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2020年10月25日日曜日

次の総選挙で政権奪取:小池書記局長が神戸で訴え


日本共産党兵庫県委員会は十月十八日、神戸大丸前で街頭演説を行い、小池晃書記局長、こむら潤衆院比例予定候補と県内小選挙区候補らが次の総選挙で政権交代をと訴えました。


冒頭に応援演説を行った弁護士の吉江仁子さん(写真)は、カラーテレビの部品製造会社の社長などが産業構造の変化の中で職も家庭も失った例や、地球環境問題をあげ、市民から政治を遠ざける今の政権に百年先の未来を預けられないと批判。市民と野党の共闘をと力説。なかでも日本共産党の国会質問をもっと長くするため、議席を大きく伸ばそうと訴えました。 

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兵庫三区の赤田かつのり予定候補は教員大幅増・少人数学級の早期実現で子どもたちに豊かな学校生活をと訴え、

九区の福原ゆかり予定候補は気候危機などに対し持続可能な社会をめざしたいと語りました。

十一区の太田清幸予定候補は消費税五%減税を主張しました。

参加できなかった二区の宮野つるお予定候補については司会のねりき恵子県議が医療・介護の分野で活躍してきたことを紹介しました。
比例近畿ブロック・兵庫八区重複予定候補の、こむら潤さんは日々、生活相談に応じるなか生きづらさを抱える人の多さと手を差し伸べる制度の乏しさに悔しい思いをしたと述べ、だれもが性別などで差別されたり暴力を受けたりすることのない社会を作りたいと日本共産党に入党したことも語り、「自助ではなく公助で国民の命と暮らしを守る政治に変えよう」と訴えました。

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小池書記局長は、日本学術会議人事介入、中曽根康弘元首相の葬儀への弔意要請など、安倍政権の上をいく菅政権を続けさせる訳にはいかないと強く批判。
そのためには、野党各党が日本共産党といっしょにたたかい、いっしょに政府をつくる覚悟を決めることが必要だと指摘し、「オール野党の連合政権をつくろう」と呼びかけ、日本共産党の衆院近畿比例四議席回復、とくに近畿から十一年ぶりの女性議員としてこむらさんを国会に送ろうと訴えました。 

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大阪市廃止・分割することの是非を問う住民投票について小池書記局長はこの日の街頭演説でふれ、大阪市つぶしの問題点を語り、「反対」多数を勝ち取るために「大阪のお知り合いにぜひ働きかけてください」と支援を呼びかけました。

(兵庫民報2020年10月25日付)

このままでは中小業者は倒れてしまう、新しい政治をつくるためがんばろう:活動の再開・強化など確認:兵庫県業者後援会が総会


菅新政権の強権・冷酷な本質があらわになる中、兵庫県業者後援会は十六日、総会を開き、「総選挙で日本共産党の躍進と野党共闘の勝利を実現しよう」と確認しました。
加口良秋代表世話人が「コロナ禍による被害が広がる中、このままでは中小業者は倒れてしまう。共産党と立憲野党による新しい政治をつくるためがんばろう」と挨拶。ついで、「後援会活動の再開・強化、学習を軸にした活動、決起集会の開催」などの提案を確認しました。
二部では、清水ただし衆議院議員が、安倍政権の負の遺産と菅新政権の一カ月を批判するとともに、コロナ後の社会に向けて、「社会保障を予算案の軸にすえる。内需主導の力強い経済をつくる。そのためにも消費税減税の実行を」など、共産党の政策と議員団の果たしてきた役割を報告し、「比例近畿ブロックで四議席を獲得し、その躍進の波の中で小選挙区でも勝利を」と訴えました。
〔田中邦夫=同後援会〕

(兵庫民報2020年10月25日付)

養父市議選で日本共産党が2議席回復


養父市議選は十月十八日投開票され、日本共産党の竹浦昭男さん(73)=元=、津崎和男さん(61)=現=が当選し、二議席を回復しました。
日本共産党の得票合計は千三百票、得票率九・一六%。前回比で百七十五票減、得票率も〇・二一ポイント減でしたが、昨年の参院選比例票に比べ四百九十九票増、二・五〇ポイント伸ばしました。
定数十六に十七人が立候補。投票率七三・五一%。当選者の政党別内訳は、無所属十三、日本共産党二、公明党一。

(兵庫民報2020年10月25日付)

県議会決算特別委員会で日本共産党・庄本議員が審査:神鋼石炭火力増設前提の温暖化対策推進計画改めよ(農政環境部審査)

兵庫県議会決算特別委員会では、日本共産党の庄本えつこ議員が、連日審査を行っています。 


健康福祉部(前号の続き)

保育の産休代替職員への補助制度について庄本議員は、「直接雇用の場合は、補助が受けられるが、派遣会社からの派遣では、補助がでないとされている。いま保育士確保は、どこの職場でも苦労している中、派遣に頼らざるを得ないところもあるなか、派遣会社からの派遣職員にも補助を行うべきだ」と提起しました。
県担当者は「いまの国の制度としては、派遣には補助がおりないということになっている。しかし、現状を見据えながら、補助対象をどうするか今後検討していく」と答えました。

産業労働部

厚生労働省調査によると二月~八月の県内コロナ解雇者は千八百七十六人となっています。庄本議員は、「これは氷山の一角だ」として、同時期の新規求職者における事業主都合離職者数が一万四千八百三十九人、前年比三千九百二十二人三六%増となるなど深刻な状況にあると指摘。県がすすめている千人規模の対策では少なすぎるとして、実態にみあう対策を行うよう求めました。
また中小企業支援について、県が行った緊急事態宣言での休業要請に応じた事業者だけを対象にした一回かぎりの経営継続支援金だけでなく、県として「地域事業継続給付金」制度を創設し、ひろい事業者を対象に売上減に応じた支援を行うよう求めました。

公安委員会
庄本議員は、地元での要望の高い、尼崎南警察署西分庁舎の存続を求め質問。いまある西分庁舎の土地所有者である尼崎市が「県警の要請に応じ、交番などを設置することもできる」としていることを紹介し、「地元住民の声を踏まえ、交番機能としての存続も含め、検討すべきだ」と主張しました。
当局は「地域全体を見ながら、地元住民の声も聞き、検討したい」と答えました。

農政環境部

農政環境部審査では、改定が検討されている「兵庫県地球温暖化対策推進計画」について質疑を行いました。
現行の計画では、二〇三〇年度までの温室効果ガス削減目標は、二〇一三年度比二六・五%となっていますが、改定案では、「非効率の石炭火力発電所」六基を削減するとして、三五~三八%の削減目標に引き上げるとしています。しかし、パリ協定履行のためには、二〇三〇年までに一九九〇年比四五%削減、二〇五〇年までに実質ゼロが提起されています。
庄本議員は「削減目標の引き上げについては、歓迎するが十分ではない。しかも増設が予定されている神戸製鋼の石炭火力発電所の稼働が前提となっている。この計画については、環境アセス中の環境省意見に対し、経産省が横やりを入れたという問題が明らかになり、そのプロセスの正当性も疑わざるを得ない。神戸製鋼の石炭火力発電所増設を中止させ、県の温室効果ガス削減計画に上乗せし、削減目標を国際水準にすることを求める」としました。また、県として気候非常事態宣言を行うことも求めました。
庄本議員は、国で検討されている種苗法改定案について、「営々と行われてきた農家の自家増殖を原則禁止し、種や苗を許諾性にすることにより、とくに小規模農家には大きな負担になる。県農業にとっても大きな影響を及ぼすものであり、県としても反対すべきだ」と主張しました。

