Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2020年12月20日日曜日

神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会:平和の港にと闘い続け60回

第二回クリスマス闘争を前に発行された「アカハタ」一九六二年十二月七日付号外(*3)。記事中の写真は六一年の第一回クリスマス闘争。

終戦七十五年の年末に伝統ある市民集会・デモ行進が行われます。ことし六十回目となる「神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会」(23日18時、波止場町緑地)です。
〔梶本修史=兵庫県原水協事務局長〕
*
神戸港は、戦後すぐに米軍(連合軍)の全面占領のもとにおかれます。日本有数の港湾機能を持ち、川崎、三菱など日本最大の軍需工場地帯でもあったからです。以来、一九七四年に神戸市に全面返還されるまでの間、米軍の補給・休養基地として重要な役割を果たしました。
第四突堤には米軍基地司令部が置かれ、港の各出入口には米兵MP(*1)と日本人SP(*2)が立哨し、厳重な検問が行われました。一九五二年には、第六突堤(以下「6突」)を除いて条件付きで返還されましたが、金網で囲まれた「日本人立入禁止」の表示が掲げられ、米第七艦隊の補給・輸送・休養・慰安の基地とされました。 


神戸港は、当時、極東における最も設備が整った戦闘・補給基地として、また、歓楽街を控えた慰安基地として、あらゆる点で第七艦隊のアジアにおける重要な位置を与えられていたのです。
朝鮮戦争時(一九五〇年勃発、五三年休戦)には、連日、武器、弾薬、食糧などあらゆる物資とともに米兵も積み出されました。港湾労働者は、カービン銃をかまえた米兵監視下で、冷凍された米兵の遺体、肉片が付着したままの戦車、不発弾などの荷役に昼夜かまわず強制的に駆り出されました。
*
その後も神戸港には、一九五七年=三百十一隻、五八年=百十八隻、五九年=百十隻、六〇年=百三十隻、六一年=九十八隻とほぼ年中、米軍艦が停泊している状況でした。世界でも有数の国際商業港でもあった神戸港が商業船で込み合っていても、6突の占用使用、他の突堤も優先使用が認められており港湾の麻痺状態に拍車をかけていました。
商業船の航行妨害、ハシケへの当て逃げなど海の事故に加えて、大型空母入出港時には艦載機のエンジン始動による騒音、陸では、米兵たちが我が物顔で闊歩し、非行、買春、市民への暴行、街なかでの発砲事件など、市民生活に重大な影響、不安を与えていました。検疫がフリーパスだったため、麻薬や武器が神戸市内の暴力団に横流しされたり、コレラ感染さえも起こりました。
*
一九五九年、神戸港湾関係労組共闘会議(港湾共闘)が結成され、港の労働者の権利と生活を守る闘いと合わせて、「第七艦隊は来るな」「6突米軍基地返せ」の要求を掲げました。
宣伝ビラ、米兵向け英文ビラ(「国の両親のもとで静かなクリスマスを」などの訴え)、英語でのマイク宣伝、市民アンケート、市民署名、基地調査、海上デモ、米艦入港のたびの抗議集会、集会届け出が間に合わない時にはひとり一人がプラカードを持って訴える「ブラブラ抗議デモ」、神戸市交渉などあらゆる形態の闘いが繰り広げられました。


一九六一年十月、全港湾建設局労組神戸港支部が、6突の米軍基地入口前の事務所の塀に「No More War, Yankee Go Home!」の看板を立てました。出入りする米兵に七回にわたり破壊されましたが、その度に立て替え、文言も「Get Out The 7th Fleet From Japan, Asia」とかわり、十メートルもの大看板に生まれ変わりました。


