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2020年8月30日日曜日

安保法制廃止を!

神戸大丸前の三角州で横断幕を掲げて宣伝する人々


2015年9月19日に強行成立させられた安保法制(戦争法)の廃止を求めて毎月19日、全国各地で行われている「19日行動」、兵庫では8月も神戸・大丸前で行われました。 

(兵庫民報2020年8月30日付)

高砂市長が応じ「ヒバクシャ国際署名」県内全市長に

高砂市の都倉達殊市長が「ヒバクシャ国際署名」に署名しました。これで兵庫県下の全市長が署名。日本政府に核兵器禁止条約に批准させる力がいっそう大きくなりました。
高砂市では、二〇一七年二月に高砂市原爆被害者の会(千田征男会長)から提出された「ヒバクシャ国際署名」に協力を求める陳情が全会一致で趣旨採択されました。
私たちは、署名を広げることを目的に、あらゆる市民団体や個人に働きかけ、二〇一八年四月、「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる高砂の会」を結成し、市長、連合自治会への申し入れをはじめ各種のイベントに参加し署名を集める活動をしてきました。
二〇一八年六月には市議会で兵庫県内では初めて「核兵器禁止条約」に署名・批准を求める陳情に基づく意見書が全会一致で採択されました。しかし、当時の登幸人市長は、「核廃絶に向けて努力をしていくべきである」としながらも署名はせず、その後、県内の首長が次々と署名に応じるなか、高砂市長だけが署名していない現状が続いていました。
今年四月の市長選挙で都倉市長に交代。「ヒバクヒシャ国際署名」をすすめる高砂の会は新市長に署名に応じるようあらためて申し入れました。
都倉市長の署名は八月二十二日に高砂市原爆被害者の会に届きました。
――大塚よし子=「ヒバクシャ国際署名」をすすめる高砂の会

(兵庫民報2020年8月30日付)


「近畿訴訟完全勝利をめざすつどい」開く:ヒバクシャ訴訟が切り拓いたものと、今日の課題を明確に

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記〈番外編〉
副島圀義

「ノーモアヒバクシャ近畿訴訟 完全勝利をめざすつどい」が八月二十二日、大阪市内で開かれました。
初めに世界大会起草委員長の冨田宏治さんが、ことしの世界大会をふりかえりながら「コロナ」のもとでの世界の変化を語りました。
「パンデミックは、生命の尊さ、大切さこそ最も優先されなければならず、連帯して取り組まねばならないことを明らかにした」「家族に看取られず埋葬もできない『死』。人類はコロナによって、そして核兵器によって、『人間として死ぬことができない』現実に直面した」「莫大な破壊力をもつ兵器による『安全保障』の愚かさは明白」等々、国連軍縮担当上級代表の中満泉さんの発言なども紹介して強調。核なき新しい世界への前進を呼びかけました。
ついで弁護団の西晃さんが、集団訴訟最初の勝利判決の特徴と、今日の法廷状況を分析した報告と行動の提起。
被爆者援護施策が国家補償の法的枠組みを確立していないなかで、個別的救済にとどまる限界をもっていること。まさにその点を突破しようとしたところに「集団訴訟」の意義があったこと。などを解明し、国家補償を求めるたたかいを核兵器廃絶への取り組みと連動させようと訴えました。
兵庫、大阪、京都の被爆者からの報告発言のあと、ノーモアヒバクシャ訴訟支援ネット・兵庫県原水協の梶本修史さんが、十七年前の「集団訴訟」の始まりの時期の取り組みに重ねて、「被爆者の病気と原爆のかかわりを否認しようとすることは、戦争に従わせ、核兵器を容認させることだ」と批判。引き続く運動を呼びかけて集会を締めくくりました。

(兵庫民報2020年8月30日付)


第25回尼崎平和のための戦争展:コロナ危機を乗り越え、守ろう!平和憲法を

展示に見入る参加者


第二十五回尼崎平和のための戦争展を八月二十一、二十二、二十三の三日間にわたり尼崎市中央北生涯学習プラザで開催しました。
この戦争展は、阪神・淡路大震災直後、各家庭に保管されていた戦時中の品々が散逸しかねない状況にたいし、それを借りて展示しようとの意図で始めたものです。

