2020年7月5日日曜日

日本共産党兵庫県委員会が国会報告会:市民の運動と野党の結束で大きく動いた政治


日本共産党兵庫県委員会は六月二十七日、神戸市勤労会館で国会報告会を行い、清水ただし衆院議員(近畿比例予定候補)が報告を行いました。

主催者挨拶にたった衆院比例近畿ブロック・兵庫八区予定候補のこむら潤さんは、この間、尼崎市議、党兵庫県新型コロナウイルス問題対策本部長として国民の困りごと解決、願い実現のために日々奮闘するなか、コロナ対策でも政治の私物化に対する批判でも、国民世論と野党の奮闘で政治が動いていることを実感し、憲法を守り生かし、誰もが輝ける社会を実現する決意を表明しました。


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清水衆院議員は自作のスライドを映しながら、国会・国政の状況を生き生きと報告しました。
安倍政権が先の国会で成立したコロナ対策第二次補正予算に十兆円もの予備費を盛り込んだことについて、アベノマスク配布も予備費だったこともあげ、巨額の予算の使い方を政府に一任することは国会軽視、財政民主主義を踏みにじるものだと強く批判しました。河井克行前法相・案里参院議員夫妻の選挙買収や、桜を見る会、カジノ汚職などの疑惑についても安倍政権の姿勢を批判しました。
イージスアショア配備計画については、そもそもハワイ・グアムの防衛、米軍とともに行う戦争のための兵器であると指摘。技術的な困難を理由に中止するなら、辺野古新基地建設も中止すべきだと述べました。
憲法については、一昨年から五回の国会を通じて、安倍政権がねらう改憲への流れを阻止してきたことを報告。
カジノ問題については、米国企業が横浜進出を撤回するなど、コロナ感染症防止で世界的にはカジノ産業に逆風となっているなか、推進しようとしている維新の姿勢を批判しました。
新型コロナウイルス問題については、第二波感染拡大に備え、検査・医療体制の抜本的充実、中小企業支援の拡充を強調。新自由主義からルールある経済社会への転換を訴えました。
とりわけ、市民の世論と運動と、野党の結束したたたかいが政治を大きく動かしたことが、今国会の何よりの特徴だったことを強調しました。
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参加者からは――▽定額給付金の案内に点字表記がなく、外出自粛でヘルパーが利用できなかったこともあり、申請できなかった視覚障害者がいる、▽自宅の一室を使って仕事をしているフリーランスは家賃補助の対象になるか、▽学童保育には狭い施設で過密が避けられない、▽少人数学級実現のために使う空き教室にはまだエアコンがついておらず、補助金が必要、▽オンライン申請が増えるが、行政書士などが代理で行うための制度整備が必要――などさまざまな報告、要望、意見などが出されました。

(兵庫民報2020年7月5日付)

いのちとくらしを守る尼崎の会:コロナ禍乗り切るなんでも相談会:切実な相談があいつぐ


新型コロナ感染が広がるなか、全国の弁護士や市民団体でつくる「いのちとくらしを守るなんでも相談会実行委員会」が四月に行った™電話相談に、五千件を超える相談が寄せられました。
尼崎でも力を合わせて、この窮状を乗り切ろうと尼崎医療生協、労連、民商、生健会、借地借家人組合、共産党で、「コロナ災害を乗り越える、いのちとくらしを守る尼崎の会」を結成し、相談活動を始めました。
五月に行った三回の「なんでも相談会」には「仕事がなくなり保険料が払えない」「外出自粛で娘が引きこもり困っている」「十万円の給付金はいつもらえるのか」「国の持続化給付金の申請の仕方がわからない」「コロナ自粛なのに自分の有給休暇で休まされた」などの相談が相次ぎました。
六月二十七日の「なんでも相談会」は尼崎教育会館を会場にして開きました。
―会社の業績は悪化していないのに、コロナを理由に賃下げを求められている女性には労組役員が話を聞き、一人で加入できる労働組合を紹介しました。
―ある店主から「家主が変わり立ち退きを迫られている」との訴えがあり、借地借家人組合の役員が応対しました。
―高齢者からは「コロナに感染していないか心配で検査を受けたいが、陽性と言われたら怖い」などの相談が寄せられました。
この相談会に日本共産党から庄本えつこ県議、徳田稔・松沢千鶴市議が参加しました。
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次回の相談会は七月二十五日に尼崎民商事務所で開きます。
(徳田稔=尼崎市議)

