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2021年1月1日金曜日

新春対談「誰もしんどくない社会を」:こむら潤さん・あかたちかこさん


ジェンダー平等社会をめざして、あかたちかこさん(思春期アドバイザー・京都精華大学非常勤講師)と、こむら潤さん(日本共産党兵庫県委員会ジェンダー平等委員会責任者)がオンラインで語り合いました。

性別問わず、みんなでやって、みんなが、ほっとできるもの

こむら 明けましておめでとうございます。
あかた おめでとうございます。
こむら 昨年秋、伊丹での学習会「ジェンダーを学ぶ」の講演で「誰もしんどくない社会がジェンダー平等社会だ」と語られたのが、なるほどね~と胸に落ちました。
男性の参加は少なかったんですが、講師として手応えはどうでしたか?

あかた ジェンダー平等に関しては、「みんなでやるもんや」ということが伝わったらOK。
「男女平等」とか「女性差別」と言っていたころは、「女が頑張るもん」やったけど、ジェンダー平等になったら、「やっと男も救われる時代が来た」と男の人が理解して、ほっとした顔をして帰らはったら成功!

こむら 女性の権利を掲げたこれまでの運動との違いも話していただいて、ジェンダー問題は広い問題だと感じました。
あかた これまでは、メディアでのフェミニズムの扱いがすごく悪くて、「フェミニズム=怒っているおばさん」という感じになってるけど、ジェンダー平等は、「みんながほっとできる」「みんなが楽しくなる」ものだと、みんなに知って欲しいな。
こむら 気負わず、怖がらずということですね。
あかた そうそう。
こむら 「みんなで話すことが大事」とおっしゃっていましたね。
あかた ジェンダー観は、性別、年代、育った地域、所属しているコミュニティなどによって、みんな違うから、めっちゃ面白い。みんなで語り合うことをちゃんとやることで、組織に磨きをかけることにもなる、民主制を担保することにもなるから、ジェンダー平等は「おいしい」んです。
こむら みんなでわいわいジェンダーについて語り合うことと、民主的にものごとを進めることがリンクするんですね。

共産党はジェンダー平等をやるのに向いてます

あかた リンクするから、私は共産党に期待してます。共産党はジェンダー平等をやるのに向いてます。
こむら 共産党の「いまこそジェンダー平等社会を」というポスター(二〇一九年五月発表)を見たとき衝撃を受けたとおっしゃっていたんですけど…… 


あかた 「へ? ジェンダー?」って。学術書にしか出てこなかった専門用語が街角に張られているという驚きでした。先駆的だし、組織が試されるようなスローガン。「やっぱ、(共産党は)進んでるよな」というのと「すごい、自己改革の党や」って感じ。
自己改革なしにジェンダー平等は絶対無理やから。「勇気あるな」という言い方もできるし、「よう、そんなこと言うたな」という感じでしたね。
さらに、「これ、どうやって広めていくつもりなん?」とも。

こむら みんながこれを見て分かってくれるかな?と。
あかた そう言ってたら、自分が広める人になっていた。共産党がジェンダー平等だと言い出した。共産党の人はおおぜいいるから、ジェンダー平等について勉強したいと思ってくれてる人がいっぱいいる。これは、ジェンダーという考え方を広めるチャンスや――と思って、共産党関係のところでジェンダーの話をしてくださいと言われたら「やります!」と応えています。
こむら ありがとうございます。日本共産党は二〇二〇年一月の党大会で綱領を一部改定して、「現在、日本社会が必要とする民主的改革の主要な内容」の一つに「ジェンダー平等社会をつくる」「性的指向と性自認を理由とする差別をなくす」を明記しました。

過去の見解を正し、謝った――かっこいい


こむら その討論の結語で志位和夫委員長が、同性愛についての過去の党の見解が間違っていたとはっきりと述べたとき、私も代議員として参加していたんですが、うるっとしてしまいました。
ジェンダー平等が党の綱領にやっと置かれたことは、女性分野で活動してきた女性の代議員にしてみたらうれしかったし、党が自分自身の誤りを認め、改めていくことをみんなの前で宣言したことは、かっこいいなと思いました。

あかた 私も友達の党員からそれを聞いてびっくりしました。
そもそも「そんなひどいことを言ってたん? 大丈夫?」というのと、大失敗やったことが後からわかったら、それを謝れる党だということに。そんなかっこいいことできるのん? 共産党自体が新しい時代になったんやなと。私もそこを読んで泣きました。

