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2020年4月5日日曜日

こむら潤物語:①尼の下町育ちのおばあちゃんっ子

衆院比例近畿ブロックと兵庫8区(尼崎市)で議席獲得へ奮闘をはじめた、こむら潤さん(現尼崎市議)ってどんな人? こむらさんが生い立ちと決意を語ります。(連載)

尼崎市立成文小学校1年生の潤さん

一九七五年八月、お盆のさなかにナニワ診療所で産声をあげました。お医者様も休暇をとって帰った後に産気づいた初産の母、病院には見習い看護師さんが当直でいるだけ。「先生が来るまで産んじゃだめですよ!」と言われ、ドタバタの中で生まれたそうです。
尼崎市は園田地域、額田という鉄工所など町工場がある街に暮らしていました。その頃、父はペンキ屋に勤め、母は民主園のポッポ保育園で保育士として働いていましたから、私は同居の祖父母に、三歳まで面倒を見てもらっていました。尼の下町育ちの「おばあちゃんっ子」です。
生まれる前は誰もが男の子だと信じていたそうで、お腹には「たろう」と呼びかけていたのに出てきたのは女の子。父が吉永小百合さんのファン、いわゆるサユリストだったので、尼崎の工場町とよく似た舞台の『キューポラのある街』という映画で吉永さんが演じていたヒロインの「ジュン」から、潤と名付けたそうです。この字は男の子に多いので、よく男の子と間違われましたが、いつしかそれも個性に。今では「潤」の名前が大好きです。

現在のこむら潤さん

祖母との思い出

父方の祖母は息子ばかりで娘がおらず、初孫で女の子の私を、とてもかわいがって育ててくれました。私は小さい頃から絵をかくのが大好きで、広告紙の裏に何枚も何枚も絵を描いたり、折り紙をしたりして遊びました。祖母はそれを捨てずに全部大切に保管してくれていました。裁縫も編み物も料理も、祖母の傍らで遊びながら覚えたように思います。両親が共働きでも寂しいと思ったことがないのは祖母のおかげです。祖母が漬物をつける横で学校の話をしたり、こたつで二人、ミカンを食べながら昔の話をよく聞いたりしました。
祖母は二十年前に他界しましたが、亡くなる直前に私に長女が生まれ、祖母にひ孫を抱いてもらうことができました。私から祖母への恩返しだと思っています。

引っ越して大庄地域に

父と母は私が生まれて間もなく、母方の八百屋を継ぐことになりました。尼崎市の大庄地域で、戦後すぐに開場した西大島市場の老舗「大久青物店」です。当時の商店は、店主が品物を選んでお客に売るのが当たり前でしたが、「うちはお客が自分で品を手に取り、選ぶことができるセルフサービスをいち早く取り入れた店なんや」という先進的な店でした。昔の市場は本当にたくさんの買い物客でにぎわっていました。
私が小学校に上がるまでに、両親が働きやすいよう大庄地域に引っ越しました。本田診療所の近くです。当時の私はよく熱を出していたので、診療所にしょっちゅうお世話になりました。その頃の待合室は木の床で、歩くとギシギシ鳴り、冬は真ん中に石油ストーブが置いてあり、水銀の体温計で検温したのを覚えています。
近所の大庄新市場は毎日のお買い物、銀座通りは生活の道でした。今では診療所も二度の建て替えで立派になりました。銀座通りは子どもの頃に比べると小さくなったように感じますし、街並みも随分変わりましたが、それでも目を閉じても歩けるくらい大庄は私の「ホームグラウンド」です。

夢は絵本画家

私と、三つずつ離れた弟二人は、稲葉元町にあるゆりかご保育園に通いました。私が四歳で入園した時、今の園舎が完成しました。まだ工事中で養生されている所や、ホールの床がピカピカに光っていたのを覚えています。(はだし、薄着で、のびのびと毎日を楽しく過ごしたことが忘れられなくて、のちに自分の子ども達もゆりかご保育園に通わせてもらいました)。保育園の先生に「潤ちゃんは絵が上手だから絵本画家になるといいね」と言われてから、「絵本画家」が私の将来の夢になりました。
(次号に続く)

(兵庫民報2020年4月5日付)

