名(Web二十八名)が参加しました。
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あったか神戸では公式LINEを開設しました。下のQRコードから登録(友だちに追加)をお願いします。また、二十四日の会議の録画もYouTubeで視聴できます。
〔岡崎史典=あったか神戸〕



(兵庫民報2021年6月6日付)

エミレーツ航空争議全面解決:争議団からのコメント


エミレーツ航空が労働組合を結成した労働者を解雇したのに対し、解雇撤回と労働者を職場に戻せと裁判や公的機関への要請で六年八カ月にわたり闘ってきた争議が全面解決しました。争議団のコメントを紹介します。〔小林明男〕
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六年八カ月の長い闘いを三名の職場復帰という勝利解決で終えることができたことを大変嬉しく思います。最後まで諦めずに続けることができたのは、皆様の温かいご支援のお陰です。心より深く感謝を申し上げます。
二〇一九年十月の同争議を支援する会総会

(兵庫民報2021年6月6日付)

がんばる民商:高砂市当局も本会議で〝たよりにしています〟と

コロナ禍のもと中小業者の生活と営業をまもってがんばる民主商工会の役割が光っています。このほど発行された高砂市の「市議会だより」は、三月議会の代表質問、一般質問の概要を紹介しています。
ある無所属市議が中小事業者支援事業などの周知方法の現状と課題について質問。これへの市当局の答弁として「本市においては、商工会議所、民主商工会の協力を得て、会員に対しての周知を依頼している」「民主商工会においては、会員へのチラシ配布をお願いしている」と紹介しています。
同市では、コロナ感染症拡大の長期化により、令和二年十一月から令和三年二月までの売り上げ合計が前年同期間の売り上げ合計と比較して三〇%以上の減となり、事業活動に支障が生じている中小事業者、法人百六十件、個人三百二十件を対象に給付金を支給する市独自の支援制度をつくっています(申請期限六月十八日)。〔森勇治〕

(兵庫民報2021年6月6日付)


ジェンダーわたしの視点「「私は私」があたり前になる社会へ」日本共産党神戸市議 松本のり子


先日、中国からの留学生とお話をする機会がありました。彼女の実家は遼寧省南部にある丹東市です。丹東市を流れている鴨緑江の対岸は北朝鮮です。中朝貿易最大の物流拠点の地域であり、鴨緑江から川向こうの北朝鮮を眺める観光客が増えているそうです。
中国では料理を作るのは男性が多く、彼女のお父さんも毎日の夕食を作っています。私は「中国人男性の多くは、日本女性と結婚を望む人が多いときいていますが本当?」と質問すれば、彼女は「中国人男性だけではなく世界中の男性が結婚は日本女性か韓国女性を望んでいます。日本人は、家事、育児の負担の大半は女性が担うものだと思っている人が多いです」と答えました。世界の国々の中でも日本がジェンダーに関する認識がまだまだ低いことを改めて感じました。
かつて女性は「女は三界に家無し」「嫁いだら姑に仕え、夫に仕えろ」と教えられてきました。私はこどもの頃から、テレビから流れてくる「男を支え、苦労を耐え忍ぶ健気な『女』」の演歌や昭和歌謡がなぜヒットするのか、なぜ女性が演歌の歌詞を平気で口ずさむのか理解ができませんでした。結婚とは二人で手を携えて生きていくものだと理解していても、幼い頃からの生育家庭の中で、頭で分かっていても家事、育児で疲れている妻を思いやることができない男性がいるのが現状です。また、世界中でレイプや配偶者などによるDVやDVによる殺害、性暴力、セクハラが社会問題となっていますが、加害者が有罪になるのはごく一部です。
昨年七月に亡くなられた、女性の自由と権利、尊厳を生涯問い続けたフランスの女性弁護士、ジゼル・アリミは「闘いをやめたら転げ落ちる」と言いました。世界の女性の権利を守るMeToo運動以降、日本でも勇気ある女性が一歩を踏みだしています。しかし、まだまだ男社会メンタリティの徹底的な変革の道は長いとも痛感しています。この変革運動が人権について考えたり、ジェンダー平等の考えがひろがっていくと思います。
「私は女性」「私は男性」ではなく「私は私」。この、あたり前のことがあたり前になる社会への歩みを進めたいです。

(兵庫民報2021年6月6日付)

学園都市駅前でほっとまんぷくプロジェクト:学生への食料支援と対話ひろげる


民青の学生集合準備班は五月三十日、神戸市西区の学園都市駅前でほっとまんぷくプロジェクト(学生への食料支援)を開催し、四十人以上の学生が利用しました。米やパスタ、缶詰、インスタント食品がずらりと並ぶとともに、地域の党員の方々から手作りの赤飯や佃煮も寄せられ、学生から喜ばれていました。
今回は他の地域の同盟員も複数応援にかけつけ、机と椅子が用意されたコーナーで、学生への実態聞き取りや相談がじっくりと行われました。
「オンライン授業ばかりで友達ができない」(一年生)「就活が忙しくて友達に会えない」「食費は月五千円(一日百数十円)です」など、交友関係の広がりが薄く、経済的にも過酷な状況がこの間に引き続き明らかになりました。
社会や政治への興味関心を尋ねると、「政府のコロナ対策は中途半端」「オリンピックは現実的に無理だと思う」など政府への疑問や批判的な意見が多く出るととに、人種差別や気候変動、ジェンダー平等など社会への関心も強く、「共産党綱領に興味があります」などの声もありました。
連続して利用している学生は「今日は部活が重なってしまったけど、ボランティアに参加したい」といいます。
終了後、参加者で実態や感想を交流し、引き続き取り組んでいくことが確認されました。今回も食料・物資がほとんどなくなり、追加の買い出しもありました。引き続き食料や生活用品、募金のご協力をよろしくお願い致します。
〔伊木さち〕