文書会議など工夫も重ねて準備

ことしはコロナ禍のもと集まるのが難しいため、実行委員会は「文書会議」で進め、最終打ち合わせだけ顔を合わせての会議となりました。文書会議では、役員承認、会場の確認、予算承認、上映映画の決定、チラシデザインの承認などの諸議題について議論し、約二カ月で大枠を決めました。今年のテーマは「コロナ危機を乗り越え、守ろう!平和憲法を」に決めました。
当日は消毒や体温測定の体制をとり、けっして感染源にならないようにとの強い思いでとりくみました。会場のスペースを空けるため、展示物を従来の三分の一に収めました。結果として、ゆったりとして見やすい展示になりました。

沖縄の若者たちの取り組みに学ぶ

上映した映画『私たちが生まれた島――OKINAWA2018』は、「基地に賛成の人も反対の人も反対の人も同じテーブルに着き、対話の道をさぐる」という翁長雄志知事の思想を受け継いだ若者たちの取り組みが描かれていました。
映画を観た参加者からは「戦争の悲惨さや戦争のことを学び行動する若い人に胸を打たれました。四度泣きました」(二十代)、「(映画では)高校生も平和について自分たちの考えを交流していて、若い人のたちの中で、沖縄の問題、平和のことを話し合えることが広がればいいなと思いました」(二十代)、「若い人の粘り強い運動が描かれていて、とても希望がもてる映画でした」(六十代)などの感想が寄せられています。
最終日の「戦争を語る会」では、原爆被害者の会の方が原爆投下時の広島の様子や家族のその後などについて語りました。また、沖縄の渡野喜屋事件(日本軍による住民虐殺事件)の時生後三カ月だった仲村元一さんは、母から聞いた事件のありさまを語りました。

もっと宣伝してほしい

全体の感想として「コロナ禍の中でよく開催してくださいました」「改めて平和がいいなと思いました」「自衛隊への名簿提出について、シール投票で〝賛成〟は〝ゼロ〟であった。国の常識と市民の常識との〝差〟を感じざるを得ません」「〝加害と被害〟の根源的な責任がどこにあったのかを明らかにすること(が必要)」「尼崎にも空襲の被害があったことを初めて知りました」「九条の会の展示も光っていたと思います」など多くの声が寄せられ、また来年に向かって進歩した取り組みをしようと、実行委員会は意欲を強めています。
――松岡宗治(実行委員会事務局長)

(兵庫民報2020年8月30日付)

核兵器禁止、コロナ対策、少人数学級、ジェンダー平等:こむら潤さんとともに兵庫県女性後援会が街頭宣伝

「子どもの学びとケア、安全のために」「PCR検査と医療の抜本的充実を」などの看板を並べ、マイクで訴えるこむらさんと女性後援会の人々


日本共産党兵庫県女性後援会は八月二十三日夕方、神戸・大丸前で、こむら潤衆院比例・兵庫八区予定候補(尼崎市議)=写真=を迎えて街頭宣伝を行いました。
冨士谷香恵子事務局長の司会で始まった街頭宣伝は、新婦人内後援会事務局長の由利美香さん、こむら潤予定候補へと続きました。
由利さんは、被爆七十五年の今年、核兵器禁止条約の批准国が四十四カ国になったことを紹介「あと六カ国で発効します。被爆国としてこの条約に参加する政府に変えましょう」と訴えました。
最後にマイクを握ったこむらさんは、「コロナ感染拡大が続くなか、安倍政権の姿勢は国民の願いにこたえていない」と厳しく批判し、日本共産党はPCR検査を抜本的に拡充し、医療現場への思い切った支援をと申し入れていることを紹介しました。
また、三人の子どもの母親として、市議会議員として活動するなか「少人数学級を子どもたちにプレゼントしよう」「憲法改悪許さず平和な日本を子どもたちに手渡そう」「一人ひとりが自分らしく生きられるジェンダー平等の社会を実現したい」と切実に感じていると述べ、そのために総選挙での日本共産党の躍進と野党共闘の前進を強く訴えました。
遠くからじっと聞いている人や、後援会員が手渡したビラを熱心に読む人、「しんぶん赤旗」宣伝紙を受け取ってくれる人がありました。

