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2020年11月1日日曜日

核兵器禁止条約:兵庫県原水協が国連軍縮週間行動で50カ国批准を報告


原水爆禁止兵庫県協議会は十月二十六日、神戸・元町商店街東口で国連軍縮週間行動にとりくみ、核兵器禁止条約批准国が五十カ国となり、来年一月二十二日に発行することを知らせ、「ヒバクシャ国際署名」を呼びかけました。
同協議会筆頭代表理事の津川知久さんらがマイクをにぎり、核兵器禁止条約の発効によって、核兵器が違法な存在になること、それを保有し、脅し、他国に持ち込むことも制約されることなどを解説。「核兵器のない世界」へ大きく前進したのに、唯一の戦争被爆国である日本政府は条約に反対していることを批判、日本政府と国会が核兵器禁止条約に署名・批准するよう主張し、「ヒバクシャ国際署名」は兵庫県で三十三万人を超える署名が集まり、知事はじめすべての市長・町長も賛同していることを紹介して署名を訴えました。
署名板をもつ参加者に歩み寄って署名をする人、五十カ国の批准については「テレビでみました」という人、「なんで日本がはいってないのですか? 批准すべきですよね」と話す人、募金を寄せる人などが相次ぎました。
*
行動に参加した神戸市原爆被害者会長で日本原水爆被害者団体協議会代表理事の立川重則さんは、「五十カ国批准は、被爆者として待ちに待った日です。廃絶に向けての一歩とはいえ大きな一歩です。これを足がかりに一日も早い核兵器廃絶の日を迎えたい。そのため皆さんと力を合わせて運動をすすめていきたい」と新たな決意を語っています。

(兵庫民報2020年11月1日付)

「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」運動が新たに始まりました。署名用紙やスタート集会アピールなどは「原水協通信 on the web」
からダウンロードできます。(下の動画はスタート集会)

核兵器禁止条約:被団協が11月16日に条文学習会

兵庫県原爆被害者団体協議会は、核兵器禁止条約発効後の展望・道筋を条文からも読み取ろうと学習会を十一月十六日、神戸市内で開催します。
助言者は冨田宏治関西学院大学教授。冨田教授は原水爆禁止世界大会起草委員長を務め、核兵器禁止条約の日本語訳もしています(日本政府は公式日本語訳を行っていません)。

核兵器禁止条約学習会:発効後の展望・道筋を条文からも読み取ろう

11月16日(月)14時~16時、神戸市立婦人会館4階つばき/助言者:冨田宏治(関西学院大学教授・原水爆禁止世界大会起草委員長)/主催:兵庫県原爆被害者団体協議会 Tel. 090‐9164‐1934、Email AND05120@nifty.com(副島)

(兵庫民報2020年11月1日付)


核兵器禁止条約:芦屋原水協が「ヒバクシャ国際署名」目標の9割を超え


核兵器禁止国際条約批准国が五十カ国に到達―朗報が伝えられた十月二十五日、原水爆禁止芦屋協議会(芦屋原水協)は二十四日から始まった国連軍縮週間のとりくみとして予定していた「批准五十カ国カウントダウンアクション」を批准五十カ国達成の報告活動に切り替えて実施しました。
JR芦屋駅北側のコープデイズ前での行動には、「批准五十カ国 やったあ!」「核兵器の終わりの始まり!」など手作りのポスターを持参する参加者もあり、平和委員会、新日本婦人の会、年金者組合等原水協加盟団体メンバーや被爆者ら十二名が参加。笠間順子芦屋原水協筆頭代表理事、千葉孝子芦屋市原爆被害者の会会長らがマイクを握り「この間の運動の大きな成果、日本政府に条約参加を迫りましょう」とよびかけました。
参加者はヒバクシャ国際署名のよびかけとともに、朝の速報を受けて急遽作り直した「核兵器禁止国際条約ついに発効へ!」のビラを配布。ビラを受け取りに来た年配の女性は「よかったですね」と声をかけて署名に応じていました。芦屋では署名の到達が目標九千筆の九割を超えており、芦屋原水協は一日も早く達成しようとよびかけています。〔平野貞雄=芦屋原水協事務局〕