こむら ほんとに、ぼわっと涙が。
あかた 人って矛盾したものだから、理論が当てはまらないからといって排除しない、その人たちもいっしょに連れて先へ進む努力をこれからも真摯にやってほしい。昔の非合法の時代からずっと今まで人に寄り添ってきた政党ということは誇りにすべきやし、そこはずらすべきじゃないよね。
めっちゃかっこいい。いけてるよ、共産党。

こむら ありがとうございます。

自分ごととして語ることが大事ですね

こむら 兵庫民報読者のみなさんがジェンダー平等をどう語っていくのか、ポイントや話の糸口についてアドバイスをいただけないでしょうか。


あかた みんな「ジェンダー」という言葉はあまり好きじゃないと思うんですよ。よく分からない言葉やし、新しい言葉やし、片仮名やし……
ジェンダー平等って結局、何を目指すのかというと、「あんたと私が大事にされる世界」で、とくに「性別でよけいな損を受けない世界」を目指すということ――「ジェンダー」の説明を聞いてくれるようなタイミングやったらいいけど、そうじゃないときは、ずばっとそういう言い方もありなんとちゃうかな。

こむら ひとごとではなく「自分ごと」として語ることが大事ですね。
あかた 女性が差別されていると言うた瞬間に男性が差別してると思う人がいますけど、女性が差別されてるっていうことは性別で差別されているってことやから、男性も差別されているってことであって、男性が差別してるとは誰も言ってないんですよ。多数派が差別しているという訳でもない。
誰かが性別で差別されてたら、差別されてないように見える性別の人にも差別はすぐ降りかかってきます。


「反省」はしなくていいです――子どもたちには良い形で伝わる

あかた しかも、子どもの頃から「女の子でしょ」とか「女の子なんやから」と言われなかったとしても、なんとなくそのシステムの中にみんな組み込まれて育っているから、「ジェンダーで私たちは差別や分断をされている!」と言っても、分かってもらえない。そんな面倒くささがあるよね。
こむら 私も子育ての中でなるべく男女にこだわらず区別をつけないように育てたいなと思っていたんですが、色であったり、靴や服のデザインだったり、固定概念でみていたかなと思います。
一方で、若い人たちのジェンダー的感覚は鋭い。中学生の私の娘も制服や校則に納得がいかないという思いを持っています。たとえば、女子は肩に髪の毛がかかったら結ぶとか、男子は肩にかかってはいけないとか、何で男子と女子で違わなあかんのかなとか。制服も女子はスカートですが、冬は寒くてズボンをはきたい場合もある。ひょっとしたら男子にもスカートをはきたい人がいるかもしれないとか。
あかた 夏は涼しいですね。
こむら キルトはスカート状やけどスコットランドの男性伝統衣装なんやで、なんて話を家族でしているんですけど、「何でなん?」といまの子どもたちは私たちの子どもの頃より強く感じているなと思います。
あかた 若い人のまともさと敏感さをちゃんと発揮できるようにするのが大人の仕事やなと思います。「何でそんな細かいこと言うてんの」とか言って、そのまともさをつぶすのは大失敗やと思う。
でも、この対談をいま読んでくれてはる人も含めて「反省」はもうしなくて良いと思っています。
私は思春期アドバイザーとしてちょっと難しめの子どもを見ることが多いけど、親の持っていた理念は必ず子どもに良い形で伝わっていく。親が何を目指していたかは、いまの若い子たち、学生さんとか中学生とか見ている。社会は良い方に確実に変わっていってる部分はある。だから大丈夫、反省はせんでもいいと思う。みんな頑張ったし、それがよかったと思う。

こむら そう言っていただけると救われますね。たくさんの親が。
あかた 「あれもだめ。これもだめ。こうしなきゃ。ああしなきゃ」みたいな感じじゃなくて、「自分が楽になる方に子どもといっしょに進んでいく」のがいい。とくに、ジェンダーに関してはそれで良くなっていくと思うんですよ。

国の仕組みは変えないといけないところがいっぱい

あかた もちろん、国の仕組みとは別の話です。国の仕組みは変えないとあかんところがほんまにいっぱいある。政治イシュー(論点・争点)のジェンダーと家庭イシューのジェンダーは乖離がある感じがしてます。家庭はそんなにきちきちやらんでいいんちゃうかな。政治をがんばろう。
こむら 政治イシューでこれはいの一番にというのは何ですか?