(兵庫民報2020年8月30日付)

宮本さん、『宮本プラン』持ち兵庫教組と懇談:少人数学級、今度こそ政治が決断して実現を

教員の声に耳を傾ける宮本たけし前衆院議員


八月十二日、宮本たけし日本共産党前衆議院議員(近畿比例・大阪五区予定候補)は、兵庫教組(全教・三上達夫委員長)の役員らと懇談しました。
宮本氏は『ポストコロナに子どもと学生に希望を届ける宮本プラン』を持って近畿各地で学校関係者と懇談をすすめています。プランは国会議員時代、文教関係に長年たずさわった経験を生かし、①教職員を思い切って増やし二十人程度の学級実現②学費半減―などを柱にしています。
宮本氏は――コロナ対策で国民には「三密」を避ける対策と言いながら、通常授業がはじまった教室はまさに「三密」。一方「思いやり予算」で作った米軍基地内の学校は八十平方メートルで十八人。日本の子どもたちにも少人数学級を。分散登校を通じて体験も広がり、少人数学級実現へ知事会も提言し、世論も運動も広がっている。今日会った校長先生が、分散登校の時は二十人以下の学級で、全員に目が届いて、不登校の子が通学するようになっていたとおっしゃるなど、少人数学級が切望されている。今度こそ政治が決断して実現させる時だ――と説明しました。
兵庫教組側からも、分散登校時は全員に目の届く教育ができたと実感が語られるとともに、少人数学級を今こそ実現したいとの思いが述べられました。これまで署名してくれなかった教員も、体験を通じ署名してくれるなど変化が広がっていることも報告されました。
「これまで、定数見直しでなく加配などごまかしてきた。塾まで少人数を売り物にしているのに一部に『多数の中でこそ切磋琢磨する』などと擁護する人もいるが間違いだ。世界の流れから孤立している」――など少人数学級で子どもたちに豊かな教育をと熱く懇談しました。
*
前川喜平氏や佐藤学氏など教育研究者有志が少人数学級を求める署名を呼びかけ、ネット署名もとりくまれています。少人数学級実現へ、組合や政党支持を越えて賛同が広がっています。日本共産党兵庫県委員会も署名用紙を印刷して活用を呼びかけています。

(兵庫民報2020年8月30日付)

こむらさん、きょうされん兵庫支部と懇談:障害者の命と職を守りがんばる現場を支える政治に

こむら潤衆院比例・八区予定候補(尼崎市議)は八月二十日、きょうされん兵庫支部と懇談し、要望を聞きました。
「きょうされん」は、共同作業所によって結成された全国組織で、障害のある人びとの豊かな地域生活を支える制度づくり、地域づくりをめざして取り組んでいます。
懇談では、「利用者、職員はもちろん、地域の安心のためにも、PCR検査を定期的に受けられるようにして欲しい」「障害者の家族が陽性の場合、家族は入院し、ヘルパーなどは利用できなくなるため、障害者は命の危機にさらされる。支援体制を確保して欲しい」などの要望をはじめ、コロナ禍で事業所の運営が困難に陥り、職を失ったり、工賃が大幅に減少したりしていること、事業所への報酬が日割り計算になっているため、自粛で報酬が入らず事業所の運営が一層苦しくなり、さらに前年の平均工賃で報酬単価を設定する制度が導入されたことで、「来年度の報酬は確実に下がるので、このままでは閉鎖する事業所が相次ぐ恐れがある」など、深刻な実態が出されました。
こむらさんは「自治体によって対応がバラバラというのではなく、国の責任で支援制度をしっかりやるべきです。がんばらないと潰れる、がんばっても補助金が出ないなどの制度矛盾でつぶされそうになるというのは、おかしな政治です。がんばっている現場を応援する政治に変えないと」と応じ、「九月からの尼崎市議会でとりあげるとともに、国にも要求します。ご一緒にがんばりましょう」と激励しました。