(兵庫民報2020年11月1日付)

非核「神戸方式」45周年記念のつどい:核兵器禁止条約調印を迫る運動が「神戸方式」守り広げる力に

核兵器積載艦艇の入港を拒否する非核「神戸方式」の四十五周年記念のつどいが十月二十四日、神戸市内で行われました。会場には百八人が参加、オンラインでも約五十人が視聴しました。
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記念のつどいは、例年、神戸市議会の決議採択日(三月十八日)に開催されてきましたが、今年は、新型コロナウイルス感染症の蔓延という事態の中で、会場が休館措置となり六月二十五日に延期後、さらに十月二十四日に再延期、参加者も「密」を避けるために百人程度に限定して行われました。
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神戸港湾共闘会議の谷口利之議長が開会の挨拶(写真)で、コロナ禍の困難に直面しながらも、「平和な神戸港のために闘ってきた先達の思いを受けとめ必ず成功させよう」と準備を重ねてきたと述べ、菅新内閣の暴走ぶりをきびしく糾弾し、被爆七十五年・国連軍縮週間初日の意義ある「つどい」の成功を訴えました。 
神戸市原爆被害者の会の立川重則会長が来賓挨拶で、核兵器禁止条約の発効が迫っていることを紹介し、「核兵器廃絶まで力を尽くす」と決意を語りました。
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さらに、映像で海外からの連帯メッセージが紹介されました。
フランス平和運動のロラン・ニベ氏は、「世論調査で七八%の国民が核軍縮を望んでいる」とし、百五十団体の共同アピールで禁止条約批准を要求していることを紹介しました。
フィリピンのコラソン・ファブロスさんは、非核「神戸方式」が、「日本の平和運動だけでなく、核も基地もない平和のために何ができるかをしめすもの」と称え、「神戸や兵庫県だけでなく、日本全国、世界中の『未来の世代』が受け継ぐべき重要な財産だ」と語りました。
アメリカのジョセフ・ガーソン氏は、「神戸方式は世界の核軍縮運動に貢献している」とし、「日本の核保有論をくいとめる政治的社会的力になっている」と述べました。
韓国の平和団体SPARKからは、メンバーが「四十五周年おめでとう。核のない世界へ進もう」などの日本語のプラスターを持って登場し、「我々も神戸方式の志を受け継ぎ進む」と連帯のメッセージを送りました。
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兵庫県原水協の梶本修史事務局長が、基調報告を行いました。核兵器禁止条約が発効する意味を明らかにし、日本政府に禁止条約調印をせまる新しい署名運動が紹介され、非核「神戸方式」を守り広げる力になると強調しました。
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ジャーナリストの吉田敏浩さんが、「米軍優位の日米地位協定と日米合同委員会の密約」と題する記念講演を行いました。吉田氏は、米軍の特権を認める日米地位協定の実態を様々な実例で示し、その構造をより強固にする裏の仕組みとなっている日米合同委員会の実態を解明し、その廃止を求めました。非核「神戸方式」が、米軍優位の不平等な地位協定の現状を改めてゆくための大きな足がかりとなっていることを明らかにしました。
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つどいは、「二〇二〇年非核神戸港アピール」を参加者の強い拍手で採択しました。
非核「神戸方式」のテーマソング「波よひろがれ」を作曲者のきたがわてつさんと兵庫県内の「うたごえ」合唱団が共同で歌い上げた映像が上映されました。
兵庫県原水協の津川知久・筆頭代表理事が閉会の挨拶を行い、「日本政府が核兵器禁止条約に加わらないなら退陣してもらうしかない」と述べ、「日本が禁止条約に加われば世界は劇的に変化する。ぜひ実現を」と訴えました。参加者からは、「オンラインを心配したが案外うまくやれていた」、「海外からのメッセージを聞き、神戸方式の重要性を再認識した」などの感想が寄せられました。〔梶本修史=兵庫県原水協〕

(兵庫民報2020年11月1日付)

