2020年10月18日日曜日

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(4):地域医療守るゆとりある体制を

日本共産党兵庫県議会議員 入江次郎 

新型コロナウイルスパンデミックの収束が未だ見えません。
県内の感染症病床は、二〇〇〇年には一種が二床、二種が四十六床、結核病床が八百三十一床でしたが、今年二〇二〇年には一種が四床、二種が五十床、結核病床が百五十床と、この二十年間で感染症病床全体では四分の一弱に削減されました。
本来、新型コロナウイルス感染者は感染症病床での療養となりますが、病床の不足から厚労省は、一般病床での患者受け入れを認めました。それでも兵庫県では四月十九日には、準備していた二百九十六床中二百八十八床が、重症者病床については四月二十二日に、三十七床中三十二床が埋まり、逼迫しました。
このため、地域の中核的医療機関で通常の外来診療、手術などに支障が生じ、県立加古川医療センターでは救急患者の受け入れを制限する事態もおきました。
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新型コロナウイルスパンデミック以前から、厚労省は地域医療構想の実現を都道府県に迫り、公立病院の統合再編を推進してきました。
兵庫県では二〇一八年度比で二〇二五年度までに五千九百三十三床の急性期病床を削減することなどを迫り、その具体化として二〇一九年七月、脳卒中、心筋梗塞、がん、など五疾病五事業の診療実績のない県下十六の公立公的病院を名指しし、二〇二〇年九月までに統合再編、もしくは病床機能転換の結論を出すよう医療機関及び地域医療調整会議に迫りました。
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しかし、新型コロナウイルスパンデミックのなか、中川俊男日本医師会副会長(現会長)は「地域医療構想では、新興感染症に対する医療提供体制の確保という視点が欠落していた」「平時にぎりぎりの医療提供体制ではダメだ」「新興感染症病床の候補として統合再編病院として名指しされた公立・公的医療機関の病床をそのまま空けておくのも一つの在り方だ」と地域医療構想の見直しを表明しました。また、統合再編病院として名指しされたいくつかの県内の医療機関では、感染者が増加する中で、帰国者接触者外来を設置し、陽性患者の入院病床を確保するなど公立公的病院としての役割を大いに発揮しました。
このような状況変化の中で、厚労省は二〇二〇年八月三十一日、「具体的対応方針の再検証等の期限について」と題し、「感染症への対応の視点も含めて……社会保障医療部会において議論を開始したところである。このため地域医療構想に関する取り組みの進め方について改めて整理のうえ示す」旨を、都道府県知事に通知しました。
新型コロナウイルスパンデミックを踏まえ、効率を最優先する地域医療構想の中止をあらためて求め、地域医療を守る運動を大きく広げることが必要です。
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国の悪政をさらに推進する県政から、住民の暮らし、福祉を守る県政へ転換しましょう。

(兵庫民報2020年10月18日付)