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2021年2月14日日曜日

個人の尊厳とジェンダーを学ぶ:難しいと思っていたけど楽しかった:日本共産党神戸西地区委員会が学習会


日本共産党神戸西地区委員会は二月七日、「個人の尊厳とジェンダーを学ぶ」オンライン学習会を神戸市内で開催、二十三人が参加しました。講師のあかたちかこさん(京都精華大学非常勤講師・思春期アドバイザー)(写真2枚目右)は京都の自宅からリモートで講演を行いました。

あかたちかこさんの講演


あかたさんは、
――東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言は大問題。国内外から非難され、世界に日本がどれだけ遅れた国かを示した。
ジェンダーとは社会が作り出した性差のことで生きづらさの原因。女や男でなく誰もが楽に生きやすい、しんどくない社会がジエンダー平等社会。未だ世界で達成した国はなく、日本共産党は党大会でそれを実現しようと決意した。これはすごい事です。
私は家でポテトチップス食べてテレビを見ていたい。楽やもん。でも、しんどくない社会に変えたいから、ジェンダーについて語り、日本共産党の応援にも出かける。みんなで楽しく生きられる社会を目指しませんか。生きづらい世の中変えましょうよ!――
と熱く語りました。

会場の参加者からも活発に質問

会場の参加者からは、「男女平等からジェンダー平等へとなぜ発展したのか」「党内にジェンダー平等の認識を深めるには」「男性の生きづらさ、特に若い世代の実態は」「フランスのパリテ法のようにしないと変わらないのでは」「ロスジェネ世代の息子へ何と励ましの声をかければ良いか」「オリンピックの開催についてどう思うか」「世界中で夫婦同姓を強制されているのは日本だけだが、どうしてか」「神戸市教育委員会のLGBTに対する考え方が遅れている背景は?」とたくさん質問が出され、あかたさんは一つひとつ丁寧に答えました。

赤田かつのりさんのエピソード

講演に先立ち、赤田かつのりさん(神戸西地区ジェンダー平等委員会責任者・衆議院兵庫三区予定候補)(写真1枚目)が主催者を代表して挨拶。「幼いころ、名前の〝赤〟というのが〝女色〟だからと、よくからかわれた」とエピソードを紹介しました。 


地区ジェンダー平等委員会で議論を重ね初めてのリモート開催にも挑戦

日本共産党神戸西地区委員会は、昨年八月にジェンダー平等委員会を部員六人で発足させました。
十一月の会議では、党内外での学習、他団体との交流を重視することを確認し、月刊「学習」二〇二〇年四月号に掲載された志位和夫委員長の講義「ジェンダー平等社会の実現を・綱領一部改定について」学習しました。問題意識を出し合う中で、ジェンダーが身近に感じられる学習会をと、あかたちかこさんを講師に呼ぶことを計画しました。
あかたさんには快く引き受けていただきましたが、緊急事態宣言が発令され、中止の選択肢がある中、あかたさんからの提案で、リモートで開催することになりました。
西地区委員会として初めてのリモート学習会、さらにスマホやYouTubeでライブ配信をと準備を重ね、チラシも日曜版、日刊紙に折り込みお知らせしました。当日、トラブルでライブ配信ができず、予定して時間をとっておられた方々に申し訳ない結果となりましたが、翌八日から録画をYouTubeで配信しています。
少年院で「性教育」を、大学では「ジェンダー論」を教えている、あかたさんならではの分かりやすい語り口に、参加者からは「難しいと思っていたジェンダーについて楽しく学習できた」「もう、資本主義はこれ以上無理やで! 数時間働いたら好きなことのできる社会にしたい」「生活の隅々にジェンダー平等を浸透させる努力を続けたい」と感想が寄せられました。
新入党員の七十四歳の男性は、「今まで男尊女卑の時代を生きてきました。ジェンダーの学習会は初めてです。私の質問に真正面から答えていただき感謝です。これからも勉強していきます。総選挙がんばりましょう!」と笑顔で会場を後にしました。
〔冨士谷香恵子=日本共産党神戸西地区委員会ジェンダー平等委員会(写真2枚目左)〕 