(兵庫民報2020年7月5日付)

神戸市議会 日本共産党が一般質問:不要不急の事業見直し、コロナ対策に集中を

神戸市議会が六月二十六日に閉会しました。同日開催の本会議において、日本共産党神戸市会議員団の森本真議員と、朝倉えつ子議員が、一般質問を行いました。
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森本真議員は、新型コロナウイルス感染拡大の第二波、第三波の発生に備え、ワクチンができるまで市民や事業者が長期間にわたって新しい生活様式を続け、感染拡大を防止する取り組みに全力をあげるためにも、神戸市のこれまで様々な施策・計画について精査し、不要不急の事業などの中止や変更を行うべきと指摘しました。
人口集中や呼び込み型の都心・三宮再整備や駅前再開発、インバウンド頼みの観光・経済政策の典型としての須磨水族館の再整備民営化など、具体例を挙げ、いまこそ立ち止まって事業の見直し、コロナ対策に集中すべきだと迫りました。
久元喜造市長らは「三宮再整備についてはコロナの状況の変化を踏まえながら進めたい」「立ち止まらず進めていくことが必要だ」「長きにわたって神戸が発展するために玄関口の三宮の再整備は大事だ」などと答弁しました。
森本議員は、いまはコロナ対策に集中すべきで、総事業費七千四百四十億円(神戸市負担千五百七十億円)の三宮巨大再開発を、このまま推進することは、市民が求めておらず、いま困っている市民や事業者へのコロナ禍の補償を優先すべきだと求めました。
森本議員は、このほか、子どもたちへの感染拡大防止と心のケア、学習の遅れに対する手厚い援助をするためにも少人数学級を推進することや、あらたな感染拡大に備えながら、積極的疫学調査を行っていくためにも、各区の公衆衛生医師の配置と保健師大幅増員を行うなど保健所体制を抜本的に再構築することを求めました。
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朝倉えつ子議員は、コロナ禍のなかでの子どもの貧困を防ぐ対策と支援について質問しました。神戸市の就学援助の申請者は毎年二万人を超え、コロナ禍における収入激減世帯などからの追加申請者数は五月二十一日までに約二百世帯も増えています。
あるひとり親家庭のお母さんからは、今回四月以降の緊急事態宣言以降、自宅待機や時間短縮を職場から求められ、「極端に収入がなくなった」「仕事がなくなった」という声も届いています。
国の第二次補正予算では、ひとり親世帯への五万円、二子以降三万円加算の給付などが実施されましたが、朝倉議員は、神戸市としてさらに継続や上乗せした支援を求めました。
寺﨑秀俊副市長は「国の給付金に加え、感染症の影響により,離職を余儀なくされたひとり親家庭を対象に神戸市としての職員採用(六カ月間・会計年度職員)や無料の資格取得講座や就学準備金の支給などを行っている」などと答えました。
このほか、朝倉議員は、自衛隊への十八歳の名簿のデータ提供を中止することや、北区の済生会兵庫県病院と三田市民病院は、コロナの患者受け入れに備えて、発熱外来や患者受け入れの体制も整え、それぞれに大事な役割を果たしたとして、両病院の強引な統合をやめるよう神戸市として進言する立場で尽力すべきだと求めました。

(兵庫民報2020年7月5日付)