県議会:日本共産党県議団が20年連続の予算組み替え提案

日本共産党兵庫県議団は連続して二十回目となる県予算案組み替えを提案。三月十七日の兵庫県議会予算特別委員会総括審査でねりき恵子県議が組み替え動議を行いました。


ねりき議員は、知事提案新年度予算案には、新型コロナウイルス感染症対策費が、一円も計上されていないこと、消費税一〇%への増税による県経済悪化に対する有効な施策がとられていないことなどから、一般会計の約二%を減額し、約百二十四億円を必要な施策にあてることを提案しました。
緊急の対応が求められる新型コロナウイルス感染症に対し、検査・医療体制の緊急確保、損害を受けている中小企業などへの直接支援制度、気候非常事態宣言を行い、温室効果ガス削減の具体的施策をすすめるための予算などを計上。中学三年生までの子どもの医療費無料化、老人医療費助成制度の復活、大学生の給付制奨学金制度の創設、私立高校の授業料軽減補助の増額、少人数学級の拡充、男女賃金格差是正促進制度創設などの事業費を盛り込みました。
提案に対し、他会派などから「新型コロナウイルス対策、少人数学級の拡充など賛同できる部分もある」などの意見もありましたが、反対多数により否決されました。

《予算組み替えの主な内容》

1.新型コロナウイルス感染症対策12億6000万円

2.気候変動対策
〇気候非常事態宣言・石炭火力禁止条例検討調査費(新)300万円
〇自然エネルギー地域ポテンシャル調査事業費(新)600万円
〇家庭における省エネ支援事業(家庭用太陽光パネル設置事業)(拡)3000万円
〇中小事業所省エネ設備導入促進補助(拡)5000万円

3.子育て支援策
〇中学3年生までの医療費無償化(拡)約61億円
〇国民健康保険料子どもの均等割り減免(新)12億円
〇母子家庭等医療費助成費(拡)1億7600万円
〇保育士処遇改善費8000万円

4.医療・福祉分野への支援策
〇老人医療費助成制度(復活)3億3200万円
〇加齢性難聴者補聴器購入補助(新)2億円
〇重度障害者児医療費補助(拡)8400万円
〇難病その他特定疾患医療費(拡)4300万円
〇社会福祉法人就業者確保支援事業費(拡)355万円
〇看護学生就学資金支援金制度(新)3000万円

5.教育分野の支援策
〇大学生給付制奨学金制度(新)2億7000万円
〇私立高校授業料軽減補助(拡)1億5450万円
〇小学6年生までの少人数学級制(拡)11億1500万円
〇朝鮮学校など外国人学校振興費補助(拡)2700万円

6.中小企業、小規模農家支援策
〇男女賃金格差解消支援制度(新)2億円
〇兵庫型奨学金返済支援制度(拡)4500万円
〇中小企業店舗リフォーム助成事業2000万円
〇住宅リフォーム助成制度1億円
〇小規模農家サポート事業5000万円

7.見直す事業
〇空港事業△約10億6000万円
〇基幹道路・高速道路事業△約140億円
〇産業立地促進補助△約18億円
〇病床削減ダウンサイジング、病院統廃合支援△8億6000万円
〇マイナンバー推進事業△約4億1100万円
〇県議会海外視察費用△1100万円

(兵庫民報2020年4月5日付)


県議会:予算関連議案:新型コロナ・消費税増税対策なく、病床削減、医療費・社会保障抑制:日本共産党は反対


二十三日の本会議では、当初予算・関連四十五議案中二十六議案に反対討論を行いました。
ねりき議員は、一般会計予算案について、①患者の増大、自粛要請、学校休業などによる産業界、学校などへの多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス対策費が計上されていないこと②消費税一〇%増税による経済の深刻な影響への対策がないこと③病床数削減など医療費抑制、社会保障制度の抑制があること―などを理由に反対しました。
新型コロナウイルス感染症の発生により、感染者入院病床確保など医療供給体制の充実が求められ、公立・公的病院の役割がますます高まるなか、厚労省による公立公的病院統合再編の再検証要請通知は撤回すべきだと批判しました。
阪神北県民局と阪神南県民センターの統合にともない、芦屋健康福祉事務所(保健所)を廃止し、宝塚健康福祉事務所の分室にしようとしていることに対し「健康福祉事務所の統廃合による体制縮小が、新型コロナウイルス対策でも対応の遅れの要因になっており、機能充実こそ求められる」と主張しました。

