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2021年4月4日日曜日

兵庫憲法集会5月3日・東遊園地「憲法はあなたの命と未来のサポーター」:成功へ「1万人意見広告」運動


「戦争させない、九条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」は三月二十六日、「5・3兵庫憲法集会」と「一万人意見広告運動」成功をめざし兵庫憲法集会プレ集会を開きました。

弁護士九条の会の羽柴修弁護士が開会挨拶で学術会議任命拒否問題を批判。今年の憲法集会には任命拒否された芦名定道関西学院大教授(四月から)をメインスピーカーとして招くことを紹介。木下智史関西大学教授が菅政権と改憲の動きをテーマに講演しました(写真)。

木下さんは、安倍政権以来の改憲の動きを振り返り、現菅政権がアメリカと一体に世界規模の同盟へ広げる危険性があると報告。一方で、国会で三分の二を改憲勢力が占めても改憲を許さない世論をつくったことに確信を持つべきだと指摘。メディアや政権が「改憲が新しい改革/護憲が古い保守」のように描くなか、世論調査で改憲容認の数字が高いこともあげ、改憲を許さない運動の重要性を強調しました。

実行委員会事務局から、一〇〇〇人委員会の森哲二さんが行動提起を行いました。

今年の「兵庫憲法集会」について、▽メインスローガンは「憲法はあなたの命と未来のサポーター」、サブスローガンは「コロナ時代だからこそ 分断でも差別でもなく 核兵器でも基地でもなく そういうものが必要のない 誰もが平和で自由に生きることのできる社会を!」▽五月三日(月・祝)十四時~十五時三十分、東遊園地での集会とウェブ配信で開催▽メインスピーカーとして芦名定道関西学院大学教授が学術会議任命拒否の本質を当事者から訴える▽音楽ゲストは淡路ぬニセター―と概要を発表しました。

さらに、コロナ禍のもとで大きな世論を起こすために、集会当日の神戸新聞にメインスローガンを柱とする意見広告を掲載する「憲法を活かす一万人意見広告」運動に取り組むことを発表。案内ビラ作成が遅れ、期日はせまっているが四月十七日締め切りで今度こそ一万人の賛同者を達成したいと協力を呼びかけました。

意見広告は一口千円で名前が掲載されます。前回意見広告に賛同された方には案内ビラが郵送されています。

憲法共同センターの津川知久さんが閉会挨拶を行い、「団結がんばろー」で閉会しました。〔小林明男〕

コロナ禍のなか広がる学生支援:民青兵庫県委員会が食料支援「ほっとまんぷくプロジェクト」


民青兵庫県委員会は三月二十三日、学園都市駅前で学生への食料支援「ほっとまんぷくプロジェクト」(第三回目)に取り組みました。
約三十人の学生らが利用し、「めっちゃ助かる!」「ありがとうございます」と物資を受け取り、実態アンケートに答えました。アンケート回答からは、多数の学生がアルバイトのシフト減少により収入が減少していることが分かり、十三人が「食費など生活費を削っている」にチェックをつけました。なかには休学を検討している学生もいました。
今回は世界各地で取り組まれている生理用品の配布にも取り組み、「これいいんですか?」と喜ばれていました。二人の学生同盟員が支援に初参加しましたが、積極的に実態を聞き取り、あたたかい言葉をかけて民青を紹介していました。
食料支援には引き続き物資やカンパが多数寄せられるとともに、事前の案内チラシを地域の党員が学生マンションへ配布し、当日も宣伝をして参加を広げるなど日本共産党の援助も大きな力となっています。
ほっとまんぷくプロジェクトは四月も開催する予定です。
〔伊木さち〕

(兵庫民報2021年4月4日付)

コロナ禍のなか広がる学生支援:兵庫県立大学の取り組み:ティーチング・アシスタントなど学生を積極的に活用

コロナ禍で学生の苦難が広がっているもとで、大学独自の学生支援に取り組む大学が生まれています。
兵庫県立大学の学生支援の取り組みを紹介します。

Web授業受講環境への支援

兵庫県立大学は、前期授業について全学で昨年五月七日から(一部は四月二十日頃から先行で)Web授業を実施。このWeb授業開始に当たって、全学生の受講環境を調査・確認し、経済的な理由等によりWeb授業の受講が困難な学生に対して、パソコンやルーターを無償で貸与しています。(最大時:パソコン約百台、ルーター約二百五十台)
後期授業からは、対面授業を基本とするよう各キャンパスにおいて感染防止対策を行い、学部では約六〇%、大学院では約九五%、全体で約七〇%を対面授業により実施していますが、一部でWeb授業も続いていることから、後期もパソコンやルーターの無償貸与の制度は継続して実施しています。