県社保協総会:「コロナ禍で社会の矛盾露呈」「憲法どおりの社会をめざそう」

兵庫県社会保障推進協議会は二十七日、第四十九期定期総会を開催しました。
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武村義人会長は開会挨拶で「コロナ禍の中で社会の矛盾が露呈してきた」とし、経済界からも出されている、新自由主義や資本主義の限界を語るコメントを紹介。「団結して政治を変える運動が求められている」と話しました。
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討議で、日本共産党のきだ結県議が、六月県補正予算を解説し「PCR検査は六百五十件までだったのが、運動で千五百件の目標がたてられた。実態を見ていく必要がある」と話しました。兵庫県の新型コロナ感染者数は少なかったとする知事に対し、「陽性率からすると死亡率は、東京や大阪、福岡より兵庫の方が高くなる」と県議会での論戦を報告しました。
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討議ではこのほか、「神戸市北区のメガソーラー建設」問題の報告があり、議会や住民に知らせることで世論が動き、自治会総会で否決され、工事が止まっているとの発言がありました。公立病院統廃合再検証の呼び掛けに、新型コロナの後に賛成に態度を変える会派の変化などが報告されました。
森口眞良副会長は、「憲法どおりの社会をめざす、我々の運動の正しさが確認できた」と討論を締めくくりました。
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総会方針では、憲法二十五条を守る共同を広げる「ひょうご社会保障共同アクション」の継続。国民健康保険、介護保険の改善の取り組み。「二〇二〇年―二〇二一年くらしのハンドブック」の発行等の方針を、採決し閉会しました。
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総会には、こむら潤尼崎市議(衆院近畿比例・兵庫八区予定候補)から連帯のメッセージが寄られました。
(堤匠=事務局)

(兵庫民報2020年7月5日付)

「山田錦」考:日本共産党国会議員団兵庫事務所だより  


ご存知、日本一の酒米といわれる山田錦。時々、コロナの影響について報道されています。
山田錦も基本的に、蔵元と農家が直接取引するルートと、農協に出荷するルートがあります。生産調整も行います。今年は少し減らさないといけないだろうという話はあったそうです。
それは、ここ二年程豊作だったことと、日本酒ブームが以前より下火になっており、清酒の出荷量が下降気味になったことで、米が余っているからでした。
そこへ新型コロナウイルス感染拡大という予期しない事が追い打ちをかけました。
現状では、蔵元は余剰米を抱え、来年のための米は買い控える意向を示しています。
そうなると、今年できる米が売れなくなり、農家の収入が減少することになります。
山田錦は、普通の食米より育てにくく、面積当たりの収量も少なくなります。農家に在庫を抱えるだけの体力がなく、生産費が回収できなければ、離農が増えるでしょう。
かつて山田錦も、同じコメだということで、いわゆる「減反」の対象でしたが、ある蔵元が山田錦を手に入れようと、政権に働きかけて増産分は減反と見なさない制度をつくってもらい、生産拡大をはかったと言います。
今回、農協が政府に「余剰米を政府米として買い上げて欲しい」「酒米として売れず、加工米として販売した場合などは、差額を補填して欲しい」などの要望を提出、二次補正を受けて県が「価格差支援」策を講じました。
当面の対策は打たれましたが、さらに今後、農業を支え、山田錦を守るための抜本対策を考えたいと思います。

(兵庫民報2020年7月5日付)

いまの辺野古新基地を知って:平和を願う姫路市民の会と姫路革新懇が学習会


平和を願う姫路市民の会と姫路革新懇は六月二十七日、いまの沖縄を知ってほしいと「土木技術者から見た問題だらけの辺野古新基地建設」と題した学習会を姫路労働会館でひらきました。
沖縄県大宜味村在住、一級土木施工管理技士の奥間政則さんがドローンを飛ばして撮った映像を示しながら、国民の運動が沖縄防衛局を追い詰めている状況を大要、次のように話しました。
全国から座り込みの行動があっても防衛局と政府は埋め立て工事を進める。イージスアショア計画が中止になっても辺野古の埋め立ては進める。でも、私たちの運動は防衛局と政府を追い詰めている。
学者たちの科学的調査、辺野古調査団がつくられた。軟弱地盤や二本の活断層の存在が示され、米国議会をして「辺野古に懸念」と言わしめています。
また、辺野古・大浦湾一帯は、世界的に重要な海域〝ホープスポット〟の一つに選ばれた。日本政府は〝うちなーんちゅ〟と世界から建設中止を迫られるでしょう。
今日私の話を初めて聞いてくれる人が沢山で嬉しい。
かつて私は、基地問題にも無関心で、父がなくなる少し前まで、両親が元ハンセン病患者で国が行った隔離政策で差別を受けてきた無念すら知らなかった。国が沖縄に米軍基地を押しつけていることも形は違うが国策ということで弱者にしわ寄せがくる構図は同じです。いまは「ハンセン病差別」と「辺野古新基地建設」に抗議する話を全国に広げることに喜びを感じています。
(谷口善弘=姫路革新懇)