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(6):地域経済守る自治体本来の役割を

兵庫県商工団体連合会会長 磯谷吉夫


兵庫県下には二十一万四千の事業所があり、そこで二百二万三千人が働いています。その内、従業者数三十人未満の小規模事業所が九四%を占め、雇用の上でも半数を支えています。兵庫県の地域社会・経済はこうした中小商工業者の営みによって支えられています。
兵庫県議会は二〇一五年十月、「中小企業振興条例」を全会一致で可決・成立させました。前文では、「地域ぐるみで本県の中小企業の振興、とりわけ小規模企業の振興に県が先頭に立ち積極的に取り組む事を決意し、この条例を制定する」としています。
この中小企業振興条例は、県政全体を貫く理念条例として、様々な施策を立案する際に、こうした視点でもって検討されるべきものです。
しかし、兵庫県政のこの分野での取り組みは遅れています。
兵商連は毎年秋に、兵庫県各部局と中小業者への支援策を要望する交渉をしており(写真は2019年11月、産業労働部長との懇談:右から2番目が筆者)、その重要項目のひとつに、兵庫県住民リフォーム助成制度の創設があります。
これは、市民が住宅のリフォームをする際に、自治体が一定額を補助する制度で、住環境の改善と中小業者への仕事起こしにつながり、地域経済に大きな波及効果のあるものとして全国で約六百の自治体が実施している施策です。
しかし、昨年の回答は、「基本は自助・共助・公助の考えであり難しい」というものでした。
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外需頼みの経済と消費税の相次ぐ増税が、地域経済の衰退を招き、感染症対策の支援制度の貧困さとも相まって、中小業者の生業は重大な危機に瀕しています。
県下の中小業者からは、悲鳴にも似た声が寄せられています。
「席数を減らして消毒しても、会社から外食は八時迄と言われていて、お客さんが来ない」(神戸市・スナック)
「一月から仕事のキャンセルが入り始め、現在の売上は昨年の一割くらい。集まってはいけない風潮の中、単価を上げるか、仕事を変えることも考えなければならない」(音響システム)
「一月から軽貨物運送を始めたが、得意先がコロナの影響で激減し四月以降請け負っていた仕事がなくなった」(運送)
五月二十五日の「緊急事態宣言」解除ひと月後の調査では、前年同月に比べて売上減が七四%(前年同月比)であり、その内四〇%が五割以上減との回答をしています。
この状況は、現在もほとんど変わらず、持続化給付金などで何とか資金繰りをしてきたが、次の支援がなければ、年末には大量の廃業がでると予想されます。
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こうした中、井戸知事は見過ごすことのできない発言を繰り返しています。
八月八日に開かれた全国知事会の中で、対策を取らずに感染者が発生した飲食店について、「食品衛生法では、食中毒を起こした店は営業停止になる。指定感染症のコロナでも同様の制度に置き換えるべきだ」と主張しました。
兵庫県は、飲食店の感染症対策の補助金を設けていますが、国が抜本的な検査体制を放棄している中で、飲食店が防御策を講じても、感染者を出してしまう可能性は残されます。
そのことを踏まえないで、一方的に「営業停止」などの発言は、知事として絶対に行うべきではありません。
また、安倍首相が辞任表明した八月二十八日には、「アベノミクスで景気の回復基調を実現し、積極的な外交で東京五輪を誘致した」と、実績なるものを評価しています。
アベノミクスの二つの「三本の矢」の裏で、二度にわたる消費税増税が軍事費の財源として強行されました。
消費税一〇%増税による、経営悪化は、兵商連が半年に一度行っている経営調査でも明らかです。
「一九年十月~二〇年三月の売上」は、前期(一九年四月~九月)に比べて「減少」が四六・二%、であり、次期の見通しも「減少」が六九・五%となっています。
こうした中、首相の諮問機関・政府の税制調査会は、財政悪化の対応で、「消費税増税を中核に据えた、骨太の議論が必要」などと論議しています。
一方、政府は、業績が悪化した大企業の支援へ法人税減税を検討すると、マスコミは報じています。
兵庫県政は、全国二位の高速道路網の推進、ホテルなどを誘致する県庁舎建替え、但馬空港の滑走路延長などの大型開発を推し進めています。一方、社会保障費は削減し、病院・県営住宅などの廃止・縮小を進めようとするなど県民生活切り捨ての姿勢は明らかです。
中小業者は、住民自治と循環型経済の「地域再生」の中でこそ、生きる道を見出すことができます。
住民の命とくらし、地域経済を守るという自治体本来の役割を果たす兵庫県政の実現が求められています。

