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2021年7月25日日曜日

兵庫県知事選:県民と野党の共同追求し金田峰生さん健闘

翌朝、元町駅前で結果を報告する金田さん

兵庫県知事選挙は七月十八日投開票で行われました。
憲法が輝く兵庫県政をつくる会の金田峰生候補=新、日本共産党推薦=は十八万四千八百十一票、得票率一〇・〇九%を獲得しましたが及びませんでした。
 
開票結果表:
https://drive.google.com/file/d/1jdEBNG5CSe2p75rJX2_rQnIgHt1Ej9uG/view?usp=sharing

コロナ禍のなか、多くの県民がこれまでの県政のありかたに厳しい目を向けるもと新人五人があらそった選挙戦。金田さんは「保健所、病床削減の県政から、いのち・暮らし・仕事をまもる兵庫へ」と訴え、市民と野党の共同を追求し、これまでにないつながりをつくりました。
当選したのは自民党と維新の会が推した前大阪府財政課長の斎藤元彦氏。井戸敏三知事が後継とし、自民党県議団などが推した前副知事の金沢和夫氏も及びませんでした。

知事選大勢判明後の記者会見での金田峰生さんの挨拶から

県民のいのちと暮らしを守る県政への転換と、県民と野党の共同を訴え、感じた確かな民意
私を知事に押し上げるべくご尽力いただいたことに深く感謝を申し上げます。
立候補表明の場で述べたように、自民党が担ぐお二人の候補のどちらを選ぶのかというのは、県民不在の争いでしかありませんでした。しかし県民の多くは県政の転換を求めていました。
私たちは、県民の切実な願いを受けて、県民のいのち、暮らしを守るという地方自治体の役割を果たす県政に転換する選択肢を示しました。そしてこの抜本的転換を実現する力は県民と野党の共同の力にあることを呼びかけました。
選挙戦を通して、私たちの提案に広く共感が寄せられたと思います。私に寄せていただいた票数はもちろん、それ以上に、政策への共感、支持がありました。
そして、県民と野党の共同という点では、残念ながら政党として共同したのは日本共産党だけでしたが、県民の共同の輪は広がりました。「自民党支持だったが金田に入れた」「無党派で今度は誰が良いか吟味したところ金田にした」との声もお聞きしました。若い方々からも注目がありました。中学生から「私に選挙権があったら一〇〇%金田さんに入れる」というメールもいただき感激したのですが、新たに支持して下さった方が決して少なくありませんでした。
従って、ここに確かな民意が存在している。新しい知事はこれを無視してはならないということを申し上げておきたいと思います。とりわけ、コロナ対策は人のいのちがかかっています。これまでの反省と、中央政府ではなく、他の自治体の優れた教訓に真摯に学び、県民のいのちと健康を守られるよう、切に求めます。
今回私に一票を投じて下さった方々は、本当に真っ直ぐにご自分の意思を、切実な願いをお示しになられた方々です。そういう一票をいただきながら、当選に至らなかったのは、やはり私の努力不足、精進が足りなかったということであって、大変申し訳なく思っています。
いただいた一票は無駄にはしません。必ずご期待に応えると約束しました。形は異なりますが、皆さんの要求、公約実現に、これからも努力を続けます。

(兵庫民報2021年7月25日付)
14:00

淡路市議選1議席増・上郡町議選空白克服


淡路市議選(定数十八・立候補二十三人)と上郡町議選(定数十・立候補十四人)が七月十八日、投開票で行われ、日本共産党は淡路市議選で岡田のりおさん(60)が次点候補と一票差で初当選、かまづか聡さん(43)も四回目の当選を果たし、複数議席を回復しました。会派復活と両常任委員会への出席で住民要求実現への力が大きくなります。得票合計は千九百六十二票、得票率八・七四%。
上郡町議選では米田ひろきさん(59)が六百六十四票(得票率七・五九%)五位で初当選。日本共産党空白議会を克服しました。住民無視の議会を改革し産廃ストップ、赤ちゃんから高齢者まで住み続けられる街づくり、憲法九条守る―公約実現のため全力で頑張る決意を表明しています。

(兵庫民報2021年7月25日付)
13:30

神戸製鋼さん石炭火力発電所つくらないで――裁判日記(民事訴訟第12回):CO2削減について神鋼に釈明を求める

原告 近藤秀子


神戸地方裁判所での民事訴訟第十二回期日が七月十三日に行われました。法廷では北弁護士から「求釈明」についてプレゼンテーションがあり、終了後JR神戸駅北側で宣伝、場所を移動して原告弁護団による期日報告会及び浅岡弁護士による学習会がありました。
私たちはCO2削減を明らかにする事を求めています。
例えばCCSです。CCSは大量のCO2を海底油田を汲み上げたところの地下に凄い圧力で詰め込み中から出て来ないようにする仕組みです。三年前の評価書には「検討する」と記載されていました。ところが中期経営計画から「CCS」と言う言葉が消えているのです。
そもそもやる気が無い、現実問題としてやれないと言う事ではないかと想像できます。
CO2を運ぶこと自体現実的ではないし、どれだけのコストがかかるかもわからない、中期経営計画に書けば株主が当然読むだろうし、嘘は書けないから省いたのではないかと言うのが池田弁護士のお話でした。
菅首相が表明した「二〇五〇年CO2排出ゼロ」に向けて神戸製鋼所もCO2排出削減を言わざるを得ません。
本気で減らすのか、今がチャンスと早く燃やして早く回収するのか、二つに一つ選ぶなら早く燃やして回収する事を選ぶでしょう。
神戸製鋼所が言う一人の人にガスを吸わせたら不法行為だが、全世界の人に広げたらそれは政治問題に過ぎないと言う判断。
私たちは被害者の権利としてハードルは高いけれどCO2の排出を止めることができる、いえ止めなければなりません。
浅岡弁護士による学習会は「どうする 日本 二〇五〇年脱炭素への道筋」。キーワードは「一・五℃」です。
二〇五〇年脱炭素へ動き出した世界に比べて日本はどうか。
一・五℃に止めるために全世界で排出できる残余総量はわずかです。石炭火力発電所を増やす計画は中止し、自然エネルギーへ転換すべきです。
神戸製鋼所の住民無視のやり方はきっと破綻する。広く世論に訴えて、子どもたちに青空を引き継いでいけるようにがんばりたいと思います。

(兵庫民報2021年7月25日付)
13:00

ジェンダーわたしの視点「ケア労働など日常を支える職場とジェンダー平等」川西市議会議員 黒田みち


大正生まれ・昭和二年生まれの養父母の下で育った私。夕飯には必ず父のおかずが一品多い食卓。父が経営していた工場が保証人・不渡りで倒産、会社勤めに。母は自宅で、市の委託を受けて「託児所」を。無資格でも子育て経験があれば大丈夫と公立保育所に入所できるまでの間、産休明けの子どもを多い時で三人みていました。
「浮気は男の甲斐性」というつまらない言動とそのことで大迷惑を被った非嫡出子の私は、養護施設で働きたいと保母資格を獲得するために奔走。いろいろあったことは割愛して(笑)保育所勤務になって直ぐから、「無認可保育所の改善要求や認可化」「保育・教育内容の発展や職場環境の改善」に力を注ぐことになりました。
せめて公立園所並みに保育基準や労働環境が良くなるように、待機児童ゼロを目指しての闘いは今も続いていますが、現政権の取り組みは、せっかく勝ち取ってきたものすら後退させる内容ばかり。公立園所の統廃合・民営化、経営優先の株式会社の参入、保育士資格がない職員配置が許される小規模園や自治体が関与しない企業主導型――などなど。待機児童はゼロにならず、五十年前の「母の託児所」に逆戻りさせられるのではないかという危機感、保育士確保が難しい現実にも危惧しています。
専門的な勉強を重ね、資格を取っているにも関わらず、保育や介護、障がい者・児など福祉施設で働く労働者の賃金が全労働者の賃金より月十万円も安いなんて異常です。社会的に必要な現場なのに評価されていない、「子育てや介護は女がやるもの」という価値観・通念の表れそのものではないでしょうか。
コロナ禍のなか、看護師さんの叫びの一番は、感染への不安と「保育所に預けられなくなったら働けない」ということ。看護師さんが働けないと医療現場は逼迫します。保育所を守り、発展させることが社会を動かす大きな力です。これは、障がいや介護、養護など福祉の現場でも同じ。私たちの日常は双方向で支え合い成り立っているのです。
人間の尊厳が大切にされ、豊かな成長・発達を保障する福祉・教育などの現場で、専門家として評価されるためにも「ジェンダー平等」の視点が絶対に必要です。私たちの日常は影響し合っています、やりがいを持って働き続けることができる「ケア労働」にしていくためには連帯も必要です。がんばってまいりましょう。

(兵庫民報2021年7月25日付)
 

12:30

瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈687〉


(兵庫民報2021年7月25日付)
12:00

こくた恵二「今からでも間に合う、五輪は中止すべき」連載エッセイ10


この間の嬉しいでき事は、東京都議会議員選挙で、日本共産党が改選議席を一名上回り、十九議席獲得、都議選三連勝をなしとげ野党第一党を維持したことです。
最大の争点は五輪。五輪中止を掲げ、「五輪よりも命を大切に」との共産党の訴えが都民の心をとらえました。中止・延期を訴えた共産党、立憲民主党が議席を増やしたのです。
七月十三日の読売新聞の世論調査で、東京においては、「五輪中止」が五〇%を占める結果となっています。
私は、本紙五月二十三日号で、「オリパラ開催中止の決断を直ちに」と寄稿しました。今号の記事を読者が手にするときは既に五輪が強行開催されているかもしれません。しかし敢えて「今からでも中止を」を呼びかけるものです。
なぜなら、自粛や人流を少なくというコロナ感染症対策と世界最大のイベント・五輪は矛盾し、両立しないからです。
もう一つ、西村康稔担当大臣の「酒類取引停止」の発言。金融機関と酒販業界に圧力をかけて締め上げる。言語道断の法律違反、営業の自由を脅かす憲法違反の強権的所業です。「撤回」で済む問題ではありません。この背景には感染症対策の無為無策への焦りと、五輪絶対開催の呪縛があります。
いま必要なのは、飲食店をあたかも悪者であるかのよう仕立て上げ、「自粛警察」まがいの取り締まりを強化することではありません。補償と生活支援を中心とするコロナ対策です。今からでも遅くない、五輪を中止することです。
(日本共産党国会対策委員長、衆院議員)

