2020年10月11日日曜日

ジェンダーわたしの視点:誰もが個人の尊厳を実感できる社会へ


日本共産党高砂市議 大西由紀

三十年位前、サンフランシスコへ一人旅をしました。その時、現地で暮らしていた親友に紹介された人との出会いはLGBT(性的少数者)のことを考えるきっかけを与えてくれました。当時、化粧品会社に勤めていた私は、メーキャップアーチストだったその人とすぐに打ち解けました。帰国前、ともに立ち寄ったチャイナタウンでの店員とのやり取りで、アメリカでは、性的少数者が受け入れられているのだと、驚きました。
数年後、LGBTのお客様を担当することになりました。その初めての応対の際、サンフランシスコでの記憶が甦りました。三年ほどの担当でしたが「周りの人が変な目で見るので腹が立つ」「私は私なんだ」といつも胸の内を話してくれました。
一方、男性の声でメイク方法を教えてほしいと電話がありましたが、店頭で男性にメイクを施すことはできないと判断し、「他の方の迷惑になりますので」とお断りしました。その時は、当然の対応だと思っていましたが、アメリカで感じた性的少数者への理解に感心する一方、私の取ったとっさの判断に今でも申し訳なく、胸が苦しくなります。
「ジェンダー」は女性、男性それぞれがこうあるべき、ということや役割分担を指し「社会的・文化的につくられた性差」と定義されています。日本共産党の第六回中央委員会総会で初めて「ジェンダー平等」の政策が提起され、綱領改定で「ジェンダー平等社会をつくる」「性的指向と性自認を理由とする差別をなくす」と明記されたことに背中を押され、昨年は一般質問でパートナーシップ宣誓制度を求め、今年の九月はジェンダー平等の一般質問を行いました。ジェンダーが利潤を求める財界・大企業の差別と分断に利用され、歴史的には明治時代の男尊女卑の価値観を世帯主に引き継ぎ、最近ではコロナ対策の特別定額給付金などの受け取りで様々な問題をもたらしたことなどを訴え、あらゆる人に平等と尊厳を、と求めました。

(兵庫民報2020年10月11日付)