授業料等の減免制度の拡充

学生と家計の経済的困窮が広がる中で、従来は減免の対象外としていた、新入生に係る入学料・前期授業料について、減免申請を可能としました。
また、国の修学支援新制度の動きに合わせて、新たに全学生を対象として新型コロナウイルス感染症の影響による家計急変を理由とする授業料の減免申請を可能としました。(後期授業料も対象)

学生を活用する諸制度の新設・拡充

県立大学の学生支援で特徴的な取り組みが、学生活用制度の新設・拡充、いわゆる「ティーチング・アシスタント等での学生活用」の取り組みです。
学生のアルバイトを行う場が減少していることに伴い、経済的に困窮する学生が生じるおそれが出たため、昨年六月一日から、学生活用制度の新設・拡充を行っています。(下の一覧)
今年度、学部生・大学院生をあわせて三百六十三人(実人数)が、これらの「ティーチング・アシスタント等での学生活用」の諸制度を活用しています。このうち、新設された制度を活用した学生は百七十九人にのぼっています。

1. 新設した学生活用制度
①リサーチ・アシスタント(RA)
大学が行う研究プロジェクト等における研究補助。対象は博士後期課程在籍者。時給1,200円。
②オンライン・アシスタント(OA)
オンラインによる講義、実験、実習等における機器操作補助等。対象は2年生以上の学部生、大学院生。時給1,000円。
③ピア・メンター(PM)制度
新入生が大学生活に適応できるよう支援するため、学習、生活、課外活動等の学生生活全般での相談・助言等。対象:2年生以上の学部生。月額20,000円。
④キャンパス・アシスタント(CA)
キャンパス各所の消毒等の衛生維持、美化・緑化等の環境維持等を補助。対象は学部生、大学院生。時給920円~。

2. 拡充した学生活用制度
①ティーチング・アシスタント(TA)
学部及び博士前期課程の学生に対する講義、実験、実習等の教育補助。対象は博士後期課程在籍者。時給1,200円(従来1,000円)。
②遠隔授業等ティーチング・アシスタント(遠隔等TA)
遠隔授業実施時における発信教室、受信教室での教育補助、又は学部情報処理演習科目における教育補助。対象は大学院生。時給1,100円(従来1,000円)。
③遠隔授業スチューデント・アシスタント(遠隔SA)
遠隔授業実施時における発信教室、受信教室でのシステム操作の補助等。対象は2年生以上の学部生。時給1,000円(従来900円)。

〔中嘉信〕

(兵庫民報2021年4月4日付)


政治を身近に「理想の政治選手権」:政策づくり・選挙を模擬体験


民青同盟兵庫県委員会は三月二十八日、学生の新入生歓迎会企画「選挙と友達になろう――理想の政治選手権――」を開催しました。参加者でグループに分かれて話し合い、政策と政党をつくり、討論して最後は選挙をするという企画です。
三つのグループに分かれて話し合った結果――
▽「SDGsの推進のために二酸化炭素削減、再生可能エネルギーを増やして原発と火力を減らす」「プラごみ削減のために生分解性プラスチックの開発を支援する」「キャッシュレス化を推進するために電子決済を一本化する」などの政策を持つ〝進歩党〟
▽「法案審議の透明化のために事前審査制を廃止する」「ジェンダー平等の実現のために、男女の二分化を緩和する。具体的にはトイレや更衣室などで第三の部屋をつくる」「学費の無償化」「保育園の増設」「再生可能エネルギーの普及促進で原発と火力を減らす」「デジタルサービスにアクセスできない人を対象に紙媒体のサービスを継続する。紙は地元の製紙業のものを使う」などの政策を持つ〝あおぞら党〟
▽「九条改憲で自衛隊を自衛軍にする。ただし専守防衛は維持」「国旗を大事にするために国民全員に国旗を配る」「学費半額の実現」などの政策を持つ〝日本の力〟
――の三つの政党ができました。
討論では「キャッシュレスの一本化では企業活動の自由を制限することになるがどうなのか(進歩党への質問)」「デジタルにアクセスできない人に対しては教育的な機会が大事なのではないか(あおぞら党への質問)」「専守防衛を維持するなら現行憲法のままでも問題ないのでは(日本の力への質問)」など活発に質疑応答が行われました。
質疑応答をふまえて各政党で話し合いの時間を持ち、政策の練り上げや修正などを行い、最終確定させた政策を各党の党首が報告。
最後に投票を行い、あおぞら党が第一党に選ばれました。
参加者は「ふだん話さないジェンダーについての自分の思いを話してグループのメンバーが聞いてくれたのがうれしかった」「政治が身近に感じられた」などの感想を話しています。
〔上園隆=民青県委員長〕