(兵庫民報2020年7月5日付)

加古川中国近現代史研究会:ようやく再開・いよいよ戦後

「是非再開を」の声を受け、日中友好協会加古川支部は「中国近現代史研究会」学習会を六月二十七日に再開しました。
消毒・検温・マスク義務づけなどのなか、加古川のほか、神戸、明石、加東、和歌山などから十一人が参加。報告と討論で二時間を越える活気ある学習会となりました。

清朝末期から復習「戊戌の変法」など

基本テキストは継続してきた岩波新書「シリーズ中国近現代史」第四巻。『社会主義への挑戦』。内容は一九四五年からの戦後の中国。ただし、四カ月ぶりの再開であることと、はじめての参加者が半数を越えていることから、「清朝末期」からの概要を復習しました。
日本に亡命した梁啓超などがかかわった「戊戌の変法」や孫文の辛亥革命――中華民国」。国共合作、「日中戦争」。蒋介石の「安内攘夷」、「長征」など「歴史用語」で討論しながら復習しました。

なぜ中国は社会主義をめざしたのか

次いで第四巻のタイトル「社会主義への挑戦」に関して、著者の問題提起――「人民共和国成立後も新民主主義の旗印」なのに「なぜ中国は社会主義をめざしたのか?」――を入り口に議論をスタートさせました。
次回は七月十二日土曜午後に開きます。
(前田清)

(兵庫民報2020年7月5日付)


安保条約批准60年:破棄求め実行委員会が「23行動」


安保破棄兵庫県実行委員会は、安保条約批准六十年を迎えた六月二十三日、昼休み時間である十二時十分から五十五分までいつものようにJR元町駅東口南側で「23行動」を行いました。
コロナ禍のもと、マイクによる呼びかけ・ビラ配布・署名などはやめ、スタンディングだけは四、五月と続けていましたが、今月は節目の六十年なのでいつものスタイルに戻しました。
市民が声を上げれば政府も動かざるを得ないでき事として秋田、山口のイージスアショアを中心に辺野古新基地建設の即時停止を訴えの中心においての行動でした。
梅雨の晴れ間、じっとしていても背中を汗が流れる暑さでしたが「いつも気にはかけているのですが出てこれていませんでした。今日は六十年なのでなんとしても」と駆けつけてくれた高教組書記長も含めて六団体六人の参加でした。
桂仲二郎安保破棄兵庫県実行委員会会長、後藤浩事務局長、井村弘子兵庫県AALA連帯委員会事務局長が交代でマイクを握りました。
宣伝行動が始まると次々と署名する人が続き、辺野古新基地建設反対署名、日米地位協定の抜本的見直し署名にそれぞれ九人が応じてくれました。
これまでと少し反応に変化が見られた行動でした。
(後藤浩=安保破棄兵庫県実行委員会)

(兵庫民報2020年7月5日付)

関西電力株主総会:原発不正マネーへ憤激発言続く

速水二郎(電力兵庫の会)