(兵庫民報2021年7月25日付)
11:30

観感楽学「大相撲名古屋場所と兵庫県知事選挙」


大相撲名古屋場所の千秋楽。全勝同士の闘いで横綱は大関に対し、ヒジ鉄まがいの戦法も駆使して勝利した。この横綱、前日の取り組みでは俵に足がかかるほど仕切り線から遠く離れて立ち会い、相手を攪乱した▼「国技」としてどうかなどというより、スポーツ競技者としていかがなものか、おおいに疑問の残る闘いぶりであった。しかしそれでもどちらかに有利なように第三者が土俵の大きさや形をゆがめる、というようなことはなかった▼十八日投票の兵庫県知事選は分裂した自民党候補の一方の勝利で終わった。しかしこの選挙、マスメディアによってゆがめられた土俵の上でたたかわれた。というより土俵に乗って勝負しているのは分裂自民の二人だけかのような扱いが終始なされた。マスメディアには公平・公正な報道が求められ「社会の木鐸」とも言われる。いったいそれは誰のために鳴らされるのか▼当確が決まったとき、金田峰生候補は支援者と報道陣を前にこう語った。この選挙戦で市民と野党の共同を最後まで追求した。残念ながら政党レベルでは功を奏しなかったが、いままで結びつきのなかったみなさんや市民グループの方々との共同が拡がった。ここにこそ人の命より他のものを大事にするいまの自民党政治を変える確かな流れがある。(T)

(兵庫民報2021年7月25日付)
11:00

暑中お見舞い申し上げます(名刺広告)


(兵庫民報2021年7月25日付)

2021年7月18日日曜日

まやかしの第6次エネルギー基本計画:原発「必要な規模を持続的に」/CO2削減目標46%:原発なくす会恒常学習会で笠井衆院議員が批判

原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会が主催する恒常学習会の第十六回目は『第六次エネルギー基本計画と原発ゼロ基本法案』をテーマに笠井亮日本共産党衆議院議員を講師に行われました。会場はコロナ過密を避け参加者は十五名。YouTubeで放映しました。
地球温暖化による気候変動は、異常気象段階から〝気候危機〟となり、例えば七月の今、カナダやモスクワでセ氏四十度を大きく超え、クーラーを使わないカナダでは熱中症による死亡が続出しています。温暖化による凍土溶解や熱帯林の破壊も大きく、コロナ禍が収束しても新たなウイルスの発生が予測されています。こうした状況のもと、安倍政権に続く菅政権が策定しようとしている「第六次エネルギー基本計画」がどのようなものか、笠井さんは東京から大型スクリーンに登場、約一時間、詳しく解説しました。
*
最初に笠井さんは、熱海市で発生した土石流災害や線状降水帯による水害の例もあげ、「残された時間は少ない。二〇三〇年までのCO 2削減に人類と地球の未来がかかっている」と提起しました。
エネルギー基本計画の改定は三年ぶり。その骨子案を七月七日付『産経新聞』が報じました。原発については「『安全性の確保を前提に、必要な規模を持続的に活用する』との表現を新たに盛り込む」「素案を七月二十一日に政府の審議会に提示、八月に政府原案を決定し、十月までの閣議決定をめざす」「政府は、基本計画を反映して年内にも改定する令和十二年度の電源構成比率について、原発は現行の二〇から二二%を維持し、再エネは……三六~三八%に引き上げる方向で調整している」。
笠井さんはこの記事を紹介し、「総選挙では焦点にせず、十一月のCOP26までに策定」しようしている菅政権の世界の流れに向き合わないまやかしを批判。野党が共同して二〇一八年三月に提出済みの「原発ゼロ基本法案」の審議を求めることが何より必要だと強調しました。
「産業革命以前からの気温上昇を一・五度以内に抑えることが人類共通の死活的任務とする科学的知見への根本認識が問われる」「二〇三〇年までの四六%削減を菅政権は『野心的』というが、英国は六八%、EUは五五%、米国は五〇~五二%を掲げ、日本の環境団体の多くも気候ネットの六五%をはじめ五〇%以上を提唱しており、野心的目標・挑戦とはいえない」「省エネ・再エネこそがこの六五%削減を実現する要」「菅政権はCO 2の貯留(CCU)やアンモニア、水素へ巨額投入という新技術依存を前面に出しているが、財界トップも実現に十五~二十年かかり間に合わないと発言している」など詳しく解説しました。
笠井さんはEU各国への頻繁な視察や環境保護にかかわる政治家や団体と交流してきた内容を紹介。その大半で、これからの社会は「前例のないシステム移行」が必要だとの考えが示されたことを明らかにし、〝否応なしに資本主義的思考をやめないと地球破壊が止められない〟との認識が広がってきていると述べました。
最後に笠井さんは、「二〇五〇年 二酸化炭素排出ゼロ表明」自治体が四十都道府県、二百四十九市、九特別区、二十村となっていることを紹介(写真上)。兵庫県内ではまだ九市であり、地球温暖化防止にとりくむ県政への転換めざしともに頑張りましょうとまとめました。
*
学習会では、憲法が輝く兵庫県政をつくる会が、地球環境を守る――ゼロカーボン、原発ゼロ、再可エネ一〇〇%めざして――を政策に掲げ、全国すべての原発の廃炉を求めること、大阪湾をはじめ原発汚染水の海洋投棄に反対すること、県の施設をはじめ既存設備に最大限の太陽光発電を設置する県独自の助成制度をつくること―を主張していることも紹介されました。
〔速水二郎=原発なくす兵庫の会〕
 
録画はhttps://youtu.be/7JEieSX7ONIで公開中

 

(兵庫民報2021年7月18日付)

コロナ禍の今こそ廃炉:毎月11日、加古川駅前で脱原発訴え111回


加古川駅前での「福島原発事故を忘れない毎月11日行動」が7月11日で111回目となりました。
2011年3月11日に起こった福島原発事故。脱原発を訴え同年11月から始まったこの行動は、脱原発はりまアクションと加印革新懇が共同して続けています。ことし5月、6月はコロナ感染拡大があり中止。少し久しぶりの行動となりました。ギター演奏を間に挟みながら、それぞれの思いをスピーチしました。「脱原はりま通信」は200枚近く配布。配布メンバーが「チラシが無い」というくらい好反応でした。福島の子ども健康支援カンパは950円あつまりました。参加者は17人でした。
〔写真と情報の提供は、脱原発はりまアクションの菅野逸雄さん〕
 
関西電力姫路支店前での「関電さん原発やめて毎週金曜行動」は7月30日に第450回になります。

関電さん原発やめて毎週金曜行動(姫路)第450回

7月30日(金)17時30分~18時15分:関電姫路支店前、18時30分~19時30分:JR姫路駅ピオレ前/主催:脱原発はりまアクション

(兵庫民報2021年7月18日付)
1700

高塚高校校門圧死事件から31年目:生徒のいのち、人権守る教育行政に:兵庫教育共闘が知事、県教委、県議会に申し入れ


高塚高校校門圧死事件から三十一年を迎えた七月六日に有志など十七名の関係者が事件のあった校門前で追悼の行動を行いました。
これに先立って、高塚高校の最寄り駅である市営地下鉄西神中央駅前で「兵庫教育共闘」がチラシ配布の宣伝を実施しました。
この事件は、「形をつくることが教育」とする当時の校長の指示のもと、八時三十分きっかりに門扉を閉める兵庫県の行き過ぎた管理教育が招いたものです。

タブレット自費購入反対署名2607筆

校門前での追悼行動を終えた後、「兵庫教育共闘」は兵庫県知事、兵庫県教育委員会、兵庫県議会議長あてに事件の背景にある管理教育や競争主義的な教育を止め、生徒の人権を尊重するため、憲法と子どもの権利条約に基づいた教育行政にするように申し入れを行いました。
あれから三十一年がたちましたが、兵庫県の教育はいまだに管理主義・競争主義的な教育が続いています。
高校通学区拡大により競争教育は強化され、遠距離通学により通学費の家庭負担は増加しています。
兵庫県は、小学校・中学校でタブレットが二〇二三年度までに導入されることをうけて、高校でも二四年度からタブレット端末の導入を進めようとしています。
しかし、教育現場ではネット環境が十分に整備されていないうえに高額なタブレット端末の費用負担が家庭に重くのしかかるとして、「タブレット自費購入反対署名」が取り組まれ二千六百七筆を教育委員会に提出しました。
*
高塚高校校門圧死事件を招いた兵庫県の管理教育・競争主義的な教育は人を「物」として扱うことです。一つの教室に四十名以上いる生徒を一人の教師で見なければならない環境下では生徒一人ひとりに十分な対応を行うことは不可能です。
さらに、部活動など授業以外でも先生の負担を考えれば、三十五人学級の早期実現はもちろんさらに少人数への学級編成が必要です。
そのためにも、正規教職員を増やすことと合わせて、これ以上の学区拡大、学校の統廃合はやめるべきです。
兵庫県には、生徒のいのちや人権を基本とした教育行政に改めるよう今後も追悼の行動は続けていく予定です。
〔岡崎史典〕

(兵庫民報2021年7月18日付)
1650

高校卒業まで医療費無料:七月から加西市、明石市も


兵庫県内で高校卒業まで医療費を無料化する自治体が広がっています。
加西市、明石市はことし七月から子どもの医療費助成の対象を、従来の中学卒業から高校卒業までに拡大しました。通院、入院とも窓口での自己負担は、ありません。両市とも所得制限もありません。
兵庫県の乳幼児と子どもの医療費助成制度は、対象が中学生までで、自己負担や所得制限があり、両市では、それを補うかたちで、市独自で上乗せをして無料化しています。
加西市、明石市のほか、県内ではすでに小野市、宍粟市、佐用町、神河町が、通院、入院とも高校卒業まで所得制限なしで無料化しています(宍粟市は中学を卒業した人が就労で一定所得を超える場合等は対象外)。香美町、新温泉町は、一部、所得制限がありますが通院、入院とも高校卒業まで無料化しています。
このほか、入院に限って、高校卒業まで無料化している市町もあります。
〔森勇治〕