(兵庫民報2020年11月1日付)

兵庫県2019年度決算認定議案:県住、国保など後退を批判:日本共産党・庄本えつこ議員が反対討論


兵庫県議会本会議で二十二日、日本共産党の庄本えつこ県議は、二〇一九年度決算認定二十三議案中十五議案に反対し、討論を行いました。
一般会計歳入歳出決算について「消費税を一〇%に増税したことにより、消費が冷え込み、当初予算で百億円の増収を見込んでいた地方消費税収が、決算では、増収どころか五億円の減収になっており、安定した財源にもならない」と指摘。「税収の中心に消費税を据える国の施策への追随をやめ、緊急経済対策として、消費税を五%に引き下げ、大企業、富裕層などから応分の負担をさせる税収確保を国に強く要請する」ことを求めました。
県営住宅事業特別会計歳入歳出決算は「県営住宅管理戸数を二〇一六年度の五万二千六百八十五戸から、二〇二五年度に四万八千戸へと削減するとしている。二〇一九年度は、五万七百九十四戸から四万九千九百五十戸へと八百四十四戸が削減された。物価上昇に賃金上昇が追い付かず、実質賃金が増えていない中で、低廉な家賃で住宅を供給するという県営住宅の役割がますます高まるもとでの管理戸数削減は認められない」として反対しました。
庁用自動車管理特別会計歳入歳出決算は「知事と議長の公用車をレクサスから最高級車センチュリーに変更したことに伴い、リース料が二倍以上となり、七年間で四千二百万円、レクサスよりも千四百万円の支出増となった。コロナ禍のもと、県民から『公用車に最高級車が必要なのか』の厳しい意見が多数寄せられている」として反対しました。
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算は「国保運営の都道府県化二年目だったが、全県平均の一人当たり保険料額が、年間九万四百五十三円から九万三千二百九十五円に引き上がっている。都道府県化は、県下統一の保険料をめざし、市町の法定外繰り入れをやめさせることを目標とし、来年度の運営方針ではそれらをさらに進めるものになっている」「国庫負担の抜本的な増額による保険料の引き下げ、均等割の廃止等、制度の抜本的見直しが必要だ」と主張しました。
決算認定議案について、共産党以外のすべての会派は、すべての議案に賛成しました。

(兵庫民報2020年11月1日付)

兵庫県議会請願:核兵器禁止条約批准など4件:日本共産党・いそみ恵子議員が採択を主張


兵庫県議会本会議で二十二日、日本共産党のいそみ恵子議員は請願採択を求めて討論を行いました。 
いそみ議員は、「核兵器禁止条約への日本政府の署名と批准を求める意見書提出の件」について、「日本と世界の市民運動が、各国政府を動かし、『核兵器禁止条約』は、国連で採択され、現在八十四カ国が調印し、四十七カ国が批准しており、条約の発効に必要な五十カ国まであと三カ国に迫っている」「二度の意見書を採択した岩手県議会はじめ、長野・三重・沖縄県議会含め、四百九十四件となり、全自治体の二七%にのぼってる。世界でも、日本国内でも、県内でも核兵器廃絶に向けたおおきなうねりが起こっている」とし、日本政府の署名と批准を要請する意見書の採択を求めました。
同様の二件の請願が提出された種苗法改定案の廃案を求める意見書提出の件について、いそみ議員は、「種苗法『改正案』は、農民の『自家増殖の権利』を原則禁止するもの。公的機関が保有する『種子の知見』を民間企業に提供することを盛り込み、海外企業が日本での品種登録をしやすくするなど、日本の優良品種を多国籍企業に提供するもの」だとして、廃案を求める意見書提出の採択を求めました。
国の責任による「二十人学級」を展望した少人数学級の前進を求める意見書提出の件についても、採択を求め主張。「新型コロナウイルス感染症の拡大による長期休業は、県教委の『心のケアアンケート』でも、小学生低学年の約二割が眠れないと回答するなど深刻な影響を及ぼしている」「学校再開に向けた分散登校は、二十人程度の学級となり、感染拡大の防止の点からはもちろん、『子供の不安に寄り添うことができる』『学習のつまずきに丁寧に対応できる』と、子どもたちへのケアと学びの観点から効果が発揮された。子どもを感染から守るためにも、心のケアと丁寧な学習を進めるうえでも、二十人程度の少人数学級が急がれる」と訴えました。
四件の請願はいずれも不採択となりました。

