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2021年2月21日日曜日
こむら潤衆院比例予定候補各地で宣伝:赤穂では、ふかまち直也赤穂市議予定候補とともに
日本共産党衆院近畿比例・兵庫8区予定候補の、こむら潤さんが県内各地、近畿各地で宣伝を行っています。2月15日は西播磨各市町で街頭演説。赤穂市では、ふかまち直也市議予定候補とともに訴えました。
(兵庫民報2021年2月21日付)
宝塚市日本共産党後援会新春の集い:近畿比例4人を必ず国会へ:清水ただし衆院議員、こむら潤比例予定候補訴え:宝塚市長選挙に挑む山崎はるえさんが挨拶
宝塚市日本共産党後援会は後援会総会&新春の集いをコロナ予防対策に万全を期して二月七日、ピピア売布ホールで開きました。
後援会長の杉島幸生弁護士は、コロナの影響で文化行事のない集いだが勉強していただき活動に役立てて頂きたい。今年は市長選、県知事選、総選挙があります。がんばりましょう、と挨拶しました。
ねりき恵子県議と、となき正勝市議が県政、市政について報告。
こむら潤衆院比例候補は、――コロナ禍のもと、やっと国が三十五人学級をすすめると表明したことは明るいニュース。日本共産党はさらに中学校や高校でも少人数学級にすることを求めています。
核兵器禁止条約批准を政府に求める意見書が尼崎市議会で一票差で採択されました。私は賛成討論に立ちました。次は国会で採決したいと思います。
国民の命とくらしを守る政治をすすめるために全力を尽くします。ご支援よろしくお願いします――
と訴えました。
清水ただし衆院議員は、自らが昨年末コロナウイルス感染でホテル待機した経験を語り、感染者・濃厚接触者を保護し治療する体制やPCR検査を広げることを強調しました。OECD平均から見れば日本は、医者は十四万人足らない、看護士はアメリカの五分の一、集中治療室は医療崩壊したイタリアの半分だと現状を告発。コロナ禍のもと消費税を下げた国は五十二カ国に上り、自民党の中からも期限付きとはいえ〇%にしようの声が出ていると報告しました。
最後に、衆院選では比例選挙での支持を広げ、小村さんといっしょに四人当選を目指しましょうと訴えました。
四月の宝塚市長選挙をめざす山崎はるえ弁護士も挨拶。当初、立候補をすすめられたとき「政治は分からないから」と断ろうとしたが、弁護士活動でやってきたように弱い人の立場にたってやることが民主市政をすすめることになると説得され、決意に至ったと話しました。「明るい政治、市民に開かれた政治」をすすめると表明し、会場から大きな拍手を受けました。
集いは熱気にあふれ、意気高いものとなりました。
〔勝部昭義=同後援会〕
写真:ガッツポーズで決意を示す(右から)田中こう・横田まさのり・たぶち静子各市議、山崎はるえ弁護士、こむら潤衆院予定候補、清水ただし衆院議員、ねりき恵子県議、となき正勝市議
(兵庫民報2021年2月21日付)
福原ゆかりさんと明石高校美術科卒のこむら潤さん明石駅前で街頭演説
日本共産党明石市委員会は二月十四日、明石駅前で、くすもと美紀明石市議の司会で街頭演説を開催しました。
こむら潤衆院近畿比例・兵庫八区予定候補、福原ゆかり衆院兵庫九区予定候補、辻本たつや明石市議がそろって訴えました。
「明石駅前も懐かしい」「やっと明石に来られました」とこむら潤さん。明石での街頭演説は初めてです。明石高校美術科の出身のこむらさんがデザインした明石市バスが最近まで走っていました。
こむらさんは、森オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の女性蔑視発言を批判し、ジェンダー平等を掲げる日本共産党を応援いただき政権交代をと訴えました。
足を止めて聞いてくれる人や「写真をとってもいいですか」などの反応も。「暮らしSOS」をはじめたくさんのプラスターや「国会へ送ろう」の手作りの横断幕など掲げ約四十名がアピールに参加しました。
〔新町美千代〕
(兵庫民報2021年2月21日付)
日本共産党兵庫県議団コロナ対策第11次緊急申し入れ:高齢者・医療機関など一斉検査を
日本共産党兵庫県議団は二月十日、井戸敏三県知事に対し、新型コロナウイルス感染症対策に関わる緊急申し入れ(第十一次)を行いました。