*
一九六一年十二月二十四日、一年間の闘いの総決算と翌年への発展をめざす場として、「神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会」(クリスマス闘争)が始められました。
毎年クリスマスには、米艦が米兵の慰安と休養のために入港し、三宮、元町界隈はたくさんの酔っぱらった米兵であふれました。この年のクリスマスイブに、「米兵のいない静かなクリスマスを!」との市民の切実な願いを込めたスローガンで始まった年末の集会・デモは「クリスマス闘争」と呼ばれ、その時々の平和と暮らしの要求と結んで取り組まれてきました。
翌一九六二年には、五千人の参加で集会がもたれ、米艦のいない、静かなクリスマスが初めて実現しました。その後も米艦の神戸港利用は続きましたが、クリスマスの入港は皆無となりました。
*
こうした闘いで一九七四年には神戸港からすべての米軍基地が撤去され、翌七五年の非核「神戸方式」誕生へとつながったのです。
非核「神戸方式」四十五周年の年に、第六十回の節目を迎えた「クリスマス闘争」の伝統は、核兵器禁止条約発効(二〇二一年一月二十二日)の年の闘いにしっかり継承されることでしょう。

―注――
*1 Minitary Police=憲兵、軍警察。
*2 Shore Patrole=(米海軍)警備兵。
*3 「兵庫民報」は六三年創刊。六一年の最初のクリスマス闘争や六二年の大集会の記事は残念ながらありません。


第60回神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会

12月23日夕方、波止場町緑地(農業会館南・国道2号線浜側)で集会が行われました。その後、元町商店街までデモで訴えました。主催は実行委員会(事務局:神戸港湾関係労働組合共闘会議)。日本共産党の、こむら潤さんも参加しました。





(兵庫民報2020年12月20日付)

兵庫県議会12月議会:75歳以上窓口負担引き上げへの慎重な対応、少人数学級へ編成基準と教職員定数見直し:日本共産党県議団提案の意見書を可決

左から、いそみ、ねりき、きだ各県議

兵庫県議会は「七十五歳以上後期高齢者医療の窓口負担二割への引き上げの慎重な対応を求める意見書」「少人数学級に向けた編制基準と教職員定数の見直しを求める意見書」を十二月十一日の本会議で可決しました。
両意見書は、日本共産党県議団が提案し、政務調査会長会で議論を重ね、全会一致で採択されたものです。
*
この他の議案について同日の本会議討論では、いそみ恵子議員が議案反対討論、ねりき恵子議員が請願討論を行いました。
いそみ議員は、上程された二十議案中四議案について反対討論。国保運営に関する条例の一部改正する条例に反対。都道府県化から三年が経過し、改定される国保運営方針に関わり、納付金の算定方式について、医療費水準の違いを反映させないという改定案に対し、「現在、医療費水準の低いところは納付金の増額が見込まれ、将来の保険料水準統一、国保料の引き上げにレールを敷くもので、容認できない」と反対しました。
また二〇〇六年から始まり、さらに五年間延長するという県民緑税に対し「コロナ禍で大変な中、県民への負担の押し付けを継続することは許せない」と反対しました。
東播磨道事業、園田西武庫線事業については、コロナ禍で県民の命と暮らしが困難に脅かされている中、不要不急の事業は中止し、検査・保健・医療体制の充実、暮らし、営業の支援を強めるべきだと訴えました。
*
ねりき恵子議員は、七件の請願について採択を求める討論を行いました。
「選択的夫婦別姓の導入へ、一日も早い民法改正を求める意見書提出の件」について、ねりき議員は、「世論調査でも約七割が導入に賛成である。昨年十二月、『女性活躍の推進に向けた取り組みの一層の充実を求める意見書』を決議した兵庫県議会への、本請願の願意は当然であり、採択を強く求める」と主張しました。
「日本政府に核兵器禁止条約に署名・批准を求める意見書提出の件」について、ねりき議員は、「核兵器禁止条約は、発効に必要な五十カ国の批准を達成し、来年一月いよいよ効力を発揮する」「本条約に背を向け続ける日本政府の姿勢に、国際社会からも厳しい批判がむけられている」として、署名・批准を求める請願の採択を主張しました。
そのほかに「米軍基地負担軽減と日米地位協定の見直し」「コロナ禍における福祉職場の改善」「私学助成の拡充」「三十五人以下学級の拡充」などを求める請願の採択を主張しましたが、いずれも否決されました。
*
十二月一日の議会初日には、県職員の期末手当を〇・〇五カ月カットする議案が提案され、きだ結議員が、反対討論を行いました。