(兵庫民報2020年11月1日付)

市民にあたたかい神戸をつくる会総会:市民運動と地域で手を携え神戸市政を変えよう


市民にあたたかい神戸をつくる会は、十月二十二日第十回総会を開き、加盟団体・地域の会から五十人以上が参加しました。本来四月九日、開催予定でしたが、コロナウイルス感染症拡大で延期したものです。
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総会は、あたらしく会の共同代表となった神戸健康共和会の藤末衛理事長が特別報告。世界では社会経済の格差が死亡率につながっているもと、日本では、住民の運動で守ってきた保健所・公衆衛生・地域医療が役割を発揮したことで、感染を一定抑えることができていると報告。長引くコロナ禍で、いまこそ医療・社会保障を拡充する必要性があると提起しました。
会の那須由美子事務局長が、「来年の市長選挙にむけて、各地でうまれている新しい市民運動に取り組んでいる人たちと、積極的に地域で手を携え、新しく広い視野で、久元神戸市政を変えるために力を尽くそう」とよびかける会方針を提案。
日本共産党神戸市会議員団の森本真団長が、神戸市の職員削減によって、保健師の数が政令市人口比で最低になっており、神戸市保健所長が「二〇〇九年に新型インフルエンザ対応で、配置された各区の感染症専門保健師まで、事務事業の見直しで減らされ、コロナ対応で困難があった」と告発していることを紹介し、久元市長がさらにすすめようとしている今後五年で二百九十二億円の住民福祉サービスの切り捨てと七百五十億円の職員削減計画を、市民の力で食い止めようと呼びかけました。
借上げ住宅協議会の段野太一さんが借上げ住宅問題について、兵庫民商の平松大佳さんが寄せられた相談と中小業者の実態について、市民目線で神戸市政を考える懇談会の北岡浩さんは市役所二号館建て替えなど無駄な大型開発について、神戸医療生活協同組合の井上徹さんが医療現場の現状について報告しました。また、フロアーからも教育問題、神戸の交通についてなど、発言が相次ぎました。
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総会はまとめ報告のあと、森口眞良共同代表が、「私たちの運動と日本共産党市会議員団の奮闘、そこに、新しい市民運動との連帯が広がり、この三つが重なり合い、市長選挙をたたかう動きが始まりつつある。来年の選挙に向けて、地域の会の活動も再開させ、奮闘しよう」と閉会の挨拶を行いました。
〔那須由美子=同会〕

(兵庫民報2020年11月1日付)