申し入れでは、▽高齢者・介護施設、医療機関、障害者施設等の従事者、入所者、入院者を対象にしたPCR等による一斉・定期的検査の実施、▽すべての医療機関への減収補塡、▽クラスター発生の空床・休床補償は該当病棟だけではなく、病院全体の空床・休床を対象にすること、▽高齢者施設等での感染者の入院調整を急ぐこと、▽自宅待機者への往診・看護巡回や食糧支援、▽緊急事態宣言等で影響を受けるすべての事業者への補償、時短営業協力金については、早急な支給と定休日を支給対象にすること等を求めました。
県担当者は、「検査については、二月四日付厚労省事務連絡にもとづいて、対応を検討している。クラスター発生病院などに対する対応は引き続き検討する。高齢者施設等での感染者に対して、基本的には入院できるように調整するようにしている」などと回答。事業者への支援については「経産省が現在検討が行われているとのことで、それらも含めて、支援を強化したい」としました。各議員からは、「検査については、高齢者・医療施設など全県下での一斉定期的検査を行ってほしい」「困難に直面している事業者に手厚い支援を」などを再度要望しました。
(兵庫民報2021年2月21日付)
川西市が中学校卒業までのこども医療費を7月から無料化
日本共産党川西議員団(北野紀子〈写真右〉・黒田美智〈左〉・吉岡健次〈中〉)は、毎年「新年度予算編成にあたっての要望書」を市長・教育長あてに提出、それぞれ懇談を行っています。
二〇二一年度予算編成についても、二〇二〇年十一月十六日に百九十五項目にわたる要望書を越田謙治郎市長・石田剛教育長に提出・懇談を行い、二月三日、松木茂弘副市長と石田有司総務部長から「日本共産党議員団令和三年度予算編成要望・提案に対する回答」についての懇談を行いました。
議員団が、重点項目として要望していた「こども医療費・中学校卒業までの無料化」が七月から実施されることになりました。兵庫県と同じ基準の所得制限が設けられますが、これで約七割のこどもたちが通院・入院とも医療費が無料になります。小学校三年生までなら約九割のこどもが対象になります。
長年、乳幼児・こども医療費の無料化については、一般質問等で取り上げ、市民からの請願には紹介議員になって採択に向けて奮闘する等粘り強く取り組んできましたが、やっと中学校卒業まで到達しました。引き続き、所得制限をなくす・食事代等への支援・十八歳までの医療費無料化等に取り組んでいきます。
他に、留守家庭児童育成クラブの保育時間が前後三十分延長になる(八時~十九時)、医療的ケア児への看護師が二名配置される等も前進しています。
〔黒田美智=川西市議〕
(兵庫民報2021年2月21日付)
シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(19)「兵庫県政の地球温暖化対策に疑問」電力兵庫の会事務局長 室井正純
兵庫県は、「兵庫県地球温暖化対策推進計画」(第四次)の見直し案に対する県民意見募集手続き(パブリック・コメント)を行うと一月二十六日に発表しました。
これは、菅首相が昨年十月二十六日衆議院本会議にて「二〇五〇年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を表明、ただし原発推進・石炭火力発電維持のままで、その欺瞞性が批判されています。兵庫県知事も二〇二〇年九月二十九日の県議会本会議で、長期的な将来像として「二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」と発言したことを受けて審議会で見直し案を検討してきたものです。
「兵庫県地球温暖化対策推進計画」第四次計画(二〇一七年三月策定)では温室効果ガス排出量を二〇三〇年度に二〇一三年度比マイナス二六・五%としており、今回の見直し案では「二〇五〇年までに二酸化炭素実質ゼロ」をゴールとすると発表。
「二〇五〇年実質ゼロ」をめざすことは歓迎、評価できますが、発表された見直し案を見ると、第四次計画の二〇三〇年二酸化炭素排出削減目標をわずか八・五%(最大一一・五%)上積みし、再生可能エネルギー導入目標は強化するとしながら七十億キロワット時(再エネ比率約一七%)から八十億キロワット時(再エネ比率約二二%)とわずか十億キロワット時に引き上げたにとどまっています。とても「二〇五〇年実質ゼロ」を実現できるような内容となっていません。
「実質ゼロ」への実現に向けた取り組みでは「自分で使うエネルギーを自分で作る暮らし」とし「(再エネ)の需要変動調整に貢献する暮らし」とあり、他にも県民に責任転嫁するような記述が見受けられます。県としてこのような取り組みに支援、補助することが求められます。