(兵庫民報2021年4月4日付)

こむら潤さんが達成:県内全市町で街頭演説


日本共産党兵庫県委員会は、昨年九月から、「県内比例キャラバン」に取り組んできました。台風や新型コロナ感染拡大など、しばしば中断を余儀なくされましたが、こむら潤衆議院近畿比例予定候補(兵庫八区重複)は、兵庫県内二十九市十二町すべて(神戸市は九区すべて)をまわり、街頭演説を行うとした目標を達成しました。

こむら潤さんからのメッセージ

兵庫県は広くて多様だということをまず感じました。都市部もあり、山あり、海あり、豊かな自然もありで、農林水産が暮らしを支え、兵庫の心をつないでいるのだなと思いました。
県内どこに行っても、走る車の中からも畑の中からも手を振り激励してくださる方に出会い、来て良かったと元気が出ました。
また、地方議員の皆さんと党支部の皆さんが、各地で住民の苦難軽減のために日々奮闘されている、それを支持者や『しんぶん赤旗』読者の方々が応援して下さっている、そんな姿にも出会えました。
日本共産党の「新しい社会への五つの改革提案」はどこで話しても響く提案です。総選挙で国民の声が届く政治、命と暮らしを守る政治を実現するためにますます頑張ろう!と私も勇気をいただきました。ありがとうございました。また伺いたいと思っていますので、引き続きご支援をよろしくお願いします。

(兵庫民報2021年4月4日付)

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(25)「芸術文化へ今こそ本気の支援を」劇団どろ代表 合田幸平


演劇などライブで楽しむ文化団体はコロナ禍の中で公演中止や入場制限などで経営が悪化、存続が危ぶまれています。コロナ対策も長期化が予想され、自力で乗り切るのはだんだん難しくなってきています。「コロナ」は元来あった社会のひずみや矛盾を顕在化させました。
*
「芸術文化は人間の生存にとって必要不可欠なものだ」と早々と宣言したドイツの文化大臣の言葉が日本では衝撃的に受け止められました。日本では文化芸術の重要性が人々の中に定着してなく、行政の中でも文化政策と財政支援の貧弱さがずっと継続されてきました。この発言が強く受け止められたのは、外国との比較で日本の後進性が顕わになったからです。
それを象徴するようなことが神戸でも起こりました。私たちが所属する兵庫県劇団協議会と市内の劇団とが毎年進める神戸市民文化振興財団主催の「神劇まわり舞台」というイベントへの予算を来年度から削減するとの提案が昨年末行政からなされたのです。もともと予算規模としても僅少で総額百八万円で、もっと拡充してほしいと要望していたものです。それをこのコロナ禍を口実に減らす(参加団体×十五万円、上限九十万円)というのです。理由はよくわからないのですがやはり演劇など文化活動は「不要不急」のものとして真っ先に削ろうという意識が働いていなかったかと私は危惧しています。
*
神戸演劇鑑賞会や神戸映画サークル協議会などの鑑賞団体の活動も困難に直面しています。昨年四月から数カ月は例会が開催できませんでした。また再開後も入場制限や感染予防措置などで会員減が続き、近畿でも岸貝演劇鑑賞会など複数の鑑賞団体が長い歴史に幕を閉じようとしています。神戸などは様々な工夫をして例会を継続していますが、集まって交流しお互いを励まし合うサークル活動に困難さを抱えながら地道な努力が続けられています。
*
地域演劇の現実も報告させてください。劇団にとって欠かせないのが稽古場と公演会場です。
公共施設もありますが、閉館時刻が午後九時などと早く、定時に仕事が終われない団員を多く抱える私たちにはとても使いにくいものです。そのため高い費用をかけて自前の稽古場を持つ集団が増えてきました。しかし一定の広さを持つ会場を借りるのは市内では高額です。
私の劇団では新長田の震災再開発ビルの一角に百五十平方メートルほどの稽古場を借りることができましたが、家賃など維持費が毎月十三万~十四万円ほどかかります。この経費は団費でまかなおうとしますが、とても足りません。稽古場の空いている時間を使ってイベントを開催したりして補塡しますが、多くは「劇団を支える会員」のカンパに頼っています。そうして年三~四回の公演収入でやっと維持しているという現状です。二〇二〇年度は公演が半減、その上入場者五〇パーセント制限ということで、厳しい現実が突きつけられています。
もう一つは公演会場の問題です。神戸は演劇公演に適した劇場がとても少ないのが現状です。震災以降いくつかの会場が閉鎖されました。(文化小ホール、県民小劇場など)これらは手頃でよく利用されていたものです。それが失われたまま、県も市も新たな会場を建設していません。わずかに新開地にKAVCホールができましたが、利用者が多くなかなか使えません。ですから、私たちのような劇団は稽古場をリフォームして小劇場として公演しています。しかしそれも困難に直面しているのです。
今こそ行政からの本気の支援がほしいところです。