(兵庫民報2021年7月18日付)
1600

ジェンダーわたしの視点「『自分らしさ』応援する社会こそ『持続可能』」新日本婦人の会兵庫県本部 荻野潤子


「あのさ、日本って〝先進国〟なん?」と不意に子から問われ、ハッとした。「先進国」の定義は、過去には経済的大国のことだったろう。しかし現在はSDGs(持続可能な開発目標)達成を具体化する国が世界をリードしていると思う。そして達成に不可欠なのがジェンダー平等の視点。日本は世界ジェンダー平等度ランキングで下落し続け、今百二十位。つまり、世界の流れから、遅れに遅れている。
ジェンダー平等のために早急にクリアすべきは、「選択的夫婦別姓」の実現だ。夫婦同姓を強制している国は日本だけ。九六%が女性が改姓し、不利益が女性に集中している。国連女性差別撤廃委員会は、繰り返し「同姓強制は女子差別撤廃条約違反」と勧告している。
私も改姓した一人。結婚時、事実婚も少し考えたが、夫が「長男やからなぁ…」とつぶやき、忙しさもあり、深く考えずに「じゃ、私が譲ろう」と入籍。最初は、結婚の証のようで嬉しく、自ら、年賀状に「〇〇潤子(旧姓・荻野)」と書き、「仕事で通称使用するし、いいか」と考えていた(夫とは対等でいようと話し合い努力してきたつもり。しかし苗字になると、こうだ…)。しかし、徐々に、なぜ自分だけ膨大な手続き? 使い分けが不便! この喪失感は一体…と不平等を感じるように。六年前、NPT・NY行動で「荻野潤子」として派遣された際、パスポートは戸籍名なので、何度も確認され、手間取った。そう、身分証明に関わる重要書類ほど、戸籍名なのだ。
今年六月、夫婦同姓を「合憲」とした最高裁大法廷。十五人中女性は二人。不利益を体感している女性が意思決定機関に少なすぎる。兵庫県議会の女性の割合は一五%。新婦人の「夫婦別姓に賛成を」の請願が自民と維新の反対で否決され続けている。七月、東京都議会は女性が過去最多の三二%に! 兵庫も早く三割以上にしたい。
最近、街頭のシール投票で政治・社会の関心テーマを聞くと、十代、二十代は一番に「夫婦別姓」を選ぶ。「自分らしさ」を応援する社会こそ「持続可能」だろう。多様性を必死で否定する自民党政治を終わらせよう。「Don't Be Silent」と世界からエールを送られている。

(兵庫民報2021年7月18日付)
1550

こんなところにもこむら潤さん:垂水商店街の路面アート

みずほ銀行の浜側

神戸市・垂水駅前の商店街に路面アートが描かれています。そのうち、ニワトリ親子とカブ・ピーマン・サヤエンドウのデザインをしたのは?――なんと、こむら潤さん(日本共産党衆院比例・兵庫八区予定候補)であることが、フェイスブックのこむらさんの投稿で明らかにされました。
 
業務スーパー前

一九九〇年代末、こむらさんは垂水駅前にあった垂水美術研究所で講師を務めていました。その時、商店街から通路の舗装をするので地元の方とコラボで華やかに盛り上げたいと図案の依頼が研究所にあり、生徒たちといっしょにデザインをしました。ほかに花束を抱く少女、明石海峡大橋、イルカなどがいまも商店街に彩りをあたえています。

Googleマップなど航空写真にも写っています

(兵庫民報2021年7月18日付)
1500

日中友好協会兵庫県連が第67回総会:自主的立場を貫き活動、中国を正しく知ること大事に


日中友好協会兵庫県連合会は七月四日、神戸市東灘区で第六十七回総会を開催しました。
開会挨拶で前田清県連会長は、「日中国交正常化から来年で五十年、『文化大革命』以後、中国側との交流が一九九九年まで断絶した中にあっても協会は一貫して自主的立場を貫き活動を継続してきました。この歴史は教訓として受け止めておくことが必要です。中国については歴史的見地から見ていく必要があり、学習を継続して中国を正しく知ることが大事です」と挨拶しました。
諸議案提案のあと、ゲストとして迎えた遼寧省出身で神戸大学大学院へ留学している寵博さんが、コロナ禍での留学生活の一端について「授業は全てオンラインで、評価をもらわないと大学には行けないので友人とは疎遠になりました。今年三月に修士号を得て大学院を終了し現在就活中ですが企業の採用が制限され、面接もオンラインとなり、八〇%の学生が帰国を予定しています、私の後輩も帰国します。アルバイトでしのいでいますが、バイト収入は時短や休業で三分の一ほどに減少し困りました」と語りました。
討議では、中国問題や日中情勢、マスコミ報道をはじめ支部活動の現状、「中国百科検定」の試験問題について、支部総会の開催と会員拡大の取り組み、太極拳教室の現状、ホームページについてなど七人が発言しました。提案された諸議案は全て採択され新役員を選出、大会宣言を拍手で採択しました。
二〇二一年度新役員は会長・前田清、理事長・兵頭晴喜、事務局長・上田雅美、理事十九人。
〔上田雅美=日中友好協会兵庫県連〕

(兵庫民報2021年7月18日付)
1450

七月七日は「盧溝橋事件」八十四周年:日本中国友好協会兵庫県連合会 上田雅美



一九三七年七月七日、中国・北京郊外の盧溝橋付近で夜間演習中の日本軍部隊が中国軍陣地から銃弾を撃たれたとして、これを不法射撃だと主張する日本軍は膺懲(征伐して懲らしめる)と称して中国軍陣地を攻撃、中国軍も抗戦し、盧溝橋付近で日中両軍の戦闘が繰り返されました。この盧溝橋事件から今年は八十四年目となります。
この事件を契機に日本は一九四五年の敗戦まで中国全土への侵略戦争をおし進め、南京大虐殺、七三一細菌戦部隊、戦時性暴力事件、儘滅掃討作戦、強制連行・強制労働事件、重慶などへの無差別爆撃をはじめとした加害行為を重ね、言語に絶する苦しみを中国の民衆に与えました。
一九三一年の柳条湖事件に始まる日本軍国主義による中国への侵略戦争は、「道義に欠ける中国を懲らしめて反省させる」との主張のもとに進められたものでした。
いま、尖閣、香港、人権問題などをめぐって日本国民の対中感情が悪化する中、中国の軍事力増強に対抗するとして日米軍事同盟の強化と一体化が進められ、日本を戦争のできる国にするための憲法改悪の動きが強まっています。
侵略戦争の反省と教訓をもとに不再戦平和運動を進めてきた日中友好協会は、中国の国際法に反する行動の誤りは率直に指摘し、あらゆる軍事的な対抗措置に断固反対します。コロナパンデミックや地球温暖化の中で、いま重視すべきは国際協調であり、体制の違いを越えて、人類共通の課題を克服するために世界が力を結集し取り組むことです。

(兵庫民報2021年7月18日付)
1400

劇団文化座『命どぅ宝』:神戸演劇鑑賞会8月例会:なまの舞台をごいっしょに


敗戦から十年を経たここ〝伊江島〟は米軍の基地にされた。予告もなく、島民を銃で脅し、畑をブルドーザーで壊した。柵を巡らし、島民を遮断した。沖縄に現代もある米軍の基地はこうして始まった.
舞台は、突然生活の総てを奪われた島民の戸惑い、なす術を知らない人々の姿を、克明に描き、その心情までもつぶさに表現している。島民たちだけでなく、非道手段で基地を手にする米軍兵たちの様子もリアルだ。
この島の惨状をみたひとりの農民が立ち上がった。その名は阿波根昌鴻。彼は静かな抗議行動を主張した。
その頃、沖縄本島では人民党の書記長、瀬長亀次郎が知事選に立候補するが、米軍などの圧力もあり落選。そして、人民党員を匿った罪で宮古刑務所に収監されるが、すぐに釈放された。亀次郎は、伊江島の抗議行動のやり方に危惧を感じていた。島の中だけでなく、もっと広く沖縄全土の問題として考えることを昌鴻に伝えた。ここから、昌鴻たち、島の農民は新たな抗議行動を模索し始めた。
舞台全体をつつむ優しい照明。その光りの中で、粘り強く抗議行動をする、島の農民たち。その心の底に潜んでいる〝命〟を大切に思う力を感じる。抗議のための抗議でなく、ひとつ、一つの命がどんなに大切か、登場人物たちの眼の光りが観客に投げかけている。そして、沖縄の米軍基地は現代も生きている。
〔小谷博子=神戸演劇鑑賞会〕
 

劇団文化座 『命どぅ宝』

作=杉浦久幸 演出=鵜山仁 出演=佐々木愛、白幡大介、藤原章寛ほか/①8月6日(金)18時30分②8月7日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生500円)/Tel. 078-222-8651、Fax078-222-8653 http://kobeenkan.my.coocan.jp/

(兵庫民報2021年7月18日付)
1350

こむら潤「今こそ、つながり寄り添って」こんにちは♡こむら潤です!17


先日、早朝から出発し電車移動をしている時のでき事です。通勤通学のラッシュで、ボックス席の車両は満席、私は通路の真ん中あたりまで進んで立っていました。隣に少しやせた、制服姿の男の子が立っていましたが、途中で前かがみになり、膝に手をついて息苦しそうにし始めました。そっと肩をたたいて「大丈夫?」と声をかけると「だ、大丈夫です……」と言うのですが、明らかに大丈夫ではありません。周囲の方も心配し、横の女性が席を替わってくれたので座らせました。
横にかがんで話を聞くと、私が降りるT駅より先のS駅の学校に通う中学一年生。時々しんどくなるそうです。「しんどかったら無理しないで途中でも降りようね」と、持っていた塩飴を一つ彼に渡しました。周りで心配する人もみな、T駅で降りてしまうようで気がかりでしたが、座ったことで少し落ち着いたようなので、「気を付けてね。辛かったら駅員さんから学校に連絡してもらってね」と言って彼と別れました。
電車を降りてから、スマホで「S駅、私学、制服」で検索すると、彼と同じ制服の写真が出たので、その学園に電話をかけて報告しておきました。
私も電車で遠距離通学していた経験があり、今は息子も早朝から電車通学です。他人ごとではなく、「自分なら、自分の家族なら」という気持ちの寄り添いで、私たちはいくらでも優しい社会、優しい政治をつくることができます。今こそ、つながり寄り添って力合わせましょう。
(衆院近畿比例・兵庫8区予定候補)

(兵庫民報2021年7月18日付)
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大門みきし「無観客でもやりたい理由」連載エッセイ64


無観客でもオリンピックを開催すれば、海外から数万人が訪れ、コロナ感染は全国へ拡大します。なぜ菅首相はオリンピックに固執するのか。二つの理由があると思います。
一つは利権です。IOC(国際オリンピック委員会)の収入の大半はオリンピックを各国のテレビ局に放映させる放映権収入です(四年で約七千億円)。このお金をめぐり今まで汚職事件が後を絶ちませんでした。日本の委員会にも配分されるこのお金は委員の高額報酬にも充てられています。IOCと日本のテレビ局を仲介し巨額の手数料を稼ぐのは電通です。テレビ局も大企業からばく大なスポンサー料が入ります。かれらは無観客でもテレビ放映できればいいのです。またオリンピックの運営業務の大半を受注するのはパソナです。会長は私の「天敵」とマスコミも指摘する竹中平蔵氏です。これらの大企業から献金等の支援を受けているので菅首相はオリンピックを中止しないのです。
もう一つの理由は菅首相によるオリンピックの政治利用です。ある自民党議員は「支持率が下がる一方の菅さんが『オリンピックをやりとげた首相』として解散総選挙に打って出ようとしている。そうしないと菅おろしが始まる。イチかバチかの賭けだ」といいました。
しかし賭けにさらされるのは国民の命です。なぜ一部の大企業や菅首相ごときのために私たちの命やくらしが危険にさらされなければならないのか。オリンピック中止の声をとことん上げ続けましょう。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2021年7月18日付)
1250