千葉大学倉坂研究室と認定NPO法人環境エネルギー政策研究所の「永続地帯二〇一九年度版報告書」によれば、電力自給率が一〇〇%を超える市町村が二〇一五年三月末で百カ所に達しています。都道府県別では、地熱が豊富な大分県が三八%で一位、兵庫県は一三・五一%で三十三位でした。兵庫県は山、河の自然環境に恵まれた土地柄です。県には再生可能エネルギー潜在量(太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマス等)の調査を進め、地域で積極的に利用できるようにする支援・補助を求めます。
兵庫県下では、瀬戸内海沿岸に重厚長大産業のほか多数の火力発電所が立地しており、県排出の六割を占めていることから、脱炭素型の産業・経済構造への転換を県民、地域と共に進めるべきですが、これが示されていません。
県下では、石炭火力発電所が六基あり、神鋼火力発電所は二基百四十万キロワット、年間七百四十万トンの二酸化炭素を排出しています。また現在、新しく神鋼は二基百三十万キロワットの石炭火力発電所を建設中です。その他石油、LNGなどの化石資源を燃料とする火力が多数立地しています。
兵庫県政が「二〇五〇年温室効果ガス実質ゼロ」を目標とするのであれば、神鋼火力発電所の建設中止を求めるべきです。また化石燃料の火力発電所は時期を区切って廃止を求めましょう。温室効果ガスの排出を固定化する恐れがあるエネルギー政策の転換として、脱石炭、再生能エネルギーの主力電源化に向けて県が明確な期限付きの削減目標を制定し、二酸化炭素大量出企業への対策強化を具体的方策で示すべきです。
多くの県民意見を集中させ、真に「二〇五〇年実質ゼロ」が実現できるような内容に変えさせていこうではありませんか。
(兵庫民報2021年2月21日付)
原発なくす会連続講座:送電線使用料に原発費用
暮らしの基盤である電気、将来は自然エネで地産地消へ大転換します。その電気を消費者へ届ける流通設備について「どうなるの?これからの送電線・配電線」の講座を二月四日、兵商連会館で開きました。主催は「原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会」で、解説は「電力兵庫の会」が画像で行いました。
今は遠くの大規模な原発や火力発電所から五十万ボルトで長距離送電です。何回か変電所で電圧を下げ、市街地をたくさんの電柱で配電しています。この設備は地域独占してきた十電力会社のものでした。しかしこれからは〝電力システム改革〟としてそれぞれ切り離し、自然エネ発電にも公平に使用させることが急務です。
しかし東電や関電に見られるように所有権を離さず、持ち株会社で運営を続けています。なぜなら原発にしがみつく経営のため、私たちが支払う電気代のうち送配電線の使用料金(託送料)の原価に原発費用を含めているからです。菅政権になって、今までの使用済み核燃料処理費の一部だけでなく、さらに東電原発事故賠償金や廃炉費まで含めました。世の中がコロナ禍で大変なのに、こうした政府や電力会社の欺瞞的な動きへの注意喚起もありました。
参加者から活発な質問や意見も出されました。特に今国会で議論される「二〇五〇年温室効果ガスゼロ方針」に基づく第六次エネルギー基本計画の改正について、国も県もパブコメ・意見募集がされていて、言葉は立派だが実態は「原発推進・石炭火力継続」なので、急いで多くの人々とともに、菅政権・兵庫県政へ意見集中することになりました。
〔速水二郎=同会〕
(兵庫民報2021年2月21日付)
関西電力神戸支社前行動が450回:原発ゼロ、再稼働反対訴え毎週金曜日
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二月十二日、関西電力兵庫支社前の原発ゼロ、再稼働反対の行動が二〇一二年七月六日から毎週金曜に絶やすことなく四百五十回目を迎えました。
コロナ禍のもとでの行動で、パレードをやめ、集会だけになりました。「関西電力原発やめろ 老朽原発もううごかすな」「福島を忘れない 福島は終わってない」「原発とめよう!原発やめよう!原発のない日本をつくろう!」などコールや替え歌で訴えました。