県土整備部
県土整備部では、庄本議員は、地元武庫川の河川対策、尼崎市内の流域貯留対策、園田西武庫線について質疑を行いました。
庄本議員は、河川対策とともに学校の校庭などに雨水を貯める貯留対策について、「尼崎では、県立尼崎高校と市立双星高校のみ。県が主導してすすめてほしい」と要望しました。
園田西武庫線について、庄本議員は、「もう少し住民の声を聞き入れてほしい」と訴え、計画されている園田西武庫線に対し、南北に横切る「疎水の道」を分断しない工夫・設計を行うように要望。庄本議員は、「道路の傾度を計画の五%ではなく、制限速度を四十キロにし、八%にすれば疎水の道は残すことができる」「危険な自転車道として併設するべきではない」と指摘しました。

教育委員会

教育委員会では、県立高校の特別教室の空調設置について質疑しました。
県内の県立高校は百三十五校、特別教室は四千六百二十九教室あるうち、空調が設置されているのは千六百四教室、三四・七%で、国平均の四六・八%よりも低い水準にとどまっています。庄本議員は、「今年の夏は八月も登校を余儀なくされ、美術コースの美術室に空調がなく『暑すぎて学校に行きたくない』との声もあるほど。特別教室にも早期の空調設置が必要だ」と迫りました。
県教育委員会は、「できるだけ早期に設置したいが、予算もある。現段階では、音楽室、書道室、調理室、被服室、美術室の五教室を優先し、毎年度二十校程度、八年くらいで設置できるようにしたいと考えている」と答えました。庄本議員は、さらなる前倒し実施を求めました。
また二〇二二年度からの高校でのタブレット自費購入方針について、「これ以上の負担を強いるのは、経済的にたいへんなものがある」との保護者の声を紹介し、「県費負担で、全員に行き渡るようにすべきだ」と要望しました。

病院局

庄本議員は、県内の結核病床、感染症病床について「二〇〇〇年には、あわせて八百七十七床あったのが、二百四床と八割近く削減されている」と指摘。今回のコロナ対応での逼迫状況を作り出したことも指摘し、「現在建設中の県立はりま姫路総合医療センターや、県立西宮病院と西宮市立中央病院の統廃合再編整備において、感染症病床を設置すべきだ」と迫りました。

(兵庫民報2020年10月25日付)


六甲病院の民間譲渡計画撤回と職員・利用者との十分な協議求めて下さい:存続と充実を求める会が知事に要請


六甲病院の存続と充実を求める会(幣守篤事務局長)は十月十三日、六甲病院の民間譲渡に関し兵庫県知事に要請しました。これには日本共産党の、きだ結県議、味口としゆき神戸市議が同席しました。
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神戸市灘区にある国家公務員共済組合連合会六甲病院は政府から二〇一九年九月に統合再編の検討を要請された四百二十四病院の一つ。病院の存続充実を求める住民署名が一万五千筆集まっていますが、九月に同連合会が、労働組合に対して来年四月に民間譲渡を行うと通知し、医療法人若葉会が譲渡先候補になっています。
民間に譲渡されて、現在の診療科目や診療体制、入院機能が維持されるのか、病院利用者や市民から心配の声があがっています。六甲病院は、年間三百六件の救急車受け入れ、休日・夜間の受診二千二百九十六人、年間延入院患者五万一千四百四十六人の実績を持つ、灘区になくてはならない病院です。また、コロナ禍でも重要な役割を果たした病院です。
連合会は、病院職員の雇用は譲渡先に継続させ、勤務条件も現行水準を維持したいと表明していますが、これが確実に保障されるのか危惧されます。病院施設は老朽化で、近年中に建て替えも必要で、この必要資金を譲渡先医療法人がどう確保するのか、不採算部門の切り捨てやリストラを行う危険も心配されています。
すでに来春の看護師などの募集時期になっており、急な民間譲渡の動きで多くの職員が将来不安を抱きながら退職した場合には補充は困難で、診療体制や医療機能を維持することが困難になる可能性があります。
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知事要請で、求める会が「四月譲渡の方針を撤回し、十分な時間をかけて職員や利用者との協議を慎重に行うこと」を県として連合会に求めることなどを要請したのに対し、県当局は、病院当局に本日申し入れがあったことは伝えるとし、市民から懸念の声があがる事態であることは否定できず地域での丁寧な議論と理解を得て進めるべきだとの見解を示しました。
六甲病院が県と神戸市に提出している「2025プラン」(二〇二五年にむけた六甲病院の医療体制計画)の変更もありうるとし、民間譲渡により医療機能が後退する可能性も否定しませんでした。
なお、利用者や市民が、連合会や六甲病院に住民説明会の開催を求めたにもかかわらずこれを拒否した場合には、県として改めて相談に応じると表明しました。
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求める会は神戸市長にも要請を行う予定です。
〔今西清=兵庫の地域医療を守る会代表〕

(兵庫民報2020年10月25日付)

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(5):人権・同和行政を検証する

兵庫県地域人権運動連合事務局長 前田 武

井戸県政は解放同盟を激励

兵庫県は、八鹿高校暴力事件(一九七四年)の反省・教訓から「行政と運動の分離」と「行政の主体性の確立」を基本姿勢として同和行政を進めてきました。
しかし、二〇〇一年に井戸敏三知事が就任して以来、県政はこれまでの反省・教訓を投げ捨て、部落解放同盟(解同)と共同歩調を取り続けてきました。
二〇一六年十二月に「部落差別の解消の推進に関する法律」(「部落差別解消法」)が議員立法として制定されました。共産党や人権連は、「社会問題としての部落問題は解決」しており、法律は悪用される危険があるとして反対しました。
これに対し、井戸知事は、解同県連の「二〇一七年新春荊冠旗びらき」で来賓挨拶し、「部落差別解消推進法が成立しました。理念法ですが、……あるとないとでは雲泥の差だと思います。……人権問題の解決のための対策法の枠組みを引き続き構築いただくことを心から期待し願っています」(『解放新聞』兵庫版二〇一七年二月号)と解同を励まし、「対策法」への再整備を持ちかける始末です。
前述の「部落差別解消法」は、事業法や規制(罰則)法ではなく「理念法」です。解同は、井戸県政の支援の下、同和対策の復活を狙って市や町に対して「部落差別解消」条例を制定するよう圧力を強め動きを活発化させています。

三市二町で条例制定を強行

地方自治体の条例は、法律と同じく市民や町民に対して遵守義務を発生させます。市民や町民を差別者か未理解者扱いして、住民学習が義務のように押し付けられます。こんなことでは、部落(差別)問題はいつまでたっても解決しません。
県下ではこれまでに、たつの市・加東市・尼崎市・神河町・多可町で「部落差別解消」条例が制定強行されました。どこの条例にも「部落差別をなくするための施策」を検討する審議会を設置する規定があります。その審議会には「解同」に指定席を与え就任し、施策等の決定・実施に影響力を行使する構図が仕掛けられています。
加東市と多可町では条例に反対してたたかった人々が人権連支部を結成し、多くの住民とともに反撃を開始しています。
三田市では、「人権条例」の一変種「(仮称)人と人との共生条例」という名の「人権条例」を来年六月に制定する動きがあります。井戸県政が解同にテコ入れしているだけに、今後県下のすべての自治体で「人権条例」制定の動きが活発化する危険があります。