兵庫山河の会 〈七月〉

恥も悔いも程よく忘れ七度の干支の日々つっぱり暮らす
 石井敏子

五輪より命守れとマイク持つ畑の農夫手を振り拍手
 岸本 守

男性の長髪もいい夏帽の下からのぞく馬の尻尾よ
 古谷さだよ

大空を飛ぶ自由は鳥にありオスプレイは鳥にはあらずや
 大中 肇

夏草のぼうぼう乱れ緑なすもなかに咲けるもじずりの紅
 山下洋美

坊さんの一念発起のこの行脚ヒロシマの祈り全国に拡げ
 西澤 愼

香港のリンゴの種が世界中に育ち再び花咲く時を
 塩谷凉子

アメリカへワクチンツアー盛んとか広告もせず後ろめたいか
 山下 勇

二回目のワクチン打ち終え帰る道コロナ後のくらし描きてみたり
 古賀悦子

(兵庫民報2021年7月18日付)

 
1200

亀井洋示「政治生命」


(兵庫民報2021年7月18日付)
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観感楽学


「草の中に寝ていたのか波の音」―放浪、漂泊の俳人山頭火が「ねんてん先生」(坪内稔典)の随筆で紹介された(「赤旗」七月二日付)。「歩き疲れては/夜空と陸との隙間にもぐり込んで寝たのである/草に埋もれて寝たのである…」―沖縄出身の詩人山之口貘「生活の柄」。高田渡、大工哲仁などが歌にもした▼山頭火は廃屋を庵として一人、暮らしたが、当時の満州国建国の世情の熱狂から距離をおいたという。失業と差別に耐えながら放浪生活を送った山之口貘は原水爆や「不沈母艦沖縄」などを柔らかいタッチで鋭く告発する詩で注目された▼「読書」欄(七月四日付)には米文学の礎を築いたとされる作家ソロー『森の生活』が登場。ソローは森の奥の湖畔に自らの手で家を建て自給自足的な生活を送った。私が平和交流でボストンを訪問した際に、友人が独立戦争で英軍との戦闘地となったコンコード、ウォールデン湖に連れて行ってくれた。建造費二十八ドルという家は想像以上に狭かった。ソローは人頭税に反対し投獄されたのを契機に『市民的不服従』を著した▼彼らは、世の中から隔絶した生活を送ったかのようだが、文学者の感性で社会を見続けた。自然の中での自由な暮らしにもあこがれるが社会への研ぎ澄まされた感性を学びたい。(K)

(兵庫民報2021年7月18日付)
1100

2021年7月11日日曜日

済生会兵庫県病院、三田市民病院の統合NO!

旧有馬郡(三田市、西宮市北部地域、神戸市北神地域)では将来的な急性期医療の確保のためなどとして、北区の済生会兵庫県病院と三田市民病院との再編統合も視野に入れた検討委員会を三田市、神戸市が共同で設置。これまでも、身近な病院がなくなると懸念の声があがり、地域住民や患者、利用者から存続・充実を求める運動が広がっています。

存続・充実を!――三田市と北神地域、二つの会が集会

済生会兵庫県病院の存続・充実を求める会と三田市民病院を守る会が六月二十七日、北神区文化センターで「講演会&報告集会」を開きました。
藤末衛医師(神戸健康共和会理事長・全日本民医連前会長)が「コロナ禍における公的公立病院の役割」と題して講演。感染症指定病院の九四%が公立・公的病院で占めている事実、民間病院との連携が今後、必要であることを強調しました。
また、「第一回北神・三田地域の急性期医療の確保に関する検討委員会」について兵庫の医療を守る会の今西清代表が報告し、次の問題点を指摘しました。①済生会兵庫県病院の経営悪化の原因と対策が議論されていない②再編統合し病床削減すれば入院できない患者が増える③経営優先の病院になる④地域住民にとって遠距離過密診療になる⑤病院利用者や市民の声をまったく聞かない。今西さんは「検討委員会は、市民の声をしっかり聞いてこの地域に必要な医療提供体制のあり方を科学的に調査し、民主的に報告書を作成することが求められている」としめくくりました。
また、西宮北部地域住民の声として、西宮市議会に陳情・請願提出を予定していることが報告され、運動の広がりを確認することができました。〔浜本宏=済生会兵庫県病院の存続・充実を求める会〕

日本共産党・朝倉えつ子市議が要求:神戸市長として存続の立場で


この問題について神戸市議会では日本共産党の朝倉えつ子議員が六月二十八日、一般質問で取り上げました。
朝倉えつ子議員は、コロナ禍で医療の大切さが浮き彫りになったことを強く指摘し、存続・充実を求める一万筆を超える署名など、市民の願いにこたえ、病床を削減するような再編統合はやめるべきだと主張し、市長として存続の立場を明確にして検討会に臨むよう求めました。
久元市長は、「済生会兵庫県病院から単独で将来的に地域の基盤病院として急性期医療を継続して維持していくことが困難だとの報告があり、それを踏まえ検討委員会を設置、再編統合も視野に入れた方策を検討していくことになった」と答弁しましたが、存続の是非については一貫して答弁を避けました。
朝倉議員は「兵庫県が統合や病床削減を誘導する発言をしているが、北神地域の医療需要は今後も増え続けている」と指摘。検討委員会には住民の代表が一名しか入っていないが、もっと多くの地域のみなさんの声を反映させ、方向性を決めるべきだと重ねて求めました。
朝倉議員は、このほか、旧北区役所跡への図書館整備と、小学校給食費の引き下げなどを求めました。
〔前田明〕

(兵庫民報2021年7月11日付)
1800

「コロナ感染で何が問われたのか――いのちと暮らし守る兵庫県政に」兵庫民医連会長 大澤芳清


兵庫民医連会長で医師の大澤芳清さんが尼崎市内の会場で訴えました。その一部要旨(文責編集部)を紹介します
 
昨年春からコロナの感染が続いています。今年三月から始まった第四波が、ようやく収束に向かいました。しかし、もう第五波が来るのではないかと報道もされています。
コロナの感染が広がるなか、尼崎市内でも、たくさんの陽性の方が発生しました。保健所に相談しようと思っても電話が繋がらない。対応していただけない。コロナの入院ベッドは行政の指導で増やされました。でもすぐいっぱいになりました。
軽い症状から中等症の症状の方を受け入れた病院では、入院中に症状が重くなって、専門的な治療が必要な方でも、専門病院に転院することができなくなりました。市内では、複数の介護施設や病院で集団感染が起こりました。行政からは、一定の年齢以上の方は治療しても助けることができない――こんな判断をされて、そのまま施設や病院に留め置かれる事態となりました。助けることができたかもしれない命が切り捨てられました。
対応した職員には何もできなかったという無力感と、大きな心の傷が残り、勤務を続けることができなくなる人も出てきました。
そして、入院して治療が必要と判断された方でも入院できず、自宅で療養する状況が生まれました。尼崎市と尼崎市医師会が協力して、入院できない陽性の方に薬を出したり、点滴や酸素吸入器の手配など往診が行われ、注目されています。市医師会以外でも、自宅にいる療養者に薬を届けたり、食料を届けたりする取り組みも行われました。
では、コロナ感染症以外の医療には影響が出なかったのでしょうか。尼崎市内では一一九番に電話して救急車が現場に到着しても、送り届ける病院がどうしても見つからない。そのまま救急隊が帰らざるをえない事態が起こりました。必要な手術が延期される事態になりました。
この間、尼崎市の保健所職員は、朝早くから夜中まで電話による聞き取り調査や陽性者訪問などの業務を行っていました。休日や年末年始も休まず対応されていました。病院や診療所の職員は、いつもの仕事でも長時間労働となっていますが、ワクチン予約の電話対応や接種の準備、昼夜を問わず陽性者の往診などを行って疲れきっています。現場は、地域の皆さんの命を守ろうとできる限りのことを行ってきました。
*
では、一体どこが間違っていたのでしょうか。法律の改正によって尼崎市に四つあった保健所は一九九九年に一つになりました。今回のコロナ感染のような病気が広がることは予測できなかったのでしょうか。二〇〇九年に新型インフルエンザが広がったとき、国の委員会で、今後起こりうる感染症の対策が出されました。専門家の養成、保健所機能の強化や、今回、尼崎市内のPCR検査を請け負った衛生研究所の機能強化などを提案していました。しかし実行はされませんでした。
そして、病院のベッドは国と県が定めた地域医療構想により、公的病院の合併で減らされていました。尼崎市周辺では、二〇一五年に県立尼崎病院、県立塚口病院が合併し百七十床のベッドが削減されました。
コロナ感染の入院のできない方がたくさんおられる状況にもかかわらず、西宮市立中央病院と県立西宮病院、近畿中央病院と市立伊丹病院、川西市民病院と共立病院の合併で五百床を超えるベッドの削減が進められようとしています。
また、国から支払われる診療報酬や介護報酬は低く抑えられています。最低限の職員数で定員いっぱいの入院や入所、療養も厳しい経営状況となっています。コロナ感染に対する介護施設への県からの支援は少なく、手指消毒剤や防護服、集団感染が起きたときの費用補塡はほんのわずかです。
*
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」。
――憲法の条項(第十三条、二十五条)です。
今の国や県の政策は、この条項に沿ったものなのでしょうか。コロナ感染が広がることによって、今まで隠されていた国や県の政策の誤りが明らかとなりました。政策の誤りによって、たくさんの方が傷つき、そして亡くなられています。
今こそ、経済優先の県政から、いのちと暮らしを守る憲法が輝く県政へ転換が必要です。