この学習会の録画はYouTubeで公開されています。
https://youtu.be/AxXVEuVYvbU
YouTube>日本共産党神戸西地区委員会>「個人の尊厳とジェンダーを学ぶ」オンライン学習会

(兵庫民報2021年2月14日付)

連載「東奔西走」:「ジェンダー平等社会へ私も学び行動する決意」日本共産党前衆院議員 宮本たけし


東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などという女性蔑視発言を行ったことが大問題となっています。
森氏は発言を撤回する一方で辞任は拒否。釈明の記者会見でも謝罪とは程遠く、開き直りに終始しました。記者に向かって「面白おかしくしたいから聞いているんだろう」などと逆ギレする場面も繰り返され、それが世論の怒りの火に油を注いでいます。
そもそも「オリンピック憲章」は人種、性別、性的指向などによる差別を固く禁じています。また二〇一四年十二月にモナコで行われた第百二十七次IOC総会において採択された20+20の改革案「オリンピック・アジェンダ2020」は、その十一項目目に「男女平等を推進する」ことを掲げています。
森氏に五輪組織委員会の会長をつとめる資格はありません。
この問題をめぐっては、あまりの非常識に世界から強い怒りと批判の声が沸き起こりました。また、日本でもSNS上で「#森喜朗氏は引退してください」「#わきまえない女」などのハッシュタグをつけて、多くの人々が機敏に声をあげ、ネット署名は瞬く間に十万筆を突破しました。ここには社会の力強い進歩も示されています。
日本共産党は綱領に「ジェンダー平等社会をつくる」ことを掲げた政党です。日本がジェンダーギャップ指数で百二十一位などというジェンダー平等後進国を抜け出すために、私もともに学び、行動する決意です。

(兵庫民報2021年2月14日付)

ジェンダーわたしの視点「『男らしさ』から解放することにも」日本共産党兵庫県委員会書記長 村上亮三


日本共産党は、改定綱領に「ジェンダー平等社会をつくる」と明記するとともに、「党自身がジェンダー平等を実践」すると自己改革をよびかけた。
すでに四十五年も前のことであるが、私が働いていた民間企業では、女性は結婚すれば退職するのは当たり前で、当時の私は、ジェンダーのシャワーをたっぷりと浴びていた。驚くべきことに、事実上の買春を目的とした忘年会を行っている運動部があり、そのことは企業内の誰もが知るところであった。私がそのことを、はっきりと批判的見地でとらえるようになったのは、日本共産党に入党してからであった。当時、民青の仲間であった友人から、十八歳の知的障害をもつ女性が、売春を強要され自ら命を絶つに至った実話を歌った、中島光一さんの「十八才」という歌を教えられたことが、大きなきっかけになった。
一昨年、神戸市の東遊園地で行われたフラワーデモに数回参加した。そこで私は、性暴力の被害当時者の話に、大きな衝撃を覚えた。加害者の圧倒的多数は男性である。被害者の心の傷の深さは、想像を超えるものであった。加害男性がなぜ性暴力に及んだのか、そこには、被害女性を対等な個人としてではなく、支配する相手とみる強い差別の感情があることを教えられた。
フラワーデモのスピーチで、ある女性の方が、アニメ「ドラえもん」で、しずかちゃんが入浴しているところを見てのび太が喜ぶシーンについて、小学生の女の子にとって、深い心の傷になる経験を笑いのネタにしていると批判された。瞬間「えっ?」ととまどい、性暴力による心の傷を理解できていなかった自分に気づくのには、しばらく時間を要した。
ジェンダーによるゆがんだ人権意識は、私にとっても無縁ではないことを痛感する。自己改革には、先駆的な運動や当事者の声から学ぶ姿勢が求められる。同時にその努力は、私を縛ってきた「男らしさ」から私を解放する。一人ひとりの自己改革によってエンパワーメントされ、個性と多様性が輝く日本共産党に成長して、野党連合政権を担いたい。