(兵庫民報2020年12月20日付)

神戸市会12月議会:市民の苦難軽減、命と営業守る施策を求め全力:日本共産党神戸市会議員団

神戸市議会が十二月八日閉会しました。日本共産党神戸市会議員団はこの間、新型コロナウイルス感染症対策について、PCR検査や医療支援の拡充、市民生活や中小業者への直接支援、少人数学級の実現などを求めてきました。 

社会的検査の拡充を実現――さらに医療現場への減収補塡を

市民の要望や党市議団の論戦が実り、政令指定都市ではじめて介護・障がい者施設で入所者の直接介護に関わる約一万一千人への公費検査が市の補正予算にもりこまれました。また、希望する妊婦へのPCR検査助成も開始されました。 
十一月二十七日の本会議議案質疑に立った松本のり子議員は、さらに学校や保育園など広く社会的検査を広げ、特にクラスターが多く発生している医療機関で働く職員への公費検査を直ちに決断するよう求めました。 
また十二月八日の一般質問で大かわら鈴子議員は、地域の民間病院や診療所で、感染の危険を感じながら第一線で働く医療従事者の多くが疲弊する一方、受診控えなどの減収によって経営が立ち行かなっている実態を強調。医療機関への減収補塡の実施を求めました。 

中小業者への独自支援いそげ――国任せの冷たい久元市政が浮き彫りに

市の補正予算では、ひとり親世帯への市独自の臨時給付金(二万円・第二子以降一人につき一万円を加算)が実現。一方、中小業者への独自支援が見送られるばかりか、議会で今西副市長らは「景気は上向いているため、支援する時期ではない」など驚くべき発言をしました。 
八日の一般質問で林まさひと議員は、副市長らの姿勢を批判し、第一波対策で行った家賃補助やチャレンジ支援金など百億円規模の神戸市独自支援を、第三波のなか年の瀬を迎え廃業倒産の瀬戸際に立たされている中小業者を対象に再び実施するよう求めました。 
久元市長は「中小業者がいま苦境に立たされているのは理解するが、来年の国の補正予算を待って具体策を考えたい」「医療機関への支援は第一義的には国の対応」などと国任せの答弁に終始しました。 

市営住宅や学校・保育園などコロナ渦中に公共施設を廃止

一方、コロナ禍でゆとりある教育保育が求められているのに、今議会では、友生支援学校住吉分校や多聞南小学校の廃校、君影保育所の段階的廃止など、公共施設の統廃合が発表されました。さらに市営住宅を十年で七千戸もへらす計画まで打ちだされています。 
議案反対討論にたった朝倉えつ子議員は「エレベータの設置など市営住宅の環境改善の責任を放棄し、入居者に移転を強要する計画は許されない」とし、削減計画の廃止を求めました。 

(兵庫民報2020年12月20日付)


シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(12):高齢者が安心して暮らせる県政を!