(兵庫民報2021年7月11日付)
1750


今年は必ず大幅引き上げを――最低賃金審議会始まる

兵庫労連事務局次長 岡﨑史典
 
労働局前での昨年の座り込み

千五百円以上でなければ普通に暮らせない

全労連が取り組んでいる最低生計費調査について、各都道府県から次々と報告が出されています。どの報告を見ても全国どこでも千五百円以上の時給でなければ普通の暮らしができない結果が示されています。
昨年はコロナ禍を口実に最低賃金の引き上げ目安額提示が見送られ、それが影響し全国の加重平均で引き上げ金額は一円(全国平均九百二円)に留まりました。
兵庫県でも、引き上げ額は一円となり、現在の最低賃金は九百円になっています。
政府も、最低賃金の引き上げについては「早期に全国加重平均千円を目指す(骨太の方針2021)」としていますが、その姿は兵庫労連が求めるものとは違っています。
政府は、生産性を向上させるには最低賃金の引き上げが必要だと考えていて、働く者の生活改善の立場に立ったものではありません。
兵庫労連は「中小企業への大幅な支援拡充」とセットで、最低賃金の引き上げを求めています。

最低賃金審議会の委員任命

今年も、六月二十二日に中央最低賃金審議会が開かれ、兵庫県では六月三十日に一回目の審議会が開催されました。
毎年、兵庫労連は最低賃金審議会の委員について、多様な労働者の意見を反映させるように兵庫労働局と交渉を重ねるとともに、審議会委員への任命も求めてきました。
今年は、多様性とジェンダー平等の観点から女性を含む二名の委員を任命するように求めましたが、残念ながら任命されることはありませんでした。
最低賃金審議会の労働者代表はこの間、特定の労働組合から継続的に選ばれているため、兵庫労働局に対して、任命の基準について説明を求めていますが「総合的判断」としか回答されていません。
兵庫労連は今後も、多様性、ジェンダー平等の観点から非正規、とりわけ女性の立場を代表した委員の任命を求めていきます。

今年も労働局前座り込みを計画

ここ数年、兵庫労連は、兵庫労働局が置かれている神戸クリスタルタワー前で最低賃金審議会が開かれる日を中心に座り込み行動を行っています。
今年も七月二十九日と八月三日の二日間、十五時からで予定しています。
この座り込み行動に合わせて「最低賃金署名(兵庫県版)」の提出行動も行います。
また、七月二十七日には「最低生計費試算調査学習会」を開催し、兵庫県での最低生計費調査を進めていきます。コロナ禍での調査ですので貴重な統計資料になると考えています。
「最低生計費調査」と合わせて、「最賃署名」への取り組みを強めて大幅な引き上げを実現させましょう。

(兵庫民報2021年7月11日付)
1700

恒常的な保健所体制の強化を:神戸市会:日本共産党・松本のり子議員が一般質問


六月二十八日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市議団の松本のり子議員と朝倉えつ子議員が登壇し一般質問を行いました。
新型コロナウイルス感染症によって全国で保健所体制の脆弱さが明らかになりました。一九九四年に地域保健法が改悪されたことにより保健所の統廃合がすすみ、神戸市でも保健センターが各区に配備され、保健所は中央区に一カ所だけとなりました。保健師の仕事はコロナ対策に加え地域の疾病予防と健康維持・増進や母子保健など公衆衛生の強化です。コロナ禍で保健師は増員されましたが、ピーク時には残業百時間を超えていたとのことです。
松本のり子議員は、一過性の体制強化で終わらせず感染症対策と通常業務ができるように、医師・保健師の体制を維持・増加させるよう求めました。
答弁に立った久元喜造市長は「保健師は二〇二二年四月には約三百名になる予定で、これは一過性の対応としない」と回答。医師については、恩田馨副市長が「全国的に公衆衛生の医師の確保が難しい。応急的対策として非常勤を採用している。引き続き医師確保に努力し、過去にいた九名を目途に保健所体制の強化につとめたい」としました。
松本議員は、医師が一定人数が確保できたら、以前のように区単位での常駐医師と保健師が連携した保健所体制にするように求め、恩田副市長は「今のように一カ所に医師を集約した方がいいのかどうか、引き続き関係部局と健康局の中で議論しながら一番よい形で配置していきたい」と答えました。
松本議員は、この他、ブラック校則改善や、王子動物園の再整備のあり方、ファッション美術館の研究所機能について質問しました。
(朝倉議員の質問は一面に掲載)〔前田明〕

(兵庫民報2021年7月11日付)
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学校のトイレに生理用品常設を:7月からモデル事業で明石商業高校に配備:日本共産党明石市議 くすもと美紀


経済的な理由などから生理用品を入手できない〝生理の貧困〟。いま社会問題として大きな関心が集まっています。
女性は生理で肉体的、精神的につらいだけでなく、経済的な負担も発生します。生理に関する啓発活動を行っている若者のグループが国内の実態を調べたところ、五人に一人の若者が「金銭的理由で生理用品を買うのに苦労した」という結果が明らかになり、これを機に国会や地方議会で「生理の貧困」についての論戦が活発になりました。
明石市ではことし四月から生理用品サポート事業「きんもくせいプロジェクト」が始まっています。学校や明石子どもセンター、ユーススペース、あかし男女共同参画センター、きんもくせい相談窓口、子ども食堂で四月一日から二カ月で三百九人に配布がされました。
六月議会で私は「生理は恥ずかしいものでも、隠すものでもなく、冷やかしの対象でもない、普通に口に出して話ができる、どのトイレにもトイレットペーパーのように常備されているのが当たり前、そのために、まず小中学校のトイレに常備することを望んでいますが市長、いかがでしょうか」と質問しました。小中学校のトイレの常設も前向きに検討していただけるとの答弁でした。
その後モデル事業として、七月一日から明石商業高等学校の女子トイレ個室に生理用品が配備され、必要なときにいつでも入手できるようになりました。
引き続き小中学校のトイレにも生理用品の常備を要望していきます。

(兵庫民報2021年7月11日付)
1600

PCR検査半額補助高砂市が七月から

高砂市は七月から、PCR検査を希望する市民を対象に検査費用の半額を助成する事業を始めました。
コロナの症状のある人や濃厚接触者など行政検査、保険適用検査でないPCR検査を希望する市民を対象に、ひとり一回。実施期間は来年三月末までです。
検査は高砂市民病院で実施。証明書代を含むPCR検査費用は三万二千二百円。市民の自己負担額は一万六千百円(生活保護世帯は自己負担なし)です。希望者は、市民病院に電話で予約したうえでメールかファックスで申し込みます。海外渡航用の証明書が必要な場合は別途三千八百五十円が必要です。
同市では、高砂市民病院に約四百四十万円でPCRを導入しています。

(兵庫民報2021年7月11日付)
1550


西宮芦屋市民アクション:総選挙近づくなか合同宣伝


安倍九条改憲NO!西宮芦屋市民アクションは、総選挙が近づく中、「政権交代で、改憲ストップ!憲法が生きる政治の実現を」と六月二十日、芦屋ミスド前、西宮関西スーパー苦楽園店前、ガーデンズ前(高松ひなた緑地)、ららぽーと甲子園前の四カ所で、延べ六十三人が参加して「市民と野党の合同宣伝」を行いました。
各所で、横断幕を持ちながら市民と政党代表が「オリンピックよりコロナ対策に全力を」「いのち最優先の政治へ、市民と野党が手を取り合って政権交代を」などと訴えました。
芦屋ミスド前では、アクションの片岡隆さん、新社会党の山口みさえ芦屋市議、日本共産党の広瀬久美子芦屋市議、立憲民主党の安田真理さん、ガーデンズ前では、年金者組合西宮支部長の小川嘉憲さん、新社会党の奥山篤さん、社民党の魚谷直生さん、日本共産党のいそみ恵子県会議員、立憲民主党の安田真理さんが訴えました。
〔樫村庸一=西宮芦屋市民アクション〕

(兵庫民報2021年7月11日付)
1500

市民アクション東灘が学習会「ジェンダー平等社会って何?」


市民アクション東灘は七月四日、東灘文化センターで学習会「ジェンダー平等社会って何?」を開催しました。
朴木桂緒留(神戸大学名誉教授、京都教育大学監事)さんは、ジェンダー(社会的、文化的、歴史的に作られた性差)とセックス(生物学的性差)の違いの解説から始め、セクシャリティーを取り上げ、どこまでがジェンダーでセックスなのか、デリケートで根本的な違いを説明しました。
伝統的な男女平等の価値観とジェンダー平等とは、根本的に違うこと、性には多様性があること、性的指向(性的関心や恋愛感情)と性自認(自分の性の認識)も色々であること、多数派が正しいのではなく、少数派もいること、具体的にはLGBT(レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなど)などは尊重され、対等であるべきであること――などを分かりやすく説きました。
続けて国際比較の中で、わが国がジェンダーギャップ指数、国会議員の女性比率、企業の女性管理者比率などが圧倒的に低いこと、そして根強い性的役割分業(観)、固定的な家庭観、性と生殖の権利が希薄であることなどの具体例を紹介しました。
質問コーナーでは、参加者から「LGBTは、増えているのか」「ジェンダー問題を女性が話すと嫌われないか」「年を取ってからの性自認の変更は問題ないのか?」など、数件の質問が寄せられました。
「義務教育の中で早い段階で教えるべきではないか。現状はどうか」との質問には、「十分にできていないが、先生、地域によっては先進的に取り組んでいるところもあります」と答えるなど、朴木さんは、一つ一つに丁寧に回答し、「これを機会に今後とも皆さんと一緒に学んでいきたい」と締めくくりまました。
〔藤丸徹=市民アクション東灘〕

(兵庫民報2021年7月11日付)
1450

ジェンダーわたしの視点「日常生活の中でジェンダー・バイアス・フリーを」兵庫県母親大会連絡会 中村治子


日本では選択的夫婦別姓がいまだ実現していませんが、今から二十年前と明らかにすすんだことは、男か女かなどで人を分け隔てするのは間違っているという認識が一般的になったことです。SDGs(持続可能な開発目標)の項目にもあげられ、努力が開始されています。日本共産党の政策に文言としてジェンダー平等が掲げられました。
では、性差別はよくないと思っている大半の人たちは、具体的事実の前でどう考えているのでしょうか。
職場のジェンダーの学習会で講師がこんな質問を投げかけました。「次のことは性による差別と思うか、差別とは関係ないことと思うか。○大相撲の優勝力士に優勝杯を授ける場面で、時の大阪府知事が女性だったので、土俵に上がれなかった。○居酒屋の飲み放題付きで男は三千円、女は二千円の料金設定だった」……学習会では、正解がどうかでなく意見を出し合うことを主眼とされていたので、読者の皆さんも考えてみてください。
二十年前、兵庫の教職員組合の女性部が機関紙に「セクハラのない豊かな学校を」と「ジェンダーフリーを考える」「セクハラ実態調査から」という連載をしました。尼崎東高校のセクハラ事件から数年後、学校の中でジェンダーとは何か、セクハラとは何か、を考える必要に迫られた時代でした。
当時の小中学校では、男女混合名簿の採用状況は、地域差が大きく一〇〇%から八%までありました。
今は、普段の名簿だけでなく指導要録も混合名簿になっていますし、呼称も男女で呼び分けることが少なくなっています。
身体測定は、全員体操服を着て行うことで、混合名簿順にできています。持ち物や服装で男女を区別しようという傾向は減ってきています。体操ズボンはハーフパンツなど共通のものになり、徒競走も、男女に分けない工夫するところも出ています。
形に見えるところはずいぶん改善されてきました。しかし、男は力仕事、女は拭き掃除をという役割分担、「やっぱり女の子、よく気が付くね」「やっぱり男の子、頼もしいね」とする意識はありませんか? コマーシャルの「ワンパクでもいい、たくましく育ってほしい」という言葉をどう感じましたか?
日常生活の中で、分ける必要のないことまで分けてしまっていないか、性別にとらわれて可能性の芽を摘んでいないか、何より、自分らしく生きることを妨げられていないか振り返りましょう。その静かな日常の動きが、選択的夫婦別姓や同性婚を認めさせるためにたたかっている人たちを応援することになると思うのです。