(兵庫民報2021年2月14日付)

明石後援会が総会と記念講演:コロナに負けず総選挙勝利へ


日本共産党明石後援会は二月六日、「総会と記念講演」を緊急事態宣言のなか開催し、三密をさけ定員の半分以下の七十人の参加でした。明石後援会恒例のミニ・バザーや腹話術のアトラクションは中止しました。
第一部の総会は門脇潤二郎会長の挨拶を皮切りに、こむら潤衆院近畿比例・兵庫八区予定候補(写真右)が姫路での街頭宣伝を終えて駆けつけ、福原ゆかり九区予定候補(左)、明石市党を代表して伊藤和貴東播地区常任委員から力強い挨拶、辻本たつや・くすもと美紀両明石市議が市政報告をしました。
事務局から経過報告と活動方針などの提案がされ、豊富な取り組みをしている衣川後援会と魚住後援会から活動報告がありました。
討論では「行動の核となる市議候補を早く決めて欲しい」と要望が出され、事務局から「明石後援会としても四人の市議団をつくるため党市委員会に要望を伝えていきます」と答弁。
方針では秋までには必ずある総選挙に勝利し、政権交代を実現するため、単位後援会への支援、後援会員拡大、より充実した後援会ニュースの発行など取り組みを今から進めることを決定しました。
第二部の記念講演は、医療現場の第一線で奮闘している遠山治彦東神戸病院長が「コロナが明らかにしたもの、コロナにどう向き合う?」を豊富な資料に基づいて縦横に語りました。
参加者からは「すごく勉強になった」「もっと聞きたかった」と好評でした。新型コロナを知り、コロナに負けないために何をすべきか学ぶことができました。
〔村井孝寿=明石後援会事務局次長〕

(兵庫民報2021年2月14日付)

労働者後援会が総会・学習会:野党共闘勝利で希望ある未来ひらこう


日本共産党兵庫県労働者後援会は二月三日、神戸市内で総会・学習会を開きました。
学習・講演は、宮本たけし前衆議院議員・衆院比例予定候補。宮本さんは、「何としてもこのコロナで無策、暮らし破壊の自公政権を倒し、野党共闘で勝利しなければいけない。今の政治を転換し希望ある未来をひらく、そのために五つの柱で野党連合政権の政策のたたき台となる提案も出した。共産党が躍進するために党を大きくさせて欲しい」と訴えました。
医療現場から柳筋薬局の長浜悠さんが報告。「私のところは小規模の薬局だが、コロナで通院患者が減って収入減になった。パートタイマーにも心苦しいが時間短縮お願いした。しかし、他病院患者の投薬もしており、届ける人員は必要だし、薬も抱えて経営は大変なことになっている。他病院の応援に行ったが、コロナで病床がなくなり入院が必要な急患を断っていた実態もあった」と報告し、選挙で変えようと訴えました。
参加者らは最後に、飛沫を防ぎつつ小さな声の「団結ガンバロー!」と意志を固め合い、閉会しました。

(兵庫民報2021年2月14日付)

民主主義の日本めざして――「川崎・三菱大争議」100年:第六回 一九二一年夏:川崎・三菱大争議――戦前空前の四十五日間(続き)

田中隆夫(治安維持法国賠同盟兵庫県副会長)


前号からの続き)
七月十日大デモ行進(写真)の成功、全市がゼネスト前夜の様相となる中、川崎争議団は工場管理宣言を行った。
「工場委員制外七カ条要求への未回答が続いた。私たちの根本動議には日本産業の転覆させる気はない。私たちの人格を認め、その日の暮らしを少しでも楽にしてもらうのが目的。罷業を継続すると、いたずらに日本産業を委縮させ社会的不安を醸すので、要求貫徹まで各部署につき工場の仕事をみんなで管理し工事を進める」旨の宣言をだす。
これを契機に、権力からの弾圧が開始された。