(兵庫民報2020年8月30日付)


PCR検査対象の大幅拡大など日本共産党明石市議団が市長に緊急要請

泉房穂市長に辻本達也市議と楠本美紀市議が要請書を手渡しました。


日本共産党明石市議団は八月十一日、明石市の泉房穂市長に対しPCR検査体制の充実・強化を求める緊急申し入れを行いました。市長は、その場で申し入れ書に目を通し「おっしゃることはごもっとも」と述べ、しっかり対応したいと応じました。
党市議団として新型コロナウイルス感染症対策で市長に申し入れを行うのは今回で八回目。これまで、子育て世帯への生活支援や中小事業者への支援のほか市民への積極的な情報発信など市民から寄せられた具体的な声を政策として市長に届けてきました。
明石市内の感染者は、いったんおさまっていたものの七月八日ごろから急激に増え始め四月から六月までの状況を大幅に超える勢いです。最近の動向は、感染者の多くが若い世代で、市外で感染した人たちが自宅に持ち帰り家族に広げているのが特徴です。そのため、無症状者と軽症者の早期発見と保護・隔離が必要です。
この度の申し入れでは、PCR検査の対象を大幅に拡大することや医療機関、介護施設、福祉施設、保育園、幼稚園、学校など集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者等への定期的なPCR検査を行うことなど「だれでも、いつでも、何度でも」検査を受けることができる仕組みづくりを進めるよう要請しています。
市長は、PCR検査の対象を広げることについて理解を示し「まずは、感染した場合の重症化リスクの高い高齢者から検査の規模を拡大したい」と述べるとともに、市独自で無症状者と軽症者の宿泊型療養施設の本格的実施に向けた準備に入りたいと応じました。
この他、今後の対応についても約三十分間にわたり率直な意見交換を行いました。
―辻本達也(明石市議)

(兵庫民報2020年8月30日付)

「神戸2025ビジョン」への市民意見の応募を(9月6日まで)

神戸・市民要求を実現する会 岡崎史典

神戸市は、「行財政改革方針2025」(神戸2025ビジョン)(素案)に対する市民意見募集を始めています、九月六日までなので皆さんの声を届けてください。
「神戸2025ビジョン」は、第五次神戸市基本計画の実施計画「神戸2020ビジョン」が最終年度を迎えることから、後継計画として神戸市が策定するものです。
「神戸2020ビジョン」では、年間一万二千人の出生数を維持し、東京圏への転出超過を解消するとし、「若者に選ばれる街」をめざしていました。しかし、いずれも達成できず、出生数の減少は続き、東京への転出超過は三千人弱へと増え「若者が離れていく街」になってしまいました。
*
今回の「神戸2025ビジョン」はどうでしょう? 策定趣旨には次のように書かれています。「より大きな改革効果が期待できる事業を『選択と集中』の観点で抜本的に見直すことが必要である。……局室区が経営感覚を持ち、事業成果を最大化させることが必要である。そのためには、局室区の『自主経営』。……従来の事業や施策も聖域なく見直し、『やめる勇気』をもって選択していく」と、まるで民間企業のような文言が躍っています。
またICT(情報通信技術)の活用やIT(情報技術)化を進めることで職員の「働き方改革」を進めていくことを謳っています、目標として職員数の削減を進め将来的には現在の半分の人員でも行政機能を維持することとしています。
具体的には、二〇二五年までに職員数七百五十人削減、区役所来庁者四〇%削減、行政手続きをこれまでの七〇%にとどめるなど住民との接点を極力少なくしようとの姿が見えてきます。
「神戸2025ビジョン」では、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計の数字を基に二〇六〇年に百十万人まで神戸市の人口が減少することを前提として計画が立てられています。
人口減少や高齢化率の増加などで市税収入が減少することを理由に住民サービスの切り捨てにつながる大きな問題を含んだ計画です。
*
神戸・市民要求を実現する会(実現する会)は、「中学卒業まで医療費無料化」や「中学給食の実現」「待機児童ゼロ」などの要求を掲げて、神戸市に実現するように求めてきました。今回の計画にたいしても、未来の神戸市の姿を語ることが重要です。
今回の計画では、「市民が活躍できる神戸市の姿が見えない」「人口の減少ペースを緩やかにする内容もない」「三宮などの都市部の計画を見直せば、市民サービスを削減せずに済むはず」など私たちの言葉で語りましょう。
コロナ禍の中で、過度な「選択と集中」を進めてきた神戸市の姿勢は批判され反省しなければならない、と市民は気づいています。
住民サービスや医療体制の充実に今こそ力をいれ、職員のマンパワーを市民の立場に立った行政施策に転換すれば地域の経済が持続的に循環できる神戸市にすることができるはずです。神戸市の明るい将来像を語れるような計画になるように市民の意見を届けましょう。
意見応募は神戸市のホームページで「神戸市 2025ビジョン 意見募集」で検索してフォームに記入するか、「〒650・8570(所番地の記入は不要)神戸市行財政局業務改革課」あてにお送りください。九月六日必着です。 





