2021年2月21日日曜日

大門みきし「ホワイトリボン」連載エッセイ59


二月十日、森喜朗氏の女性蔑視発言に抗議するため、野党議員は白い服や白バラを身に着けて本会議にのぞみました。白は女性参政権運動以来、ジェンダー平等のシンボルカラーです。私はバラではなく、白いハンカチをリボンのような形にして胸ポケットに差し込み議場に入りました。ところがリボンには見えなかったのか、「大門さん、ぐにゃぐにゃですよ。直してあげましょうか」と他党の女性議員に笑われてしまいました。
四年前、渋谷の小さな映画館でカナダ映画『静かなる叫び』を観ました。一九八九年にモントリオール理工科大学で実際に起きた女子学生射殺事件を題材にした映画です。犯人の男子学生は、自分の人生がうまくいかない理由は女性の社会進出にあると思い込み、女子学生を十四人も殺害したあと自殺しました。女性蔑視と暴力の深刻さを示す衝撃の事件でした。
「自分たち男性には女性への暴力に反対の声を上げる責任がある」―この事件をきっかけに男性が主体となった女性差別反対のホワイトリボン運動がカナダから始まり、世界に広がりました。ホワイトリボンには男性の自分自身への問いかけが込められているのです。
事件で重傷を負った機械工学専攻の女子学生バレリーは回復して念願の航空会社の設計士になります。彼女は後遺症に苦しみながらも結婚、妊娠し、映画のラストシーンでこう語ります。「男の子が生まれたら愛を教えます。女の子なら世界にはばたけと教えます」。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2021年2月21日付)