住民本意の自治体をつくる兵庫区の会:恒常的な要求実現の運動を大切に


住民本位の自治体をつくる兵庫区の会は十月二十三日第七回総会と学習会を開催しました。
「兵庫区の会」は、兵庫県知事選挙と神戸市長選挙をたたかう地域の会として、選挙のない年でも恒常的に要求実現の運動を大切にしてきました。今期は「敬老パス・福祉パスをよくする会」「私の個人情報渡さない兵庫区民の会」を立ち上げ、学習会や署名街頭宣伝行動を行ってきましたが、三月からコロナ禍で活動が制限され、世話人会の再開は六月でした。
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来年は知事選挙・神戸市長選挙・総選挙の年であることから、恒例の学習会「新型コロナと新自由主義」をテーマに藤末衛医師を講師に招きました。
藤本さんは、コロナで▽「感染防護資材の不足」「政府の危機対応初動の遅れ」「リスク管理不全」が露呈したこと▽縮小させてきた保健所に過度の負担をかけ機能破綻が予想され対策が後手後手となったこと―など現場の状況を報告。コロナ禍で明らかとなった現代社会のもろさを克服する「個人の尊厳」「住民の政治への主体的参加」を大切にする市民運動を発展させることが肝心であり、その条件が大きくなっていること―を強調しました。
 〔井村弘子=同会〕

(兵庫民報2020年11月1日付)

ジェンダーわたしの視点:自分らしく生きる誰もが大切な存在


日本共産党県議会議員 ねりき恵子


どんな立場の人でも、尊厳が守られ自分らしく生きることのできる社会。それを目指している日本共産党に共感し、福祉を学ぶ大学生の時、入党しました。

綱領改定の重要な柱

日本共産党は、今年一月の第二十八回党大会で党綱領改定を行い、その重要な柱の一つが「ジェンダー平等社会をつくる」ことです。性による差別や分断のない社会、だれもが尊厳をもって自分らしく生きることのできる社会を目指すとされました。
日本共産党が戦前・戦後、女性への差別をなくすためにたたかってきたことに誇りを持ちつつ、自身の内面に無意識にある人権意識のゆがみと向き合い、自己変革の努力すること。そして、性暴力根絶を目指すフラワーデモや、LGBTQ(性的マイノリティ)への差別をなくし、尊厳を求める運動などに「#WithYou」「#MeToo」と、自らに引き寄せ、切実な声を聞き、ジェンダー平等を妨げている政治を変えていこうと提起されました。
一人ひとりの尊厳が守られ自分らしく生きることのできる社会を目指すことが、より深く太い柱となり、自分自身の思いも一層強くなっています。

兵庫県政での現状

兵庫県政におけるジェンダー平等の現状はどうでしょうか。
県の男女共同参画基本計画である「ひょうご男女いきいきプラン2020」・兵庫アクションエイト(兵庫県率先行動計画)では、県における女性管理職の比率目標は一五%。県は目標達成したと自慢しますが、もともと国の目標は三〇%で目標自体が低すぎます。国連では、二〇三〇年までの男女の完全な平等「五〇%・五〇%」が提唱されており、今年度の計画改定時には、県の目標を三〇%へ、二〇三〇年までに五〇%へと掲げ、体制整備を急ぐよう求めています。
また、LGBTQ等についても、県人事委員会勧告で「ハラスメント防止対策とともに、LGBT等性的マイノリティに関して、職員の意識向上のための研修、働きやすい職場環境整備等、ハード、ソフト両面にわたる取り組みについて配慮していく必要がある」と指摘されており、「ひょうご男女いきいきプラン」に明確に位置づけるよう求めてきました。今年度中には、県職員向けのガイドラインと、県民・事業者向けのリーフレットが作成される予定です。
一方、県議会も、議員定数八十六人中、女性議員は十三人(自民三・連合二・公明二・維新一・共産四・無所属一)一五%にとどまっています。議会改革には、女性議員の比率を高めるための視点も必要と考えます。そんな中でも今年三月、日本共産党県議団の提案した「LGBT/SOGIに関する差別のない社会基盤整備を求める意見書」が全会一致で採択され国にあげられました。
パートナーシップ宣誓制度についても、宝塚市・三田市・尼崎市・伊丹市・芦屋市・川西市で実施され、西宮市・明石市・猪名川町でも動きがあるなど、兵庫県下で広がってきています。都道府県でも、茨城県、大阪府ではじまり、三重県では「性の多様性を尊重し、だれもが安心して暮らせる三重県条例案」のパブリックコメントが実施されるなど広がりを見せています。兵庫県での実施が急がれます。