(二)会社からの切り崩し、軍隊・官憲からの弾圧 (続き)

七月十三日 県知事が、姫路師団へ派兵要請し、一個大隊出動。舞鶴陸戦隊から二百名、憲兵六十名が神戸に駐留する。警察は、十四日以降示威運動・労働歌高唱の禁止、指導者の検挙、争議団への家宅捜査など徹底干渉を開始した。
七月十七日 友愛会委員を百二十五名馘首。
七月二十一日 三菱では、百十四名解雇・無期停職、争議団中堅幹部を解雇する。
七月二十五日 川崎・三菱両会社は工場を再開し、争議団は罷業宣言で対応。
休業中の日給半額手当支給を、三菱では二十二日以降、川崎では二十五日以降、不支給にする。警察は、争議団による職工入場阻止行動を排除し、二十七日には、工場付近は「ほとんど会社占領地帯の観あり」という状態で、入場職工が増加していく。

(三)「神社参拝」での示威運動と大弾圧

無抵抗の抵抗を貫いてきた争議団幹部のなかに、一挙に事を決するために決定的行動を起こすべきとの主張が生まれる。
七月二十八日 川崎争議団幹部会は、万策尽きた今「天地神明に祈願する外に途がない」として、参拝名目に一万余の川崎争議団は、長田神社に集合。続いて湊川神社へ行進、示威行進禁止の裏をかき大いに気勢をあげた。
七月二十九日 生田神社より七宮神社に参拝する行進を開始。川崎造船所正門前に通じる新開地通りで警官隊と衝突となり、乱闘中川崎職工常峰俊一が警官の抜剣により刺殺され、多くの労働者が重軽傷に至る。三菱争議団も長田神社より和田宮神社をへて湊川神社に行進するが、警察隊と衝突二十三名の職工が負傷。
七月三十日 大弾圧の開始。警官百数十名が川崎争議団本部を包囲し、幹部を一斉検挙。続いて、友愛会神戸連合会本部、三菱争議団と合計して、賀川豊彦以下幹部三百名余を検束する。

(四)収束・調停から「最終宣言」へ

七月三十一日 総検束の報を受け、東京の友愛会鈴木文治会長ら幹部が、神戸に到着。「この争議は日本全国の労働者と資本家の争議である。この争議を早く納めるために、友愛会は本部を神戸に移す。警官との衝突は避けねばならない」として神戸連合会事務所に争議団連合総本部をおく。
八月一日 争議団本部を再構築をするとともに、演説会、檄文配布、戸別訪問、行商隊など持久戦として、従来の方針を進める。夜開催した演説会でも満杯で入りきれない聴衆に、鈴木は二階の窓から乗り出して演説をする盛況であった。
しかし、効果となる戦術をすべて封じられたため、争議を勝利に導くより早い解決が求められ、鈴木の調停により、知事や市長も静観から斡旋へ動いた。
八月五日 兵庫県知事の調停案は、①工場委員制度採用②団体加入の認容③一般工場並みの解雇手当制度。これに対して労資共に不満。
八月七日 神戸市長の調停案は、①労働組合加入の自由②なるべく早く工場委員制度を採用する③適当な時期に八時間労働制を実施する④解雇・退職手当は一般並みにする、であった。
八月八日 川崎争議団は「骨抜きになった第三者の調停案に応じるよりは、無条件で就業し社長の帰国を待つ」とし、三菱争議団は「争議団の案が入れられなければ、調停を謝絶し無条件に就業する。さらに機会を持つ。」とした。
八月十二日 両争議団は最終宣言を発した。
「吾等ハ武運拙ナク遂ニ惨敗シタ。四旬ニ亘ル力戦奮闘ニ(中略)、今吾等ガ胸底ニ痛マシク烙印サレタモノハ資本家ノ暴虐ト官憲ノ圧制デアル、吾等ノ血脈ニ男子ノ熱血ガ漲ル以上何ウシテ此ノ怨ミガ忘レラレヤウ、吾等ハ益々社会改造ノ戦志ヲ強メタ、吾等ハ今後更ニ団結ノ偉力ヲ養フ必要ヲ痛感ス、真理ハ最後ニ於テ必ズ捷ツ、我等ハ悲愴ナル赤穂義士ノ覚悟ヲ以テ他日ノ勝利ヲ期スルノミデアル(中略)、敢テ宣言ス」(『兵庫県労働運動史』戦前編より孫引き) 