(兵庫民報2020年4月5日付)

県議会:議員報酬5%削減(条例改正):日本共産党が賛成


いそみ恵子議員は三月二十三日、県議会本会議で、議員報酬引き下げ議案について賛成の立場で討論を行いました。
いそみ議員は、「家計の所得、給与水準は、ピーク時に比べて、約一五%程度の減となっているなか、消費税が一〇%に増税されたうえに、新型コロナウイルス感染症の影響で、食料品などの販売をはじめ、小売業、製造業、運輸業、観光業など様々な業種で、大打撃をうけています。安倍首相が科学的根拠もなく独断で決めた、小中高校などの全国一律休校要請や、中国・韓国からの入国制限強化が経済活動をいっそう停滞・悪化させています。県民の暮らしがいっそう深刻ななか、議員報酬減額は必要」と討論を行いました。
採択により、議員報酬を五%減額する条例改定が、賛成多数により可決されました。

(兵庫民報2020年4月5日付)

県議会:選択的夫婦別姓求める請願:自民党が反対し不採択


庄本えつこ県議は三月二十五日、兵庫県議会本会議で、請願採択を求めて討論を行いました。
選択的夫婦別姓導入のための民法改正を求める意見書提出を求める請願は、総務常任委員会では、共産党、ひょうご県民連合、公明党、維新の会が賛成し採択されました。
庄本議員は、稲田朋美自民党幹事長代行が共同代表をつとめる「女性議員飛躍の会」も選択的夫婦別姓の実現を求めていることなどを紹介し、「選択的夫婦別姓を求める声は年々大きくなっており、今年一月の朝日新聞の世論調査では、六九%が賛成。地方議会での選択的夫婦別姓を求める意見書採択数は、大阪府を含め四府県、八十七市区町(三月二十三日現在)にも上っている」と紹介しました。県内でも西宮市議会、川西市議会が採択したことなどを紹介し、県議会での採択を強く求めました。
採択には、八十五人中、四十二人が賛成しましたが、自民党の四十三人が反対し、不採択となりました。
庄本議員は、▽公立・公的病院四百二十四病院への「再検証」要請の撤回を求める意見書提出を求める請願、▽種苗法改定の取り下げを求める意見書提出を求める請願、▽学校給食のパン・うどんに国内産小麦を使用することを求める請願の採択を求めました。

(兵庫民報2020年4月5日付)

県議会:新型コロナ対策補正予算案:検査対象拡大と医療・保健体制強化を


兵庫県は三月二十三日、新型コロナウイルス感染症対策に伴う補正予算案を発表。県議会本会議で、日本共産党の入江次郎議員が、補正予算案に対する質問を行いました。
入江議員は、PCR検査の対象者拡大と、それに伴う医療・保健体制の強化を求めました。
新潟県では、濃厚接触者であれば症状がでていない場合でも検査がされていること、大分県では、クラスターが発生した医療機関で、職員や患者ら六百人全員の検査を行っていることなどを紹介しながら、「兵庫県も、クラスター発生時には、関係者すべてに、症状がでていない濃厚接触者であっても検査すべきだ」と入江議員は提起しました。
感染症入院病床について県の二百五十四床の確保目標に対して、現在二百十二床(三月十九日現在)を確保し、九十四人が入院しており、「県立加古川医療センターはICU病床が感染者によって満床となったとして救急受け入れを制限。県立尼崎医療センターでもICU病床が埋まりつつあるとしている。重症、軽症、無症状のそれぞれ要請患者の棲み分けを行いながら、十分な病床確保が必要ではないか」と迫りました。
答弁で井戸敏三知事は、「検査については、現在一日百六十二件に加え、他の検査所にも依頼して、増やしている。病床確保に引き続きつとめ、入院コーディネーターセンターを開設し、適切に対応できるようにしたい」としました。
補正予算案は、二十五日の本会議で全会一致で採択されました。
その後、一日の検査可能数は、最大二百六十二件となり、入院病床確保数は、二百四十六病床(三月二十四日現在)となっています。