JAL争議支援兵庫連絡会第8回総会:争議解決へJALに決断迫る



JAL争議支援兵庫連絡会は第八回総会を八月十八日、神戸市勤労会館で開催し、二十五人が参加しました。
原告三人から現況の報告があり、早期の解決に向けて特別協議が行われてきたなか、組合・原告が「争議十年目を迎えない」として運動を強めてきたことで採用枠を会社側が提案して来たが、応募した全員が採用されなかったことなど、会社側の不誠実な対応が報告されました。
組合や原告は、このような不誠実な対応がされる中でも、本社前での宣伝行動を続け早期解決を行うようにJALに迫っています。
コロナ禍の中で、航空業界は大幅な赤字決算となっています。
しかし、JALは二〇一〇年の経営破綻以降、黒字経営を続けており内部留保を積み上げていますので、争議を解決する体力は十二分にあるはずです。
これまでの組合・原告の運動により、JALはコロナ過で経営の悪化する中でも社員向けに「雇用は守る」と発言するまで追い込んでいます。
あとは、争議を解決するようにJALが決断するだけです。
総会では、コロナ禍の中で、可能な取り組みを続け、解雇争議解決に向けて、JALに迫っていくこと、今年こそは原告の皆さんの笑顔が見れるよう、支援を続けていくことが確認されました。
――岡崎史典=同連絡会

(兵庫民報2020年8月30日付)

日本共産党兵庫県文化後援会が改定綱領の示した展望学ぶ研修会

研修会会場のようす


日本共産党兵庫県文化後援会は二〇二〇年研修会を八月二十三日、神戸市内で開催。森原公敏日本共産党中央委員会・国際委員会副責任者が「日本共産党改定綱領の示した展望に学ぶ」と題して講演しました。
森原氏は、改定綱領の開いた三つの視野として、①二十世紀に進行し、二十一世紀に生きた力を発揮している「世界の構造変化」の最大のものが植民地体制の崩壊と百を超える主権国家誕生にあること②資本主義と社会主義の比較論から解放され、本当の社会主義社会への展望をよりすっきりとした形で示せるようになったこと③発達した資本主義国での社会変革は社会主義・共産主義の大道の命題を堂々とおしだすことができるようになったことを志位和夫委員長の党大会結語から紹介しました。

世界の構造変化
世界の構造変化について森原氏は、今では国連で大国も小国も等しく一票であり、民族独立などが当たり前になっているが、植民地が残っていた七十五年前はそうでなく、インドネシア、ベトナム、ビルマ、インドと植民地の独立が広がり、これらアジアの独立国が呼びかけたバンドン会議を経て、一九六〇年に国連で、国々の平等、民族独立の権利が承認されたという経緯を紹介しました。
森原氏は、二十一世紀の希望ある流れとして、核兵器問題でもNPTの五か国核兵器体制から核兵器禁止条約への流れ、戦争と平和の問題でもASEANの国と国の戦争しない条約からASEANと大国の戦争しない体制へ、大国の核に依存する軍事同盟から平和の協力への流れ、ジェンダーなど国際的な人権保障の発展などを紹介しました。