(兵庫民報2021年7月11日付)
1400

ゴンチャロフ製菓長時間・パワーハラスメント過労自死事件:家族・同僚・市民の5年に及ぶとりくみ:会社が謝罪・補償・再発防止策約束し示談

六甲道駅頭で訴える前田和美さん(右:2018年4月1日)

長時間労働と会社の上司によるパワーハラスメントで自死をした前田颯人さん(当時二十歳)の母・和美さんが颯人さんの勤め先だったゴンチャロフ製菓株式会社に対して謝罪、補償、再発防止策を求めてきた事件で、会社と示談が成立したことを七月二日、神戸市内で記者会見を開いて公表しました。
冒頭、和美さんは、「愛する息子、颯人の命を奪われた私の心はきっと生涯癒えることはありません。颯人を想い、涙し、立ち上がってくださった方々のおかげで、五年もの歳月を要しましたが、やっと颯人の尊厳を守ることができました」と挨拶し、これまでの支援に感謝の言葉を述べました。
八木和也弁護士が和解に至る経過を説明。その中で「つらい事件であったが、和美さんが当初から名前や顔を出して訴えていただいたことで重要な新たな証人が現れることになった」と述べました。
本上博丈弁護士は示談解決の概要を説明し、おもなものとして▽労災認定では認められなかったパワハラを会社が認めた▽遺族および颯人さんへ会社代表者のの謝罪▽パワハラ加害者上司の処分▽和美さんと代理人弁護士によるパワハラ・過重労働の再発防止の講習会の実施▽颯人さんの命日の六月二十四日ごろ今後二十年間、取り組みを書面にて報告する―などをあげました。
同席した「ゴンチャロフ前田颯人さん長時間・パワハラ過労自死の解決を求める会」の竹村務会長は「解決に向けて署名活動や会社への申し入れなどを行ってきた。二度とこんなことが起こらない会社にしたい」と述べました。
最後に和美さんは颯人さんにどんなことを伝えたいかと聞かれ「あなたは悪くないよ。やっとみんなが認めてくれた。あとは安らかにねむってね」と答えました。
〔立垣初男=「ゴンチャロフ前田颯人さん 長時間・パワハラ過労自死事件の解決を求める会」副会長〕
*
解決を求める会は過労死防止兵庫センターさんと共催でこの事件の報告集会を7月31日(土)18時30分から、あすてっぷKOBEで開きます。

(兵庫民報2021年7月11日付)
1350

優生思想による被害は現在進行形:優生保護法被害国家賠償訴訟:勝利判決へ決起集会


旧優生保護法による不妊手術を強制された聴覚障害の夫妻二組と肢体障害の女性が国に謝罪と補償を求め神戸地裁に訴えた裁判の判決言い渡し(八月三日)に向け、「優性保護法による被害者とともに歩む兵庫の会」と弁護団が決起集会を七月四日、神戸市総合福祉センターで開催。会場とオンライン合わせて二百四十七人が参加し、決意を固めあいました。
記念講演で日本障害者協議会の藤井克徳代表は、日本の旧優生保護法の目的規定「不良な子孫の出生を防止する」の源流にナチスドイツの優生政策があったことを指摘。二十万人以上の障害者を殺害した基準は「働けない者」であったこと、医師が人体実験などを目的に積極的に加担したことをドイツでの調査をもとに紹介しました。
やまゆり園事件や三田などでの「座敷牢」事件、神出病院での虐待などに共通しているのは①根深い優生思想②被害者の大半が無抵抗状態③元に戻せない被害―だと分析。旧優生保護法被害に対する裁判で除斥期間を理由に敗訴が続いていることに対し、被害は現在進行形だと強調し裁判所の判断を批判しました。
集会には旧優生保護法被害者の救済に向け条例制定を検討している明石市の泉房穂市長が出席し、条例制定をまたず、同市在住の原告夫婦が犯罪被害に準じる被害者であるとして、現行の犯罪被害者等支援条例による支援金を支給すると発表。決定書を直接手渡しました。
主催者からは裁判での証言などをまとめた冊子『国から子どもをつくってはいけないと言われた人たち』の普及などが呼びかけられました。

優性保護法による被害者とともに歩む兵庫の会
https://hyogoayumukai.wixsite.com/website
https://twitter.com/hyogoayumukai

冊子の問い合わせは Tel. 078-341-9544、Fax 078-341-9545 (兵庫障害者センター

ネットショップからも購入できます:
〔森卓司〕

(兵庫民報2021年7月11日付)
1300

宮本たけし「森友事件――すべての事実を明るみに出すには」連載「東奔西走」15


ついに国が「赤木ファイル」を公表しました。「赤木ファイル」の最初のメールは二〇一七年二月十六日付です。私が国会で最初に森友追及を行ったのは同年二月十五日ですから、私の質問の翌日から文書改竄への動きが始まったのです。
翌十七日の予算委員会で安倍首相が、「私や妻がこの土地の売却に関わっていたら首相も国会議員も辞める」旨の答弁を行ったことから大騒ぎとなりました。
さっそく二月二十二日には「疑惑の2・22」と呼ばれる会議が官邸で開かれます。当時の佐川理財局長や国交省航空局次長、また佐川氏の後任の理財局長となった太田充氏などが集められましたが、招集したのは当時の菅官房長官でした。政府はこの会議の開催自体は認めつつも内容は一切明かしていません。
その二日後の二月二十四日。衆院予算委員会で「交渉記録をすべて国会に提出せよ」と迫る私に、佐川局長は「すべて廃棄した」と答弁。委員会室は騒然となりました。その夕刻の会見で、菅氏は記者に「三十年保管の決裁文書があるので差し支えない」などと答えたのです。
妻の雅子さんによると俊夫さんが上司によって呼び出され、文書改竄を指示されたのは二月二十六日のことです。「赤木ファイル」には二十六日から十回にわたって、本省から近畿財務局に改竄の指示が送られています。
「森友事件」の中心人物は安倍晋三前首相夫妻ですが、「赤木事件」の中心人物は菅義偉現首相ではないかということが浮き彫りになりました。再調査は当然ですが、本当にすべての事実を明るみに出すには政権交代が必要です。次の総選挙で必ず野党連合政権を実現しましょう。
(日本共産党前衆院議員)

(兵庫民報2021年7月11日付)
1250

みんぽう川柳〈六月〉「買い物」 選者:島村美津子

特 選

爆買いの兵器はいらぬめし食わせ
 神戸市 眞鍋靖子

【評】アメリカさんの言い放題、必要ともしない兵器を大量にしかも驚くほどの高額、まさに爆買い。
コロナ禍の今、その日のめしにもありつけない人がいっぱい出てきているというのに、普通ではやらないというオリンピックと一緒、誰のために何のために。
下の句の「めし食わせ」のせりふに思わず拍手を送ってしまう。

入 選

買わないで不要不急の戦闘機
 尼崎市 大野幸雄

武器を買う予算コロナの対策に
 神戸市 梶山洋枝

コンビニ閉店友へレトルト味噌醤油
 神戸市 松尾美恵子

たし算もひき算もないキャッシュレス
 明石市 小西正剛

ポイントのために余分なチョコを買い
 神戸市 北河豊治

酒をやめ孫の顔みて菓子を買う
 神戸市 長尾粛正

あの頃のローン暮らしの後遺症
 神戸市 長沼幸正

店頭でお徳情報確認し
 神戸市 塩谷凉子

割引の惣菜を買う人の群れ
 芦屋市 梶原嘉代子

買い物に行けぬ身になり空を見る
 尼崎市 富田 断

買い物の楽しさずっと忘れてる
 尼崎市 富田明美

子に頼る買物何か物足りぬ
 神戸市 玉山歳子

幼い日籠で出掛けたお使いに
 芦屋市 松田良介

メモ片手素早く買って店を出る
 神戸市 兵頭和子
 

みんぽう川柳募集

▽七月の題は「波」、締切は七月二十三日▽八月の題は「近づく」、締切は八月二十七日▽一人二句まで。葉書に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記▽毎月第四金曜日必着。締切が迫っている場合に限りメール、ファクスでもけっこうです。ファクスの場合は、葉書大の枠を書き、その中に必要事項をすべて記入してください。枠の外には何も書かないでください。

(兵庫民報2021年7月11日付)
1200


瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈686〉


(兵庫民報2021年7月11日付)
1150

観感楽学


先日、5Gのことが書かれた記事を読みました。5Gは「ファイブジー」と読み、携帯電話などで使用されている「移動通信システム」のことで通信技術の規格です。「G」はGeneration(世代)を意味しています▼1Gから2、3、4Gと世代が進むにつれ通信の容量は大きくなり、速度も早くなっていきます。1Gでは到底できなかったことが今ではできるようになったそうです▼二十年近く前、私は携帯電話の開発業務に携わっていました。世代的には3Gになります。ガラケーと言われる時代で、インターネット、おサイフケータイ、ワンセグなどが売りでした▼しかし、その数年後にはスマートフォンが登場し、今ではほとんどの人がスマートフォンではないでしょうか。そして現在の通信システムと言えば、5Gなので「第5世代移動通信システム」となります。瞬く間に変わったように感じます▼この5G最大の特徴は通信速度の速さで、4Gの最大速度の二十倍だそうです。通信の遅延がほぼなくなると言われ、そうなると、今まででは考えられなかった多方面で更なる発展が期待できるそうです。年々、技術の進歩が加速しているように感じます。科学が進歩することは喜ばしいですが、なにか取り残されそうで怖い気もします。(ふ)