参加者の原発ゼロへの思いの交流もされました。「久しぶりに参加した、四百五十回も続けてきたのはたいしたもんや」「福島の現状はまったく変わってない、核燃料サイクルも破綻している。もうやめろ」など福島の現状に胸痛める発言、電力の会の速水二郎さんが、先日の大阪地裁での差し止め判決について、老朽原発の耐震基準が住宅より低い数値は間違いと判断、世論で裁判も変わってきている。さらに声をあげようと説明しました。
首都圏反原発連合のミサオレッドウルフさんからのメッセージも流されました。ミサオさんは、「東京は感染拡大で官邸前行動は中止して、いま三百九十五回で止まったまま。神戸のみなさんの開催のご苦労に敬意を表したい。オリンピック組織委員会の森会長の辞任は、日本の社会も変わり始めたのかと感じさせる。福島原発事故から十年たってまだ原発が存在する異常など、社会は歪んでいる。首都圏反原連は三月末で休止するがメンバーはそれぞれのところで発信・行動し続ける。ともにがんばりましょう」と激励しました。
終わりに、事務局の橋本銀河さんが挨拶。橋本さんは――
二〇一二年七月六日からはじまったこの行動は、今日で四百五十回目を迎えました。本日の参加は三十五人で、これまでの行動参加者は、延べ二万一千六百五十五人。大阪地裁での大飯原発設置許可取り消しの判決を認めないということは、科学的な対応を無視した安全神話をまた繰り返すことになります。関西電力は老朽原発の再稼働を進めようとしていますが、地元同意の条件でもある核のゴミの行き場も決められない状況で、原発マネー不正還流もいまだに決着がついていません。どこの面からみても八方ふさがりなのが、原発に依存する関西電力の現状ではないでしょうか。この行動に参加する様々な人と知恵と力を寄せ合って、更に広げていけるようにしていきたいと思います。来月三月十一日で東京電力福島第一原発の事故から十年です。同じように私たち一人ひとりの声は、関西電力や政治が向き合うべき当事者の声です。原発のない社会となるよう、引き続き行動していきましょう
――と訴え閉会しました。
(兵庫民報2021年2月21日付)
兵庫県憲法共同センター総会:地域から、分野から共同広げよう:「5・3憲法集会」は東遊園地に2千人とネット配信で
兵庫県憲法共同センターは二月六日、総会を神戸市内で開きました。コロナ禍のなか短時間で行い、兵庫県革新懇と共催の全県地域と分野の交流会議は延期しました。
津川知久代表が、「秋までに総選挙の実施の今年はアベスガ政治にピリオドを打てるチャンスの年。『いのちとくらしを守れ』は、もはや待ったなし。アベスガ政治が壊したものを再建し、コロナ危機が求める新しい社会の転換を」と情勢と活動方向を提起。①政治的・道義的頽廃きわまった菅自公政治②明文改憲の露払い、国民投票法改定へのこだわり変えず③壊憲ストップ!憲法いかしていのちと生活守ろう!④わたしたちの取り組みの基本方向の柱で、市民と野党の共闘で政治は変えられる、改憲を許さず憲法を生かす政治を求め、大いに工夫して地域から分野から共同を広げようと訴えました。
和田邦夫事務局長が取り組みの経過と当面の方向を提案し、田中邦夫さんが会計報告しました。
討議・交流を受けて、津川代表がまとめの挨拶。「コロナで絶対に矛盾がある。感染防止に接触を断つ必要がある。一方でコロナ対策求め、スガ政治を終わらせるには交流と働きかけが必要。菅政治の批判に終わらず、〝こういう風に政治を変えられる〟と探求しながら希望を語れる到達つくってきた。大いに語っていこう」と呼びかけました。
*
戦争法反対以来、兵庫県での共同の集会としてとりくんできた「戦争させない!憲法こわすな兵庫県総がかり行動実行委員会」の「5・3憲法集会」についても報告されました。
▽五月三日、会場は神戸東遊園地。集会は密にならないよう二千人規模。ネット配信も行うハイブリッド方式で開催。▽メインスピーカーは学術会議会員任命を拒否された芦名定道京都大学教授(キリスト教学)。▽開催へ向け五月三日付新聞への意見広告運動に取り組む。個人千円団体五千円(集会賛同金含む)で四月十七日締め切り。振込用紙付きチラシを作成して募集します。
(兵庫民報2021年2月21日付)
民主主義の日本めざして――「川崎・三菱大争議」100年:第七回「日本全国の労働者と資本家の争議」
田中隆夫(治安維持法国賠同盟兵庫県副会長)
一九二一年(大正十年)の川崎・三菱大争議の記録映像は、戦争終了まで官憲には極秘に大原社会問題研究所の井戸の中に隠されていた。一九五八年に再編集された映像が今、二十二分の『灯をともした人々』DVDに収録され、七月十日の数万人のデモの実際の映像も見ることができる。