(兵庫民報2020年4月5日付)

日本共産党神戸市会議員団が予算組み替え提案:わずか2%で市民の願い実現


日本共産党神戸市会議員団は、二〇二〇年度神戸市一般会計予算などについて編成替えを求める動議(予算組み替え提案)を三月二十六日の本会議に提出しました。予算組み替え提案は二〇〇〇年以来、二十一年連続の提案です。
新型コロナウイルス感染症は、神戸市においても市民生活、地域経済にも大きな影響を与えています。にもかかわらず、久元喜造市長が予算議会に提案する予算案は、こうした対策について一円も対策費が講じられていません。東京都や大阪市など多くの自治体は、首長自らが予算案の修正を予算議会に提案しています。
動議の提案説明を行った日本共産党の今井まさこ市会議員は、「新型コロナウイルス感染症対策については二〇二〇年三月まで適用される補正予算にとどまらず、二〇二〇年度予算においても、神戸市として取り得るべき最大かつ緊急の対策費を計上すべきだ」と迫りました。
また、久元市長提案の予算は、都心三宮の巨大駅間再開発とともに、拠点駅周辺のリノベーション、須磨水族園の民間再整備など、箱物・インフラ整備に巨額の予算を投じています。
こうしたインバウンドと企業呼び込みに頼る施策が、いかに神戸の経済を脆弱にするかは、新型コロナウイルス感染症によってもたらされた現状からも明らかです。
今井議員は「神戸市には、内需をあたためる経済対策こそ求められている」と指摘。また「一番困っている低所得者や母子家庭など格差社会の中で苦しむ人々を切り捨てるものになっている敬老・福祉パスの改悪は、いま絶対行うべきではない」と主張しました。
日本共産党神戸市会議員団は、「消費税増税や新型コロナウイルス被害から、市民の命暮らしを最優先に守る施策」「外需頼みではなく、今住んでいる市民を大切にする施策」など住民本位に転換するとして、三十一事業百二十五億円に及ぶ、新規・拡充施策を提案しました(下に主要項目)。
実施するための財源としては、①新型コロナウイルス感染症の予算の修正を行っている他都市と同様に、財政調整基金など基金等からの繰入②市役所の建て替えや、湾岸道路整備、空港連絡橋整備など、不要不急の事業の中止や、呼び込みや企業誘致および企業優遇税制の見直し③須磨多聞線や須磨水族園の民営化など住民合意の無い事業の中止―など、市長提案の予算案のわずか二%の組み替えで捻出できます。

予算組み替え提案の主な項目

1つ目の柱:消費税増税と新型コロナウイルス感染症の深刻な被害から、市民の命と暮らし・生業を守ること
①市民の健康を守るために、保健所及び区保健センターの体制の充実。
②新型コロナウイルス対策にともなう地域医療機関の基盤整備補助の創設。
③被害を受けている市内小規模事業者の現況調査及び相談員の配置。
④中小企業への直接支援として、既存の小売店舗が外出困難な世帯に配達するなど地域密着型サービスをする場合の事業助成を創設。雇用維持・事業継承奨励交付金、トライアル発注認定制度、新規就農・担い手育成支援金制度などの創設。
⑤地域経済で好循環をすすめるため、住宅・店舗リフォーム助成や、商店街・小売市場活性化助成金を創設。

2つ目の柱:市民の負担の軽減
①久元市長が昨年からおこなっている住民税増税の中止。
②中学校卒業までの医療費を全額助成するとともに、市長の公約どおり高校生まで制度を拡充。
③教育費の負担軽減のため、給付型奨学金を新設。
④独自軽減相当分の繰入金を投入し、国民健康保険料の減免と引き下げ。
⑤介護保険料も6期水準に引き下げ。
⑥敬老・母子福祉パスを維持するとともに、父子世帯まで拡大。

3つ目の柱:子どもの命を守り、教育を再生すること
①365日24時間こどもの命をまもる最前線である「子ども家庭センター」の体制強化。
②小学校全学年と中学1年生まで35人学級を実施するために、教員を増やし、豊かな学びを保障。
③小学校のようなおいしい中学校給食を実現するために、親子方式を10校先行実施。

