2021年2月21日日曜日

ジェンダーわたしの視点「家庭内のミクロな成功」Team ANCHOR(青年革新懇)槇原友紀


ジェンダー平等の階段に座っていた夫が、自分で階段を上がるようになった話をします。
わたしの父は夜勤もある仕事をしながら、労組に新聞を配達し、定年後も八十歳前まで立ち仕事。母はパート勤務しつつ、家事と三人の子育て全般をしました。食糧難を経験した父は食べ物と作り手への感謝の気持ちを口にし、買い出し同伴、重い荷物運び、ゴミ出しや燃料と車の管理などをしていました。たまに適当な煮物を作ってくれたり、朝市でおこわや漬物を買ってきてくれたり。
わたしにとって上司でもある夫は、在日コリアン長男で家事・育児はほぼわたしにまかせきり。わたしが市民運動や資格試験で疲れ、「手伝って」と言ったり省略すると、コロナ禍によるストレスもあってか深酒暴言、破壊行為に発展しました。途方に暮れ活動を削り、家事・育児はもう期待しないと伝えたところ、夫はしばらくして一念発起。収納を工夫し、朝の家事を手伝い、休日には五歳の娘と手作りお菓子に習慣的に取り組むまでに。家事の効率を上げたい、お金をかけずに娘と共通の時間を持ちたいという願望も叶えました。悪い習慣は減り、掃除や皿洗い、買い出しの手伝い、豆を挽いてコーヒーを淹れたりと分担を増やしています。予想外で本当に嬉しかったです。
互いに譲歩して共通の目標、それぞれの理想を念頭に補完して改善し、負担を減らしていくやり方で進むことができました。しかし、一時的でもパワハラ言動はすべきでないですね。
社会では相手の行動を非言語で意図せずも拘束してしまうことが自他共にあることが気になりますが、目的と意思を明確にして、満足できるその場の定型をみんなで探るといいと思います。
夫が家事・育児の負担を少しでも受け持ってくれるのなら、自分も夫の心労を減らすべく仕事や学習に集中する時間を少しでも増やし、社会変革によって差別と格差をなくしてハードルを下げる方法で、少しでも負担減を進めていきたいです。家族内のミクロな成功で希望が見えたところです。

(兵庫民報2021年2月21日付)