暴力を伴う直接行動のサンディカリズムを排し、整然と続く労働者の大行進、市民の応援、新聞社の窓からのデモ隊へのビラ配布、神戸駅に到着する大規模な関西からの支援の群れ、同じ神戸でデモを経験する私たちには考えられない数万規模の参加者、見る人は感動し、心を奮い立たせる。
現憲法二十八条にある団結権、団体交渉権等やストライキ権は、一九〇〇年施行の治安警察法十七条では、仲間を労働組合に誘うことも含め、犯罪として処罰。その法律の下で、ゼネストに近い圧倒的な労働者の参加と市民の支援が行われた。
デモの指導者賀川豊彦の理論とサンディカリズムとは、資本主義を打破し、新しく築く社会の在り方では、同じ労働組合主義として多くの類似点があった。決定的違いは、その実現の手段を非暴力で行う点であった。また、争議の主導権を握った川崎・三菱造船所の組合は、日本で最も近代的労働者集団となり、暴力的直接行動ではなく、要求を基礎にし、二年前川崎ではサボタージュ闘争、三菱で四年前と二年前に組織的争議を経験していた。
大争議の最大の特徴は、二造船所労働者が友愛会神戸連合会を中軸に全神戸の未加盟労組、未組織も含め単一の大争議団を組織、非暴力で統制ある行動が展開されたことにある。個別経営の枠を越えた労資の階級対階級の闘いであり、日本で初めて労働者が階級として表に現れてきた争議であった。
歴史家落合重信は『増訂 神戸の歴史 通史編』でこう記した。
「惨敗したとはいえこのことはまた、労働者の階級的な力量と団結の力を誇示しながら資本家の政策に変更を迫る行為を堂々と展開、労働組合の成長ぶりを示したものであった。したがって一〇年争議はまさに『日本全国の労働者と資本家の争議』であった」
約千三百名解雇、約百名収監となったが、彼らは、関西圏で再就職は官憲の妨害にあい、全国の新たな地で労働運動や、地元に帰り新たな農民運動の担い手等になった。
国会での新動向
国会でも変化は起きた。野党憲政会党首加藤高明は、争議の最中七月、「議会の欠陥は、無産階級の代表がいないこと、議会で二極対抗で調和をはかるべし」と比例代表制の普通選挙を主張。社会権に基礎を置く社会政策により、労働者階級の体制内化を経済的に達成し、社会民主主義政党を育成すると考え、野党国民党と協同、普通選挙法立案に踏み切った。
神戸選出の野田文一郎は争議団に接触、二十日には「今回の争議は産業衰退が原因の失業問題で労働者が不安を感じた結果、団結権を要求した立法に関する争議」と報告し、立法対応を説いた。神戸選出小寺兼吉は、党神戸支部の決議「労働争議は、労働組合法案、疾病保険法案の通過で根本解決を。」と「姫路師団出兵反対声明」を紹介。神戸へ調査団を派遣し、三十日「産業衰退、貿易不振、失業続出、生活の脅威甚だしく、制度の欠陥とあいまって労資の争議を誘発し、労働問題への理解と方針のない政府の責任を問う決議」を党として採択。対して政友会・原敬内閣は、終始争議抑圧の対応であった。
憲政会は、争議終結後「争議の帰結点は①資本家は速やかに団体交渉権を認めよ②工場管理委員制度を樹立せよ③利益配分の制度をつくること、根本解決には立法措置を。」と社会政策の再検討を開始。一九二二年議会に、普選と共に、労働組合法案、失業保険法案、職業紹介所法改正案、疾病保険法案、工場法・鉱業法改正案の提出をする。
写真:示威行動は水泳大会など様々な形で行われた(『労働争議示威行動 写真絵葉書』川崎三菱大争議五十周年記念実行委員会、一九七一年復刻)
(兵庫民報2021年2月21日付)
暴力を伴う直接行動のサンディカリズムを排し、整然と続く労働者の大行進、市民の応援、新聞社の窓からのデモ隊へのビラ配布、神戸駅に到着する大規模な関西からの支援の群れ、同じ神戸でデモを経験する私たちには考えられない数万規模の参加者、見る人は感動し、心を奮い立たせる。
現憲法二十八条にある団結権、団体交渉権等やストライキ権は、一九〇〇年施行の治安警察法十七条では、仲間を労働組合に誘うことも含め、犯罪として処罰。その法律の下で、ゼネストに近い圧倒的な労働者の参加と市民の支援が行われた。