全日本年金者組合兵庫県本部委員長 関根敏克

年金者組合兵庫県本部は毎年、高齢期を安心して暮らせるために兵庫県知事に対して①年金・税②医療③介護④安心して暮らせる地域社会づくりについて高齢期要望書を提出しています。
今年は第一番目に「新型コロナウイルスからいのちと暮らしをまもるために」の項目を増やした五項目の要望書を提出しました。
年金・税の項目では以下の内容で知事に要望しました。①高齢期の唯一の収入である年金を将来にわたって引き下げる「マクロ経済スライド」を廃止するよう国に求めること。②全額国庫負担による最低保障年金制度を早急に実現すること。緊急措置として、基礎年金国庫負担分の三・三万円を低年金・無年金者に支給するよう国に求めること。③年金の隔月支給を毎月支給に改めるよう国に求めること。④年金支給開始年齢の引き上げと保険期間延長に反対すること。⑤公的年金控除の縮小をやめるよう国に求めること。⑥年金からのすべての特別徴収をやめること。⑦年金基金積立金の投機的運用を中止し、年金保険料の軽減や年金給付の充実など被保険者・受給者のために使用すること。⑧消費税の増税を中止するよう国に求めること。⑨住民税を軽減すること。
この様な高齢者の切実な要望に対して、兵庫県は国の悪政から県民を守る立場に立っていません。例えば消費税の一〇%引き上げについても「社会保障の充実が推進される」と評価し、容認しています。年金積立金の投機的運用については「安定的な年金給費に活用している」と評価しています。憲法二十五条を守る兵庫県政であって欲しいと切望します。
*
ところで、私たちは「年金減額は憲法二十五条、二十九条、十三条、社会権規約の後退禁止原則に違反している」として二〇一五年十一月から年金減額の取り消しを求めて裁判で争っています。今年三月の大阪地裁での判決は、私たち高齢者の厳しい生活実態に耳を傾けることなく、被告国の主張を丸呑みしたひどい判決でした。
また、判決は人権保障を使命とする裁判所の役割を放棄したものでした。社会保障分野における世界の人権状況や日本の裁判例も大きく進化、発展している状況にあります。ところが、今回の判決は、今から三十五年前や五十年以上も前の最高裁の判例からも一歩も出ない判決でした。私たちはこの不当な判決を上級審でただすべく、全国で同じ裁判を続けている五千人を超える仲間と連帯し勝利を目指して直ちに大阪高裁に控訴しました。十一月二十日に控訴審第一回口頭弁論があり弁護団が控訴理由を陳述しました。今後、更に補充の意見書や新たな証人もたて、年金減額の憲法違反、社会権規約違反を訴えていきます。
*
「若い人も高齢者も安心できる年金制度」の実現を広く県民のみなさんとともに実現したいと考えています。

(兵庫民報2020年12月20日付)


学校と介護施設を訪ねて:衆院兵庫三区予定候補 赤田かつのり

私は今井まさこ神戸市議と市内の超マンモス校の一つ、垂水区の舞多聞小学校を訪れました。
「児童数は千三百六十人を超え、今後さらに増え続けます。運動場でボール遊びもできません」。今年建設した五階立ての仮設校舎も、三年後には教室が足りなくなるそうです。「ソーシャルディスタンスの確保はとても無理です!」とも言われました。さらにクラス担任をしている非正規教員もいます。正規の教員を大幅に増やして一クラス二十人程度の少人数学級で一人ひとりの学びを保障することがとても大事です。
*

国民生活に欠かせない介護の仕事。しかし職員の低賃金が極度の人手不足を招き、社会問題になっています。垂水区の介護施設「星が丘ホーム」で、職員の皆さんから実情を聞きました。
「二〇二五年に高齢化がピークを迎えますが、利用者に目の行き届いた介護をしたいです。しかしコロナ禍で、職員も利用者も疲弊しています」「介護報酬を増やして労働条件を改善してほしいです」と言われました。要望は切実です。人間は一人では生きていけません。他者によるケアなしに尊厳ある生活は保障されません。国庫負担を大幅に引き上げて、賃金の引き上げや担い手を確保することが急がれています。
私は学校と介護施設から状況をお聞きして、コロナ危機を乗り越えた先にどういう日本をつくるか。日本共産党の提案をぜひ実現していきたいと決意を新たにしました。

(兵庫民報2020年12月20日付)

日本共産党兵庫県女性後援会女性のつどい:こむら潤さんと日本共産党の魅力たっぷり


日本共産党兵庫県女性後援会は十二月十二日、「こむらさんを囲むつどい」を神戸市内で開催。全県の女性後援会から二十七人が参加しました。
こむら潤衆院比例・兵庫八区予定候補は、十一月二十六日の政府要請行動でコロナ対策・少人数学級・学生支援・中小業者支援を訴えたことを紹介。ジェンダー平等問題ではあかたちかこさんが伊丹市での学習会で「女性だけでなくだれもがしんどくない社会をつくること」との言葉に納得したと語り、国会議員に女性をふやすことが大事、「必ず国会に送り出してください」と訴えました。
交流では参加者から、「保育料・給食費の無償化や保育士の待遇改善を」「三児の子育てと活動の両立は大変だと思うが家庭内での夫の協力は?」「文化芸術にたずさわってきた立場から国の施策は?」などの発言がありました。医師の参加者もあり「きょう、陽性者が出た。三億五千万円の赤字をかかえている、コロナ専門病院ではないが対応をせざるをえない。減収補塡をしなければ医療崩壊に」との厳しい実態が語られました。
最後に事務局から「比例は日本共産党」を広げて、こむらさんを必ず国会へ送りだそうと訴えました。
参加者からは「心の深いところに届く言葉が聞けて、(こむらさんは)人類の未来を見据えた政治家だと思った」などの感想が寄せられました。