写真:七月十日 三万人の行進中、三菱造船所前のデモンストレーション(『労働争議示威行動 写真絵葉書』川崎三菱大争議五十周年記念実行委員会、一九七一年復刻)

(兵庫民報2021年2月14日付)

賃金アップしてこそ経済は回る:国民春闘ローカル・ビッグアクション


全労連・国民春闘共闘が呼びかけた国民春闘「ローカル・ビッグアクション」が二月七日、全国でとりくまれ、兵庫労連・春闘共闘は元町駅前で行いました。
はじめに成山太志兵庫労連議長が「春闘で賃金アップでこそ経済が回る。今年は衆議院選挙の年、暴走の自公政治にかわる野党共同の政治に転換して政治とくらしに希望を」と訴え。
続いて十一の産業別労組からコロナ禍のもとでの実態と問題点、賃上げ・労働条件の改善などの課題をリレートークで訴えました。
国家公務員、医療、福祉からは、「保健所数は最高時の半分。大阪では維新がさらに減らした」「諸外国に比べて日本は医師・看護師は少ない。パンデミックが起こっているのに感染症病床を減らした」と自民党政治がコロナ感染に弱い社会をつくったことを批判、国の責任で体制確保・労働条件の改善などを求めました。
教員からは、「コロナ前と変わらない学校で子どもたちは隙間のない教室でストレス。少人数学級と教員増を」と訴えました。
郵政や港湾、金属、通信産業からは「非正規労働者は正規と同じ仕事をこなしても待遇が余りに違う」「中小企業は人員が少なく感染者が出たら仕事が回らない」など、コロナのもとでの過酷な労働・非正規労働者の実態を報告し、賃上げ・労働条件の改善、正規化を求めました。受信労組からは、政府のためでなく国民のためのNHKをとの訴えがありました。
スピーチを耳にして「先生って残業代ないんか」と若者たちから驚きの声があがったり、「今の給料ではあかんわな」と、立ち止まって聞く人もいました。
姫路駅前では西播労連がとりくみました。 


(兵庫民報2021年2月14日付)