デモの指導者賀川豊彦の理論とサンディカリズムとは、資本主義を打破し、新しく築く社会の在り方では、同じ労働組合主義として多くの類似点があった。決定的違いは、その実現の手段を非暴力で行う点であった。また、争議の主導権を握った川崎・三菱造船所の組合は、日本で最も近代的労働者集団となり、暴力的直接行動ではなく、要求を基礎にし、二年前川崎ではサボタージュ闘争、三菱で四年前と二年前に組織的争議を経験していた。
大争議の最大の特徴は、二造船所労働者が友愛会神戸連合会を中軸に全神戸の未加盟労組、未組織も含め単一の大争議団を組織、非暴力で統制ある行動が展開されたことにある。個別経営の枠を越えた労資の階級対階級の闘いであり、日本で初めて労働者が階級として表に現れてきた争議であった。
歴史家落合重信は『増訂 神戸の歴史 通史編』でこう記した。
「惨敗したとはいえこのことはまた、労働者の階級的な力量と団結の力を誇示しながら資本家の政策に変更を迫る行為を堂々と展開、労働組合の成長ぶりを示したものであった。したがって一〇年争議はまさに『日本全国の労働者と資本家の争議』であった」
約千三百名解雇、約百名収監となったが、彼らは、関西圏で再就職は官憲の妨害にあい、全国の新たな地で労働運動や、地元に帰り新たな農民運動の担い手等になった。
国会での新動向
国会でも変化は起きた。野党憲政会党首加藤高明は、争議の最中七月、「議会の欠陥は、無産階級の代表がいないこと、議会で二極対抗で調和をはかるべし」と比例代表制の普通選挙を主張。社会権に基礎を置く社会政策により、労働者階級の体制内化を経済的に達成し、社会民主主義政党を育成すると考え、野党国民党と協同、普通選挙法立案に踏み切った。
神戸選出の野田文一郎は争議団に接触、二十日には「今回の争議は産業衰退が原因の失業問題で労働者が不安を感じた結果、団結権を要求した立法に関する争議」と報告し、立法対応を説いた。神戸選出小寺兼吉は、党神戸支部の決議「労働争議は、労働組合法案、疾病保険法案の通過で根本解決を。」と「姫路師団出兵反対声明」を紹介。神戸へ調査団を派遣し、三十日「産業衰退、貿易不振、失業続出、生活の脅威甚だしく、制度の欠陥とあいまって労資の争議を誘発し、労働問題への理解と方針のない政府の責任を問う決議」を党として採択。対して政友会・原敬内閣は、終始争議抑圧の対応であった。
憲政会は、争議終結後「争議の帰結点は①資本家は速やかに団体交渉権を認めよ②工場管理委員制度を樹立せよ③利益配分の制度をつくること、根本解決には立法措置を。」と社会政策の再検討を開始。一九二二年議会に、普選と共に、労働組合法案、失業保険法案、職業紹介所法改正案、疾病保険法案、工場法・鉱業法改正案の提出をする。
写真:示威行動は水泳大会など様々な形で行われた(『労働争議示威行動 写真絵葉書』川崎三菱大争議五十周年記念実行委員会、一九七一年復刻)
(兵庫民報2021年2月21日付)
ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:被爆者援護施策でも「法律解釈を勝手に変える」のか?
副島圀義
二月五日、大阪地裁でのSさんの事件の弁論。
「原爆症と認定された病気自体の治療が終わっても、その後遺症治療が続いている」ケースでの手当支給について、裁判所は国に「いままでの運用はどんなものだったか?」と、資料提出を求めていました。
その資料(一九九四年の事務連絡)がギリギリ一週間前に出されたのです。
そこには「治療内容が適切であれば医療特別手当は継続可」とある、というのですから、下咽頭がん切除に伴う嚥下障害や甲状腺機能低下症で闘病を続けている被爆者に対する手当打ち切りの不当性が「国の基準に照らしても」明らかになったということでしょう。
裁判長が双方に「この事務連絡を前提として争点を鮮明にしたらいいのか?」と尋ねたのはなかなか興味深い場面でした。
◇
しかし国側はなお、①嚥下障害や甲状腺機能低下症が、下咽頭がん切除に伴う後遺症であるかどうか?、②原告が受けている嚥下障害や甲状腺機能低下症についての治療が「要医療性の範ちゅう」にあたるのかどうか? を争う姿勢の様子でした。
これらは単に「往生際が悪い」ということではないようで、前回(昨年十一月十三日)のレポートにも書いたように、国は原爆症認定後の「更新手続き」自体の「見直し」を近々やろうとしているそうです。
藤原弁護団長が「従来の取り扱いを勝手に変えて国民を苦しめる」と批判していました。
いまの政府にとって「法律の解釈を勝手に変えてしまう」のは、「しょっちゅうやっている」ことかもしれませんが、被爆者援護施策でも……なのでしょうか?