選択的夫婦別姓

あかた まず、選択的夫婦別姓でしょ。
戸籍制度がある国、めちゃくちゃ少なくなりました。戸籍制度がなくてもやっていけます。
こむら 夫婦別姓については「夫婦同姓は絆だから」と言って反対する人もいますね。
あかた 名字がばらばらになったくらいで切れるような絆なんやったら、「最初からなかったんやで。残念やったな」って思っちゃう。時間をかけて、いっしょにいて、会話してつくっていくのが絆やと思う。
こむら バリ舞踊をやっているのでインドネシアに何回も行ってますけど、夫婦はもちろん、親子ですらみんな名前は違うんですけど、絆が薄いなんてことはぜんぜんないし、不都合もないんです。
あかた 選択的夫婦別姓ってみんなばらばらにしようぜって言ってるわけじゃない。同姓にしたい人はどうぞいっしょにしてくださいって言うてるのに。
こむら 戦前の「家制度」の「戸主」を引き継いだ「世帯主」規定の廃止も必要ですね。
あかた コロナの特別定額給付金で受け取り人を「世帯主」にしたせいで、受け取れへんかった人がほんまはめっちゃいるとか。現実に合わせていく、そこに困ってる人がいるんやったらそこに寄り添っていくというのが政治の役目やと思う。

男の人も子育てを楽しめる社会

あかた 男の人も子育てを楽しめる社会をつくって欲しい。会社の終業時間は早くして欲しい。育休を取った人の補充をすること。「またあいつ育休かよ」と言われへんような環境づくりは国の仕事やと思う。保育所をたくさんつくるとか、保育士さんの給料を上げるとか、やってほしいことは子ども関係だけでもいっぱいある。
こむら 保育の国基準はあまりにもひどい。保育士さんも自身が母親であったりするんだけど、自分の子どもを預けつつ、仕事として他の子どもさんを見ているやりきれなさを保育士さんから聞いてきました。男性も育休をほとんど取れていない。
あかた 「育休をとるなんて、おまえはもう出世しない気なんだな」とかひどいことを言われたりします。
子どもが小さい時ってほんまに一瞬やし、その時期にお父さんが社会によって子どもと分断されるっていうのはやっぱり違うと思うんですよ。もちろん、やりたくない人はやらんでいいんかもしれへんけど、せっかく子どもをつくったんやから関わればと思うけどね。

こむら 子育てに参加したいと思う人も多いと思うんですけど、なかなか仕事で、手が空けられないというのは辛いんちゃうかなと思いますよね。
あかた 望む人がちゃんと子育てに参加でき、しんどい人はちゃんと手伝ってもらえるシステムづくり、それこそが少子化対策やと思うから。とんちんかんなお見合いパーティーなんかしてないで、子どもを育てる人をちゃんとバックアップするのを国はやるべきやと私は思うんですがね。

自分の言葉で話したら聞いてる人はぐっときます

こむら ジェンダー問題について学んでいくときのポイントは?
あかた ジェンダーのことは良い本がいっぱい出ています。
こむら 私もさっき一冊買ってきました。(と本を見せる)
あかた 分厚い! いきなりハードなのから行きますね。
もうちょっと薄いのから行けば?……ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの』(掘田碧訳、エトセトラブックス、二〇二〇年復刊)。これは黒人の女の人が書いているんですよ。なにしろ薄い。「フェミニズム」と書いてあるんですけど、実はジェンダー平等の本なんです。同じぐらいのページ数で、加藤秀一『ジェンダー入門』(朝日新聞社、二〇〇六年)とか。

こむら それぐらいの厚みがいいですね。
あかた あんまり厚いと、重くて持って歩くのもしんどいし、途中でやる気を失ってしまう。

自分のしんどさを語る自分の言葉を

あかた 勉強も大事なんやけど、勉強したことを自分の中に落として、自分の言葉でこんどは語れるようになっていくというのがすごく大事やと思う。
ジェンダーって自分のしんどさと、あなたのしんどさをテーブルの上に並べて、どうしたらお互いが楽になれるのかということをみんなで考えていく学問というか、やり方やと思うから、自分のしんどさを語る自分の言葉というのがめちゃくちゃ重要やと思うんです。これを機に自分の感覚と自分の言葉を捜す旅に出るのをお勧めしたい。
ジェンダーのことだけじゃなくて、共産党の良さを誰かに語る時なんかも、自分の言葉で語れたら、聞いてる人はぜったいぐっとくる。
自分の感覚を探り、それを自分の言葉でそれを表現できるようになるってことにチャレンジして欲しいな。