関西学院大で民青同盟が冨田副学長と懇談:コロナ禍のなか学生の要求を紹介


民青同盟兵庫県委員会は二月五日、関西学院大学の冨田宏治副学長(写真左)と懇談しました。上園隆県委員長(写真右)と同大学四回生の学生も同席しました。
民青が関学生を対象に三回取り組んできたフードバンク(食料配布)で集まった七十名の実態アンケートを手渡し、「アルバイトのシフトが減らされた」「収入がなくて生活が厳しい」「国の予算を入れて大学の学費全体を値下げしてほしい」「給付金をもう一度ほしい」などの声が多数寄せられていることを紹介、「大学の学費値下げは、学生も大学側も連帯して取り組むべきなので、ぜひ国に対して学費値下げをと迫っていきたい」と伝えました。
冨田副学長からは「私立大学で限られた財源を広く薄く配るより、本当に困っている学生に手厚い支援をしようと、卒業後年収四百万円に達するまで返済を猶予するヘックス型貸与奨学金という形にした。上限ギリギリまで利用している学生が多い。この他、無線ルーターや七百台近くのパソコンを貸し出している。一人五百枚まで無料で使えるネットプリントも用意した」と同大学の学生支援策について説明がありました。
同席した学生からは「国の給付金十万円では足らず、ヘックス型奨学金を借りられて助かった。それでも厳しかった。納期を伸ばしてもらったり分割してもらったりしてようやくだった」「今回二月のバイトも全て白紙になってしまった」と実態が伝えられました。
冨田副学長はさらに「コロナ禍でバイトが真っ先に切られるので学生が一番弱い立場にある。そうしたなかで貸与型奨学金では多額の借金を背負い、とても返せない。だからヘックス奨学金にした。また、国の学費減免の現行制度は欠陥制度で、国からの大学への補助金が実質カットになっている。受益者負担論を乗り越えて、大学での学びは社会の利益であるということをこのコロナ危機を契機に再構築しなければならない」と話しました。
民青の上園委員長が「アンケートからもシフトが減らされたという声が多い。自分が学生の時は関学の中でのバイトがたくさんあって、バイトの斡旋情報などもあった。そうした情報発信もしてほしい」と要望すると、冨田副学長は「確かに、本来大学というコミュニティの中で学生が働いてお金を得て、大学内の生活でお金がまわるという循環が本来あるべき姿。その視点は重要。学生にもラーニングアシスタントのバイトなどできることはある。重要な視点として、今後の支援に取り入れたい」と応じました。

(兵庫民報2021年2月14日付)

時短協力金申請書類渡し飲食店の実情を聞く:きだ県議と松本・西両神戸市議


日本共産党の、きだ結県議(写真中央)と松本のり子(右)・西ただす両神戸市議は地域支部とともに緊急事態宣言が出され時短営業している飲食店を訪問して、協力金申請書類一式を渡しています。
どの店でも「わざわざ有難う」と歓迎されています。「知り合いにも渡すからもう少し欲しい」と言われたり、「材料を仕入れている卸業者が廃業した。卸業者も厳しいので仕入れはほぼ今まで通り入れている」という居酒屋。昨年に開業したバーは「持続化給付金は対象外のため貯金をくずしていたがもう底をついている。協力金の申請から支給まで一カ月かかるのは死活問題。早く欲しい」。一昨年の十一月に開業した小料理屋は「ようやくお客がついたので休業できない。一人暮らしの方が晩御飯を食べに来てくれていたが外出自粛のため今は大幅減少。夜に営業していてもお客さんがゼロの日もあるけど、高齢者やサラリーマンの方が一人でも食べに来られた時に閉まっていたら申し訳ない」と時短しながら営業を続ける気持ちもお聞きしました。「テレワークや会社からも外に食べに行くなと言われてサラリーマンがランチにも来なくなった」「これ以上長引くと、もうだめかも。先が全く見えない」など厳しい状況を訴えられました。
また、「(夕方までの)喫茶店みたいな所は協力金もらえないから、(もらえる)うちは肩身が狭い」など、補償の対象が限定されていることにより、分断が起きています。
訪問した県議、市議からは、申請から支給までの期間短縮と飲食店に卸している業者の補償、国の制度も含めて緊急事態宣言に見合った補償の対象と支援額に引き上げること、さらに持続化給付金、家賃支援給付金の第二弾、消費税の減税や各種税の減免などに力を尽くす決意を伝えました。

(兵庫民報2021年2月14日付)

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(18)「憲法・障害者権利条約の理念をすべての障害のある人へ」兵庫障害者連絡協議会会長 柳田 洋

はじめに

突然の新型コロナウイルス禍は、今まで見えなかった社会の矛盾、見ようとしなかった弱点を浮き彫りにしました。日本の福祉制度や教育制度の脆弱さがあらわになり、障害のある人のいのちとくらしを直撃しています。日ごろから余裕をもって安心して暮らせる制度の充実が求められます。