(兵庫民報2021年2月21日付)
「原爆症と認定された病気自体の治療が終わっても、その後遺症治療が続いている」ケースでの手当支給について、裁判所は国に「いままでの運用はどんなものだったか?」と、資料提出を求めていました。
その資料(一九九四年の事務連絡)がギリギリ一週間前に出されたのです。
そこには「治療内容が適切であれば医療特別手当は継続可」とある、というのですから、下咽頭がん切除に伴う嚥下障害や甲状腺機能低下症で闘病を続けている被爆者に対する手当打ち切りの不当性が「国の基準に照らしても」明らかになったということでしょう。
裁判長が双方に「この事務連絡を前提として争点を鮮明にしたらいいのか?」と尋ねたのはなかなか興味深い場面でした。
◇
しかし国側はなお、①嚥下障害や甲状腺機能低下症が、下咽頭がん切除に伴う後遺症であるかどうか?、②原告が受けている嚥下障害や甲状腺機能低下症についての治療が「要医療性の範ちゅう」にあたるのかどうか? を争う姿勢の様子でした。
これらは単に「往生際が悪い」ということではないようで、前回(昨年十一月十三日)のレポートにも書いたように、国は原爆症認定後の「更新手続き」自体の「見直し」を近々やろうとしているそうです。
藤原弁護団長が「従来の取り扱いを勝手に変えて国民を苦しめる」と批判していました。
いまの政府にとって「法律の解釈を勝手に変えてしまう」のは、「しょっちゅうやっている」ことかもしれませんが、被爆者援護施策でも……なのでしょうか?
(兵庫民報2021年2月21日付)
かしば優美さん市長選に:「困った人にやさしい伊丹市へ」
伊丹市長選挙は四月四日告示・十一日投票で行われます。
日本共産党阪神北地区委員会は、市議として七期にわたり市政をただし、市民の要求を市政に届けてきた前伊丹市議の、かしば優美さん(69)を公認候補として擁立することを二月十五日に発表しました。
かしばさんは、自己責任を押しつける菅政権を批判して「困った人にやさしい」伊丹市政、市民が主人公の市政へ転換する決意を表明しています。
喫緊の課題として、コロナ危機から市民の命とくらしを守り、地域経済をたてなおすために、積極的なPCR検査の拡充や医療・介護施設などへの社会的検査、中小企業・業者支援を行うことを強調しています。
さらに、▽子どもの医療費無料化を所得制限なしに中学三年生まで拡充▽近畿中央病院跡地に医療機関を誘致し、病床数を減らさない▽老朽化市営住宅早期建て替え▽市バス七十歳以上無料パス継続――など市独自施策に取り組みたいとしています。
*
かしば優美さん略歴 京都府綾部市生まれ。鳥取大学卒。灘神戸生協(現コープこうべ)などに勤務。九一年から伊丹市議七期。現在、党阪神北地区常任委員。
(兵庫民報2021年2月21日付)
大門みきし「ホワイトリボン」連載エッセイ59
二月十日、森喜朗氏の女性蔑視発言に抗議するため、野党議員は白い服や白バラを身に着けて本会議にのぞみました。白は女性参政権運動以来、ジェンダー平等のシンボルカラーです。私はバラではなく、白いハンカチをリボンのような形にして胸ポケットに差し込み議場に入りました。ところがリボンには見えなかったのか、「大門さん、ぐにゃぐにゃですよ。直してあげましょうか」と他党の女性議員に笑われてしまいました。
四年前、渋谷の小さな映画館でカナダ映画『静かなる叫び』を観ました。一九八九年にモントリオール理工科大学で実際に起きた女子学生射殺事件を題材にした映画です。犯人の男子学生は、自分の人生がうまくいかない理由は女性の社会進出にあると思い込み、女子学生を十四人も殺害したあと自殺しました。女性蔑視と暴力の深刻さを示す衝撃の事件でした。
「自分たち男性には女性への暴力に反対の声を上げる責任がある」―この事件をきっかけに男性が主体となった女性差別反対のホワイトリボン運動がカナダから始まり、世界に広がりました。ホワイトリボンには男性の自分自身への問いかけが込められているのです。
事件で重傷を負った機械工学専攻の女子学生バレリーは回復して念願の航空会社の設計士になります。彼女は後遺症に苦しみながらも結婚、妊娠し、映画のラストシーンでこう語ります。「男の子が生まれたら愛を教えます。女の子なら世界にはばたけと教えます」。
(日本共産党参院議員)
(兵庫民報2021年2月21日付)
ジェンダーわたしの視点「家庭内のミクロな成功」Team ANCHOR(青年革新懇)槇原友紀
ジェンダー平等の階段に座っていた夫が、自分で階段を上がるようになった話をします。