「人権・同和」行政終結の県政へ

今年度の兵庫県の人権予算は、知事部局三億九千七百万円と教育委員会関係一億三千五百万円の合計五億三千二百万円を計上しています。
県は兵庫県人権教育研究協議会に千八十四万円の補助金を支出し、県下の市町は全体としてそれぞれの人権・同和教育研究協議会へ合計一億円以上の補助金を支出しています。
多くの市町では、補助金を使って「校区人権・同和教育協議会」を組織し、町内会ごとに配置された「人権推進委員」や町内会役員、教員などを動員して行政企画の「人権教育・啓発」を推進しています。これらが実施する講演会や学習会では「差別は依然厳しい」と主張する学者・研究者や解同役員などが講師になって、条例制定の必要性などを吹聴しています。
井戸県政は、八鹿高校事件後の血の滲むような県政努力を踏みにじり、反共・利権の解同と癒着しています。条例制定に反対する運動を大きく発展させると共に「人権・同和行政」をきっぱり終結させる県政を誕生させなければなりません。

(兵庫民報2020年10月25日付)


亀井洋示「ミサイルよりも医療・福祉に」


(兵庫民報2020年10月25日付)

コロナ禍のなかでこそ最低賃金引き上げを:兵庫労連が最低生計費調査学習スタート集会


今年の最低賃金は、コロナ禍の中で「雇用を優先する」との理由で、一円から三円の引き上げにとどまりました。兵庫県では時給九百円となったが、これでは暮らしていけない賃金です。
全労連では全国で最低生計費調査に取り組み、二十五歳単身者で千五百程度の時給が必要だとして、最低賃金を全国一律で千五百円へ引き上げるよう求めています。
兵庫でも働くものの賃金引き上げのため、最低生計費調査に取り組むことを決め十月十七日に静岡大学准教授の中澤秀一氏(写真)を迎え学習・スタート集会を開催しました。
学習会のなかで中澤准教授は、最低賃金の「最低」とは暮らしていくためにギリギリの賃金を示しているわけではなく、憲法二十五条(生存権)の意味を正しく理解すれば安全・健康に暮らせるための「質」が確保されていること、〝あるべき〟生活が実現できる水準に達していなければならず、それを国が保障することを求められ、コロナ禍のなかでこそ最低賃金の引き上げが必要だとしました。
最低生計費調査は、マーケット・バスケット方式という「生活実態調査」「持ち物材調査」「価格調査」や各種統計資料などを組み合わせて積み上げていく手法で算出します。
調査項目は四百項目を超えるもので、手間がかかる調査ですが、この取り組みを行うことで、〝あるべき〟生活をするためにどれくらいの費用がかかるか把握し、最低賃金や春闘、公契約、公務員の賃金引き上げに確信を持った取り組みができるようになります。
この学習会には兵庫労連の幹事や産別・単組、地域労連の役員ら約四十名が参加しました、各組織で説明会や学習会を開き、来年の六月には集計結果を公表することにしています。
〔岡崎史典=兵庫労連〕

(兵庫民報2020年10月25日付)

ジェンダーわたしの視点:誰もが個人の尊厳を実感できる社会へ


日本共産党兵庫県女性後援会事務局長 冨士谷香恵子

今年九月、私は年金者組合の取り組みで、県庁に国保料の不服審査請求を行いました。
後日県庁から、申請者を世帯主に変更しないと受け付けないという「審査請求に係る補正命令書」が書留で送付されてきました。高い国保料を払っているのは私なのに納得がいきません。
戸籍や住民票、確定申告書、コロナで大問題になった特別給付金申請書には、「世帯主」の欄があります。現在も戦前の封建的な「家制度」の「戸主」を引き継ぎ、法律の裏付けもなく、日本国憲法の理念にも反する「世帯主」規定が存在しています。そのことで、知らず知らずのうちに私たちの行動や考え方に影響を及ぼしています。
選択的夫婦別姓の民法改正を求める地方議会の意見書採択が広がっていますが、「世帯主」問題も解決しなければなりません。
七月十五日の志位委員長の党創立九十八周年記念講演で、共産党が「世帯主」規定を廃止することを提案したことに、勇気づけられています。
私は、「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」(性と生殖に関する健康・権利)という言葉を党大会第一決議で知りました。
コロナ禍のもと、女性支援団体などには、望まない妊娠の相談が急増しているとマスコミで報道されています。
十月初め、政府は、性暴力などで望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬を、処方箋なしで薬局で販売可能とするよう検討する方針を明らかにしましたが、すでに九十カ国以上で実施されているのに、日本は非常に遅れています。中絶についても、世界各国では安全性の高い服用薬の使用が当たり前なのに、日本は未だに薬を認可せず、リスクの高い外科手術が行われ、女性の心身に過大な負担を押し付けています。
世界の到達から遅れた「ジェンダー平等後進国」から日本が抜け出すためにはどうしたらいいのか、みんなで語り合い、学習もしながら行動していきたいと思います。

(兵庫民報2020年10月25日付)

消費税をなくす兵庫の会第31回総会:消費税5%に減税を政権交代で実現を

消費税をなくす兵庫の会は十月十七日、神戸市内で第三十一回総会を開きました。
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消費税廃止兵庫県各界連絡会の大嶋誠事務局長(税理士)が連帯の挨拶。消費税をなくす兵庫の会の塩田進常任世話人(税理士)が「税金制度の改正について」のミニ学習(写真)を行いました。
 

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今回の総会報告・提案では、▽菅政権に変わり安倍政治を全面的に継承し「自助・共助・公助」という「自己責任論」を強調し、社会像は格差を拡大する弱肉強食の社会であること▽日本学術会議から推薦された新会員六氏を菅首相が前代未聞の任命拒否を行っているなか、九十九人の名簿は「誰がつくったのか」経過の全容解明と六氏全員の任命見送りを撤回し、すみやかに任命すべきであること▽消費税の税率引き上げも「将来は否定しない」と増税を示唆し、「消費税減税は考えていない」と閣議決定していること▽次期総選挙に向け市民と野党がともに作り上げている「共通政策」が大きく発展していること――が強調されました。
運動方針として、二十八カ国で付加価値税(日本の消費税)減税に踏み出している中、「五%減税実現のため宣伝署名活動」「自治体への請願・陳情」「学習会」「会づくり、会報読者と会員拡大」などを決めました。
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活動交流では、「(毎月続けている行動は)山あり谷ありだが粘り強く取り組むことが重要、仲間が集まれば元気になる、対話ができるので楽しい」「低収入の人には消費税が負担になっている。なくす会は会費がいらないので仲間に訴えたい」「小規模業者は増税とコロナで死活がかかっている、一緒に要求を実現することで仲間も増えている」「市民連合の政策提言で野党が力を合わせ減税実現のため頑張りたい」などの発言がありました。
〔藤原紀嘉=同会事務局長〕

(兵庫民報2020年10月25日付)

こむら潤「優しさで人を包み込む教育に」:こんにちは♡こむら潤です!(8)


私は今年の三月までカルチャーセンターで「バリ舞踊講座」講師をしていました。月二回、滋賀県大津市の教室まで片道約二時間かけて、二十年近く通っていたことになります。バリ舞踊をこんなに長く続ける人生になるとは、学生の頃には思いもよりませんでした。
先日、宮本たけし前衆議院議員とともに、内田樹氏と鼎談をさせていただいた時、「大学生活っていうのは、講義を受けるだけじゃなくて、目的もなくキャンパスをぶらついていて、思わぬ物事や人物に出会うことで天職に繋がることもある。そこが実はすごく大事なとこなんだよ」という内田氏の言葉に心から共感しました。
まさに私は、大学一回生の時、売店に張られたポスターで『バリ島・ケチャ日本公演イン京都』を知り、公演を鑑賞したことが、のちにバリ舞踊にどっぷり浸かるきっかけになったのでした。 



