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昨年の第90回兵庫県中央メーデー |
第91回兵庫県中央メーデー宣言
二〇二〇年五月一日
第91回兵庫県中央メーデー実行委員会
県民のみなさん
今年は、日本で初めて労働者の祭典であるメーデーが開催されてからちょうど百年です。戦前の軍国主義の時代では中止を余儀なくされたメーデーは戦後復活し、その後は途切れることなく行われてきました。
九十一回を迎える今年のメーデーは、新型コロナウイルスの感染拡大防止、参加者の健康を守るため、集会・デモ行進は中止としました。しかし、私たちはこの歴史あるメーデーを祝い、すべての労働者・県民の命・暮らしを守る運動を進めるためこのメーデー宣言を発することで、今年のメーデーの開催と県民に対してアピールすることを確認しました。
私たち人類はこれまで経験したことのない危機に瀕しています。新型コロナウイルスは世界各地に急速な勢いで広まり、多くの方が苦しみ、亡くなっています。
日本では緊急事態宣言による自粛・休業が要請され、その影響は多くの労働者に雇用・生活の不安という形で現れています。経営悪化で休業となり賃金が補償されない非正規雇用労働者、相次ぐイベント中止で仕事がゼロとなったフリーランスの方、店を閉じたが固定費を払わなければならない個人事業主。「休業要請するなら補償せよ」の声が今大きくなっています。
一方で、感染者を受け入れる病院をはじめ、すべての医療労働者は自らの感染の恐怖といわれのない偏見や風評被害とたたかいながら、少ない人員で奮闘しています。介護や保育、学童など福祉施設では介護士や保育士、指導員らが、学校では教職員が、国や自治体では公務員が、公共交通機関などその他多くの職場でも厳しい労働環境の中でたたかいが繰り広げられています。
安倍政権はこの現状を見るべきです。私たち労働者・県民の声を聞くべきです。
昨年の消費税増税強行で景気悪化が進んでいました。その上にコロナウイルスの影響で一段と厳しい経済状況となった今こそ、憲法二十五条にある健康で文化的な最低限度の生活を保障し、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上、増進に向けて、消費税減税、減少した賃金の補償、中小企業への休業補償など労働者・県民が安全に安心して暮らせる施策を国や兵庫県が講じることを要求します。
私たちは、百年を迎えた記念すべき第九十一回メーデーで、暮らしを壊し命が守れない安倍政権を退陣に追い込み、憲法がいかされ、雇用不安なく安全・安心して暮らせる社会をめざすことを宣言します。
働くものの団結で、生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう!
第九十一回メーデー万歳!
(兵庫民報2020年5月3日付)