(兵庫民報2021年4月4日付)

日本共産党神戸市議団が予算組み替え動議:三宮再開発など不要不急の大型開発やめコロナから市民の命、暮らし守る施策に



日本共産党神戸市会議員団は三月二十六日の本会議で、久元喜造市長任期最後の当初予算となる二〇二一年度神戸市一般会計予算案等に対する組み替えの動議を提出し、味口としゆき議員が提案説明を行いました。予算組み替え動議は二〇〇〇年以降、二十一回連続の提案です。
コロナ禍の影響で、神戸市民のくらし・中小業者の営業・子どもたちの状況は、かつてなく深刻です。しかし久元市長提案の予算案は、中小業者支援でも、医療機関への支援でも、子どもたちへの支援でも、コロナ禍で苦しむ市民生活を直視しているものとなっていません。逆に、コロナ以前の計画である三宮一極集中の再開発をはじめ、不要不急の大型開発に巨額の予算を投じるものとなっています


味口議員は、コロナ禍であっても三宮再開発は「立ち止まらない」と公言する久元市長のもとで多くの市民や事業者が苦しみ、成人式など様々な行事やイベントが自粛で休止しているとき、市民の眼前には、三宮の再開発や、市役所庁舎の建て替えだけが着々とすすめられる異様な光景がひろがっていると指摘。
コロナ禍の教訓も、阪神・淡路大震災の教訓も踏まえず、「行財政改革方針2025」を策定し、五年で七百五十人の職員削減と二百九十二億円分の住民のための施策の廃止をかかげ、保健所衛生監視事務所の廃止・統合、あんしんすこやかルームの廃止など数多くの民間委託の拡大と職員削減がすすめられようとして批判しました。
味口議員は、いま市民から求められているのは、三宮一極集中の再開発に象徴される不要不急の大型開発の強行ではなく、長引く新型コロナウイルス感染症の影響から市民の命、暮らしを最優先に守り、市民の苦難に寄り添う施策であるとして、予算の抜本的な組み替えを求めました(別掲)。
日本共産党の提案は、一般会計当初予算案(八千七百三億円)のわずか三%の組み替えで実現できます。