(兵庫民報2021年7月11日付)
1100

2021年7月4日日曜日

2021年原水爆禁止国民平和大行進:コロナ禍の中、多数のペナントで運動盛り上げ

昨年の平和行進で先頭を飾ったペナント

兵庫県での国民平和大行進は、昨年につづきコロナ感染症との闘いの中で準備が進められています。
国民平和大行進は、沿道で被爆者救援募金を訴えながら進み、十日間で百万円ほどの募金が集まります。阪神・淡路大震災の時にもまだ瓦礫の残る地域を同じように行進しましたが、自身が大きな被害を受けながら「一年間、小銭を貯めていた」と持ち寄る方がありました。一九五八年から続く伝統の力を実感させます。
しかし、コロナ感染を防ぐために、行進距離を大幅に短縮し、「不特定多数の市民に参加を呼びかけない」「宣伝車の訴えを中心にしたサイレント行進にする」などのために募金額も数万円程度に激減しました。
創意的な方法で市民にアピールしようと、昨年から、平和行進にペナントを結集するように呼びかけています。
例年は東京から引き継がれてくる団体のノボリ竿にぶら下げてリレーされ、兵庫県に来る頃には風雨にさらされボロボロになっていました。そこで、昨年は兵庫県の行進時だけ先頭を飾るようにし、八百三十本も活用されました。川西市長や尼崎市長、芦屋市長など記名されたペナントは、全国から一万本余集められ広島平和公園でアピールしたのです。
例年、原水爆禁止世界大会代表派遣のために派遣募金活動や学習会・壮行会・報告会、代表に託す署名や折り鶴の結集などで運動を盛り上げますが、昨年も今年も、世界大会がオンラインでの実施で代表を送らないので、ペナントの結集が運動の盛り上げに大きな役割を果たしています。民医連関係だけで二百六十一本(神戸医生協百五本、尼崎七十本、姫路五十六本など)、新婦人二百七本など全県で八百三十本が活用されました。ペナントと同時に「行進フラッグ(小旗)」百五枚(健康共和会三十枚など)が各地の行進を飾りました。
七月四日に京都府から豊岡市で兵庫県に引き継がれ、九日に鳥取県に引き継がれる「日本海コース」(宣伝車の運行のみ)/核兵器禁止条約が採択された四周年の七月七日に大阪府から川西市に、十六日に岡山県に引き継がれる「太平洋コース」/神河町~市川町~福崎町、宍粟市~佐用町~上郡町、稲美町~播磨町、加東市、丹波市・丹波篠山市、西区、北区、中央区・神戸港、灘区などの「網の目平和行進」―の先頭をペナントが飾って広島へと進んでいきます。
平和行進実行委員会はペナントに記名して核兵器廃絶の思いを被爆地に届けることを呼びかけています。問い合わせは☎078・341・2818(兵庫県原水協)。〔梶本修史=原水協〕

太平洋コース

[7月7日・水]
行 進:池田市・川西市境(呉服橋)…川西市役所(12:00着/12:45発)➡能勢口中央商店街➡小花交差点右折➡アステ2階(スタンディング13:30~13:50)
宣伝車:アステ→阪急逆瀬川駅前
行 進:阪急逆瀬川駅前(スタンディング15:00~15:30)➡宝塚市役所(16:20)
 
[7月8日・木]
行 進:陸上自衛隊要請行動(10:00)/伊丹市中央公民館(10:30集合)➡伊丹市役所西・南下➡伊丹署前左折➡県道寺本伊丹線南下➡千僧六丁目交差点➡常岡病院前東進➡阪急伊丹駅南(スタンディング12:00~12:20)
宣伝車:阪急伊丹駅南→阪急塚口駅(スタンディング15:00~15:30)→尼崎市役所
行 進:尼崎市役所(16:00集合)➡七松町三丁目先左折➡JR立花駅南(スタンディング17:00~17:30)

[7月9日・金]
宣伝車:尼崎市役所(11:30)→西宮市役所
行 進:西宮市役所(12:30集合)➡阪神西宮駅南商店街➡阪神西宮駅南(スタンディング13:30~14:00)
宣伝車:阪神西宮駅南→芦屋市役所
行 進:芦屋市役所(14:30~14:45)➡精道小学校北・東進➡本通り北進➡市民センター西➡松の内緑地から左岸北進➡月若橋西進➡川西通南進➡川西グランド北・東進➡芦屋市役所(15:45)
宣伝車:芦屋市役所→東灘区役所
行 進:東灘区役所(16:15集合)➡御影中町二丁目交差点左折・南進➡阪神電鉄高架過ぎ右折・西進➡阪神御影駅南公園(スタンディング17:15~18:45)

[7月10日・土]
行 進:JR六甲道駅北ロータリー(10:00集合)➡東北上➡山手幹線西進➡灘警察署前➡長田楠日尾線西進➡王子公園(スタンディング11:00~11:30)
宣伝車:王子公園→神戸市役所
行 進:神戸市役所(旧花時計跡空き地)(12:00集合)➡大丸前➡鯉川筋北上➡県庁前(13:00)
宣伝車:県庁前→兵庫区役所
行 進:兵庫区役所(14:00集合)➡湊川公園南進➡神鉄会館➡大開通・妙法華院(15:45)
宣伝車:妙法華院→御蔵北公園
行 進:御蔵北公園(長田区役所南)(15:00集合)➡川西通➡左折➡本町筋商店街南下➡神戸協同病院北側右折➡大正筋商店街➡若松公園(鉄人28号像)➡JR新長田駅西・北上➡県道21号線左折➡太田町交差点右折・北上➡大黒町三丁目左折➡須磨区役所(16:45)

[7月11日・日]
行 進:垂水レバンテ(区役所)前(10:50集合)➡歌敷山バス停➡舞子公園・明石海峡大橋下(12:00)
宣伝車:明石海峡大橋下→明石公園
行 進:明石公園・西芝生広場(13:30集合)➡JR明石駅南(スタンディング14:00~14:20)
[7月12日・月]
行 進:二見市民センター(10:00集合)➡播磨町役場(11:40~12:00)
宣伝車:播磨町役場→加古川市役所
行 進:加古川市役所(13:00集合)➡県総合庁舎南➡JR加古川駅(スタンディング14:00~14:30)
宣伝車:JR加古川駅→山電荒井駅北
行 進:山電荒井駅北(15:30)➡高砂市中央公民館(16:30)

[7月13日・火]
宣伝車:大塩駅前(9:00)→山電飾磨駅北
行 進:山電飾磨駅北(10:00)➡飾磨街道北上➡栗山右折・東進➡姫路市役所(11:00)➡栗山右折北進➡(飾磨街道北上)➡豆腐町➡十二所線・右折東進➡御幸通商店街左折・北進➡大手前公園(12:30)

[7月14日・水]
宣伝車:山電飾磨駅北(8:30集合/9:00発)→JR網干駅
行 進:JR網干駅(9:30集合)➡太子町役場(10:30)➡鵤町内(旧道北上)➡龍野・福田➡広山阿宗神社前➡龍野橋東詰(左折)➡たつの市役所(12:15)

[7月15日・木]
行 進:JR相生駅(13:00)➡相生署前➡中央通り➡相生市役所(14:00)
宣伝車:相生市役所→JR坂越駅
行 進:JR坂越駅(15:30)→赤穂市役所(17:00)

[7月16日・金]
宣伝車:JR赤穂駅前(10:00)→JR寒河駅前(11:00)

★順路・時間などは交通事情などで変更もあり得ます。


(兵庫民報2021年7月4日付)
1600



神鋼株主総会会場前で株主に訴え:子どもたちの未来のために石炭火力発電中止・脱炭素へ進みましょう


神戸製鋼所の株主総会が六月二十三日、神戸・ポートアイランドの神戸国際展示場で行われ、神戸の石炭火力発電所を考える会の会員らが石炭火力発電所の増設中止などを訴えました。その中で、本紙に石炭火力発電所裁判日誌を連載している原告・近藤秀子さん(写真中央)の訴えと感想を紹介します。
*

株主の皆さまへ
地元住民の切なる声を届けてください。
①電力事業、とりわけ石炭火力発電所一~四号基の運転を見直すこと。
②パリ協定と整合する事業計画を策定すること。
世界は脱炭素の実現に向け大きく変わりつつあります。神戸でも神戸製鋼所が行う石炭火力発電所の建設・稼働差し止めを求める民事訴訟、建設を認めた国に対する行政訴訟、二つの裁判が進行中です。このような訴訟リスクが顕在化しているにもかかわらず、経営方針を変えようとしません。
今年五月五日子どもの日に、三号基の火入れを行なったことについて株主、投資家の皆さんはどう思われますか?
毎年毎年経験したことがないような巨大な台風が日本を襲い、甚大な被害をもたらしています。いのちの危機とも言える気候の危機を回避するためには「脱炭素」しかありません。
神戸製鋼所が増設計画している石炭火力発電所は中止すべきではありませんか。
石炭火力発電所で二基を増設する一方、二酸化炭素を出さない燃料への転換を掲げるなど大企業としての社会的責任を果たしているとは思えないのです。
子どもたちに、孫たちに青空を引き継ぐためには今、脱炭素に向け共に進むことが求められているのは間違いありません。
どうか私たちの願いに耳を傾けてください。
*
今年はコロナ禍でもあり、直接会場に来られる株主の数は少ないようでしたが、駅から会場に向かう多くの方が事業リスク報告書を受け取ってくれました。
会場では石炭火力による電力事業について姿勢を問う質問が相次いだようです。