社会主義社会への展望
資本主義の矛盾の深まりと社会主義の新たな復権が起こっていることについて森原氏は、自身の海外赴任体験もまじえて語りました。
アメリカでも普遍的医療保険、授業料無料、生活水準を維持できる賃金などが「社会主義」の理想としてあげられる事態になっており、その背景に、新自由主義路線のもとでの深刻な格差の広がり、地球規模での気候変動などがあると指摘しました。
綱領は単純に社会主義になれば解決すると書かずに、資本主義の中で社会保障充実を求めている人々、環境破壊に抗してたたかっている人々からも共感が得られるように工夫していることも強調しました。

中国についての規定
森原氏は、中国についての綱領上の規定について語り、この間の中国の行動に以前の党大会で警告してきた大国主義・覇権主義が顕著になり、人権侵害も深刻化していることは、社会主義の原則や理念と両立しないと批判し、「科学的社会主義をめざす新しい探求が開始」された国と判断する根拠はなくなったとして、該当部分を綱領から削除したと説明しました。
また、森原氏は、綱領で帝国主義規定もさらに明確化したことと、「発達した資本主義国での社会変革は社会主義・共産主義への大道」であることを鮮明にした綱領の魅力を大いに語っていこうと訴えました。

講演の後、堤隆二後援会事務局長が、総選挙勝利に向け日本共産党を大いに語ろうと今後の計画を報告。九月二十六日のジェンダー問題学習会・十一月の作品展の開催計画、季刊誌『風を起こす』の発行などを報告しました。
その後、各分野のとりくみも交流しました。「演劇は、会場定員の半分しか客を入れられないもとでの開催は大変」「演劇は施設使用料の減額が実現したが、映画は認められていない」「合唱は練習自体が三密となるため、対策を探求している」などの発言がありました。
小林明男共産党兵庫県常任委員も挨拶、段野太一会長の挨拶で閉会しました。

(兵庫民報2020年8月30日付)

中央区革新懇第三十一回総会:決意あらたに:秋に結成35周年のつどい

総会後記念撮影する参加者

「安心して住み続けられるまちづくりめざして」「安倍九条改憲NO!改憲発議に反対する緊急署名を成功させよう」「市民と野党の共闘実現めざす」のスローガンを掲げ、中央区革新懇が八月二十二日、第三十一回総会を開きました。コロナ下、受付には消毒液を準備、座席も距離を置き、全員がマスク着用で行いました。
活動報告では「憲法九条守れ」(三の日)宣伝行動を二〇〇四年の秋から取り組み、二〇二〇年七月三日に連続二百回目(延べ参加者千八百六人)を迎えるなど、ねばり強い活動が続けられており、改憲発議は絶対にさせない決意を新たにしました。
二月に結成された中央区青年革新懇の活動紹介もあり、若い息吹が感じられましした。
バリアフリー化を求めて運動を続けてきた「三駅」でのエレベーター設置では阪急花隈駅・阪神西元町駅では既に稼働、阪急春日野道駅も二〇二三年に完成予定で、住民からの喜びの声が多数寄せられているとの報告がありました。
各分野・課題で八人から活発な発言があり、コロナ禍で「新自由主義」の破綻、安倍政権の本質が明らかになるなか、現場から深刻な実態が明らかにされました。また、ことし秋の〝三十五周年の集い〟に向けて、熱く決意が語られました。
「全国革新懇ニュース」の普及にも力を入れ、百部への挑戦が確認されました。
「三十五周年記念誌」発刊の準備が進められており、近隣のキリスト教会の牧師さんからの寄稿もあり、革新懇が地域で認知されている姿が浮かび上がりました。
次期世話人に十八人を選出し、二〇一九年のまとめ・二〇年の活動計画を全員で確認しました。
総会には兵庫革新懇から樫村庸一事務局長が激励の挨拶をしました。
――漁島国弘=神戸・中央区革新懇事務局長

(兵庫民報2020年8月30日付)

