2021年7月4日日曜日

関西電力株主総会:老朽原発再稼働、石炭火力発電、原発マネー疑惑などに厳しい意見


関西電力の株主総会が六月二十五日、大阪市ATCホールでひらかれました。
同社は六月二十三日に四十年を超える老朽原発美浜原発三号機を初めて再稼働したばかり、石炭火力発電所問題、原発マネー不正還流問題も含め、厳しい批判にさらされました。
森本隆社長らは「二〇五〇年ゼロカーボンへの挑戦」はうたうものの、対処すべき課題では「二〇二三年度まで収支悪化を見込むので、原発七基体制で二〇二五年に関電グループを成長軌道に乗せ、次なる飛躍へ向かう」と露骨なほど原発推進を強調しました。
株主提案では、市民株主の会五議案、反原発グループ七議案、大阪市・京都市共同三議案、大阪市単独七議案、京都市単独二議案が提出されていましたが、その提案説明をわずか一分と制限したためかえって紛糾する場面がしばしばでした。
「〝二〇五〇年ゼロカーボンへの挑戦〟では肝心の二〇三〇年にどうするか具体策がない」「なぜ石炭火力から撤退しないのか」「原発に依存せず、再生可能エネ発電を最大限導入せよ」「水素エネというが、原発の電気で水素をつくってはならない」等々温暖化防止問題でも矛盾が露呈しました。
原発問題ではさらに激しい批判が続出しました。「一日一億円の化石燃料代を節約するため、今だけ・金だけ・会社だけ儲ければよい経営だ」「老朽原発七基体制は二〇五〇年ゼロカーボンのため必要不可欠と記載しているが、七基とも二〇五〇年は廃炉になるではないか」「金品受領問題は原発事業の歪みが招いたとの反省に立ち、次世代原子炉を検討する中期計画を見直し、原発に依存しない電力供給体制へ舵を切る必要あり(京都市長)」「原発への巨額投入の結果、送配電線の老朽化はひどい実態で、支える人間も成果主義で必要な人材も育たなくなっている(現場の声)」「美浜や高浜原発の奥にある住民、村落の人たちの避難はどうするのか、冬の雪深いときの避難渋滞をどう考えているのか」などでした。
企業としての情報公開・透明性なども森本社長は強調しました。しかし株主からは「一分間しかしゃべらせない」「会場でカメラ使うな録音するなと相変わらず隠蔽体質だ」「うみは出し切ったというが土地取引のひどいニュースや電気料金カルテルも出てきた」「発送電分離も法的分離はしたものの所有権分離に抵抗している」「〝強靱な体質の関電〟は原発しがみつきでは到底かなえられないはず。取締役や執行役員の中から〝原発を考えなおそう〟という意見が誰からも出ない方が不思議だ」など厳しい意見が相次ぎました。
しかし、関電経営陣は電力の安定供給には原発が不可欠だとして理解を求め続け、採決では人数の少なくなった会場で動員株主に頼り四十対五十程度の差により株主提案を否決しました。
ATCホールへ参加する株主が通る前で、労連近畿ブロックや反原発・脱原発グループが「老朽原発の運転をやめよ」などを訴え続けました(写真)。
〔速水二郎=電力兵庫の会〕

(兵庫民報2021年7月4日付)
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