バリ旅行のためにアルバイトで旅費を貯め、四回生の研修旅行も「欧州よりバリに行きたいので」と辞退しました。三回生では夏休みにインドネシア語を夢中で覚えたら、ドイツ語の単位を落としてしまいました。デザインの課題もバリ島をテーマに。「好きなことを追究したらいい」という教授の寛容さに感謝しています。
人間の成長に最短コースを求めるのは経済的な視点でしかありません。不登校支援、少人数学級、教育費無償化……ゆとりや寛容さが求められています。優しさで人を包み込む教育に変えていきたいですね。
(衆院近畿比例・兵庫8区予定候補)

(兵庫民報2020年10月25日付)

清水ただし「大阪市をカジノ誘致で消滅させてはならない」:国会レポート(7)


政権発足当初、七割以上あった菅政権の支持率が、あっという間に五割台に落ち込みました。
日本学術会議から推薦された六名を法律に従って任命せず、気に入らない人物は排除するという独裁性が早くも露見しました。また、故中曽根康弘氏の葬儀に際し、全国の国立大学に「弔意」を示すよう求めたことも、思想信条の自由を脅かすものだと批判が高まりました。菅総理の「人柄が信用できない」という不支持の理由もうなずけます。
また、総理就任後、長期にわたって所信表明を行わず、きちんとした新型コロナウイルス対応や落ち込んだ経済を立て直すまともな政策を示せないでいることも問題です。十月二十六日から予定されている臨時国会では国民の立場からおおいに論戦を挑みたいと思います。
さて、菅総理が国の成長戦略に位置付けているのがカジノです。いま大阪市では、政令市の廃止を問う住民投票が行われています。かつて橋下徹氏は市長時代に、「カジノは『都構想』の試金石だ」と発言したことがあります。都市計画を決める権限を持つ大阪市を廃止し、財源も吸い上げた上で、一人の指揮官がカジノを推進する。「都構想」とはカジノをすすめるためのものであり、賛成派が言うような「二重行政の解消」などではありません。
政令指定都市の廃止は自治権の縮小であり、地方分権の流にも逆らうものです。百三十年の歴史と伝統を持つ大阪市をカジノ誘致のために消滅させてはなりません。
ぜひとも近畿中の支援で反対多数となるよう、ご支援をお願いします。
(日本共産党衆院議員)

(兵庫民報2020年10月25日付)

兵庫山河の会 〈十月〉

これからも平和への道険しくも亡き妻と共に闘い抜かん
 西澤 愼

村落を池に写してしづもれるうながさるるも立ち去りがたき
(中国安徴省 西逓・宏村を訪ねて)
 石井敏子

転職し「ホワイトやった」と言う息子拾ってくれた会社に感謝
 古谷さだよ

畑より雷雨の中を帰り来しずぶぬれの夫の着替え手伝う
 鵜尾和代

戦死者の血と骨眠る激戦地新基地埋める土に使うな
 岸本 守

葉月より歩くと決めて一カ月つくつくぼうしに背を押されたり
 加藤やゑ子

黄葉をはじめし桜吾も汝も苦しき夏を耐えて会う秋
 山下洋美

雨の後つぶら実映えて艶やかなり紫式部は枝をしならせ
 古賀悦子

ドリカムを聴きながら立つキッチンで「未来予想図」描けぬ朝も
 新井 幸

公園のポプラ切られて今はなくベンチにすわり高い空みる
 山下 勇

アベ亜流菅内閣が発足し退陣できぬ老いたりとは言え
 大中 肇

窓越しに互いの様子窺いぬ柿の実ねらうカラスと私
 塩谷凉子

(兵庫民報2020年10月25日付)


観感楽学


ドローンは望んでも得ることが困難な視座を与えてくれる。神戸・東遊園地での大集会。なるほど一万人とはこういう規模なのか一目でわかる。 諏訪湖を左手はるか下にして八ヶ岳を縦走する登山家をとらえた俯瞰映像は、よしっ、わたしも体を鍛えてという気分に一瞬させる▼でもこの人の「俯瞰的」はいただけない。十月九日、わずか三十分の記者とのやりとりの中でこの言葉がなんと十五回もくり返された。日本学術会議の任命拒否問題にかかわってである。この「グループ・インタビュー」なるものに傍聴参加した一記者の録音をテープ起こしたものがネットで紹介されている▼質問が図星の時は話をそらして応えない、これが「菅総理話法」の公式として確立しつつあると彼は指摘している。前総理のやってきたことをすべて継承するという新総理だが、日本語を汚して恥じないことまで同じなのか▼まともに理由が言えないということは憲法や法律にそぐわないことをやっているという自覚と、それはたいしたことではないという政治信条があるからではないか。まだ国会で所信表明もされていないのに恐縮ですが、そんなお方は一日でも早くお引き取りを。〔T〕

(兵庫民報2020年10月25日付)

2020年10月18日日曜日

本気の共闘で政権交代を:兵庫7区市民連合が「7の日宣伝」


九月に結成した「連合政権をめざす兵庫七区市民連合」はさっそく西宮と芦屋の市民に訴えていこうと毎月の「七の日宣伝」の取り組みを始めました。
十月七日は、JR芦屋駅北のラポルテ東館前に呼びかけ人や賛同者十六名が集まり、宣伝行動を行いました。
「市民と市民、市民と野党のつながりを広げ、野党連合政権を」「来る総選挙で政権交代を」「菅新政権は強権政権。学術会議人事の介入に抗議しよう」などと代わるがわる訴えながら、七区市民連合の「呼びかけ」を配布しました。
通りがかりの人々から「野党政権をぜひ実現してください」などの声がかかりました。

(兵庫民報2020年10月18日付)

日本共産党伊丹市委員会:個人の尊厳とジェンダーを学ぶ:多様性認め合う社会つくろう


日本共産党伊丹市委員会は十月十一日、あかたちかこさん(京都精華大学講師・思春期アドバイザー:写真右)を講師に「個人の尊厳とジェンダーを学ぶ」つどいを開催。四十九人が参加しました。
加柴優美党伊丹市副委員長(前市議)の司会で始まり、上原秀樹党市委員長(市議)が、あかたさんの「しんぶん赤旗」日曜版連載を紹介し、自己変革の立場で学習しようと挨拶。党県ジェンダー平等委員会責任者のこむら潤さん(衆院比例予定候補・尼崎市議:写真左)も挨拶し、ジェンダー指数が百二十一位と低いのは政治の問題、そんな政治を変えるため頑張ると決意を述べました。
あかたさんは講演で、ジェンダー平等の認識は、業者、労働者、研究者など、それぞれの立場で違うこともわかってきており、様々な人々とジェンダーについて話をしていくことが大事だと指摘しました。
「ジェンダー」をぴったりと言い換えられる日本語がなく、大学では「性別というシステムの話」と説明していること、「男女平等」という捉え方から、性別で人を差別するなということに変化、さらに「女性がしんどいところは男性もしんどい、女性が働きやすい職場は男性も働きやすい、みんなで多様性を認めて人間中心の社会をつくろう」という捉え方に発展していることを紹介しました。
また、日本共産党のジェンダーのポスターを初めてみて、それを掲げた日本共産党の果敢さがすごいと思って注目するようになったと述べ、共産党は昔から男女平等をかかげていたし、一番女性議員が多いし、勉強しようという人が多い、日本のジェンダー平等を引っ張っていくには日本共産党しかないと思うようになったと語りました。
*
あかたちかこさんの「だらだらしゃべろうジェンダーな日々」は「しんぶん赤旗」日曜版に連載中(年四回)。四月十二日付から始まり、二回目は七月十二日付、直近は三回目の十月十一日付掲載。次回は来年一月。