性暴力対策と被害者支援

コロナ禍のもとDV被害や性暴力被害の増加が問題となっており、その対策強化も必要です。県立の女性家庭センター(配偶者暴力相談支援センター)がDV相談・一時保護を実施していますが、相談件数は年々増加している一方で、一時保護件数が減少しています。県下唯一の民間シェルターを運営しているNPO法人ウイメンズネット神戸は、DVから逃げてきた女性に寄り添ったきめ細かな支援が必要と、県の女性家庭センターとの連携・支援体制の強化を求めておられます。私たちも、一時保護の実態を調査し、必要な支援が届くよう取り組まなければなりません。
また、性暴力被害者支援では、二〇一七年度より、ひょうご性被害ケアセンター「よりそい」が、県のワンストップセンターとして開設されましたが、二〇一九年度の相談実績を見ると四百三十三件の相談件数に対し、医療支援はわずか二件にすぎず、性暴力被害で要となる医療支援が十分でない実態があります。一方で、県の「よりそい」が開設される以前から活動しているNPO法人性暴力被害者支援センター・ひょうご(県立尼崎医療センター内)の二〇一九年度の相談件数は、四百九件に対し、医療相談は十九件です。県として、NPOなどとの連携強化を図り、性暴力被害者に寄り添った支援策の拡充が求められます。
杉田水脈衆院議員の女性蔑視の発言など許されるものではありません。
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ジェンダー平等社会の実現には様々な分野、課題がありますが、どれもが重要な、人としての尊厳を守る課題です。どんな時でも、その課題に真摯に向き合い、だれもが自分らしく、大切にされる社会の実現のため力を尽くす決意です。

(兵庫民報2020年11月1日付)

市民と野党の合同街頭宣伝


兵庫革新懇が「市民と野党の合同街頭宣伝」を10月25日、神戸・三宮センター街東口で開催。立憲民主党のふなかわ治郎県合連副代表(右端)、日本共産党の清水ただし衆院議員(左から2人目)、社会民主党の大島淡紅子県連合副代表(右から2人目)、新社会党のあわはら富夫県本部委員長(左から4人目)、緑の党の丸尾牧県本部運営委員(左から3人目)と医師の武村義人さん(左端)、薬剤師の長浜悠さん(右から3人目)が市民と野党の共闘で政権交代をと訴えました。
 



(兵庫民報2020年11月1日付)

尼崎女性後援会総会:集まれば元気! こむらさんを国会へ


日本共産党尼崎女性後援会は十月二十四日、総会を開き五十人が参加。元参院議員の大沢辰美さんが記念講演し、衆院比例・兵庫八区予定候補のこむら潤さんも駆けつけました。総会後には、こむらさんを先頭に三十人がJR立花駅前で賑やかに宣伝しました。
講演で大沢さんは、兵庫県党最多の五十八万票で当選した一九九八年参院選を振り返りつつ、いまの野党共闘は「本気だ」というところにきていると指摘。「総選挙勝利へみんなで立ち上がりましょう」と呼びかけました。
参加者からの「空気を変えるにはどうすればよいか」との質問に大沢さんは「それぞれ、自分が候補者になったつもりでやってくれたらうれしい」など答えると、会場の空気が変わりました。
総会では、「土曜日に十人でにぎやか宣伝」「〝こむらさんのいいとこはここ〟を訴え訪問」などがんばっている発言がありました。
こむらさんのお母さんによる「必勝ダルマちゃん人形」が登場したところに、こむら潤さんが到着。「〝私が起爆剤にならなくてどうする。後悔しない生き方をしたい〟と立候補を決意しました。憲法九条を守り、暮らしを守るため、政権交代をごいっしょに」との訴えに大きな拍手が起こりました。
「集まれば元気! 負けられないね」と決意を固め合う総会になりました。
〔広瀬さなえ=同後援会〕

(兵庫民報2020年11月1日付)