(兵庫民報2021年6月6日付)

神戸・中央区青年革新懇:コロナ禍でも誰でも気軽にとオンラインでミーティング


神戸市・中央区青年革新懇「TEAM ANCHOR」は五月三十日にZoomミーティングで「学校・教育CAFE」を開催し、九人の青年が参加しました。TEAM ANCHORはコロナ禍でもオンラインで誰でも気軽に参加できる企画に取りくんできました。三月には「ジェンダー」をテーマに開催しました。今回は教育問題をテーマにし、現役の教員の方にも参加してもらいました。
はじめに自己紹介と気になる教育問題を出し合いスタート。教員を残業代定額で働かせほうだいの給特法をテーマにした動画を視聴し、動画の感想や教育に関する思いなどを話し合いました。「教育にかける予算は世界的にも低く、教員を増やす気がないのではないか」「教員の人事評価が持ち込まれていて子どもたち一人一人に目を配ることが、できにくくなってきている」などさまざまな意見がだされ、「憲法にもとづく個人の尊厳を尊重した教育を実現していきたいね」と話し合い、署名活動にも協力していこうと呼びかけました。
今後も身近な青年に声をかけコロナ禍でも企画に取り組んでいきたいと思います。
〔大前雅裕=TEAM ANCHOR代表世話人〕

(兵庫民報2021年6月6日付)

山下よしき「「図書室」の文字に目頭が……」連載エッセイ35


障害のある子どもたちが学ぶ特別支援学校の「設置基準」案を文科省が発表しました(五月二十六日)。設置基準は学校の設備や編成の最低基準を定めるもの。幼稚園から大学まで他のすべての学校にあるのに、特別支援学校にだけありませんでした。
その結果、この二十年で特別支援学校の児童・生徒数は一・六倍に増えたのに、学校を増やすのでなく子どもたちを詰め込むやり方が横行し、一つの教室をカーテンで間仕切りして二クラスで使う、図書室や音楽室がつぶされ普通教室に転用されるなどの事態が広がっていました。
十年ほど前から特別支援学校に設置基準をつくる運動が起こり、私も兵庫や滋賀、大阪で実態を調査し、国会で問題提起してきました。こうした運動が実っての設置基準案発表です。
設置基準案を一行一行読みました。訪ねた学校で力いっぱい成長する子どもたちの姿、先生や保護者の願いが浮かんできました。そして「図書室」の文字に目頭が熱くなりました。児童・生徒の増加で図書室がつぶされ廊下に本が並んでいた学校もあったからです。
案では、図書室が「少なくとも備える施設」となっています。これからはすべての支援学校で図書室が子どもたちの成長と発達を支えてくれることになるでしょう。同じく音楽室などの「特別教室」も明記されています。
もちろん案には不十分な点もあります。しかし長年の運動が壁を動かしました。さらに良い基準となるよう、いっそう力をあわせたいですね。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

写真:2018年、兵庫県内の特別支援学校で実態を聞く山下参院議員と金田峰生さん(現在:知事予定候補)、福原ゆかりさん(現在:衆院兵庫9区予定候補)

(兵庫民報2021年6月6日付)

亀井洋示「支持率」


(兵庫民報2021年6月6日付)

観感楽学


新型コロナによる自粛生活が続いて、昼間からテレビを見る時間がやたら増えてしまった。ただなんとなくテレビを見ていると、足やひざの痛み予防とか、日常の体質改善に「青汁」をとか、高齢者向けの宣伝が目立つ。どれもこれも健康に不安を抱える高齢者にとって「おいしいはなし」。「最初は無料!」などと宣伝されると、つい手を出してしまう。高齢化社会を意図した製薬会社の巧みな戦略である▼ところで近頃、人生百年時代といわれ、百歳を超える人もまれではなくなってきた。しかし、認知症にもならず、自立・自活し、活動家としての誇りを持って健康で百歳を生き抜いた人はそうざらにはいない▼先日、百二歳の天寿を全うした貫名初子さんの生きざまは、見事としか言いようがない。神戸市会議員時代、本会議場に帽子をかぶったまま出席し、「帽子を取れ」という他会派の圧力に、「帽子は女性のファッション」と毅然として一歩も譲らなかった話は有名である。また、九十歳を過ぎてからも、消費税なくす会の宣伝でマイクを握り、散歩は元町商店街の東端から西端まで、新婦人県本部隣の古い喫茶店でお茶を飲み、新聞を隅々まで読んで、来た道を戻る。それが日課だった。何時も姿勢よく歩きおしゃれであっぱれな人生。ご冥福を祈る。(D)

(兵庫民報2021年6月6日付)