兵庫労連は第六十回定期大会を九月十二日、神戸で開催しました。コロナ禍で規模も縮小、時間も短縮するなど工夫して開きました。
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成山太志議長は開会挨拶で「コロナパンデミックで弱肉強食の〝新自由主義〟路線ではダメなことが誰の目にも明らかになった。兵庫労連は昨年結成三十年を迎えたが、結成以来一貫して規制緩和、社会保障改悪など新自由主義路線とたたかってきた。安倍首相は病気理由に退陣表明したが、あらゆる分野で行き詰まり、コロナ対策でも疑惑でも国民の世論と運動で追い詰められた退陣だ。次期首相と言われている菅氏は消費税増税を言い出した。コロナで労働相談も多く、今こそ労働組合が求められる時。組織拡大でも奮闘しよう」と訴えました。
土井直樹事務局長が運動方針を提起――「新型コロナウイルスを克服し、『安倍改憲』を阻止し、憲法がいきる社会を。雇用を守り、八時間働いて人間らしく暮らせる社会を。すべての労働者を視野に組織と要求を前進させ、未来を切り拓こう」と提案しました。
コロナ禍のなかで雇用と賃金守り、生活を守るたたかいを職場からおこすこと、最低賃金の大幅引き上げへ最低生計費調査を本格的にとりくむこと、総選挙、知事選・神戸市長選など政治を変えるたたかいをすすめること、組織拡大へとりくむこと―などを提案しました。
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討論では十三人が発言しました。
*コロナによる集会・行動の中止など制約の中で苦労。会議を再開し、たたかいを再開した。
*街頭宣伝も、配布でなくスタンディングにするなど工夫した。
*学校休校での非正規・給食調理員へ休業補償を求め、休校中も子どもたちの見守り登校のとりくみを続けた。
*今の学校は密。分散登校で少人数学級の必要性を実感し、少人数署名に共感が広がっている。
*組合結成や拡大でも、非正規や若い人の切実な要求・声を丁寧に聞くことからはじめ、相談に乗り、いっしょにたたかうことが大切。
*組合員獲得、裁判闘争、非正規の正社員化署名などの職場でのたたかいを報告。ストライキ・集会を開催し春闘賃上げをたたかった。
*問題が起こると、たたかった歴史が生きて、いざとなったら全労連組合に相談が持ち込まれている。
*地域労連の地方議会への全国一律最賃実現の意見書を求める陳述など、地域からの取り組み。
*兵庫労連のハラスメント調査を通じて労組のある職場でもハラスメントがある実態があきらかに。ハラスメントをなくそうととりくんでいる。
*コロナでの派遣切りもある、労組教育としても十九日上映の映画「時の行路」の活用を。
―など、各職場・地域での労働組合の役割とたたかいを交流しました。
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大会提案議案の採択の後、特別宣言を採択、成山太志議長の音頭で「団結ガンバロー」で閉会しました。役員には、成山太志議長、土井直樹事務局長、事務局次長には岡崎史典氏、西村貴史氏らが選ばれました。
(兵庫民報2020年9月20日付)