(兵庫民報2020年10月18日付)

明石東部の日本共産党後援会:レッド・パージを語るつどい:党を大きくしようとの思いあふれる


明石市東部の五つの日本共産党後援会の共催で「レッド・パージを語るつどい」を十月十一日、ウィズあかし(アスピア明石)で開き、六十人が参加しました。密を避けるため席をひとつ空けて座り、マイクは使う毎に消毒するなど、コロナ対策に配慮しながらの開催でした。
はじめに治安維持法犠牲者国賠同盟の創立五十周年記念映画『種まく人びと』を上映。次に衆院兵庫九区予定候補の福原ゆかりさんが「安倍政治を継承する菅政治を許さない。同じ九区から立候補する自民党現職に負けないようにがんばります。本気で政治を変えたい」と決意を表明しました。
記念講演は、「希望ある生活と青春を奪った七十年前のレッド・パージを振り返って」と題して、日本共産党中央委員会名誉役員の小西武雄さん(88)が、一九四九年~五十年に起こったレッド・パージの歴史と自らの体験を語りました。
ときに笑いを誘いながらの小西さんのお話に、参加者からは、「しんどい体験を明るく話されるのに感銘を受けた」、「いい企画をありがとう」、「レッド・パージは遠い昔話ではない」などの声が寄せられました。会場は「日本共産党を大きくしよう」の思いであふれました。
――濱口誉士(衣川後援会事務局長)

(兵庫民報2020年10月18日付)

コロナ禍、いのち守る保険調剤薬局〝減収補填・慰労金国に求める〟:民医連・保険医協会の申し入れに兵庫県が表明


新型コロナウイルス感染症対策で医療機関・介護施設などに支給される慰労金の対象に保険調剤薬局が含まれていない問題で、兵庫県健康福祉部の藪本訓弘部長(写真右)は十月二日、兵庫県民主医療機関連合会と兵庫県保険医協会の申入れに応えて「調剤薬局は感染リスクが低いとは思っていない」との認識を示し、保険調剤薬局の減収補填や職員への慰労金の予算を国に求めていく考えを明らかにしました。
申し入れでは、保険調剤薬局に対する財政支援と慰労金支給を求める知事宛申し入れ書をもとに、兵庫民医連の保険薬局代表者らと保険医協会の職員六名が県健康福祉部と懇談しました。
医療・介護関係者への慰労金について、井戸知事は国の方針と異なり一部を支給対象に含めない方針を示しましたが、批判が集中し、撤回しました。しかし、その後も県は、保険調剤薬局を「クラスター発生の恐れは低く、医療機関の従事者とは性質が異なる」とした国の考えに沿い、対象から外していました。
薬剤師で神戸医薬研究所の山口扶左子代表取締役(写真中央)は「長期投薬が増え、気になる患者が出ている。薬代も高くなり我慢する方も多い」と薬局から見えるコロナの影響を説明。また、保険調剤薬局は投薬窓口や訪問時などで感染リスクは低くない現状を訴えました。
日本薬剤師会の調査でも処方箋数が昨年五月同月比較で二三・七%減など、薬局経営は厳しく、いのちと健康を守る医療機関の確保として経済的補填を訴えました。
申し入れには、日本共産党のきだ結、ねりき恵子、いそみ恵子、庄本えつこ、入江次郎各県議も同席しました。
―堤匠(兵庫民医連)

(兵庫民報2020年10月18日付)

地方消費税収減――税収のあり方転換求めよ:県議会決算特別委員会で日本共産党・庄本議員が審査


兵庫県議会決算特別委員会で二〇一九年度決算審査が始まり、日本共産党の庄本えつこ議員が連日、審査を行っています。(十月十九日まで。二十日、二十一日は予備日)

財政状況


庄本議員は二〇一九年十月一日に一〇%への増税が強行された消費税について、当初予算で増税により見込んだ増収分と決算で確定した税収について聞き、当局は、「当初予算では、消費税増税と好況で輸入が伸び、貨物割増の予測のもと百億八百万円の増収を見込んだが、米中貿易摩擦により輸入が落ち込み、大都市圏の税収減により、決算清算後では、五億三千九百万円の減収となった」と答えました。
庄本議員は「地方消費税税収は、増税などで百億の増収を見込んだにもかかわらず、五億もの減収となっている。知事は消費税増税を推進してきたが、減収となっている責任は重い。消費税は、低所得者層に大きな負担となり、今後、コロナの影響が大きくなるもとで、さらに消費が落ち込み、税収も減る悪循環に陥っている。緊急経済対策として、消費税を五%に減税し、これまで引き下げてきた法人税率の引き上げや、高所得者層の所得税率引き上げなど、税収のあり方の転換を国に求めるべきだ」と主張しました。
井戸敏三知事が、コロナの影響で今年度、来年度の県税収入が千億円、二千億円落ち込む見込みがあるとして国の財政措置を求めながら、「県の行財政運営についても行財政構造改革時にも増して英知を結集し、全般にわたる必要な対策を検討する」と発言していることに対し、庄本議員は、「これまでの県行革が県民サービスを切り捨て、コロナでの健康保険事務所などの逼迫状況もつくってきた。県内中小企業、農業など基幹産業を支援し、子ども・高齢者などの福祉サービスを充実させるなどの福祉・暮らし支援を優先させる施策をすすめ、定着人口をふやし、税収を確保するなど税制運営の転換を行うべきだ」と迫りました。

企画県民部

庄本議員は、今年度改定が検討されているひょうご男女いきいきプラン2020・ひょうごアクション8(第三次兵庫県男女共同参画計画)について審査。県における女性管理職の比率について、「目標の一五%は達成したというが、もともとの国の目標は三〇%で、国連では、二〇三〇年までの男女の完全な平等「五〇%・五〇%」が提唱されている。女性の能力を十分に発揮するために早期に三〇%、二〇三〇年までに五〇%を掲げ、施策を整備すべきだ」と提起しました。
また、県内の自治体含め、全国でひろがるパートナーシップ制度を県としても導入すべきだと主張しました。

健康福祉部

庄本議員は、芦屋健康福祉事務所(保健所)を、阪神北県民局と阪神南県民センターの統合にともない廃止し、宝塚健康福祉事務所の分室とするとされていることについて「芦屋市議会が全会一致で存続すべきとの意見書を提出している。同市のコロナ感染者は人口十万人あたり九十二・二人と全県で一番多い。地理的条件を見ても、廃止・分室化ではなく健康福祉事務所として残すべきだ」と主張しました。
当局は「国の設置基準を大きく上回っており廃止方針は変わらない。しかし、地域住民の不安や要望も聞き、対面の感染症対策などの機能をどうするかについては慎重に検討したい」としました。
(次号へ続く)

(兵庫民報2020年10月18日付)