老朽原発うごかすな!大集会に連帯:9月11日神戸・大丸前「イレブン宣伝:原発をなくす兵庫の会



原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会(原発をなくす兵庫の会)は8月19日、会議を開きました。
関西電力が40年越えの高浜・美浜の老朽原発の再稼働を強行しようとしており、これに反対する集会が9月6日に「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」(13時から大阪・靱公園、14時半からデモ)が予定されています。この集会の取り組みについて論議しました。コロナ禍のもと、県外での開催であることから、①集会告知はするが、参加割り当てはしないこと、②「イレブン宣伝」を兵庫県での同集会への連帯行動と位置づけ、9月11日18時から神戸・大丸前で宣伝することを決めました。
なお、9月6日の集会・デモはネット実況放送が行われます。IWJのエリアチャンネル1で13時から放映。URLは次のとおりです。
https://twitcasting.tv/iwj_areach1 

福島原発事故以来のとりくみで、原発なくす兵庫の会と反原発や環境保護グループのとも交流が広がり、連帯も広がっています。同会では、さらに運動や共同を発展させるために、連続学習会の開催とあわせて総会を開き規約改正も行う予定にしています。

(兵庫民報2020年8月30日付)


大門みきし「政敵といえども」

連載エッセイ53



先週、安倍首相が体調不良で病院の検査を受けました。またこの原稿を書いているとき(二十四日昼)に、再び病院に行ったというニュースが流れました。現時点で今後のことはわかりません。
数日前、一部の野党議員が「病気なら早くやめろ」などと発言したとき、わが党の市田忠義副委員長がツイッターで「なに党であれ、どんな政治的立場の人であれ、健康問題に関わってそれをあげつらったり揶揄することは厳に慎むべきだ」とたしなめました。さすが市田さんだと思いました。
二〇一三年三月頃、安倍首相は大腸の難病が完治せず(本人が公表)、予算委員会中もトイレに立つことが多くありました。ある日の理事会で当時の民主党理事が「総理がトイレに行く回数が多い。制限したい」と言い出しました。トイレを制限するなど人権侵害です。私が「そんなことを議題にすること自体、国会の権威に関わる」と強く反対したので、民主党理事は黙ってしまいました。あとから自民党の理事が「よく言ってくれた」とお礼に来ました。
五年前、私が二カ月入院したときは、麻生財務大臣が心配して、「大門さんの具合はどうだ」と同じ委員会の自民党議員に何度も聞いたそうです。復帰したときはとても喜んで、「恋の病だって」と冗談で迎えてくれました。自民党議員にその話をすると、「恋の病は麻生さんの方じゃないの」と言いました。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2020年8月30日付)

編注:このエッセイは安倍首相の辞意表明(8月28日)以前の25日に校了・印刷したものです。 

瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈665〉

4コマまんが;(1)友達と山歩き。「涼しいね」。(2)セミの声があふれる林で、「あーリフレッシュ」。(3)草原で深呼吸。(4)山からおりると、まだ真夏だった。太陽がギラギラ。あせだく。「日陰もない」「カフェでも入ろうか」。

(兵庫民報2020年8月30日付)

観感楽学



先日、とあるスーパーに行き車を止め店内に向かおうとして他県ナンバーが目にとまった。いや、そのナンバープレートの上部に「兵庫県在住です」と記したステッカーを貼っていたから気づいたのだ。「県外ナンバー狩り」への自衛策とわかった。ネット上では「自粛警察」「マスク警察」などといった文言がハッシュタグをつけて飛び回っているとのことだが、「実物」を目の当たりにした驚きと重苦しい気分▼が、そのあと霊長類学者でゴリラ研究の世界的権威・山極寿一さんが新聞で語っていたことを思い出した。コロナ禍の現代社会をどう見るか。「最も懸念すべきは、この分断によって社会に共感力が失われることである。それは人間と類人猿を分ける最も大きな違いであり共感なき人間の社会はない」▼さらに続けていう。「今私たちに必要なのは、グローバルな地球と国の動きと私たち自身の身近な暮らしの双方で、人間にとって大切なことは何かということをじっくり考えることである」▼コロナ後は必ずやってくる。三密を避けながら共感を広げるもどかしさをたえず自覚し共有して進む、そんなコロナ時代の積み重ねのあとに必ずやってくる。(T)

(兵庫民報2020年8月30日付)