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福原ゆかりさん(左)と、こむら潤さん(右) |
こむら 兵庫民報読者のみなさん、明けましておめでとうございます。衆院近畿ブロック比例代表と兵庫八区(尼崎市)で国政に挑戦する、こむら潤です。→Twitter, Facebook
福原 明けましておめでとうございます。同じく兵庫九区(明石市・淡路市・洲本市・南あわじ市)から国政をめざす福原ゆかりです。→Twitter
共闘の広がりのなかで
福原 国会では野党共闘が前進していますし、明石でも、総がかり行動やピースフェスタは党派を超え市民といっしょにやっています。とはいうものの一般の市民のみなさんには実感はまだないというのが現状かなと思います。尼崎ではどうですか?こむら 尼崎は諸団体はじめ運動をされている方が元気です。前回堀内照文さんが立たれた時には「ミナセン尼崎」の方々が非常にがんばってくださっていたので今回、決意していち早く訪問しました。中心的なお一人は「よかったー!」と大歓迎してくださいました。選挙に勝つにはどう共闘を広げていったらいいのか、どうやって選挙に行ってくれる人を増やすのか、どう効果的に市民に訴えたらいいのか、など二時間にわたって話が盛り上がりました。
市民のアイデア生かそう
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こむら潤さん |
こむら 市民の方々がもってるいろんなアイデアをいかし、発展させられたら楽しく波を起こせるのでは。年齢的にも、女性、尼っ子(尼崎出身)という立場からも、市民のみなさんのいろんな発想を柔軟に取り込んでいけるようになりたいと思います。
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福原ゆかりさん |
福原 他の市民団体や他党からも宣伝などのやりかたを学んでいって、新しい共産党のやりかたを模索しないといけない時期かなと思っています。今度の党大会の第一決議案にも、「インターネット、SNSを駆使した双方向での宣伝・組織活動」が(前大会にひきつづき)選挙方針の一つとして書いてあるんですけど、まだ弱いかな。世代によって訴え方をどうシフトするか、ベテランの方の知恵を拝借しつつ、新しい時代の取り組みも融合する。本気で選挙に勝ちにゆくためには転換期かなと思っています。
こむら 市議に立候補を決めた時、さらに遡れば入党を決意――党歴は六年なんですけど――した時もなんですけど、いままで頑張ってこられた党員さんたちが思い通りに動けなくなってきたとか、新しい人がなかなか増やせないとかで行き詰まっているなかで、新しいものを取り入れていく――感覚をチェンジしていく――存在が必要だろうなと痛感して、「いま私が逃げたり、断ったりしても解決にはならないし、これから先の人生についてまわるだろうな」という覚悟があったので、「だったら早く決めて、楽しくとりくもうと気持ちを切り替えた方が、ストレスがないんじゃないか」(福原笑)。いずれにしても「重い」決断でしたが。
福原 私も県議選立候補の時にそう思いました。
こむら 「決めちゃったんだから、やるぞ」と、心が軽くなるというか、開き直るというか(二人笑)、割り切って動いていけるものなんだなと思いました。
やる気の起爆剤に
こむら 地域の方々は四十代で立候補を決意してくれたことでうれしいと、それだけで喜んでいただいてます。「これからやねん」と思っているところですが(笑)。福原 いま喜んでいる最中なんですね。
こむら やっぱりほっとするんだと思うんです。党を引き継いでくれる、未来を託せる人が出てきてくれたという期待感をすごく感じています。
十二月に市田忠義副委員長を招いての「日本共産党の集い」に自分から参加した無党派の女性が「こむらさん、写真を撮っていいですか。SNSに上げるんです」とおっしゃるので「どんどん上げてください」と撮ってもらいました。後日には宣伝の動画を撮ってツイキャスに上げてたりもして、「こむらさんのおっかけするわ。ネット配信の担当になろうかな」と提案してくださいました。
党員や市民のみなさんがやる気を出してくださっているのがうれしいことです。みなさんのやる気・元気の起爆剤にならなくてはと思っています。
市民との共同は、これまでも選挙の度に、ミナセンとの共同もありましたが、まだ「市民連合」のような一つのかたまりにはなっていません。
この間、共産党が呼びかけ人になってなにかやろうよという時や、これまでは党の主催だったり、党の行事だったり、「党が……」というのでやって来ましたが、「野党共闘」という考え方が入ってくると、どこまでをだれがどうするの?という実務的なところからも、もう少し緩やかに、柔軟に取り組まないといけない。その時、市民がやる気を出してくださったり、応援しようという気持ちをアピールされているのをしっかり受け止めて対応できる許容量を広げないと発展していかないと思います。
福原 「しきいを低く」「だれでも」という感じで。「リスペクトを持って」「ありがとうございます!」と。