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ(4):地域医療守るゆとりある体制を

日本共産党兵庫県議会議員 入江次郎 

新型コロナウイルスパンデミックの収束が未だ見えません。
県内の感染症病床は、二〇〇〇年には一種が二床、二種が四十六床、結核病床が八百三十一床でしたが、今年二〇二〇年には一種が四床、二種が五十床、結核病床が百五十床と、この二十年間で感染症病床全体では四分の一弱に削減されました。
本来、新型コロナウイルス感染者は感染症病床での療養となりますが、病床の不足から厚労省は、一般病床での患者受け入れを認めました。それでも兵庫県では四月十九日には、準備していた二百九十六床中二百八十八床が、重症者病床については四月二十二日に、三十七床中三十二床が埋まり、逼迫しました。
このため、地域の中核的医療機関で通常の外来診療、手術などに支障が生じ、県立加古川医療センターでは救急患者の受け入れを制限する事態もおきました。
*
新型コロナウイルスパンデミック以前から、厚労省は地域医療構想の実現を都道府県に迫り、公立病院の統合再編を推進してきました。
兵庫県では二〇一八年度比で二〇二五年度までに五千九百三十三床の急性期病床を削減することなどを迫り、その具体化として二〇一九年七月、脳卒中、心筋梗塞、がん、など五疾病五事業の診療実績のない県下十六の公立公的病院を名指しし、二〇二〇年九月までに統合再編、もしくは病床機能転換の結論を出すよう医療機関及び地域医療調整会議に迫りました。
*
しかし、新型コロナウイルスパンデミックのなか、中川俊男日本医師会副会長(現会長)は「地域医療構想では、新興感染症に対する医療提供体制の確保という視点が欠落していた」「平時にぎりぎりの医療提供体制ではダメだ」「新興感染症病床の候補として統合再編病院として名指しされた公立・公的医療機関の病床をそのまま空けておくのも一つの在り方だ」と地域医療構想の見直しを表明しました。また、統合再編病院として名指しされたいくつかの県内の医療機関では、感染者が増加する中で、帰国者接触者外来を設置し、陽性患者の入院病床を確保するなど公立公的病院としての役割を大いに発揮しました。
このような状況変化の中で、厚労省は二〇二〇年八月三十一日、「具体的対応方針の再検証等の期限について」と題し、「感染症への対応の視点も含めて……社会保障医療部会において議論を開始したところである。このため地域医療構想に関する取り組みの進め方について改めて整理のうえ示す」旨を、都道府県知事に通知しました。
新型コロナウイルスパンデミックを踏まえ、効率を最優先する地域医療構想の中止をあらためて求め、地域医療を守る運動を大きく広げることが必要です。
*
国の悪政をさらに推進する県政から、住民の暮らし、福祉を守る県政へ転換しましょう。

(兵庫民報2020年10月18日付)



ジェンダーわたしの視点:選択的夫婦別姓早期導入を


日本共産党兵庫県委員会ジェンダー平等委員会 門屋史明 

ジェンダー平等ということで、私が最初に意識をしたのは、学生時代の科学的社会主義の古典の学習の中で、「社会の進歩は、美しき性の社会的地位を尺度として、正確にはかることができるものです」(マルクスからクーゲルマンへの手紙一八六八年十二月十二日)という文章にふれたことです。
それまで、女性の社会的地位というようなことをあまり考えてこなかったので、社会の在り方を考える一つの視点として衝撃をもってうけとめ、エンゲルスの『家族・私有財産・国家の起源』などにも触れるようになりました。
さらにその後、活動を通じて知り合った女性と結婚するというときに、あらためて私自身に、ジェンダー問題がつきつけられたと思います。パートナーからは、籍を入れない事実婚を希望したいと言われました。それは、結婚してもこれまでの姓を名乗って生きたいからということでした。
ある意味、普通のことだとは思いましたが、私の両親も、パートナーの両親もそれぞれ同じ姓となっていたし、周りを見ても姓が違うという夫婦も、まだそんなにいないなかで、両親などにもどう説明したらいいのかなど、悩んだりもしました。
しかしそのなかで、夫婦同姓を義務づけているのは日本しかないことや、日本では、結婚の際に、ほぼ女性が姓を変え、それにより仕事やさまざまな手続きなどの不利益をこうむることなどの弊害があることなども知り、夫婦同姓が当たり前ではないんだと思うようになりました。
結婚のさいに一番大事にしたのは、互いを尊重しあうということでした。そういう立場に立ち、事実婚にして、それぞれの姓のまま、生きていくという道を決断しました。
その後、生活上も――子どもも産まれ小学校に通っていますが――特段、困ることはありません。ただ、両親に心から理解されていたのかと言われれば、そうとも言い切れません。姓も含めてですが、息子のパートナーは、こうあるべきという固定観念が、見え隠れするときもあります。
日本の選択的夫婦別姓については、一九九六年に法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を含む民法改正の答申をし、すでに二十四年がたつにもかかわらず、いまだに実現していません。しかし、各地方自治体からの請願などがひろがり、国会でも自民党も含めて選択的夫婦別姓の導入を求める声が高まり、最近では、担当大臣が、改定される男女共同参画基本計画に盛り込みたいと発言するなど、いよいよその機運が高まっています。
早期の実現を目指して、世論と運動をさらに広げるために力を尽くしていきます。

(兵庫民報2020年10月18日付)

宮本たけし「学術会議人事介入――本音を代弁した橋下徹氏」:連載「東奔西走」


菅義偉首相が日本学術会議の会員の選任にあたって、学術会議から推薦された名簿から六人を排除したことが大問題となっています。当事者が直ちに抗議の声を上げるとともに、学術会議は首相に「理由の説明」を求め、六人を速やかに任命するよう要請しました。
これは憲法に保障された学問の自由を脅かす大問題です。戦争法や共謀罪法、辺野古新基地建設などに批判的な立場の人を排除したのではないかと指摘されていますが、菅首相は「推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか考えてきた」などと、自らが主体的に任命除外に関わったことを認めました。ところがその理由については何も語らず「学問の自由とはまったく関係ない」などと繰り返すばかりです。
しかし、その首相の本音を代弁した人がいます。橋下徹氏は十月二日、自身のツイッターで学術会議に触れ、「このような団体が…たっぷりの税金を受けている大学において軍事研究を禁止する決定ができる根拠は何なのか」などと記しました。
つまり日本学術会議が大学等の軍事研究協力に批判的な立場をとっていることが気に入らないというわけです。しかし、大学等を軍事研究に引き込むための政治介入など断じて許されるわけがありません。
首相の母校・法政大学の田中優子総長は、この問題を「見過ごすことはできません」との抗議の姿勢を大学の公式サイトで示しました。船出早々、座礁しかけているのはまさに菅内閣の方です。
(日本共産党前衆院議員)

(兵庫民報Web版のみ)


弁護士政治連盟兵庫県支部と懇談:日本共産党県委員会と清水衆院議員

日本共産党兵庫県委員会と清水ただし衆議院議員・比例候補は八日、日本弁護士政治連盟兵庫県支部(幸寺覚支部長)と懇談しました。
まず幸寺支部長が「弁護士会は政治活動ができないので、政治に関わる事は政治連盟が行っており、各党分け隔てなく要望・意見を申し上げている」と挨拶。これを受けて松田隆彦党県委員長は「わが党は次の選挙で政権交代を実現する決意をした。憲法破壊、法治主義否定の政治をこのまま続けさせる訳にはいかないという思いです」と挨拶。清水議員も「最初の質問は司法修習生への支援問題で、その後も日弁連とよく意見交換し、勉強させていただいた」と挨拶しました。
続いて弁政連から「新型コロナウイルス感染症流行下における災害法制の適用問題」「死刑制度問題」について要望や意見が出されました。
党側からは、党創立九十八周年記念講演パンフと、十月二日に政府へ提出した「新型コロナ危機から命とくらしを守り、経済を立て直すための緊急申し入れ」について説明しました。
意見交換では、弁政連から、「災害救助法の枠組みを参考に、例えばコロナ支援策についてよく整理し、生活支援などは権限を市町村に委ねることで、きめ細かくスムーズな支援ができる」と提起がありました。また、今後、中小・個人事業所の大量倒産の危険があることも指摘され、清水議員は「困っている人達に司法の救済の手を差し伸べることも大切なこと」「提案はしっかり受けとめ、国会で生かしたい」と述べました。
コロナ対策については、弁政連の提言と党の政策に共通点が多く、死刑制度問題についても問題意識が共有できました。