4つ目の柱:医療、子育て、介護、防災など地域の基盤を強めるとともに、気候危機に対応する
①地域に密着した保育所、学童など増設し公共投資を実施。
②住みたい町に住み続けられる街にするために、特別養護老人施設、医療機関、商店など地域密着型の施設の誘致。
③危険がけ防災対策をすすめるために助成事業を拡充。
④阪神・淡路大震災時とほとんど変わらない避難所の現状を、スフィア基準に基づく避難所に改善。
⑤原発や石炭火力に頼らない地域分散型エネルギーへの転換。

(兵庫民報2020年4月5日付)

未来に希望もてる丹波篠山市へ:日本共産党前田えり子さん4選めざす:丹波篠山市議選4月26日投票:


丹波篠山市議選(定数十八)は四月十九日告示・二十六日投票で行われます。
日本共産党の現職・前田えり子さん(69)が四期目をめざします。
前田さんは「未来に希望がもてる丹波篠山市へ」として①市民の負担を減らし命とくらしを大切にする②地域の力を生かして農業と地域経済を守り発展させる③防災と被災者支援など危機管理体制を強化し安心・安全のまちづくりをすすめる④市民の声がとどく行政・議会への転換―を柱とする政策を掲げ、特に国民健康保険税、介護保険料・利用料、県下一高い水道料金などの引き下げを求めるとともに、憲法九条を守り消費税を五%に、原発ゼロをめざし、市民と力を合わせ頑張る決意を表明しています。



(兵庫民報2020年4月5日付)

チラシ本文のテキストデータが入手できていませんので、画像でお読みください。視力障害の方や、小画面の端末でご覧になっている方には申し訳ありません。

三田市学校給食センター臨時職員:コロナ対策休校による「無給」撤回させる

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため三田市教育委員会は、三月二日からの休校にともない学校給食センター二カ所の臨時職員四十七人(内、十二名が組合員)を自宅待機とし無給にするとしました。
その日に、兵庫自治労連支援員の田中達夫さんに連絡があり、早速翌日には兵庫自治労連として三田市教育委員会に抗議するとともに、無給にすることは労働基準法第二十六条に違反するだけでなく、あまりにも突然で生活にも支障をきたすことから、全額支給も含め再検討を強く要請しました。
自治労連本部に連絡すると、人事院から「出勤することが著しく困難であるとみとめられる場合の休暇の取扱いについて(通知)」が三月一日に出されていることを知りました。また兵庫労連からも「全労連・非正規センターニュース」が送られてくるなど、これら資料を活かして、翌三日に三田市教育委員会に対し、再度申し入れを行いました。とくに人事院通知をもとに、有給とし全額支給することを強く求めました。
すると、三月五日には「無給」を撤回し、衛生管理等の業務に就くことなどで出勤とし、「有給」にすると兵庫自治労連に連絡がありました。無給とした四日間も不利益が生じない措置をとることになりました。
労働組合の素早い対応で、早期に解決することができました。三田市学校給食調理員労働組合の塚口弘子委員長は、「これまで仕事でも労組活動でも誠実に対応していたことが、市当局との関係を築き、今回の早期解決になったと思います。全国の仲間を激励したとの声を聞き、労働組合の大切さを改めて実感しています」と、語ってくれました。
(田中達夫=兵庫自治労連)

(兵庫民報2020年4月5日付)