まともな世の中つくるため、今年の選挙、勝ちにいきましょう

こむら いよいよ年が明けましたね。
あかた 新しい年の目標は「選挙」。いまのおかしな状況をちょっとでもまともにして、ちょっとでも私らがしんどくない世の中をつくりたい。そのために、こむらさんの顔を国会で見たい。
こむら 野党連合政権はもう目前。野党共闘の要はやはり共産党やと思うし、いま頑張らなければいつ頑張るのかって時にきていると思います。
あかた この間、私らが勝ち取ってきたものはすごく大きい。安倍さんを辞めさせた。病気で辞めたというけど、私らが辞めさせたんやし。検察庁法案も止めさせた。現状が悪すぎて負けてる感もあるんやけど、よくみたら私らが声をあげたこと、本気で願ったことは最近、かなってきているんです。そこを忘れたらあかん。
こむら いま、みんなで力を合わせることがほんとに大事。ジェンダーの問題のように、すべてにおいてこれからは語り合うこと大事だと思う。大阪市廃止の住民投票でも対話に焦点をあててたたかい、廃止反対多数を勝ち取れたのではないかなと思うんです。
一人ひとりにスポットライトを当て、真剣に政策を語っていくことが、党を応援してくれる人を増やし、つないで、力にしていくことになるのかなと思います。
いま共産党への壁がなくなっているということは、語れる条件ができているということ。いま語らずしてどうするのか。
あかた 自分の話をうまく聞いてもらう一番のこつは、まず、相手の話をちゃんと聞くことです。
まず、困っている人の話をちゃんと聞く。その上で「それやったら、こういうことやと思うし、私らはこう考えている」ということを丁寧に伝えることが一番の近道やと思います。
私らがものごとを決める人になったら、私らに反対してた人のこともちゃんと考えて政治をする。私らを応援してなかった人も幸せにするんやから、勝ちましょうよ。頑張るよ。
こむら 勝ちにいく選挙にします。
あかた 良い年にしたい!。


(兵庫民報2021年1月3日付)


2021年――野党連合政権つくる希望の年に

日本共産党国会対策委員長、衆議院議員(比例・京都一区)
こくた恵二

こ 今年は総選挙の年
く 暮らし命を守る政治
た 闘い野党連合政権実現
こ 子どもの願い託せる人
む 無類の趣味はバリ舞踊
ら ライフワークはジェンダー平等
菅政権を倒し、市民と野党共闘の前進、共産党の勝利で「野党連合政権」をつくる希望の年に。比例代表は日本共産党。ジェンダー平等の担い手、こむら潤さんの勝利で女性議員を兵庫から。

日本共産党前衆議院議員(比例・大阪五区)
宮本たけし

いよいよ政権奪取がかかった総選挙の年、二〇二一年を迎えました。コロナ対策の無為無策ぶり、日本学術会議問題に見られる強権と隠蔽の政治など、もはや一日たりとも菅内閣に日本のかじ取りを任せておくわけにはいきません。希望をひらく政権へ、市民と野党の本気の共闘をつくりあげ、今年こそ野党連合政権を実現しましょう。

日本共産党衆議院議員(比例・大阪四区)
清水ただし

消費税ほど弱い者いじめの税金はありません。コロナ禍で厳しい状況に追い込まれている国民生活と日本経済を立て直すためには、消費税の引き下げがどうしても必要です。世界三十七カ国がすでに実施し、自民党含む衆参二百六十七人の国会議員が求める消費税減税を必ず実現させるために、いっそう力を尽くす一年にしたいと思います。

日本共産党衆議院予定候補(比例・兵庫八区)
こむら 潤

「コロナ・パンデミックを乗り越え、新しい社会をつくる」「総選挙で政権交代し、共産党を含めた野党連合政権をつくる」―私は歴史に残る激動の時代を生き、皆さんと共に体験できることが嬉しく、日本共産党初めての挑戦に、ワクワクした気持ちで新年を迎えました。近畿比例で四議席獲得へ、私も力いっぱいがんばります!