1 人口減のもと、増え続ける障害者 ――県民14人に1人

二〇二〇年三月末現在、兵庫県内の身体・知的・精神等の障害者手帳所持者は三十四万四千三百四十九人。改正障害者基本法により障害者の範疇となった難病患者四万六百六十六人(二〇一九年三月末現在の指定難病受給者証所持者数)を加えると総計約三十八万五千人であり、県民約十四人に一人の割合で障害者が兵庫県で暮らしていることになります。県民の人口は減り続けていますが、精神障害を持つ人の増加は著しく、今後も障害者は増え続けると予想され、障害者問題は他人事ではありません。

2 県行革で連続改悪された重度障害者医療費助成制度

障害のある人は障害があるがゆえに、専門的な治療や訓練を生涯にわたって必要とし、日常的には病気にかかりやすく、疾病の発見の遅れで重症化することがあります。障害のある人の医療ニーズは極めて高く、専門的な治療を受けるために遠くの専門病院に行くことを余儀なくされるなど、交通費等の治療費以外の出費も無視できません。
しかし、井戸県政は「行財政改革」の名のもとに、二〇〇四年から連続的に改悪し、二〇一一年には「世帯構成員が相互に支えあう」として所得の判定単位を「同一世帯の最上位者」から家族責任を強化する「世帯合算」へと改悪しました。その結果、重度障害者十二万八千八百七十人のうち三万四千八百七十人(二七・一%)が助成対象外とし(二〇二〇年度県予算)、診療費三割負担を強いています。
一方、県の制度改悪に対し、十五市町が「世帯合算」なし、二十市町が身障三級、知的障害中度など県制度より助成対象者を拡大しています。県は頑張っている市町を励まし、全県の助成制度を拡充させるのが本来の責務なのではないでしょうか。
併せて、全国で唯一兵庫県のみ訪問看護療養費を助成対象外としていますが、重度障害者医療費助成対象に改めることを求めます。

3 改善されない障害者雇用問題

二〇一七年、中央官庁の障害者雇用の水増し問題が表面化し、兵庫県でも障害者雇用実態の点検が行われ、県教育委員会で百八十人以上の雇用水増しが判明しました。それ以後も改善が進まず、不足数は二百五十二・〇人(二〇二〇年六月現在)となっています。
県教委は特別支援学校卒業生の一般企業への就労を推進していますが、これでは一般企業の理解は得られず、説得力のあるものにはなりません。障害のある人が障害特性に応じた合理的配慮の下、ゆとりがあり生き甲斐をもって働くことができる職場の環境づくり、職員同士の人間的かかわりの醸成など、課題を整理し雇用率の達成に向けた取り組みを真剣に実行することを求めます。

4 障害児教育に対する許されない劣悪な教育条件

二〇一九年、養護学校教育義務化四十年を迎えました。この間、通常学校の児童生徒数は減少していますが、支援学級・学校の在籍者は逆に増え続けています。その結果、知的障害対象の特別支援学校の過大・過密化が進行し、教室不足(二〇一九年五月現在、百三十七教室が不足)で普通教室を二つに分割、特別教室を普通教室に転用、校庭に教室を増築など、通常学校では考えられないような状況が長年にわたって続いています。
このような状態が放置されている最大の要因は「障害児学校設置基準」がないことです。やっと文科省は「学校設置基準」の策定を具体化しようとしています。私たちは、現状の貧しい教育条件を追認するのではなく、コロナ禍で明らかになったように「密」を最大限解消するためにも既設校も含め教育環境の抜本的な改善として、特別支援学校の児童生徒数の上限を百五十人以下にする、一学級二人以上の教員配置、障害に応じた普通教室や特別教室等の整備・確保、通学時間は一時間以内にする等、県教委としても早急に検討し実施することを求めます。