全労連全国いっせい労働相談ホットライン:新型コロナウイルス感染拡大のもと労働者を守りともにたたかう労働組合の存在意義高まる

全労連の全国いっせい労働相談ホットラインが三月九日に行われ、兵庫県労働組合総連合でも県内六カ所で労働相談を受けました。普段より二時間延長して労働相談を受け付け、当日は電話で十件の相談がありました。
神戸新聞では三月五日の朝刊で告知記事が掲載され、当日はサンテレビジョンの取材があり、十五時のニュースで放送されたのを見て電話したという相談者もいました。
十件のうち、七件がコロナウイルスに関連した相談で、「大学生のアルバイトだが、コロナウイルスの影響で売り上げが下がったため、一方的に時給を百円下げられた」「建築業をしているが、親方から仕事の斡旋の連絡が一カ月間ない」といった問題が起きています。なかには、「二月末に韓国へ旅行に行き、帰ってきたら自宅待機命令が出た。自宅待機中に職場から速達が届き、賃金六割支給と書かれていたが、退職をほのめかすような文章となっていた」という相談もありました。
賃金については、特例の雇用調整助成金を申請することで、労働者の賃金を補償することも可能であることから、賃下げや賃金補償しなかったり、韓国へ旅行に行ったという理由で退職をほのめかすようなことは不当労働行為に当たります。
*
新型コロナウイルスを巡っては、政府の対応が遅く、中小企業やそこで働く労働者の多くが不利な状況に追い込まれていることから、兵庫県労働組合総連合は三月十三日、兵庫県労政福祉課と兵庫労働局へ要請しました。
兵庫労働局とは三月二十三日に懇談の場を設けることができ、新型コロナウイルスに関連した労働問題に対しては優先的に対応をしていることや、特別相談窓口を設置し千件以上の相談が寄せられているなどの話が聞けました。
*
労働相談ホットライン以降も新型コロナウイルスに関連した労働相談が寄られています。新型コロナウイルスに便乗した不当な労働条件の引き下げは許されないことであり、労働組合の存在意義が高まっています。
(西村貴史=兵庫労連)

(兵庫民報2020年4月5日付)

現代の問題にしっかり言及:マルクスの深い考察に驚き:見ました!いま、マルクスがおもしろい「とことん共産党」:K・Mさん(大学生)の感想


日本共産党の小池晃書記長が司会するインターネット番組「とことん共産党」、三月二十三日は神戸女学院大学教授でマルクス経済学者の石川康宏さんをゲストに「いま、マルクスがおもしろい」をテーマに語り合いました。視聴した大学生のK・Mさんの感想を紹介します。
久しぶりにマルクスへの学習欲をそそられる講義でした。内容はジェンダー・環境問題・未来社会についてなど。
マルクスが資本主義の問題点について思考を深めていく中で、ジェンダーと環境という現代の大きな問題にしっかりと言及している点に驚きました。十九世紀という時代的制約を感じさせないマルクスの深い考察が現代においてもたくさんの人がマルクスを読む理由なのだと感じました。
トークの中で石川康宏先生が「運動は段階的で、まずは今ある苦難を解決していく」とおっしゃられていましたが、藤田孝典さんが指摘するように「下流に位置しながらも中流意識を持つ人」が多くいる中でその「苦難」を対話によって言語化していく作業も必要だと感じました。
より良い社会への展望を多くの人と共に語れるようにマルクスを勉強しようと思いました。

録画視聴はここから↓

お薦めの入門書:石川康宏『マルクスのかじり方』

(兵庫民報2020年4月5日付)

こくた恵二「井上ひさしさんから託された万年筆」:連載エッセイ2


「もの書きの心をもらって」井上ひさしさんは、原稿を書いていた愛用のペリカン製万年筆を「使っているもので悪いが」と私に託した。
今年は、氏の没後十年にあたる。多くの人々に愛された人形劇「ひょっこりひょうたん島」の台本共同執筆者でもある。
ひょっこりひょうたん島のモデルの一つと言われている岩手県大槌町の蓬莱島は、東日本大震災で飲み込まれたが、今は、シンボルであった灯台と弁天様は再建された。
3・11東日本大震災は九年目を迎えた。毎年岩手県主催の追悼式に参加していたが国会用務で今年はキャンセルせざるをえなく、とても残念だった。3・11の日を迎えると必ず井上ひさしさんが脳裏に浮かび万年筆を手にする。
万年筆を頂戴したのは、神戸新聞ホールの楽屋裏であった。ちょうど、1・17阪神・淡路大震災における、被災者の生活再建へ討論会が行われ、作家の小田実さんと三人で談笑していた時のことだ。
小田実さんは、最初に「被災者の生活再建、『市民・議員立法』運動を闘ってきた仲間だよ。『人間の国』をめざす熱い同志だよ」と私を紹介し、笑いながら「いいじゃないか。貰っておけよ」と後押しした。1・17を迎えると小田実さんの早口を思い出す。
お二人は、私の選挙に必ず推薦の言葉を寄せてくれた。またお二人は、「憲法九条の会」の呼びかけ人として活躍された。政治の要は国民の安全、基本は憲法にありとして、天国から私を叱咤激励しているに違いない。
(日本共産党衆院議員)