政治の入り口の入り口
こむら いろんな立場の人に呼びかけて「つどい」を開きたいですね。そういうメンバーが集まれば自ずと話の方向は出てきそうです。ゆるいトークができるような会をやってみたいと思ってます。「野党共闘を語る」でもいいですし――まだちょっと堅いかな?福原 それいいと思います。党の政策押し出しとか党の綱領を知ってもらうだけではなくて、まず、いまの政治の事実を知ってもらって、それについて「考えてもらう」のがすごく大事だと思うんです。
いま、「政治離れ」「政治が自分の生活に直結できない」とか言われていますが、消費税の問題をとってみても、いまこれだけの期間、税金が納められているけど、実際には税金の使い方がわかれば――それぞれの受け取り方は様々ですが、そこでどう思うか、「やっぱりあかんよね」と思うのか、「やっぱり大事だよね」と思うのか、そういう「考える場」を作りたいと思っています。
党派は関係なく、「政治の入口の入口」のような「つどい」ができたらいいなと思っているんです。
こむら 自分ごととして考える場所ってあまりないですね。
福原 革新懇全国交流会の青年交流会で石川康宏先生(神戸女学院大学教授)が「私と政治をつなげる場をもっと増やさなければならない」と言われましたが、それが大事だと思います。それをやっていったら自ずと、共産党に対する見方も変わってくるんじゃないか――「共産党の言ってることってなんかしっくりくるな」とか。そこから共産党への支持もひろがるんじゃないかと思っています。
こむら 食わず嫌いがありますよね。
福原 そう、もったいなーい! そこ、名前だけでシャットダウンするの、もったいないよー!(笑)
こむら そうそう。
福原 そうした場をつくる努力を重点的にしてこなかったというのもあるのかな。党大会第二決議案にも「『日本共産党を除く』壁が崩壊した」「党と若者との間にこれほど『壁』のない時代はかつてなかった」と言ってますから、これをチャンスとして、「ゆるい垣根でゆるく集う」のがいいんじゃないかな。ときには誰も来ないことがあってもいいけど、長期的に続ける。そうすると口コミで広がって、気軽に話し合える場を共産党ももってるんやなと、堅いイメージが変わっていくと思うんです。「しんぶん赤旗」の読書会を支部が一回やったことがあるんですが、続けてやっていけたらなー。
こむら 尼崎地区委員会では民青地区委員会とコラボでJCPサロンを春と秋には定例にしようとやっています。テーマはそのつど変えるけど、カフェのようにお茶を飲みながら、青年は「バーでもいいわ」と言うんですけど、そういうところで、お菓子をたべたりしながら語り合える――会議室のような堅い感じではなく――アットホームなくつろげる空間ができないかなというアイデアもあります。若い人や党外の人の柔軟な発想を即、実践できるようなフットワークが党の中にほしいなと思っています。
希望もてる未来のために
こむら 私が六年前まで入党できなかったのは、「ガチガチの党員」になってしまうのは、党を膨らませていくのにメリットがないなと思ってたからです。党に入る前の私と同じような考えをしているサポーター的な人が何人もいて、とってももったいない。その人たちを党に迎え、いっしょにやっていくにはハードルをなかなか越えられないんだけれども、同じ思いを持っていた者として、そんな人と党をつなぐ役割を果たしたいと思います。いままでのような「党の内と外のしきい」があっては、野党共闘が広がるなか、党を強く大きくしていくのに、コアな考え方の人だけではなく、党の主張と「大部分は一致している」「理解できる」「いっしょにやりたい」けど、部分的にはやや違うという人たちも迎えていく、そのために何かをやってみたい。いくつかのアイデアを温めつつあります。
福原 楽しみです!
こむら 党大会第二決議案の中に「支部と党機関が協力して、若い世代の成長と活動の場を保障する」というのがありますが、若い世代の党員って職場の支部でも地域の支部でもぽつんぽつんといるんです。そうした若い党員をそれぞれが党の担い手になるその時までどうつないで成長を支えていくかをもっと真剣に具体化しないといけないと思っているんです。
福原 喫緊の課題だと思います。同世代の党員が「県内にはこれだけの同志がいるんや」と交流できる場がいりますよね。
こむら 交流すれば、「自分がここの職場で頑張るのはこんな意味があるんだ」と見えてくると思うし、広域の交流と個別的な支援、両方が必要ですね。こうした打開策を出せるのも私たち同世代ですよね。山下芳生副委員長が第二決議案を提案したとき「よっしゃーっ!よう言ってくれた」(笑)と思って、大いに取り組みたいと思っているところです。
福原 やりましょう、やりましょう! 人生は一回きりなので後悔しないように生きたい、でも苦痛なのはいやです。楽しみながら人生を全うしたい。でもいまの社会ではそれができない場面がすごく多い、いまの政権では無理だなと思います。未来に希望が持てる社会にしていくために頑張っていきたいと思います。
こむら そう! みんなを――私も含め――元気にする年にしたいですね。
(兵庫民報2020年1月5日付)