(兵庫民報2020年12月20日付)

ジェンダーわたしの視点:現状を踏まえ、仲間とともに一歩一歩:日本共産党南あわじ市議 吉田よし子


南あわじ市は、淡路島の中で四国に近いまちです。四町が合併した時は五万四千五百十人でしたが人口減少が続いており、現在四万六千人。高齢化率は三三・五%と兵庫県平均の二七・一%より高い一方、合計特殊出生率は一・八三と、県下では最も高くなっています。農業が中心で男女とも第一次産業の従事者の割合が高く、女性も、家族従事者の割合が高くなっています。高齢者就業率三八・五%、女性の労働率が五六・二%と、いずれも県下一位で女性の多くが仕事を持ちながら子育てをしている現状となっています。
*
市は、二〇〇七年に第一次男女共同参画計画を策定、第二次計画として、二〇一八年に「男女がともに希望をもち自分らしく活躍できるまち」の実現をめざして策定しました。策定にあたり、十八歳以上の市民と事業所を対象にアンケートを実施。その回答を見ると――
計画を推進していくために市として必要なことは「女性が安心して妊娠や出産・子育てができる環境の整備」が最も高く、女性が活躍するため必要な支援として、「男性の積極的な家事・育児・介護の参加」が高くなっています。
家庭生活における男女の地位について、「どちらかといえば男性の方が優遇されている」が「平等である」よりも高い率となっています。
また、「ポジティブアクション」の意味を知らないという回答が最も高く五一・六%で、その次に「男女共同参画社会基本法」「ジェンダー」と続き、現状では、まだまだ男女参画のことが市民に認知されていないことが明らかになりました。
今、選択制夫婦別姓が話題になっていますが、「女性が結婚して夫の姓を名乗ることに、全体として「抵抗は感じない」という回答が八一%と高くなっています。
*
市内では保育園の保護者会長、小中学校のPTAの会長は男性、女性は副会長ということがあたりまえになっています。
仕事や家庭、社会における現状を踏まえ、仲間と共に一歩一歩、変化を求めていきたいと思っています。

(兵庫民報2020年12月20日付)




「3密」を避けながら、人とのつながりを大切に:市民アクション東灘がコロナ問題で講演会


「もう一度開催してください」と参加者からうれしい要請がありました。
新型コロナの感染・拡大が続く中、市民アクション東灘は十二月十二日、東神戸病院院長の遠山治彦さんの講演会「コロナとどう向き合うか」を開催しました。
遠山さんは、世界や日本で起きている状況、新型コロナの特徴、臨床の具体例、東神戸病院での取りくみ、コロナがもたらした・あるいはもたらすと考えられる困難などについて語り、参加者が最も関心を持っている、感染対策についても分りやすく解説しました。
質問コーナーでは、参加者から「感染力はいつまで続くのか」「家族が感染したらどのようにしたらいいのか」「適切な除菌方法は?」など、十数件の質問が寄せられました。
遠山さんは、質問の一つひとつに丁寧に回答し、最後に、政府の無策によって感染拡大は続くが、「三密」を避けながら、人とのつながりを大切にして頑張ろう、と締めくくりました。
〔藤丸徹=市民アクション東灘〕

(兵庫民報2020年12月20日付)