(兵庫民報2020年10月18日付)


芦屋で憲法問題の講演学習会:和田名誉教授――敵基地攻撃能力保有を批判


芦屋平和委員会や新日本婦人の会芦屋支部など九団体で構成する「戦争する国づくりストップ!芦屋連絡会」は十月三日、憲法問題での講演学習会を開催。兵庫県憲法会議代表幹事の和田進神戸大学名誉教授が「安倍退陣後の改憲問題の動向……『敵基地攻撃能力の保有』の浮上」をテーマに講演しました。
和田さんは、安倍首相の「敵基地攻撃能力保有」への異常な執着を継承した菅政権の危険性を指摘。その背景に「攻撃型兵器はもてない」としてきた一九七〇年代からの「専守防衛論」を逸脱する動きが二十一世紀になって自民党の中で進んできたことを紹介。「敵基地攻撃」とは「先制攻撃」にほかならないと批判し、莫大な予算が必要となるが、コロナ禍の下、国民の命と暮らしを守ることにこそ注ぐべきだと強調しました。
最後に「敵基地攻撃能力」の保有は「軍事的抑止のパラドックス」「安全保障のジレンマ」と呼ばれる果てしない軍拡競争の蟻地獄に落ち込んでしまうと「抑止力」論を批判し、平和の地域共同体を北東アジアにも構築する外交的努力が肝心であると締めくくりました。
参加者から質問や意見も熱心に出され、日本の軍需産業の利益追求との関係についての質問には「米国の軍事装備を買う約束を果たすことの方が大きい」との参加者の意見も出され、和田さんも「その点でも対米従属の深さを示している」と強調しました。
―平野貞雄(芦屋平和委員会)

(兵庫民報2020年10月18日付)

西宮で憲法を考えるつどい:西谷さん――真実を知り投票すれば変わる

「九条の会」西宮ネットワークは「憲法を考えるつどい」を十月十日、西宮市立勤労会館大ホールで開催しました。六月末開催予定でしたが新型コロナ禍により延期していたものです。
台風14号の影響が心配されましたが、阪神間のみならず、京都、明石からの人もあり、約六十名の参加者が集いました。
『コロナ禍から見える日本と世界~日本国憲法の生命力~』をテーマに「イラクの子どもを救う会」代表でジャーナリストの西谷文和さんが講演しました。
西谷さんは、次の総選挙で再び国民がだまされるのか、だましを見抜けるのかが大きな争点だと指摘。菅首相はメディアに対してアメとムチを駆使して虚構の人気をつくり上げようとしたものの、日本学術会議推薦会員任命拒否問題で本質が明らかになりつつあり、いま、有権者が真実を知り、新しい政治をつくる勢力に投票すれば政治は大きく変わると強調しました。
最後に、私たちの力は決して小さくなく、確信をもち、新たな段階に入った九条改憲をめぐる今後のたたかいに頑張っていこうと呼びかけました。
―上田隆(「九条の会」西宮ネットワーク事務局)

(兵庫民報2020年10月18日付)


福島原発事故を忘れない!――11日に各地で集会・宣伝

加 印

「福島原発事故を忘れない&老朽原発うごかすな!加古川集会」が十月十一日、JR加古川駅南広場を会場に、加印革新懇と脱原発はりまアクションの主催で行われ、約百人が参加しました。
福島原発事故避難者、若狭の原発を考える会からの報告、地元の各団体や日本共産党と立憲民主党からの発言、ギター演奏、歌などがあり、集会後は駅前をデモ行進して市民に脱原発・老朽原発動かすなと訴えました。 



神 戸

「原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会」(原発なくす兵庫の会)は十月十一日昼、神戸大丸前で宣伝を行いました。
原発なくす会は毎月十一日、東電福島事故の風化を許さず、原発ゼロの行動を続けています。
この日は各弁士が「関西電力は、地元に四十年たてば廃炉にすると約束していた老朽原発を来年一月からさらに三基再稼働しようとしている。福島原発事故で約十年たっても約五万人も全国に散らばって避難しているなど、終わっていない」「関電は一月から三基の老朽原発の再稼働をすすめようとしているが、原発がなくても電気は足りている。賄賂発覚で原発が彼らの利権だったことも明らかになった。原発から撤退する政治をつくろう」などと訴えると、通りがかりに激励の声をかける人もあり、ビラも多くの人に受け取られました。 



(兵庫民報2020年10月18日付)





深刻さ増す相談内容:コロナ災害を乗り越えるいのちとくらしを守るなんでも電話相談会

十月十日、兵庫では三回目となる電話相談会を実施。今回も、自由法曹団の弁護士や、兵商連、兵生連、兵庫労連の役員らが相談に応じました。
相談件数は一番少なかったものの、県内から十九件寄せられ深刻な相談も受けました。感染拡大が収束しない状況で、自営業や労働者など多くの人の生活がますます困難になっていることが浮き彫りとなりました。
「国からの給付や貸付金はすでに届いたがそれも使い果たし他に何か利用できる制度はないか」との問い合わせもありました。また、「借金があり国保の減免や貸付金の相談のため役所に行きたいのだが」という相談者には日本共産党の市議会議員を紹介しました。
相談内容はより深刻なものになっています。政府や自治体の支援制度について周知するとともに、より一層の充実した制度が必要と感じた相談会となりました。
―土井直樹(なんでも相談会兵庫県実行委員会事務局・兵庫労連)

(兵庫民報2020年10月18日付)



「無罪を勝ち取る兵庫の会」総会:市民運動への大きな意義を強調


倉敷民商弾圧事件「禰屋裁判」無罪に向けて支援を強めようと、「無罪を勝ちとる兵庫の会」の第六回総会が十月七日開かれ、県内各地から三十二団体百八人が参加しました。 
この事件は、「暮らしと商売を守ろう」「平和と民主主義を守ろう」と運動している団体に対する不当な冤罪であり、自公政権による「戦争する国づくり」と一体となった弾圧事件です。
「禰屋裁判」は、二〇一八年一月の二審で一審判決の不当性が断罪され、審理は岡山地裁に差し戻されましたが、二年九カ月を経て、今だに裁判が開かれない異常な事態となっています。
この間、弁護団、裁判官、検察官の三者打ち合わせが十五回行われていますが、検察側が立証計画においても、証拠調べにおいても、そもそも起訴などあり得ない事案を、運動団体への弾圧ありきで起訴したことが明白になっています。
総会では、京都大学法科大学院の高山佳奈子教授が「近年の刑事制度の濫用と倉敷民商弾圧事件」と題して講演。「近年、犯罪件数が三分の一に激減する中で、公務員の定員削減にもかかわらず警察は人員が強化され、『仕事がない』状態となっている。これを背景に、従来、およそ犯罪とは考えられてこなかった事象が弾圧的摘発の対象となっている。大学教授の秘書が税務処理をして税理士法違反に問われることなどあり得ない。同様に、民商という会員制の互助的組織の行為が犯罪に問われるのはおかしい。税理士制度を害する危険はなく無罪を主張するべきである」と呼びかけました。
禰屋町子さんは「不当逮捕から六年八カ月。これまで私を支えてくれたのは、全国からの支援です。広島高裁の地裁差戻し判決後、地検には二十八回起訴取り下げの要請を、地裁には五十九回地検に起訴取り下げを求めよとの要請を行ってきました。この裁判には、運動団体の未来がかかっています。署名と支援募金に大きなご協力をお願いします」と支援を訴えました。
最後に、「共謀罪」の先取りと言われる、この弾圧事件の無罪を勝ちとることは、市民運動の今後にとって大きな意義を持つとして、「弾圧をはねのけ、『禰屋裁判』の無罪を勝ち取るまで奮闘しよう」との特別決議を採択。「無罪要請個人・団体署名」と、裁判支援の募金活動の強化を確認しました。
―田中邦夫(兵商連) 