日本共産党市議団の組み替え動議
柱建て
第一の柱 新型コロナウイルス感染症の深刻な被害から市民の命と暮らし、生業を守る。
(1)コロナ禍で減収となっている地域医療機関への支援を強め、地域医療を守る。
(2)コロナ禍で経営継続が危ぶまれる小規模自営業者への支援金を創設する。
(3)学生の就学継続のための特別給付金を創設する。
(4)公衆衛生の最前線である保健所の検査体制を充実させる。
(5)学校・保育園・児童館・特養・避難所の新増設や整備により三密回避をすすめる。
第二の柱 市民負担を軽減する。
(1)介護保険料値上げを中止し、国保料を引き下げる。
(2)子どもの医療費は、通院含め高校卒業まで、無料化を実現する。
(3)久元市長が始めた「認知症対策」を口実にした住民税増税は中止する。
第三の柱 子どもの最善の利益を守り、教育と子育てを支援する。
(1)小中学校で35人学級を実施するために教員をふやし、校舎の整備をすすめる。
(2)小学校のような学校調理の中学校給食の実現をめざし、親子方式を先行実施する。
第四の柱 市民と中小業者を応援し、市民の命と健康を守る地域の基盤を強める。
(1)住宅・店舗リフォーム助成を創設し、中小業者を応援する。
(2)衛生監視事務所の統廃合を中止する。
(3)阪神・淡路大震災の教訓からつくられた、あんしんすこやかルームを存続する。
第五の柱 「気候危機」に対応し、地産地消のエネルギー政策を神戸からすすめる。
〇原子力発電所・石炭火力発電所に頼らない地域分散型エネルギー政策を推進する。
財源提案と効果
第一 本庁舎及び中央区役所整備関連経費、三宮再開発関連事業及び大阪湾岸道路事業など不要不急の大型開発を中止する。
第二 須磨海浜水族園等の民間再整備、須磨多聞線整備、空港事業への一般財源投入、データに基づくバス路線縮減計画など市民合意のない事業を中止・見直しする。
第三 医療産業都市推進費、企業誘致推進費の減額および誘致企業優遇税制の廃止など呼び込みインバウンド偏重事業を減額する。
第四 新都市利益剰余金、都市整備基金や財政調整基金など市民の財産である基金や財源は、大型開発ではなく身近な公共事業や住民サービス向上に活用する。
第五 市長当初提案より、市債発行額を120億円以上大幅に減額し、将来の市民負担を軽減する。

〔前田明〕

(兵庫民報2021年4月4日付)

日本共産党神戸市議団:子ども医療費無料化へ条例修正提案


また日本共産党神戸市会議員団は同日の本会議に、議員提案権を活用して高校卒業まで子どもの医療費を通院含めて無料化する条例修正案を提案し、林まさひと議員が提案説明を行いました。
子どもの医療費の無料化は、八年前の久元市長の市長選挙公約でした。四年前には高校生まで拡充を公約に掲げたものの、久元市長はこの間、子ども医療費の完全無料化は「コンビニ受診を誘発する」「将来世代への負担転嫁だ」など、無料化の公約を棚に上げてきました。
林議員は、子ども医療費の中学卒業まで通院無料化を実施する自治体が兵庫県下で八割を超えるなか、無料化に背を向ける神戸市は、兵庫県内でもっとも遅れた自治体の一つとなったと指摘しました。
子どもがけがや病気をしたとき、お金の心配なく安心して医療が受けられるようにすることは、コロナ禍のなかで、子育て支援の大変重要な施策となるとして実現を求めました。
〔前田明〕

(兵庫民報2021年4月4日付)

コロナ対策で日本共産党県議団第12次申し入れ:方針転換し大規模検査を


日本共産党兵庫県議団は三月二十四日、井戸敏三県知事に対し、新型コロナウイルス感染症対策に関わる緊急申し入れ(第十二次)を行いました。
ねりき恵子団長は、感染再拡大が始まり危険な状況が続く緊迫した状況の中、コロナ封じ込めのための大規模検査が必要だとして、検査について▽高齢者施設、医療・障害者施設等の職員、利用者への頻回・定期的検査▽モニタリング検査を一日一万件以上に引き上げる▽全自動PCR検査機器の購入・活用など思い切った検査体制拡充▽変異株検査の抜本的引き上げ―などを要請しました。
対応した県感染症対策課職員は「高齢者施設等の職員に対する定期的な検査については、否定はしないが、感染兆候があるところへの検査を重点的に行うことが必要だと考えている」としました。
これに対し、党県議らは、無症状感染者を早期発見し、隔離・保護することの有効性、専門家も高齢者施設等での頻回・定期的検査の必要性を訴えていることなどを述べ、県の検査方針の転換を促しました。
ワクチン接種については、速やかな情報開示と接種の有無による差別が起こらないようにすることを要望しました。
中小事業者支援では、営業自粛の影響を受けたすべての事業者への補償を求めたこととあわせて、感染症拡大防止協力金の速やかな支給、申請受付が終了している第一期の協力金の申請について、柔軟な対応を行うことを求めました。
応対した田中孝幸防災企画局長は、「協力金の第一期の申請受付については、柔軟に行えるように担当課も検討しているところだと聞いている」としました。
〔門屋史明〕

(兵庫民報2021年4月4日付)