ポスト・コロナの世界と中国:日中友好協会加古川支部が学習講演会


日中友好協会加古川支部は「中国問題学習講演会」を十二月十三日、兵庫県加古川総合庁舎講座研修室で開催し、十五人が参加しました。
山本恒人氏(大阪経済大学名誉教授・日中友好協会大阪府連副会長)が「ポストコロナの世界と中国」をメインテーマに講演しました。
*
山本氏は、まず、中国問題を見る場合「トータルに中国を考える」ことが大事だと指摘しました。
その上で、▽新型コロナ感染症への対応と経済回復▽米中の経済対立とその歴史的な経緯▽中国の発展方向▽香港・台湾・少数民族問題について解説しました。
最後に山本氏は「中国は米国と共にアジアの軍拡を主導しているとみられている。中国の経済発展と豊かさへの前進は称賛に値するが、平和・軍縮・自由と民主主義の旗手たりえていない」(井手啓二氏)の指摘に同意しつつ、「明治以来の中国と東への侵略と加害の「歴史の克服』は国民共通の課題。アメリカによる「中国脅威論」に追随し、憲法改悪・戦争への道を突進する日本の現状にストップをかけるのは私たちの責任である。その主体的な歩みこそ、中国が東アジアと世界における「平和・反核・軍縮・民主主義・環境保全」に向ってリーダーシップを発揮する時代を迎える保障となり、励ましとなる」と結びました。
〔前田清=同支部〕

(兵庫民報2020年12月20日付)

12月8日は何の日? 79年前を振り返り、未来の平和を築く決意新たに!:武器はいらない、核もいらない全国母親連鎖行動


十二月としては暖かな八日、「武器はいらない 核もいらない2020・12・8全国母親連鎖行動」を県母連に参加する八団体十八名が参加して、三宮マルイ前で、十二時から赤紙を配りながらの宣伝行動を行いました。
当日は、新聞各紙もラジオ・テレビも七十九年前の真珠湾攻撃を報道するせいか、「赤紙」のワードに反応してチラシを受け取る人たちの姿もありました。
コロナ感染症の拡大が心配される中、ビラを受け取ってもらえるかという心配をよそに、いろいろな年齢の方が受け取って行かれました。
今年の赤紙の表には臨時召集令状の写しが、裏には、核兵器禁止条約の批准と「敵基地攻撃能力の導入」反対と、日本学術会議の任命排除への抗議を載せました。
コロナ禍のため、歌を歌うことは避けてテープで対応。トークは各団体から一人づつマイクを握り、それぞれが平和への思いを語りました。


戦争の愚かさ、苦しさに思いをはせる人、学術会議の任命拒否に戦争前夜と同じ空気を語る人、太平洋戦争の犠牲者の話をする人、「核兵器禁止条約」の批准を訴える人、それぞれの平和への思いを訴えました。コロナ禍で頑張っている人々への援助の貧しさも語られました。
兵庫県下では、八日・九日で県母連を含めて十五カ所で連鎖行動が取り組まれ、八千四百枚の「赤紙」が、街頭や団体に配布されました。
母連だけでなく、九条の会や革新懇、年金者組合、原水協、市職、保育、保険医協会など様々な団体との共同の取り組みとして、毎年続けていることが力になっているという報告が各地からありました。
生命を生み出し、守り、育てる母親運動と平和やくらしを守る様々な団体との取り組みをこれからも続けていくことが大切だと思います。
〔中村治子=兵庫県母親大会連絡会〕

(兵庫民報Web版)

学術会議会員任命拒否の撤回を:神戸で市民デモ:内田樹さんも


 「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」と「憲法改悪ストップ兵庫県共同センター」が共同主催する「日本学術会議会員任命拒否の撤回求める市民デモ」の第三波が十二月六日行われ、二百人の参加で三宮繁華街でアピールしました。 

デモに先立つ集会スピーチでは、まず森井俊行神大名誉教授(次の写真右端)が発言、「臨時国会菅首相の答弁のうち実に六割がこの学術会議任命拒否問題だった。二〇一七年に学術会議が軍事問題で協力できないとの声明に対し自民党中谷議員が非難したが、二度と戦争に協力しないためつくられた学術会議だから当然で、ずっと自民党は敵視してきている」と語りました。 