(兵庫民報2021年7月4日付)
1550

関西電力株主総会:老朽原発再稼働、石炭火力発電、原発マネー疑惑などに厳しい意見


関西電力の株主総会が六月二十五日、大阪市ATCホールでひらかれました。
同社は六月二十三日に四十年を超える老朽原発美浜原発三号機を初めて再稼働したばかり、石炭火力発電所問題、原発マネー不正還流問題も含め、厳しい批判にさらされました。
森本隆社長らは「二〇五〇年ゼロカーボンへの挑戦」はうたうものの、対処すべき課題では「二〇二三年度まで収支悪化を見込むので、原発七基体制で二〇二五年に関電グループを成長軌道に乗せ、次なる飛躍へ向かう」と露骨なほど原発推進を強調しました。
株主提案では、市民株主の会五議案、反原発グループ七議案、大阪市・京都市共同三議案、大阪市単独七議案、京都市単独二議案が提出されていましたが、その提案説明をわずか一分と制限したためかえって紛糾する場面がしばしばでした。
「〝二〇五〇年ゼロカーボンへの挑戦〟では肝心の二〇三〇年にどうするか具体策がない」「なぜ石炭火力から撤退しないのか」「原発に依存せず、再生可能エネ発電を最大限導入せよ」「水素エネというが、原発の電気で水素をつくってはならない」等々温暖化防止問題でも矛盾が露呈しました。
原発問題ではさらに激しい批判が続出しました。「一日一億円の化石燃料代を節約するため、今だけ・金だけ・会社だけ儲ければよい経営だ」「老朽原発七基体制は二〇五〇年ゼロカーボンのため必要不可欠と記載しているが、七基とも二〇五〇年は廃炉になるではないか」「金品受領問題は原発事業の歪みが招いたとの反省に立ち、次世代原子炉を検討する中期計画を見直し、原発に依存しない電力供給体制へ舵を切る必要あり(京都市長)」「原発への巨額投入の結果、送配電線の老朽化はひどい実態で、支える人間も成果主義で必要な人材も育たなくなっている(現場の声)」「美浜や高浜原発の奥にある住民、村落の人たちの避難はどうするのか、冬の雪深いときの避難渋滞をどう考えているのか」などでした。
企業としての情報公開・透明性なども森本社長は強調しました。しかし株主からは「一分間しかしゃべらせない」「会場でカメラ使うな録音するなと相変わらず隠蔽体質だ」「うみは出し切ったというが土地取引のひどいニュースや電気料金カルテルも出てきた」「発送電分離も法的分離はしたものの所有権分離に抵抗している」「〝強靱な体質の関電〟は原発しがみつきでは到底かなえられないはず。取締役や執行役員の中から〝原発を考えなおそう〟という意見が誰からも出ない方が不思議だ」など厳しい意見が相次ぎました。
しかし、関電経営陣は電力の安定供給には原発が不可欠だとして理解を求め続け、採決では人数の少なくなった会場で動員株主に頼り四十対五十程度の差により株主提案を否決しました。
ATCホールへ参加する株主が通る前で、労連近畿ブロックや反原発・脱原発グループが「老朽原発の運転をやめよ」などを訴え続けました(写真)。
〔速水二郎=電力兵庫の会〕

(兵庫民報2021年7月4日付)
1500

保健所・病院減らし「ノー」、いのちと暮らし最優先の県政に:オンライン会議での松田県委員長訴え

日本共産党の松田隆彦県委員長が行ったオンライン会議(六月二十五日)での報告の一部(要旨、文責編集部)を紹介します。
*
新型コロナは、兵庫県でも四万人以上の方が感染し、千二百七十九人の方(六月二十五日時点)が亡くなられています。第四波では、一日最大六百二十九人の感染が確認され、入院もできず自宅や高齢者施設で亡くなる方が生まれるという医療崩壊の事態になりました。
私たちは、コロナ「封じ込め」戦略として、安全で迅速なワクチン接種、大規模なPCR検査、自粛・時短で苦しむ事業者への補償や暮らしへの支援、医療機関への支援を求めてきました。安倍政権も菅政権も、科学的な戦略をもたず、アベノマスクやGoToキャンペーンなど混乱を広げてきました。菅政権の支持率も三~四割に落ちてきています。
今年一月の山形県知事選挙、三月の千葉県知事選挙、六月の静岡県知事選挙で自民党推薦候補が相次いで敗退し、四月の三つの国政選挙では野党が勝利しました。兵庫県でも宝塚市で山﨑はるえさんが、自民党や維新の候補を打ち破って勝利しました。
菅政権は、コロナ対策失敗・迷走のうえ、選挙買収、総務省接待、カジノ献金などで議員辞職、有罪判決が相次ぎ「政治の私物化」「政治とカネ」など国民の怒りを呼び、政治の大激動がおきています。誰が国民のいのちと暮らし、生業を守る政治の役割をはたすことができるのか、有権者の目が注がれています。大義が明確になれば、自民党政治を打ち破ることができる、審判を下すことができる情勢ではないでしょうか。

副知事――保健所・病床減に反省なし

私たちは「県民のいのちと暮らしを守る県政に」と訴えコロナ「封じ込め」戦略を示し、保健所や病院ベッド削減の見直しを主張しています。
一方、前副知事は、保健所・保健師削減も病床削減も「コロナに直接影響していない」と強弁し、「(大規模PCR検査は)専門家から賛否がある」と否定しています。
「影響していない」との居直りは、成り立ちません。「神戸新聞」(六月六日付)は、保健所の実態について、人手が足りず「入院できない」という患者や家族にこたえきれず、みんな涙を流しながら働いていると伝えました。保健所センター長は「全員が体力も精神もぎりぎり」と語り、保健師の数は、兵庫県は人口十万人当たりで全国ワースト五位だと伝えています。
PCR検査は、政府が今年二月、十都府県に高齢者施設や障害者施設の職員を対象に集中検査を求めました。他の九都府県が二月~三月に検査をした施設が四八%から七二%なのに、兵庫県は検査対象施設を絞り、わずか二二%でした。
この二月、三月の時期に県のコロナ対策本部事務総長をしていたのが副知事です。コロナ感染者が急増した昨年、神戸、東播磨で急性期病床を百二十床も減らしていることにも反省がありません。これからも二〇一四年年比で一万四百九十床の病床削減を進める立場です。県民のいのちや安全を託せません。

大阪府元課長――「大変すばらしい兵庫県政」と賛美

元大阪府財政課長は「大変すばらしい二十年間の兵庫県政だと思う」と賛美。それに対し「大阪でのコロナ対応の経験を生かすと言うが、大阪も保健所統廃合、病院つぶし…踏襲するのか」と問われて、「私が在任したときは保健所統廃合をやった事実はない」とごまかすだけで、保健所・病院減らしの政治をどう考えるのか答えられません。橋下徹氏でさえ「大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立市立病院など。そこは、お手数をおかけしますが見直しをよろしくお願いします」とツィートしています。

いのちと暮らし守る県政へ転換を

多くの県民がこれまでの政治のあり方にも厳しい目を向けています。自己責任を押しつける自民党政治の悪政を打ち破り、国民のいのちと暮らしを何よりも大切にする政治を兵庫県から全国に広げましょう。私たちも、しっかりと責任を果たす決意です。

(兵庫民報2021年7月4日付)
1450

★この記事が奥歯にものを挟んだような表現になっているのは、公職選挙法の規定により「機関紙以外の政党の発行物」では選挙期間中、当該選挙の報道ができないためです。なお、記事中のことがらは知事選告示前の発言です。



ジェンダーわたしの視点「娘たちに同じ思いをさせたくないと運動を続け」新日本婦人の会姫路支部 河上桂子(ペンネーム)


母が働いていたため、明治生まれの祖母に、「女の子は愛想よくしなさい」「女の子はこんなことはしてはいけません」など言われて育ってきました。大好きな祖母だったので、素直に疑うこともなくそうしてきました。
私は、団塊の世代です。結婚したら「良妻賢母」―それはごく普通のことと思っていました。そして夫を支え、子どもを育ててきました。
ところが、結婚十三年目で夫の父が七十歳になった峙、夫の両親の世話をするために、子ども二人(女子)と共に三人で、田舎へ帰ることになりました。夫の両親から帰ってきて欲しいといわれたわけではありません。まだまだ元気でしたが、親が年を取ったら「長男の嫁」として面倒を見るのは当たり前という周囲の雰囲気と、夫の命令で、帰らざるを得ませんでした。それから、結婚とはなんだろうか。夫婦とはなんだろうか。疑問がふつふつと沸き、葛藤が続きました。
娘が中学生になって、英語の個人塾の女性の先生から「姓を元の姓に変えます。離婚したわけではありません」と、手紙を受け取り、「はっ」と気が付いたのです。夫はパートナーとしての私ではなく、「家」に貰った「嫁」という考えだった。そのことに気が付きました。
夫と別居してまで、義父母の世話をする。それを当たり前と見る地域、親族、家庭内で「嫁」として高齢者の世話をし、妻として家事、育児を担ってきた女性たち、「家意識」「性別役割分担」この意識が今でも根強く残っています。
娘たちには、このような思いはさせたくない。明治以降、祖母から母へ、母から娘へと続いてきた女性の生き方、家族のあり方など女性が一人の人間として、生きていける世の中にしたい。娘が大人になるまでには変えておきたい。
その思いで、私に目を開かせてくださったその英語の先生と一九八九年に「女性の地位向上を考える会」を立ち上げました。一九九五年に北京で行われた国連世界女性会議に誘っていただき、ご一緒に参加して、国内で運動しておられる数々の先生方にもお会いでき、大変刺激になりました。
娘たちには、「精神的、経済的」に自立した女性であって欲しい、と思い育ててきました。長女は仕事を続け、結婚して職場では通称を使っています。
選択的夫婦別姓が早く実現しますように。運動して三十年以上経っても、実現していません。

(兵庫民報2021年7月4日付)
1400

少人数学級からはじまる子どもファーストな教育改革:保護者や教員が考える会つくりオンライン学習会


「子どもファーストな教育を考える会@KOBE~まずは少人数学級を!~」は六月二十七日、「本当にできるの? 少人数学級からはじまる子どもファーストな教育改革‼」をテーマに、オンライン学習会を開催しました。同会は、昨年末に、「神戸で少人数学級を本格的に実現しよう」と、保護者や教員で結成されました。
学習会は、日本共産党文教委員会の藤森毅さん(写真)が講師を務めました。
* 
藤森さんは、コロナ禍のもとで、子どものストレスの深刻さ、学習の格差の拡大、感染症への対応の状況を示し「少人数学級の必要性がはっきりした」と強調。少人数学級が実現されれば、授業が大きく変わり、落ち着いた・心地よい人間関係がつくられ、インクルーシブ教育がすすむことを示し、「個人の尊厳・多様性という時代の流れが少人数学級を求めている」ことを明らかにしました。
最後に、小学校の三十五人学級実現へ国を動かしたのは、「コロナのもとでわき上がった少人数学級を求める国民の運動」であることを強調。「『子どもファースト』を語り合い、市民的署名運動に発展させ、神戸市政を動かし、国も動かそう」と述べ、神戸での運動への激励と期待を語りました。
*
参加者の交流では、「二十人学級になれば、子どもたちは1/40の存在から、1/20の存在になれ、子どもたちのやりがいが違ってくるし、先生の負担も少なくなる」「子どもに分かる論理で話すことが大切では。各行政区で会をつくり運動しよう」「子どもの側からの意見表明を大切にしよう」など活発な意見が出し合われました。
会では、神戸で少人数学級をすすめる署名をひろげ、十月の市長選挙の争点にしようと呼びかけました。
〔味口としゆき=神戸市議〕

(兵庫民報2021年7月4日付)
1350