2021年10月3日日曜日

『2021版私たちの暮らしと神戸市政』刊行記念:兵庫県自治体問題研究所が学習会


兵庫県自治体問題研究所は二十日、神戸市内で、『2021年版 私たちの暮らしと神戸市政』刊行記念の「神戸市政を考える学習会」を開催。三十五人が参加しました。
同冊子の執筆協力者のうち、三名が報告しました。
池田清・元神戸松蔭女子学院大学教授(写真)は、神戸市の都市経営を検証。従来の神戸市都市経営は――大企業の活力を優先し、大型インフラ整備などによる経済成長を追求してきた、「開発利益」が市民の福祉に還元されず基金として貯め込まれた――と批判。そうではなく、一人ひとりの市民の活力、生活を重視することによって、雇用や所得も生まれ、市民の豊かさにつながる、既成事実や現状の追認ではなく、対話し、学び合うための場を数多く持つことが必要と強調しました。
山本じゅんじ・神戸市会議員は、久元市政の実態と問題点を明らかにする報告。コロナ対策でも国と一体になっての病床削減、社会的検査への消極的な姿勢、民間丸投げによるワクチン接種混乱発生を指摘。また、国の方針に追随した「行革」により、職員の大幅削減、公共施設の削減・民間化、行政の関与の縮小など新自由主義路線を推進する一方、三宮周辺整備など大規模開発を聖域化する開発主義があると指摘しました。
前田竜成・兵庫民医連常任理事は、神戸市のコロナ政策を振り返りました。地域保健法(一九九八年)により市内九カ所の保健所が一カ所になり(その他は保健センターに)、保健所機能が破綻した、保健所を元の体制に戻し、保健師も増員することが不可欠と指摘。医療でも病床の不足、マンパワーの不足が明らかになり、入院できない患者が増え、亡くなる例も発生したと説明。神戸市の政策は総じて国の指示の範囲であり、独自の施策が少なかったとしました。
参加者からは質問とともに、神戸市内の医療体制の脆弱さ、神戸市政を変えていく市民の運動のあり方などについて、活発な意見が交わされました。
〔岡田裕行=兵庫県自治体問題研究所事務局長〕
 
『2021年版 私たちの暮らしと神戸市政』の問い合わせは同研究所まで。頒価800円。Tel. 078-331-8911 hyogojitiken@sunny.ocn.ne.jp

(兵庫民報2021年10月3日付)15:30