日本共産党衆議院予定候補(兵庫二区)
宮野つるお

誰ひとり取り残さない、希望ある政治の実現へ決意を新たにしています。また、核兵器禁止条約が発効することは私にとっても大きな喜びです。高齢者の医療費自己負担の二倍化方針決定をはじめ、血も涙もない冷酷政治・菅政権は変えるしかありません。近畿比例四議席獲得、選挙区での勝利めざして、ともに頑張りましょう。

日本共産党衆議院予定候補(兵庫三区)
赤田かつのり

今月、核兵器禁止条約が発効します。少人数学級の実現は、もう一歩のところに来ています。国民の運動が政治を動かしてきました。次の総選挙で日本共産党が大きく躍進して野党連合政権を実現し、新自由主義の暴走から、命とくらしを守る政治に転換していきます。希望ある未来を切り開く一年にしていきましょう。

日本共産党衆議院予定候補(兵庫九区)
福原ゆかり

新型コロナウイルス感染拡大が収束しない中、二〇二一年が始まりました。今年は総選挙が行われる年です。政治を変える大きなチャンスです。自己責任を求める冷たい政治ではなく、いのちと暮らし優先の政治を。総選挙で政権交代を実現し、一緒に希望ある社会を実現しましょう。

日本共産党衆議院予定候補(兵庫十一区)
太田清幸

危険で国民に冷たい、最悪の菅内閣を倒し、憲法がいかされ、国民に希望が見える新しい野党連合政権をつくる絶好のチャンス。これを逃さず、比例の大躍進、そして、この兵庫十一区でも、私を野党の代表として押し上げてください。議席獲得をめざし、年頭よりその先頭に立ち全力を尽します。ご支援をよろしくお願いいたします。



日本共産党副委員長、参議院議員
市田忠義

「うららかな春はきびしい冬のあとからくる
可愛い蕗のとうは霜の下で用意された」
「けふも明日も地球はまはってゐる
そして歴史は進みつつある
抑えがたい事実の上に」
いずれも宮本百合子の言葉。
今年は丑年。
一見のろくとも、一歩一歩着実な歩みを。

日本共産党副委員長、参議院議員
山下よしき

コロナ危機がどんなに深刻化しても、医療現場からの痛切な声に耳を傾けず、感染を拡大するGoToキャンペーンにしがみついた菅政権。国民の命と健康を軽視し、犠牲にする政権を、これ以上続けさせるわけにはいきません。来たる総選挙は、共闘の前進、なにより共産党の躍進で、政権交代を実現し、野党連合政権を樹立する選挙に。

日本共産党参議院議員
大門みきし

先の見えないコロナ禍が続き、いつになっても気分が晴れない。菅政権はコロナ対策は無能なのに、憲法改悪や自己責任の押し付けは熱心で、政治の暗雲がたちこめる。「それが日本だ、私の国だ。だけどぼくたち共産党がいる♪」(「遠い世界に」の替え歌)。暗雲を晴らす決戦は近い。こんな時こそ明るく元気に頑張りましょう。

(兵庫民報2021年1月3日付)

神戸製鋼さん石炭火力発電所つくらないで――裁判日記(民事訴訟第9回):法廷は若者たちの熱気でいっぱい

原告 近藤秀子


民事訴訟第九回期日が十二月八日、神戸地裁で行われました。
法廷では原告弁護人から被告神戸製鋼所から提出された準備書面に対する反論と原告が提出した準備書面についてプレゼンテーション。特に共同不法行為における強い関連共同性についての主張が行われました。
報告集会で、杉田峻介弁護士から、「個人の健康、身体を守る事を前提にしているアセスをやりつくして国の許可をもらったのだから健康に影響はない」と主張する神戸製鋼所と「アセスは個人の生命を守るものではない」と主張する経済産業省とでは、そもそも前提に違いがあり、大きな差があることが裁判を通じて明らかになったと報告があり一瞬どよめきが起こりました。
池田直樹弁護士からは「共同不法行為の理論とあてはめに」ついて解説があり、二〇一三年四月二十五日に行われた局長級会議取りまとめ(国の政策)で、火力発電所の環境アセスにおいて実質的に二酸化炭素を予測・評価不要にしたことが諸悪の根源であることを知りました。菅首相は今年十月の所信表明で、二〇五〇年までに温室効果ガス実質ゼロにするという目標を掲げましたが、達成どころか逆行しているとしか思えません。
民事裁判もいよいよ大詰めを迎えつつあります。次々回は主張をまとめてプレゼンテーションする予定です。
今回は中央区にあるアウトドア用品店「パタゴニア」で働く従業員の方が裁判に参加されるなど、法廷は若者たちの熱気でムンムン。私たち原告は大いに励まされました。
*
終了後の神戸駅前での宣伝でも、自分の言葉で温暖化について訴え、道行く皆さんの注目を浴びました。みんなで声をあげて最後まで頑張ります。