続いて思想家で神戸女学院大学名誉教授の内田樹さん(上の写真右から2人目)は「さまざまな意見を相互に交換して合意形成するのが普通の社会だ。なのに菅首相の様に自分の言うことだけを聞く人たち・イエスマンのみで政治をするから国力がどんどん落ちていく。ちょうどワンマン社長のもとで従順な社員だけでは会社も発展しないことや、大阪・橋下氏の政治手法のように行政の自主性も壊したのと同じだ。海外と国際社会はこうした日本の現状をよく知ってレベル低下がどんどん進のは当然だと見ている。このことが日本のメディアで知らされないから若い人たちが〝選挙で勝った首相が言うことに間違いない〟と支持してしまうのだ。きょうの皆さんとともに周りにいる若い人々が正しく目を覚ませられるよう、真実を語っていこう」と訴えました。 


二百人デモの先頭には内田さんも横断幕を持って行進、三宮センター街で買い物する人々や商店に学術会議問題を分かりやすく解説しながらアピールしました(一番上の写真)。 

〔速水二郎=憲法共同センター〕 


(兵庫民報2020年12月20日付)

学術会議会員任命拒否の撤回を:須磨区民集会


日本学術会議会員任命拒否の撤回を求める須磨区学習会を「安倍九条改憲NO!・須磨」が十二月十三日、同区横尾集会所で開き、四十人が参加しました。
講師に招かれた和田進神戸大学名誉教授は、▽一九四八年七月成立の日本学術会議法には「わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与する」(前文)と学者たちの並々ならぬ決意が示されている▽任命拒否は、政府が軍事的安全保障研究を推し進められるよう学術会議を変質させ、科学を軍事研究に動員する態勢づくりをねらっていることを浮き彫りにした▽このたたかいは学者たちだけの問題ではなく国民全体の問題であり、自由を圧殺する時代にさせないたたかいだ――と解説しました。
講演のあと、共催団体の新日本婦人の会、九条の会、医療生協、年金者組合、原水協、須磨沖縄の会、日本共産党から活動と運動を交流し、ともに頑張りましょうと呼びかけられました。
〔三好正子=同会代表〕

(兵庫民報2020年12月20日付)

宮本たけし「はやぶさ2の快挙と学術会議会員任命拒否」:連載「東奔西走」8


小惑星探査機「はやぶさ2」が放出した着陸カプセルが六日未明、大気圏に突入し、オーストラリアの砂漠で回収されました。初代「はやぶさ」に続き、「はやぶさ2」も小惑星の物質を地球に持ち帰る快挙を達成しました。しかし、この久しぶりに明るい話題にも、実は大事な問題が横たわっています。
二〇一四年十二月に種子島宇宙センターから打ち上げられた「はやぶさ2」は、一八年六月に小惑星リュウグウに到着。リュウグウの物質を持ち帰り、着陸カプセルを大気圏に投入し、驚くほどの精度で追跡し回収しました。この日本の技術は素晴らしいものですが、これが万一軍事に転用されることになれば、まぎれもなく「弾道ミサイル技術」となるでしょう。
私たちは北朝鮮のミサイル発射を国連安保理決議違反として批判しますが、日本がそのような批判を受けないのは憲法九条や非核三原則を掲げてきたからに他なりません。
私は衆議院文部科学委員会を担当してきました。実はこの間、大学等を軍事技術に応用可能な研究を助成する防衛省の「安全保障技術研究推進制度」などに引き込む動きが繰り返されてきたのです。その後、日本学術会議が反対を決議したことで、この動きは止まりました。
いま再び、日本政府は核兵器禁止条約にさえ背を向け、学術会議会員の任命拒否の背景には、軍事研究に反対する学術会議への政治的圧力が指摘されています。リュウグウから玉手箱を持ち帰った「はやぶさ2」を、絶対に軍事転用技術などに利用させてはなりません。
(日本共産党前衆院議員)

(兵庫民報2020年12月20日付)

