2021年2月21日日曜日

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(19)「兵庫県政の地球温暖化対策に疑問」電力兵庫の会事務局長 室井正純


兵庫県は、「兵庫県地球温暖化対策推進計画」(第四次)の見直し案に対する県民意見募集手続き(パブリック・コメント)を行うと一月二十六日に発表しました。
これは、菅首相が昨年十月二十六日衆議院本会議にて「二〇五〇年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を表明、ただし原発推進・石炭火力発電維持のままで、その欺瞞性が批判されています。兵庫県知事も二〇二〇年九月二十九日の県議会本会議で、長期的な将来像として「二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」と発言したことを受けて審議会で見直し案を検討してきたものです。
「兵庫県地球温暖化対策推進計画」第四次計画(二〇一七年三月策定)では温室効果ガス排出量を二〇三〇年度に二〇一三年度比マイナス二六・五%としており、今回の見直し案では「二〇五〇年までに二酸化炭素実質ゼロ」をゴールとすると発表。
「二〇五〇年実質ゼロ」をめざすことは歓迎、評価できますが、発表された見直し案を見ると、第四次計画の二〇三〇年二酸化炭素排出削減目標をわずか八・五%(最大一一・五%)上積みし、再生可能エネルギー導入目標は強化するとしながら七十億キロワット時(再エネ比率約一七%)から八十億キロワット時(再エネ比率約二二%)とわずか十億キロワット時に引き上げたにとどまっています。とても「二〇五〇年実質ゼロ」を実現できるような内容となっていません。
「実質ゼロ」への実現に向けた取り組みでは「自分で使うエネルギーを自分で作る暮らし」とし「(再エネ)の需要変動調整に貢献する暮らし」とあり、他にも県民に責任転嫁するような記述が見受けられます。県としてこのような取り組みに支援、補助することが求められます。
千葉大学倉坂研究室と認定NPO法人環境エネルギー政策研究所の「永続地帯二〇一九年度版報告書」によれば、電力自給率が一〇〇%を超える市町村が二〇一五年三月末で百カ所に達しています。都道府県別では、地熱が豊富な大分県が三八%で一位、兵庫県は一三・五一%で三十三位でした。兵庫県は山、河の自然環境に恵まれた土地柄です。県には再生可能エネルギー潜在量(太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマス等)の調査を進め、地域で積極的に利用できるようにする支援・補助を求めます。
兵庫県下では、瀬戸内海沿岸に重厚長大産業のほか多数の火力発電所が立地しており、県排出の六割を占めていることから、脱炭素型の産業・経済構造への転換を県民、地域と共に進めるべきですが、これが示されていません。
県下では、石炭火力発電所が六基あり、神鋼火力発電所は二基百四十万キロワット、年間七百四十万トンの二酸化炭素を排出しています。また現在、新しく神鋼は二基百三十万キロワットの石炭火力発電所を建設中です。その他石油、LNGなどの化石資源を燃料とする火力が多数立地しています。
兵庫県政が「二〇五〇年温室効果ガス実質ゼロ」を目標とするのであれば、神鋼火力発電所の建設中止を求めるべきです。また化石燃料の火力発電所は時期を区切って廃止を求めましょう。温室効果ガスの排出を固定化する恐れがあるエネルギー政策の転換として、脱石炭、再生能エネルギーの主力電源化に向けて県が明確な期限付きの削減目標を制定し、二酸化炭素大量出企業への対策強化を具体的方策で示すべきです。
多くの県民意見を集中させ、真に「二〇五〇年実質ゼロ」が実現できるような内容に変えさせていこうではありませんか。

(兵庫民報2021年2月21日付)