(兵庫民報2020年4月5日付)

神戸演劇鑑賞会4月例会『Sing a Song』:コロナ対策で中止

4月10日、11日に予定されていた神戸演劇鑑賞会4月例会:トム・プロジェクトプロデュース『Sing a Song』(シング ァ ソング)は新型コロナウイルス感染拡大対策のため中止を余儀なくされました。しかし、せっかくですので同会からご寄稿いただいた紹介記事をここにも掲載します。公演が再開されたあかつきには、この記事をご参考にぜひ劇場へ足をお運びください。(編集部)


舞台は、戦時下、ひとりの歌女・三上あい子が軍の規則を知りながら、自分の信念を曲げず、自分のスタイルで、自分の歌を唄い通した姿を描いた物語です。そのインパクトある台詞と共にあい子の生きる姿が強烈に響いてきます。
昭和十五年(一九四〇年)秋。ひとりの歌手・三上あい子が、マネージャの成田と共に、憲兵本部へ呼ばれた。
憲兵中佐・葛西は、あい子に厳しく注意をする。着飾ったステージ衣装で唄うことの禁止。敵性の音楽ジャズ等を唄うことの禁止を。その上で「皇軍慰問」の命令を下した。断ると国家総動員法により〝逮捕監禁〟する。あい子もすぐさま「出演料は無料」でと、やり返した。こうして、慰問の旅が始まった。
インドシナ、セレベス島のマッサル飛行場、鹿児島の飛行基地。どの慰問先でも、あい子の歌は兵士たちの心を慰めた。中でも、鹿児島の飛行隊基地での出撃前の特攻隊の若者を前にして唄うあい子の姿は哀惜に満ちた感動の場面になっている。
そして、昭和二十年(一九四五年)八月…。
あい子のモデルは、ブルースの女王としてその名を馳せた淡谷のり子さんです。
(小谷博子)

(兵庫民報2020年4月5日付)

《参考リンク》
トム・プロジェクト:https://www.tomproject.com/

ひなたぽっころりん〈657〉


(兵庫民報2020年4月5日付)

観感楽学

国会審議の録画を検索していて「毛ば部とる子」さんのブログに「麻生大臣も神妙になる共産党・大門実紀史氏の質疑」という記事を見つけた。大門氏の質疑(昨年十月十六日、参院予算委員会)を紹介している▼「大門氏の質疑は全編を通して惹きつけられるものだった。語り口は穏やかだが、隙がなく、なにか聞いているとワクワクさえしてくる、なんとも不思議な人だ」「他の動画再生回数は数千回ほどだがこれはすでに一・三万回を超えている。(大門氏に)こんなにフアンがいるとは知らなかった。全く迂闊だった」と▼さらに大門議員が、消費税増税など税制問題を中心に安倍首相、麻生財務大臣を質した場面で「教え諭すかのように、淡々と説明する大門氏……安倍首相と麻生副首相が並んで……神妙な面持ちをして、時には頷きながら話を聞いていたことだ。……二人がこんな態度を見せることはあまりない。大門氏、まるで猛獣使いのようだ」と驚く▼答弁に割って入った西村康捻氏を「カジノ作れば経済が良くなると言ってきた人でしょ?……マクロ経済なんか分かるんですか?」と一喝した場面では「猛獣使いの鞭がなった……なんて痛快なんだ」と語っている▼いま日本共産党議員の国会質疑は、私たちが気付かないところで国民に感銘を与え広がっているようだ。(D)
*

《関連リンク》
毛ば部とる子「麻生大臣すら神妙になる、共産党・大門氏の質疑」(『ツイッターでは言い切れないこと』2019年10月18日)
2019年10月16日参院予算委員会での大門議員の質疑(録画)
大門みきし参院議員の国会質問一覧(録画へのリンクあり)

(兵庫民報2020年4月5日付)