2021年10月10日日曜日

『くらしから見る、考える神戸市の政治(2021年版)』①


日本共産党神戸市会議員団が九月に発行したパンフレット『くらしから見る、考える神戸の政治』の主な内容を転載して紹介します。(3回連載の予定)

全体:新自由主義に偏重した神戸市政

コロナ禍を通しあきらかになったこと

新型コロナウイルスが日本において確認されてから二年近くが経とうとしています。コロナ禍は新自由主義に偏重した久元市政では市民の命とくらしを守ることができないことを明らかにしました。
緊急事態宣言のなかで医療体制が逼迫し、「医療崩壊」と言われる深刻な事態を引き起こしました。本来入院すべきなのにできない患者が二千人を超える状況も起こっています。神戸市は「何人亡くなられてもおかしくない状況だ。毎日命の選択を行っている」(四月二十一日、花田健康局長)などと言いながら、この一年の間に国や県と一体となり神戸労災病院で四十四床、三菱神戸病院で二十四床もの病床削減を進めました。さらに七月一日からは六甲病院の民間譲渡の強行、済生会病院と三田市民病院との統合を視野に協議が開始されています。国・県とともに神戸市がコロナ禍での医療崩壊を促進させています。
感染者の多くが「自宅待機」を強いられ、自宅で亡くなる方が生まれました。長田区の介護老人保健施設では、入所者百一人が感染し、三十一人もの方が亡くなる事態まで起こっています。こうした事態をもたらした責任は、コロナへの対応への誤りとともに根底には長年にわたる医療・公衆衛生切り捨ての新自由主義の政治があります。
また、高齢者ワクチン接種をめぐり繰り返し混乱が生じましたが、これは行政の仕事を民間に丸投げしたことに大きな原因があります。コールセンターとネット予約システムはNTT関連会社任せ、職員が足りず各地の配置は「学生お助け隊」(学生ボランティア)任せ、ワクチン配送も民間業者任せ。公としての責任を放棄する姿勢が様々な問題を引き起こしています。

新自由主義路線による、民間任せでは市民の命とくらしは守れない

こうした事態が進んできた背景には小泉政権から続く新自由主義的な路線を信奉する久元市長の姿勢があります。
久元氏は当時、地方自治を民間に丸投げするシステムである指定管理者制度や独立行政法人化制度などを中央官僚として制度設計した張本人です。行財政改革の下、かつて区ごとに九つあった保健所は一つにされたままです。また九年の新型インフルエンザの経験から配置された感染症対策専任保健師まで減員され、政令市最下位となっていました。コロナに最前線で対応している保健所長は議会で「非正規職員での対応は力量と応用力に難点があった」と答弁。極端な市職員削減でワクチン接種も他部局から職員を総動員しないと対応できない事態となっています。
それなのに、久元市長は国の「自治体戦略2040構想」に追随し、「行財政改革2025」を強行し、七百五十人の職員も削減するとしています。このもとで、今年度も水道局職員を百人以上削減するなど、職員削減と民営化路線を強化しています。
その一方で、三宮再開発などは聖域化し巨額の予算を投入しています。非常事態宣言下で外部委員をよんでの会議を自粛していた間にも三宮再開発に関わる会議だけは実施していたこともあきらかとなっています。

日本共産党神戸市会議員団は市民のみなさんと市政転換に力を尽くします

コロナ禍のもと、医療や教育・保育の現場、事業者のみなさんをはじめ様々なところから市民生活に背を向ける久元市政に対し、怒りの声が広がっています。
「自助・共助」を市民に押し付け、「公助」をないがしろにする新自由主義路線では、市民の命とくらしは守れないということが誰の目にも明らかとなってきました。
久元市長の国と一体となった「神戸こわし」を今こそやめさせるため私たちは市民のみなさんと力をあわせてがんばります。

子育て1:子どもの医療費無料化を高校卒業まで

神戸市の子どもの医療費の通院・入院の無料は二歳まで。三歳から中学卒業までの通院は二回目までは有料となっています。
市長は八年前医療費無料化を公約し当選しましたが、数年後には根拠もなく「(無料にすると)コンビニ受診を誘発する」と公約を放棄する姿勢をとるようになりました。兵庫県下で八割を超える自治体が中学校卒業までの医療費無料化となり、さらに高校卒業まで進む自治体が広がっています。
日本共産党神戸市会議員団は、医療費無料化を前進させるため市民のみなさんと議会内外で活動しています。そのもとで、高校生の入院無料など部分的ですが、前進をしています。今年の予算議会では他会派にも協力を呼びかけ通院・入院両方の完全無料化を高校卒業まで実現する条例修正案を提案しました。

子育て2:認可保育所の増設で待機児童問題の解消を

神戸市は四月一日時点の待機児童数は十一人になったと発表。目標とした待機児童ゼロは達成できませんでした。
実際に希望しても保育所に入れない児童数は千二十七人と高い水準のままです。市は子どもの数はいずれ減ると、公立保育所を減らす一方、園庭もなく、二歳までしか入れない小規模保育園を安上がりの調整弁として整備してきました。
就学前まで預けられる認可保育所の増設をすすめてこそ、子育て世代も安心して働くことができます。
また保育士の待遇改善は必須です。市は「市内で保育士になれば六つのいいね」(給料がいい、家賃補助、奨学金補助など)を打ち出していますが、他分野との賃金格差は依然として大きく労働に見合った専門職としての給与が保障されるわけではありません。
今こそ本気になって保育士が生きがいをもって働ける賃金の引き上げが求められます。

(兵庫民報2021年10月10日付)15:30