2021年5月2日日曜日

神戸映画サークル協議会5月例会:『はちどり』:当たり前の暮らしを繰り返して今がある


朝鮮戦争後、農地をなくした農民や地方の市民が仕事を求めて韓国のソウルに集まり始めました。
朴正煕政権は輸出産業型の国づくりを目指し、男性は社会経済活動、女性は家庭を守るという教育方針の下、「漢江の奇跡」と呼ばれた経済成長を成し遂げました。
映画『はちどり』はそんな韓国が一九八八年のソウルオリンピックを成功させ、右肩上がりの成長の中、一九九四年・ソウル江南を舞台に、主人公で餅屋の娘、中学二年生のウニとその家族の当たり前の日常を描いた作品です。私たちはウニや家族を映画を通して追体験することで私たちもまたウニとその家族と同じように当たり前の暮らしを繰り返して今がある事に気づかされます。
映画の中で多くを語らない漢文塾のヨンジ先生との出会い、一九九四年に漢江に架かる聖水大橋崩落事故が主人公ウニに与えた影響も主人公の成長の中で大きなでき事として描かれています。映画をみた沢山の韓国女性から聞かれた感想は「映画の中に私がいた」というものでした。
〔松本正憲=神戸映サ〕
『はちどり』(2018年/韓国・アメリカ作品/138分)
5月21日(金)①11時②14時③19時、22日(土)①11時②14時③18時/神戸アートビレッジセンター KAVCホール/一般(事前予約)1,300円/☎078‐371‐8550、Email kcc1950@kobe-eisa.com、URL http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2021年5月2日付)