(兵庫民報2021年1月3日付)

神戸映画サークル協議会1月例会『人生、ただいま修行中』:40人150日間の成長を見つめた感動奮闘ドキュメンタリー


パリ郊外の看護学校で年齢や民族、国籍、宗教など様々な生徒たちが、実習の現場で奮闘する様子をとらえていく。
第一部は、看護学生たちが受ける講義と実習風景。第二部は、学生たち各自が希望した診療科病棟での実地訓練。第三部では、実地研修を終えた後の看護学生たちが、それぞれ指導官と面談するシークエンスが、観る者に看護師を育てることの大切さを感じさせてくれる。
「看護学校、そして病院はいろんな人々が否応なく集まってくる場所。社会的には一番多くの種類の人々が集う、まさに社会の縮図」とフィリベール監督が言うように、本作はさまざまな性別、人種が暮らすフランス社会を映してもいる。実習で様々な経験をする彼らと私たちの人生が重なってきて、監督の温かい視線とともに私たち観客も彼らを応援したくなる。
そして看護師を目指す学生たちを支える教師たちが若者たちをケアする姿に胸が熱くなる。
本作には、人が成長すること、助け合うこと、多様性を大切にすることなど、人にとって大切なことが描かれている。そんな温かい眼差しのこの作品を、多くの方に観ていただきたいと心から願わずにはいられない。
〔桑田葉子=神戸映画サークル協議会〕

『人生、ただいま修行中』(2018年/フランス/105分)

1月15日(金)①11時②14時③19時、16日(土)①11時②14時③18時/会場がいつもと違います:兵庫県民会館9階けんみんホール/一般(事前予約)1,300円 *事前に予約を ☎078‐371‐8550、Email kcc1950@kobe-eisa.com、URL http://kobe-eisa.com/


(兵庫民報2021年1月3日付)

ジェンダーわたしの視点:未来社会で家族や共同体はどんな選択肢が可能に?:日本民主青年同盟尼崎地区委員長 山本真理奈


選択的夫婦別姓がにわかに話題になっています。
十一月十八日、意識調査の結果七割の人が選択的夫婦別姓に賛成しているという発表がされました。「当然でしょう」と思う一方、圧倒的多数の人が男性の姓を選ぶことが慣習となっている(女性の姓を選んだ少数派は、「奥さんに尻に敷かれているのか」等のデリカシーの無い言葉を受けるはめになる)現状で、これほど白黒ついてしまうものかと意外でもありました。
夫婦別姓が話題になると思い出す人がいます。樋口一葉、明治期の小説家です。
一葉は若くして父と兄に先立たれた後、樋口家の長女であり戸主として残された母と妹を支えるために小説家を志し、半井桃水という文筆家に師事します。当時二人は恋仲であったと噂されますが、双方ともに戸主であるために結婚ができない。一葉は桃水のもとを去ることになります(注1)。
その後発表された「たけくらべ」では、吉原で遊女となる運命の少女と僧侶の少年の結ばれえぬ恋心を描きます。個人の意志とは無関係に、制度や生まれによって人生を決められてしまう、一葉自身の虚しさが重なります。
私がここから思うことは、未来に婚姻制度は必要なのか?ということです。
夫婦同姓制度の廃止や、同性婚の法制度化など、婚姻制度の多様化にはもちろん賛成です。しかし、近代における婚姻制度は、家父長制による国家形成のモデルとして確立され、現代では世帯という単位で国民を管理するための効率的な方法として、その一役を買っています。
また情緒的な面では、芸能人の過度な不倫報道や、離婚経験者への偏見などには違和感を覚えます。国家の定めた制度/イデオロギーに倫理観を強制されているのではないか? 一葉が桃水のもとを離れざるを得なかった時代と、どう違うのか?と。
志位委員長が改定綱領を解説した連載記事の、ジェンダー平等についての章の締めくくりで「国家権力がなくなり(中略)ジェンダー平等が全面的に実現する社会になる」(注2) と述べています。政党でありながら、国家権力がなくなることを明言してしまうなんて、なんて大胆な!と新鮮な気持ちで読みました。
国家権力が必要でなくなった先の家族、共同体はどんな選択肢が可能になっているのでしょうか。 