西宮革新懇第七回総会:いよいよ政権を替えるとき、市民をつなぐ革新懇運動を


西宮革新懇は三月二十一日、若竹生活文化会館講堂で第七回総会を開催。朴木佳緒留神戸大学名誉教授が「ジェンダー平等社会をめざして」と題して記念講演をしました。
講演では、ジェンダーとは社会的、文化的、歴史的に「つくられた性差」であることを明らかにしながら、「性の多様性」を認識することの重要性などを解明しました。そして、日本のジェンダー問題の基本を、①根強い性的役割分業②固定的な家族像③「性と生殖の権利」への不十分な理解④性暴力への「甘い認識」―から解き明かしながら、日本社会の問題点、特に「労働」「女性の貧困化」の問題に光を当てるとともに、再生産されるジェンダーの構造を明らかにしました。
参加者からは「振り返って思い当たることが少なくありませんでした」「ジェンダー問題は奥深く、自分自身も抱えているということがわかり、もっと深めていきたい」など多くの感想が寄せられました。
*
総会では、風呂本武敏元神戸大学教授・代表世話人が開会挨拶。続いて立憲民主党の安田真理さん、日本共産党の上田幸子さん、社民党の魚谷直生さん、新社会党の大野克美さん、西宮市議の田中あきよさんが連帯の挨拶をしました。
樫村庸一世話人は「報告と提案」で「野党連合政権を現実の課題として初めて迎えている革新懇運動にふさわしい取り組みをしよう」と強調しました。新事務室長に阿波角孝治氏を選出しました。
閉会挨拶で代表世話人の冨田宏治関西学院大学教授は「いよいよ政権を替えなくてはいけない。そのためにも、市民が横につながっていく革新懇運動を」と呼びかけました。
〔樫村庸一=西宮革新懇〕

(兵庫民報2021年4月4日付)

兵庫革新懇は、三月二十七日に三宮センター街東入り口で、「日本学術会議会員任命拒否撤回、政権交代を」をテーマに十人が参加し街頭宣伝署名行動に取り組みました。


県革新懇代表世話人である松田隆彦日本共産党兵庫県委員長、津川知久憲法共同センター代表委員、成山太志兵庫労連議長の三人がスピーチしました。各氏は「日本学術会議会員任命拒否は、忘れてはいけない問題だ」「強権的なやり方で政治をすすめると、ものの言えない社会になる」「コロナ対策をしっかり行い、軍事費は減らせの声を」「菅自公政権を退陣に追い込み政権交代しよう」などと訴えました。
〔樫村庸一=兵庫革新懇〕

(兵庫民報2021年4月4日付)

ジェンダーわたしの視点「家庭でのジェンダーに気づくことから」新日本婦人の会西宮支部支部長 立垣満里


私は明治・大正・昭和と三世代八人家族(今なら大家族でしょうか)、古くから続いた家父長制の残る家族制度の中で二十年近く育ってきました。母は祖父母存命中は舅、姑に仕え、まさに「女は三界に家無し」でした。言いたいことも言えず、やりたいようにできなかった母の生活を見ていて、「私は母のようには生きたくない」と心ひそかに思っていました。
*
一九七〇年に、「夫が扶養するのではなく、二人が対等な共同生活を」と考える夫と出会い、西宮での生活が始まりました。
出産後、パートとして仕事をはじめ、その頃は「女だから」「パートだから」と差別されたくないという思いで、かなり肩肘張って仕事をしていたような気がします。共同生活ですから当然二人で仕事をし、「家事、育児は二人で」が当たり前でしたが、子どもが保育所を休まなければならないときなどはどちらが休むかお互いゆずれませんでした。
家のことをよくする夫でもやはり家事、育児の多くは私の方にかかっていました。私が不満を口にすると「男は長年男尊女卑の世界にドップリつかっているので、口では男女平等とか言いながらそこからの脱皮は困難である」と常に自己を正当化してきました。確かに、人間は楽なほうに流れるのは常ですが、こと「ジェンダー」に関しては許しがたいと、ことあるごとに夫の尻を叩き、自己変革を促してきました。
長年の努力の結果、現在の我が家は私にとっては非常に居ごごちのよい場となっています。今から思うと、母はまさに「男尊女卑にドップリつかっていた」あの時代に生きた女性の一人としての生き方だったと思えるようになりました。
*
真のジェンダー平等実現には、女性が声をあげなくては実現しません。いまでは女性たちが声をあげ、それを支え、共感する人たちが増え社会を変えてきました。いま「ジェンダー平等」が日常の中でも認知されていますが、足元の家庭内ではどうなのか、他人の目の届かない家庭という枠内で本当にジェンダー平等になっているのか、そこから見直すことが一番大事ではないかと思います。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言われるように、家庭内のもめごとは民事不介入でなかなか表面化されていません。コロナで家にこもる時間が長くなり、女性に対するDV被害が増えているそうです。DVは夫婦喧嘩、虐待はしつけとみられる中で法の手が届かない、当事者すらDVや虐待とは気が付かない。本当にジェンダー平等社会を実現するならまず、足元の各家庭の中で、ジェンダーに気づくことが大事なのではないでしょうか?