大門みきし「芸者さんローン」:連載エッセイ57


菅首相は「地域金融機関の数が多すぎる」とし、コロナ禍のもとでも整理・淘汰を促進する金融関係の法改正を来年の通常国会に提出する予定です。
しかしこのコロナ禍で苦境に陥った事業者を支えようと必死で頑張っているのが地域の金融機関です。特に信用金庫や信用組合の取引先は、現在、最も深刻な事態にある飲食・サービス業が多く、信金、信組は自らもリスクをとりながら果敢に支援をしています。
中でも東京の下町にある第一勧業信用組合の心意気に惚れました。「浅草の料亭は一つも潰さない。芸者衆も全員守る」と宣言し、水商売の個人事業主だからと銀行が融資を渋る芸者さんたちに低利で貸し出す「芸者さんローン」を開始し、料亭が休業して収入が途絶えた芸者さんたちを助けています。
子どもの頃、母が京都の先斗町で働いていた関係で芸者さんの知り合いがいて、膝の上に乗せて貰ったことがあります。そのせいか、大人になってからカラオケで「芸者ワルツ」を歌うようになりました。
水商売をばかにするな。芸者さんは銀行の信用はなくても義理堅い。必ずあとで顧客の紹介など信組に恩返しをしてくれます。
地域金融機関にとって最も大事なことは地域の絆です。いま政府がなすべきことは、整理・淘汰を促進するのではなく、地域金融機関がリスクをとって地域で頑張る人たちを支える取り組みへの公的支援ではないでしょうか。通常国会の論戦ではこの点を強く求めていく決意です。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2020年12月20日付)

亀井洋示「本当は冷酷おじさん」



(兵庫民報2020年12月20日付) 

兵庫山河の会 〈十二月〉

あふれ出ずおもひの表現かなはざり語彙の乏しさ今更にして
 (上海淞滬抗戦記念館にて)石井敏子

ポケットに絵筆忍ばせ雑嚢に絵具忍ばせジャングルを這う
 (無言館展にて)塩谷凉子

友どちと古墳に沿って歩きつつ郁子の実見つけふるさと想う
 古谷さだよ

何回も転倒しては怪我もするされど畑は止めず行く夫
 鵜尾和代

山茶花の丸きつぼみのほぐれ来て母なき家にも季節はめぐれり
 山下洋美

青虫に食い尽くされた山椒の葉 冬の光を受けて再び
 加藤やゑ子

早朝のビルの谷間に上りくる太陽揺らぎ雲は緋色に
 新井 幸

コロナ禍と酷暑にたえて季節うつりつわぶきのみちビラくばりせり
 山下 勇

サプリメントにんにくしょうが黒酢など飽きもせぬのかテレビコマーシャル
 古賀悦子

感染者数今日がピークと願えどもとどまり知らず明日を知らず
 大中 肇

亡き妻に健康生活約束し百歳めざして今日も元気だ
 西澤 愼

留守宅の多き集金やっと終えほっと休みぬ秋の夕暮れ
 岸本 守

(兵庫民報2020年12月20日付)


観感楽学


核兵器禁止条約が来年一月二十二日に発効する。国連総会では同条約への署名・批准の進展を歓迎する決議が国連加盟国の三分の二を超える百三十カ国で採択された▼日本政府は米など核兵器国と同じく反対した。この唯一の戦争被爆国として恥知らずな態度を変えさせようと新しい署名運動が始まった。「日本の禁止条約への参加」の一点で、政治的な立場や意見の違いをこえて幅広く賛同する人々からは、鋭い言葉も添えられている▼「核兵器禁止条約の批准は、一政党の問題ではなく、人類全体の人道的観点から、当然批准されるべきもの。日本は(将来にわたって核兵器を保有しないという強い国家意志)を世界に向けて明確に発信するべきと考える」(田中真紀子・元外相)、「それにしても、唯一の戦争被爆国である日本の態度には情けなく、憤りを感じます」(坂本龍一・音楽家)▼世論調査でも国民の七割が核兵器禁止条約への参加を求めている。兵庫県でも、兵庫県にかかわる妹尾河童さん(舞台美術家)はじめ美濃部達吉研究会会長、寺院住職や学者、医師など賛同が広げられている。禁止条約発効日にはパレードも行われ、日本政府に調印を迫ることに。(K)

(兵庫民報2020年12月20日付)