わたしの父は夜勤もある仕事をしながら、労組に新聞を配達し、定年後も八十歳前まで立ち仕事。母はパート勤務しつつ、家事と三人の子育て全般をしました。食糧難を経験した父は食べ物と作り手への感謝の気持ちを口にし、買い出し同伴、重い荷物運び、ゴミ出しや燃料と車の管理などをしていました。たまに適当な煮物を作ってくれたり、朝市でおこわや漬物を買ってきてくれたり。
わたしにとって上司でもある夫は、在日コリアン長男で家事・育児はほぼわたしにまかせきり。わたしが市民運動や資格試験で疲れ、「手伝って」と言ったり省略すると、コロナ禍によるストレスもあってか深酒暴言、破壊行為に発展しました。途方に暮れ活動を削り、家事・育児はもう期待しないと伝えたところ、夫はしばらくして一念発起。収納を工夫し、朝の家事を手伝い、休日には五歳の娘と手作りお菓子に習慣的に取り組むまでに。家事の効率を上げたい、お金をかけずに娘と共通の時間を持ちたいという願望も叶えました。悪い習慣は減り、掃除や皿洗い、買い出しの手伝い、豆を挽いてコーヒーを淹れたりと分担を増やしています。予想外で本当に嬉しかったです。
互いに譲歩して共通の目標、それぞれの理想を念頭に補完して改善し、負担を減らしていくやり方で進むことができました。しかし、一時的でもパワハラ言動はすべきでないですね。
社会では相手の行動を非言語で意図せずも拘束してしまうことが自他共にあることが気になりますが、目的と意思を明確にして、満足できるその場の定型をみんなで探るといいと思います。
夫が家事・育児の負担を少しでも受け持ってくれるのなら、自分も夫の心労を減らすべく仕事や学習に集中する時間を少しでも増やし、社会変革によって差別と格差をなくしてハードルを下げる方法で、少しでも負担減を進めていきたいです。家族内のミクロな成功で希望が見えたところです。
(兵庫民報2021年2月21日付)
こんにちは♡こむら潤です!12「みんながやりたくなる政治へ」
私には子どもが三人います。子どもたちは乳児期から保育園にお世話になりました。両親や祖父母にも子育てを支えてもらえたのは有難いことです。
私自身が、おばあちゃんっ子で育ったこと、母方の八百屋がある市場で「市場の子」として育ったことから、我が子にも親と子だけの人間関係でなく、できるだけたくさんの人と関わって大きくなってほしいと思ってきました。また、私が両親のライフワークであるアマチュア人形劇活動に連れられて行ったように、私のバリ舞踊の活動にも、できるだけ子どもを一緒に連れていきました。
保育園で保護者仲間のNさんに勧められ父母の会に入って以来、保育園、小学校、中学校で、保護者会の執行部や会長職の活動を続けてきました。
私は、我が子のため、教育のためというよりも、私自身が親として「やりたいこと」や「やるべきこと」を続けてきました。自身が楽しくないことはしない質。小学校のPTA活動では、『親の活動=オヤ活』とネーミングし、「お互い様」の支え合いで負担を感じず、楽しく積極的にみんながやりたくなる活動を心掛けてきました。小学校のPTA会長を卒業する年、「執行部に入りたい」という人が名乗り出てきたときは、それまでの活動が認められた思いがしました。
子育ては親育て。子も親も笑顔になれることが大事。それは「政治」も同じではないでしょうか。国や一部の政治家だけじゃなく、国民みんなが心から笑顔になれる政治に変えましょう。
(衆院近畿比例・兵庫8区予定候補)
(兵庫民報2021年2月21日付)
観感楽学
米軍のコロナ感染が問題になっている。昨年三月、米原子力空母内で千二百四十八人に感染が拡大。感染者の移送先に米軍が沖縄県と神奈川県の米軍基地を検討していた。最終的に米領グアムで下船したが日本移送案を日本政府や沖縄県などと事前協議した形跡はない▼他国の領土に感染者を運び入れる計画を検討することは日本の主権に関わる大問題。在日米軍には五百人以上の感染者がでている。日米地位協定によって米軍が出入国管理の手続き、検疫を免除され、基地を自由に使用できる「排他的管理権」も与えられていることが根底にある▼昨年九月末、陸上自衛隊で三十二人の感染者が出る初めてのクラスターが発生した。全国から百九十人が集められた教育訓練中、「宴会禁止」通達に違反。四十四人が貸し切りバスで酒類含むバーベキューパーティ。感染者が出た直後に各地に帰還したため十五都道府県二十八駐屯地で発生。隔離対象者は教官らを含め全国で約千人にも▼自衛隊内でのコロナ感染は全国で七百八十六人(一月十九日現在)。兵庫県でも五駐屯地で四十一人。感染経路・原因、原因に応じた感染防止策、感染者の行動履歴、濃厚接触者の特定など必要な措置は当然行われているだろうが、日常は見えづらい軍事組織の出来事にも注視したい。(K)
(兵庫民報2021年2月21日付)
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