(兵庫民報2021年4月4日付)

民主主義の日本めざして――「川崎・三菱大争議」100年:第十三回 川崎・三菱大争議の影響で農民運動も高揚

乾 信行(元兵庫県農民運動連合会事務局長)

川崎・三菱大争議は、兵庫県の重い小作料に苦しむ農民に影響を与え、一九二一年の小作争議件数は四百十件で全国一。愛知二百七十八件、大阪二百四十二件等に比しても、農民運動は高揚した。
一九二二年四月九日、賀川豊彦らの呼びかけで、全国各地の小作団体が糾合され、日本農民組合(略称「日農」)が神戸YMCA会館で創立大会を行う。一九二三年東播連合会、一九二四年に長尾有の指導で淡路連合会、一九二五年西播連合会が結成された。
当時の兵庫県の農民組合は、加古、印南を中心にした東播連合会(七~八支部、三~四千戸)、三原、津名にわたる淡路連合会(二十支部、約八百戸)、宍粟郡の西播連合会(十七~十八支部、七百~九百戸)、武庫、川辺、尼崎(四~五支部、百~百五十戸)の四地域に組織され、組合員総数は多い時で六千名に達した。
いち早く東播連合会が結成されたのは、日毛、鐘紡、三菱製紙など大工場地帯が近く、賃上げ闘争や労働者の解雇反対運動などの影響が農村に波及したこと、川崎造船で解雇された行政長蔵のように、労働運動家が農民運動の指導者として役割を果たしたこと、飾磨郡、神崎郡は水平社運動の中心的地域であったなどが背景にあった。
高砂市中島村では、関西筆頭の大地主伊藤長次郎の小作人が、高率小作料に苦しんでいた。凶作だった一九二一年、「日農」創立を知り、賀川豊彦に相談。兵庫県最初の日農支部ができ、小作料引き下げ闘争で官憲との激しい闘いで、成功的に和解となる。
加古川市八幡宗佐村、印南郡志方村でも「日農」の指導で、小作料引き下げの闘いが展開された。志方村では、地主の小作地立ち入り禁止の攻撃に、牛の鞍に赤い旗を立て、女性は赤手ぬぐいをかぶり赤タスキで共同田植えを行い、跳ね返した。
淡路では、地主の強い支配力で全国でもまれな裏作麦の現物小作料制度があり、淡路での闘いは「農民運動のメッカ」といわれるほど果敢な運動が展開された。
津名郡鳥飼村の日農支部では、小作料永久三割減免、麦小作料撤廃の要求を地主に突きつけ小作料を引き下げさせ、この勝利を受け、全淡路に農民運動が広がり組合が生まれた。
*
その力には、歯科医で日農淡路連合会委員長の長尾有の献身的な奮闘があり、一九二七年の兵庫県会議員選挙(三原郡・定数二)では、労働農民党から立候補、得票率三〇・八%で当選し、政治的にも大きな前進が生まれた。

 

長尾有
――田村昭治(元淡路文化史料館長)著『ここに人あり 淡路人物誌』によれば、長尾は戦後、一九五二年十一月より神戸協同診療所に歯科医として勤務、七四年死去直前まで市民が安心して医療をうけるための医療生協運動に尽くした。

(兵庫民報2021年4月4日付)