衆院3区で日本共産党演説会:菅政権を今度の選挙で終わりにしよう


日本共産党神戸西地区委員会は衆院兵庫三区演説会を十月二十四日に開催し、大門みきし参議院議員と、こむら潤衆院比例・兵庫八区、赤田かつのり衆院三区両予定候補が、日本共産党躍進、比例近畿ブロックで四議席獲得で兵庫から女性議員を誕生させ、次の総選挙で政権交代をと訴えました。
大門議員は、菅内閣が安倍内閣以上に危険な内閣だと指摘し、何としても菅政権を今度の選挙で終わりにしようと訴えました。日本共産党がコロナ感染対策でも正確な政策や提言をできた背景に、世界各国のコロナ感染対策を国会議員団や党国際部、「しんぶん赤旗」海外特派員が調査・翻訳し提言や政策にまとめ国民に提示してきたこと、その例として、四月に国会で大門氏自身が提言した「持続化給付金」についてもドイツの制度を研究して実ったものであることをあげました。
参加者からは、「コロナ禍の中で日本共産党の国会議員団が果たした役割がよくわかった」「政権交代の展望が持てた」と感想が寄せられました。

(兵庫民報2020年11月1日付)

山下よしき「激動の週末」

連載エッセイ29 

▽十月二十四日(土)

午後、「障害児学校の設置基準策定を求める全国交流集会」に参加。
児童生徒の急増に学校増設が追い付かず「教室をカーテンで間仕切りして二クラスで使用」など異常事態が広がる特別支援学校。根本に設置基準がないことがある。昨年三月、安倍首相に質問し「放置するつもりはない」との答弁。今年九月、中央教育審議会が「設置基準を策定する」と明示。
集会では「十年間の運動がやっと実る」と保護者、教職員の喜びがはじけた。「子どもたちに良い設置基準と学校を届けるために頑張りたい」と挨拶。帰阪。 

▽十月二十五日(日)

終日、大阪市廃止・特別区設置住民投票(十一月一日)の街頭宣伝。八年前、根拠法案の審議で、①大阪市が徴収している税が大阪府の徴収になり、②大阪市に交付されている地方交付税が大阪府に交付され、③吸い上げられた税の配分割合を決めるのは府知事と府議会となる、ことが明らかになったと報告。大阪市廃止・特別区設置は「自治の大後退」「格下げ」と告発。
大阪の市民力、共同力はすごい。市内あちこちで市民団体、若者グループ、他党の反対運動に遭遇した。
大阪市を廃止し、政令市の豊かな権限と税財源を奪い、湾岸部のカジノ開発に注ぐ――「都」構想の正体を市民がじわりじわり見抜きつつある。最新の調査では「反対」が「賛成」と並んだ。ヨシッ。
臨時国会開会に備え上京。淀川の河口に沈む夕日が美しかった。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2020年11月1日付)

観感楽学


ようやく国会論戦が始まった。安倍内閣の反動姿勢をそのまま引き継いで総理大臣に納まった菅首相、新総理として、日本の現状をどう認識し国政、外交をどうするのか▽所信表明すらしないまま外国を訪問して軽々に円借款などを約束してくる。なんとも薄っぺらい総理大臣だ▽ところで、日本学術会議に六名の学者を任命しなかったという問題。すでにマスコミで論じられているが、改めて検証してみた▽まず、日本学術会議法は第一条で ①日本学術会議は内閣総理大臣の所管とする。②学術会議にかかる経費は国庫が負担する。としている。ここで、「内閣総理大臣の所管」とされていることをもって、「任命するかしないかは総理大臣の権限だ」としている。しかし同法第三条では、日本学術会議は独立して左の職務を行うとして①科学に関する重要事項を審議しその実現を図ること。②科学に関する研究の連絡を図りその能率を向上させること。と規定している▽ここで注目すべきは「独立して」と敢えて規定していることで、たとえ総理大臣所管であり、経費が国庫負担といえども、総理大臣から干渉されることなく「独立して」職務を遂行すると明確に規定して憲法二十三条に言う「学問の自由」を保障する内容になっている▽菅総理、さてどうする? 民主主義国家を標榜する国政のもとで憲法を遵守できないようなら、就任早々から暴君のそしりを免れないだろう。(D)
(兵庫民報2020年11月1日付)