5 足りない福祉職員、ヘルパー不足

食事介助やガイドヘルプなど、障害者支援サービスは、「密」が避けられません。コロナ禍の下、福祉事業所は感染防止策を強化しながら事業の継続を行政から求められました。一方で障害当事者は「感染リスクが高い」などの理由からサービス利用の自粛等をせざるを得ない状況が生まれ、家族介助など家族責任での対応が求められました。
福祉職員の日常的な不足でグループホームやショートステイが三百六十五日開所できない、ガイドヘルパーが見つからず外出ができないなど、平時の脆弱さがコロナ禍でいっそうあらわになりました。
県としての実施責務である福祉人材の養成・確保を飛躍的に拡大し、専門性のある職員が誇りをもって安心して働くことができるよう、県独自の人件費等の助成、処遇改善など労働環境の充実を求めます。

(兵庫民報2021年2月14日付)


自治体デジタル化は何をもたらすか:兵庫県自治体問題研究所が講演会


兵庫県自治体問題研究所は二月六日、神戸市内で、講演会「自治体デジタル化は何をもたらすか」を開催。コロナ禍への対応で会場定員の半数とした六十名が参加しました。
*
講師の黒田充さん(自治体情報政策研究所代表)はまず、近代的・市民的自由のない中で功利主義が選ばれる監視社会・中国の実情と、プロファイリングされない権利を謳うEUを対比して紹介。
安倍・菅政権下で進められてきたデジタル化政策の内容を紹介し、その最大のターゲットは市区町村が持つ個人情報であると強調しました。
今秋にも設立されようとしているデジタル庁が、全ての省庁・自治体の上に君臨し、支配、統制しようとしており、自治体のシステムが標準化・共同化されると、自治体の独自施策を許さないことになると警鐘を鳴らしました。
マイナンバーは新たに個人情報を集めるものではなく、国・自治体等が既に持っている個人情報を名寄せ、紐付けするもので、プロファイリングが進み、社会的支援の要否が選別されること、マイナンバーカードを健康保険証化するなど〝万能の資格確認カード〟にし、持たざるを得ないようにしようとしていることなどを説明。
また、監視社会をつくろうとする勢力とそれで儲けようとする関連企業の利害、思惑が一致している実情を紹介しました。
国民の間ではまだまだ「デジタル化」への関心は高くはない、まず関心を持ち、状況を正しく知ることが重要とし、「デジタル化」そのものに反対するのではない、それをどう民主的に管理し、人類社会と民主主義の発展にいかすかが焦点と強調しました。
講演で黒田さんが国民の大きな運動が必要だと指摘した「デジタル改革」関連法案は、九日の閣議で決定されました。
〔岡田裕行=兵庫県自治体問題研究所事務局長〕

(兵庫民報2021年2月14日付)

瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈676〉


(兵庫民報2021年2月14日付)

観感楽学「ネットでのお買い物にご注意を」


コロナは依然として猛威をふるっています。兵庫県でも緊急事態宣言が三月七日まで延長されました▼不要不急の外出自粛やテレワークと自宅にいる時間が多くなり、インターネットでいろいろなサイトを閲覧し書き込みをすることも増え、ネットで買物をする機会も以前より増えたのではないでしょうか。ネットでのオークションや買物は非常に楽しく便利です。こんな物までネットで買えるのかと思うほど様々な物を買うことができます▼一方でネットを利用した詐欺や悪質な商法のトラブルが発生していることも忘れてはいけません▼例えば、ネットのオークションでは「商品を落札し代金を相手の指定口座に振り込んだが、品物が届かず連絡も取れなくなった」ケースがあります。メール、SMS、はがき等で突然、利用した覚えのない請求が届くというケースもあります▼以前、IT企業に勤めていたこともあり、この手の話はよく聞きました。こんな場合「心当たりがなければ決して相手に連絡しない」が基本です。どうしても心配であれば「消費者ホットライン」など公の機関に相談することをお勧めします。(ふ)

(兵庫民報2021年2月14日付)