六月二十五日、コロナ禍の中でも原発マネー不正還流への批判がたかまるなか、大阪ATC会場周りは脱原発の諸団体、大阪原発なくす会と労連近畿ブロックの人々がスタンデイングやリレースピチーチで囲まれる株主総会となりました。
三密対処で数千人入る会場に四百人程度の株主が参加。
がらりと変わった新トップも「深くお詫びします」を連発しながら、ウイルス感染防止による時間短縮を理由として、逆に株主発言を全て一分間に制限する運営に終始しました。何年にもわたり数十人の幹部が巨額金品などをポケットへ入れるのが当然という風土をどうすれば打開できるか、時間制限されつつも二十六件もの株主提案は脱原発に焦点をあてて展開されました。
「森本社長も役員研修会で知っていたのに不問はおかしい。同罪なのに何故、社長なのか」「都合が悪いことは常に隠す体質だ」「業務改善を呼号するが具体的にどうするのか」「経団連の榊原氏が会長なのになぜ出席しないのか」「捨て場のない核のゴミを未来に残す原発をやめよ」「職場では人は減っても仕事が増え過重労働に追い詰められている」「世界から指摘されている石炭火力から撤退せよ」などの発言が続きました。
株主として大阪市や京都市も八議案を駆使して原発をやめる企業になるよう求めました。神戸市は業務改善を求めるとともに水素発電を提唱し関電社長の賛成答弁を見ると事前打ち合わせありありでした。

電気料金の減免を求める

会場からの一般質問も十数人が行い関電の姿勢を多方面から批判しました。最後に私が当たり次のように発言しました。
―電気料金の支払い問題です。コロナ感染でくらしの困窮者・困窮企業が増加しています。私が住む兵庫県では、ほとんどの自治体が財政調整基金を取り崩し、水道料金の支払いを無料とか半額などの減免を行っています。また国会では第二次補正予算で家賃の支払いが困難な企業などに補助を行います。
―ところが関電などは電気代支払い期限を二カ月(払わなかったら切るぞ)としており、(コロナ対策としては)その期限を一~二カ月延長することをホームページで書いているだけです。コロナ感染のくらしへの影響はこれから七月~九月にかけ深刻な事態は広がります。
――この総会議案書三十三ページの貸借対照表を見ると、固定資産減額の形で流動資産で今年分と合計すると約七十六億円の「貸し倒れ引当金」を計上しています。別に悪行で損失被ったとして元重役に二十億円の損害賠償を要求しています。これも入ったとして合計すると約百億円あります。
―関電はこの総会後、直ちに窓口をつくり、電気代支払い困難な人々・零細企業に対し電気代の減免を実行すべきと考えます。開かれた事業への転換の第一歩として明快な回答を求めます――。
これに対する関電側答弁は「支払い延期を四~五カ月とし、困窮者とよく相談する」と言いつつも〝減免〟は否定しました。

(兵庫民報2020年7月5日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:「要医療性」判断に影響?――被爆者援護法条文の「微妙な違い」

副島圀義

六月二十九日の大阪地裁。「ノーモアヒバクシャ訴訟」ではないのですが、「番外編」として書いてみます。

原告のSさん。原爆症の認定により「医療特別手当」を受けていたがそれに該当しなくなったと打ち切られ、そのことを不当として提訴。この日は第一回弁論で、のっけから裁判官と双方代理人のところで何やら相談が始まりました。
最高裁判決もあって「要医療性」についてどう考えるか、が論点になることは確かなのですが、原爆症に関わる被爆者援護法の条文について、裁判長自身が「若干表現の違いがあるが……」と問題提起したようでした。
さっそく援護法を読み直してみました。

第十条の「医療給付」には「現に医療を要する状態にある被爆者に対し医療を給付する」とあります。そして十一条では「前条の給付を受けようとする者は、負傷または疾病が原爆の障害作用に起因する旨の認定を受けなければならない」としています。
いっぽう、第二十四条では、十一条の認定を受け、負傷または疾病の状態にあるものに対し医療特別手当を支給する、としています。
「医療給付」と「医療特別手当の支給」とは別の条項なのです。
第十条で「現に医療を要する」と書いているのは、「医療の給付」についてですから、いわば当たり前のこと。いっぽう、認定について定める十一条に「要医療性」の文言はないのです。
ごく素直に読めば、原爆が原因で負傷したり病気になった人に「必要な医療を給付します」「医療特別手当を支給します」なのです。
治癒したのならともかく、「経過観察なら原爆症ではなくなる」とは、どう考えてもおかしい。