【注】(1)諸説あります。(2)志位和夫『改定綱領が開いた「新たな視野」』第三章(92頁)、新日本出版社、二〇二〇年五月。

(兵庫民報2021年1月3日付)

横田まさのり「文学は心に明かりを灯す」


皆さん、『民主文学』という文芸雑誌をご存知でしょうか。今回、その『民主文学』の一月号に私は久しぶりに「花のない風景」という名の短編小説を発表しました。


小説は若い頃から書いており、『しんぶん赤旗』日刊紙や『女性のひろば』で連載のお仕事をいただいた経験もありますが、小説を書いていますと口にしても、正直反応が薄いことが多く、わー読んでみたい、というお声を耳にしたことは実はあまりありません。
これが音楽ならどうでしょう。あるいは絵画ならどうでしょう。多分文学よりは関心が高いのではないでしょうか。文学よりイメージがつきやすく、しかも聞く・見るという行為は短時間でできます。しかし小説となりますとまずは読まないといけませんし、読み終わるまでそれなりの時間を要します。だからついつい音楽や絵画に比べて文学は一般的に距離を持たれてしまう傾向があるのかと思います。
でもこれを機にあなたもぜひ一度、民主文学を手にしてみてください。あなたに身近な方がそこにいます。あなたと似たような悩みを抱えている人がページをめくるごとに現れてきます。そこにあなた自身の姿を見たとき文学はあなたの心に優しい明りを灯してくれるはずです。それは普段の休養だけでは得られない心の貴重なビタミン剤です。
私自身、例えば漱石の「こころ」に、あるいは百合子や多喜二に、あるいはドストエフスキーにどれほど救われたことでしょう。
同じように私の小説が誰かの心に明りを灯せるとしたら、その先にあるものを私は「希望」と名付けたいと思うのです。そう、そのためにこそ文学はあり、あなたは一人ではない、私も一人ではないと実感する時間がそこには確実に流れているものなのです。
(宝塚市議、日本民主主義文学会会員・第五回民主文学新人賞受賞=二〇〇三年)
*
雑誌『民主文学』は日本民主主義文学会が発行する月刊誌。A5判百七十六頁。定価九百八十八円(税込み)。同会から直接、定期購読(郵送)することもできます。共産党兵庫県委員会も少部数ですが販売しています。

(兵庫民報2021年1月3日付)

瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈673〉


(兵庫民報2021年1月3日付)

観感楽学


年末からわが家の水仙も花をつけ始めました。数枚の葉っぱの根本真ん中から花軸がまっすぐ伸びてきます。先端のつぼみは天をさすヤジリのように生長してきてやがてお辞儀をし始めます。それがほぼ直角になるのにあわせてほころびはじめるのです。あけましておめでとうございます▼でも身近で咲いた花は水仙だけではありません。息子夫婦に待望の第一子が誕生し、大阪をのがれ明石のわが家でしばらく同居。その名前にジャスミンの漢語名が使われていたのです▼さて、ことしは世の中がおおいに変わる年です。一月二十二日には核兵器禁止条約が発効します。小学校の三十五人学級が二学年以上に順次実現していきます。特別支援学校の設置基準が法定化され「間仕切り教室」解消など教育環境の改善が期待されます▼それだけ? イエイエ、十月までには必ず総選挙。審議日が正味三十日間しかなかった昨秋の臨時国会で、質問に対し百十一回も「お答えを差し控える」とおっしゃったお方。そんな方には総理の座をこそ差し控えていただきましょう▼おっぱいのあとの寝顔ほど清らかなものは絶対ない、などと思いつつ新年の決意をするじじでありました。(T)

(兵庫民報2021年1月3日付)