山下よしき「もう一花咲かせましょう」連載エッセイ33


久しぶりの大阪。堺市中区の党支部が近所の方をお誘いして取り組んだ「集い」におじゃましました(三月二十七日)。支部長さんのご自宅が会場で、私が到着した時はすでに何人かの方がこたつを囲み、TV画面にきれいに映った国会論戦を見ていました。「録画ですか?」とたずねると「ユーチューブです」と支部長さん。このやり方で志位委員長がメイン弁士のオンライン演説会(二十日)も視聴したそうで、みなさん「近所やから楽やったよ」「こたつで緊張せずに聞けて良かった」など好評でした。
「志位委員長のお話はどうでしたか?」と感想を聞くと、「五つの提案を詳しく聞きたい。八時間働いたらふつうに暮らせるって、どうするの?」「原発ゼロってできるの?」などの質問が。一つひとつ説明すると「なるほど」とうなずいてくれ、最後は「共産党はええこと言うてんのに何で勝たれへんの?」の質問に。
私は、前回総選挙で、「共闘の時代」には「共産党だから入れる」という積極的支持者を増やす必要があること、なにより共闘勝利と党躍進の両方やるには党の力が小さすぎることが最大の教訓でしたとお話し。みなさん「ほんまやなあ」と納得。そこでベテラン党員の方が「演説会の瀬戸内寂聴さんのメッセージもよかった。寂聴さんに比べたら私らまだ若い。一緒にもう一花咲かせましょう」と明るく入党のお誘い。お二人の方がその場で入党申込書にサインしてくれました。うれしい!
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2021年4月4日付)



亀井洋示「自山の石」


(兵庫民報2021年4月4日付)

神戸映画サークル協議会4月例会『お名前はアドルフ?』:とことん本音ぶつけ合う刺激的なカタルシスの会話劇


「名づけ」をテーマにナチズム(国家社会主義)に対するドイツの戦後七十五年の「本音と建前」にたっぷりウィットを盛り込んだ作品です。
シュテファンとエリザベト夫妻が招待した妻の弟トーマスが子どもの名前はアドルフと発言したことをきっかけに、舌戦の火ぶたが切られます。
アドルフに大反対の三人との口論は、世界史・政治・宗教・芸術と、あらゆる角度からの壮大な「アドルフ是非論」へ発展。歴史や宗教、文化など、あらゆる角度から「名前」について語る会話に耳を傾けていると、知的好奇心がくすぐられます。
会話劇を繰り広げる五人は個性豊かな面々ですが、特に癖が強いのがシュテファンです。そんなシュテファンと「アドルフ」という名前について激論を繰り広げるトーマスもお調子者で、ちょっと自分勝手なところがある人物です。
そして物語の終盤、言いたい放題やりたい放題のシュテファンとトーマスに向けて大爆発するエリザベトの「演説」は物語最大の見せ場でしょう。私たち観客の留飲を下げてくれること間違いなしです。
バトルを見届けた観客にも、刺激的なカタルシスが送られる痛快な一作です。〔陽〕
 


『お名前はアドルフ?』(2018年/91分/ドイツ)

4月16日(金)①11時②14時③19時、17日(土)①11時②14時③18時/神戸アートビレッジセンター KAVCホール/一般(事前予約)1,300円/☎078‐371‐8550、Email kcc1950@kobe-eisa.com、URL http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2021年4月4日付)

観感楽学


緊急事態宣言は解除されたものの新型コロナウイルス感染の猛威は収まらず、第四波が危惧される状況になってきた▼そのなか、東京オリンピック・パラリンピックに向けた聖火リレーがスタートを切った。まさに見切り発車である。オリンピック開催まであと四カ月、秒読みの段階だが、日本のみならず、ヨーロッパでもアメリカでもアフリカ諸国も南米でもコロナの変異株が発生。アスリートたち自身「開催できるの?」と戸惑っている。世論調査では「中止、延期すべき」との回答が七〇%を超えている▼変異株コロナの蔓延を恐れて外国人の来日を受け入れていない。しかるに、菅首相はオリンピックにバイデン米大統領を招待すると表明した。呑気なものだ。各国首脳を受け入れるとすればその警備体制も半端ではない▼先月、テニスの全豪オープンで大坂なおみ選手が優勝して話題になったが、錦織選手は同乗機で感染者が発生したため、ホテルから一歩も出られず練習すらままならなかったという。開催地メルボルンは五日間ロックダウンし、無観客で試合を行った。来日する選手や関係者に感染者が出た時、東京は対処できるのか? 「見切り発車」は世界中にコロナをさらに広げる危険があると承知の上か? 責任をもつなら、やはり中止しかない。(D)

(兵庫民報2021年4月4日付)