被爆後十二年経って最初にできたのが「原爆医療法」。以後だんだんといろいろな援護制度が付け加わって、「援護法」になってきたので、細かく条文を読み直すと、解釈に困るようなところがあっても不思議ではありません。
そんなときには法の基本精神にたちかえるべきでしょう。
「原子爆弾……は、幾多の尊い生命を一瞬にして奪ったのみならず、たとい一命をとりとめた被爆者にも、生涯いやすことのできない傷跡と後遺症を残し、不安の中での生活をもたらした。……原子爆弾の惨禍が繰り返されることのないよう……高齢化の進行している被爆者に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策を講じ(以下略)」。
被爆者援護法の前文です。

(兵庫民報2020年7月5日付)

山下よしき「共産党員だから、がんばれるんです」

連載エッセイ25


各分野の国民運動を支えている日本共産党員のみなさんとの懇談を重ねています。学ぶところ大です。
なによりコロナ危機を通じて、それぞれの運動・団体の存在意義が鮮明になり、大変だけども構成員に誇りと確信が生まれています。「毎日毎日感染リスクと隣り合わせですが、命を救うためにたたかっています」(医療団体)、「目の前で困っている中小業者を助けなくていいのかとがんばり、会員も増えています」(業者団体)と語る表情からは、緊張感とともに充実感が伝わってきました。
そのなかで「共産党員だからがんばれるんです」という言葉を何度聞いたことか。これぞ党員魂なのでしょう。困難ななかで献身的に奮闘する同志たちの姿は、まわりからリスペクトのまなざしで見られているに違いありません。
各分野でのコロナ体験を通じて、政治と社会の進むべき方向も見えてきています。「販売、配達、ごみ収集、介護などエッセンシャル・ワーカーがいなければ社会は維持できない。それなのに低賃金で劣悪な雇用でいいのか」(労働組合)、「分散登校で少人数学級の良さに改めて気づいた。子どもたち一人ひとりに目が行き届く」(教職員組合)、「貿易が滞るなか、足らない食糧は外国から輸入すればいいという考えだった人も含め、自給率を高める大切さを共有できるようになってきた」(農民団体)などです。
ポストコロナの社会を語り合いながら、強く大きな党をつくりたいですね。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2020年7月5日付)

観感楽学


六月十九日、兵庫区にある借り上げ住宅キャナルタウン・ウエストに住むTさんへの判決言い渡し▼大阪高裁は新型コロナの影響で傍聴席が三十席程度に制限されていたためすぐに満席となった。開廷と同時に、裁判長は主文「一、本件控訴を棄却する。二、控訴費用は控訴人の負担とする」と読み上げてさっと立ち上がり、二人の陪審と共に姿を消してしまった。この間わずか三十秒。傍聴席は唖然とするばかりであった▼高裁審理で借上弁護団は、不当判決を下した神戸地裁の誤りを真正面から批判。Tさん自身も意見陳述を行い、裁判長の要請で四度にわたってTさんとの個別協議が行われるなどの経過があっただけに、何の説明もなく下された不当判決に怒りが収まらない▼判決文全文を目にして、司法はだれのために存在しているのか疑わざるを得ない。以下、驚くべき司法判断の一部を紹介する。①控訴人(Tさん)は二〇〇九年に乳がんに罹患、一一年に頸椎後縦靭帯骨化症に罹患、一八年に転倒して右手骨折、一九年に大腸癌発症―普段から屋外では杖や買い物カートを使用していると認めつつ、「転居先に移転したからといって転倒の危険が大きくなったりするものではない」と判断。②公営住宅法第二十五条で事前通知がうたわれているが、通知が欠けていても明け渡し請求の妨げにはならない。③公営住宅法に永続的な居住を保障するとした規定はなく、入居者が希望する限り永続的な居住が保障されるものではない……等々。Tさんは断固闘うと決意している。(D)


(兵庫民報2020年7月5日付)