2021年9月12日日曜日

『民主主義の日本めざして――「川崎・三菱大争議」100年』を読んで:兵庫県労働組合総連合議長 成山太志


今から四十年ぐらい前、私が労働組合に関わるようになった頃、先輩たちから「戦前に川崎・三菱大争議があった。神戸は労働運動の発祥の地だ」と聞かされた記憶があります。しかし、その後、詳しく知ろうとはしませんでした。
今回、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部から『兵庫民報』に連載された文章をまとめたパンフレット『民主主義の日本めざして――「川崎・三菱大争議」100年』(頒価百円)が出されました。私は、このパンフレットを読んで、初めて大争議の全体像を、大まかにつかむことができたように思います。労働組合をはじめ、様々な運動に携わる方々には、ぜひ読んでいただきたい内容です。
一九二一年七月十日に行われた三万人の大デモが暴力を排して平和的に整然と行われたこと、市民の支持を得て多くの市民の支援のもとに行われた争議であったこと、権力の介入でデモなどの行動が禁止されても「水泳大会」「山登り」「神社参拝」などの名目で実質上の集会・デモを行う工夫がなされたこと、争議は敗北に終わり千三百名が解雇となるが多くの活動家が屈することなく全国の様々な運動の担い手となっていったことなど、学ぶべき内容が豊富にあると感じました。
また、当時の大原社会問題研究所の依頼で撮影された大争議の実写フィルムを私も視聴させていただきました。このフィルムは、戦争中は弾圧を避けるため井戸の中に極秘に保存され、戦後探し出されたという奇跡的で貴重なものです。パンフレットを読むこととあわせて当時の映像を見ることもお勧めします。

(兵庫民報2021年9月12日付)16:30

B5判、表紙含め28ページ、カラー/頒価100円/問い合わせ先:治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部 Tel. 078-351-0677、Fax 078-371-7376(日本国民救援会兵庫県本部内)/日本共産党兵庫県委員会でも扱っています。