写真:支援を訴える「倉敷・兵庫の会」会長の松山秀樹弁護士

(兵庫民報2020年10月18日付)

国民救援会兵庫県本部大会:再審法改正求める議会意見書採択など前進

日本国民救援会兵庫県本部は十月十日、神戸市の生田文化会館で第五十七回大会を開催しました。 
日本共産党県委員会の浜本信義さん、兵庫労連、治安維持法同盟など各界の来賓が「菅内閣の悪政を許さず、憲法を守るため、連帯してたたかおう」と挨拶しました。
議事では濱嶋隆昌事務局長が報告し、討議が行われました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、代議員定数を半減した大会でしたが、多くの発言がありました。
八月に阪神芦屋駅前でPCR検査の促進を求める正当な宣伝活動をしていたところ警察に強制連行された当事者からは、関係者や国民救援会、自由法曹団の支援で早期終結したことの報告。強盗殺人の犯人とされ再審をめざす神戸質店事件の緒方秀彦さんの母、生存権裁判の原告、そのほか事件関係者から支援の訴えがあり、コロナ下で奮闘する県下各地の会員の奮闘が報告されました。
今大会の特徴は再審法改正に関心が集まったことです。近年、冤罪が社会的な問題になっているなか、再審手続きに関する法律の整備を求めて地方議会で意見書を採択する動きが広がっており、国民救援会も県内で議員への陳情、請願をとりくんでいます。
神戸市議会では九月二十四日、「再審法」改正についての審議促進を求める決議が全会一致で採択されましたが、全国的にも政令指定都市での採択ははじめてです。ロビー活動に参加した代議員は、「神戸市内九支部で共同して全議員に働きかけた。全区に支部をつくってきた運動と冤罪被害者の実状の訴えが実っていると思う」と発言しました。
大会は、近藤正博会長代行ほか新役員を選出し、改憲、安保法制を許さず、すべての事件勝利と二千三百名会員をめざす方針案を採択しました。
―濱嶋隆昌(同会事務局長)

(兵庫民報2020年10月18日付)



神戸演劇鑑賞会10月例会:人形劇団プーク「現代版・イソップ『約束…』」「うかうか三十、ちょろちょろ四十」


第一部「現代版・イソップ『約束…』」は、作家・田辺聖子の「私本・イソップ物語」から脚色した。三話構成で、主人公は、キツネ、狼、等で、動物が活躍する寓話劇になっている(写真上は熊)。
一話と二話は、生き抜くために、必死に格闘する動物の姿が、生々しく、動物か、人間か迷う楽しさがある。心に響いてくるのは、第三話で、まるで現代の社会を丸ごと映しているようで、身につまされる。情報化社会はどんどん進み、その中で取り残されて行く人間の姿を、ムジナ、月の輪熊が、大事な事ってなに、と語りかけてくる。
主人公の狼の台詞は関西弁で、ユーモアのある語りかけと諷刺の利いた会話はみごとです。
第二部は井上ひさし作「うかうか三十、ちょろちょろ四十」。東北のとある村へ足の悪い殿様がお忍びでやってくる。桜がひらひら舞い散るなか、殿様は美しい村娘ちかに一目惚れ。しかし、ちかには大工の権ずと暮らすと、はっきり断られる。殿様は心を病んでゆく。そして、九年後の春、そしてまた九年後の春、人の命は儚く変わってゆく。東北弁の豊かな美しさの中で、変化する人の命、逞しくもあり、ほのかに哀しい、物語です。
十月の舞台は二部構成で、等身大の人形を俳優が操り大人から子供まで楽しめる二作品です。田辺聖子、井上ひさしの競演で、人間を見つめる深い思いの中に込められた諷刺とユーモアが関西弁と東北弁で見事に浮き上がってくる。人形劇団プークの力演を楽しみたい舞台です。
尚、音楽は、ポルトガルギターとマンドリン奏者のマリオネットのおふたりが、花をそえます。
―小谷博子(神戸演劇鑑賞会) 

人形劇団プーク「現代版・イソップ『約束…』」「うかうか三十、ちょろちょろ四十」

第1部「現代版・イソップ『約束…』」原作=田辺聖子、脚色・演出=井上幸子/第2部「うかうか三十、ちょろちょろ四十」作=井上ひさし、演出=井上幸子/出演=岡本和彦、大橋友子、滝本妃呂美ほか/①10月23日(金)18時30分、②10月24日(土)11時、③同日16時/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/Tel. 078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653

神戸演劇鑑賞会:
http://kobeenkan.my.coocan.jp/
人形劇団プーク:
https://puk.jp/

(兵庫民報2020年10月18日付)

大門みきし「さよならミョンソン」

連載エッセイ55


私の初恋の人はミョンソンという名前の美しくて聡明な在日コリアンの女の子でした。京都の小学校の五年生の時、道で自転車を直してあげたのがきっかけで仲良くなり、ミョンソンの家にもよく遊びに行きました。こわいハラボジ(おじいさん)がおられて、「なんでおまえらは朝鮮の子をいじめる。日本人の祖先は大陸から渡ってきた。元をただせば、みな兄弟やないか」と毎回、説教されました。オモニ(お母さん)は美味しい玉子雑炊を作ってくれる優しい方でした。
その後ミョンソンは朝鮮中学校に進み、私と会ってくれなくなりました。
それからほぼ半世紀後。二〇一五年の大阪都構想の住民投票の際、住吉区で地元の方々と反対の宣伝活動をしている姿をフェイスブックに投稿したら、ミョンソンからメッセージが届きました。「大門君、お久しぶりです。今は大阪の生野区で、娘と孫と暮らしています。都構想反対です。大阪市にはとてもお世話になったんです」と。また私のカジノ追及の国会中継を見て、「カジノはいやです。大門君の正義感は小学生の時と少しも変わらへん。だから共産党なんやね」とメッセージをくれました。
いつか会いたいと思っていたのですが、先日、京都の友人から今年の春に病気で亡くなったと聞きました。会っておけばよかった。なぜ中学生になったら離れていったのか、大阪市にお世話になった話も聞きたかった。色んな苦労があったんやね。さよならミョンソン、安らかに。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2020年10月18日付)

観感楽学:「波よひろがれ」―非核「神戸方式」のテーマソングだ。


「波よひろがれ」―非核「神戸方式」のテーマソングだ。三十年前、詩人の小森香子さんを神戸に招き神戸港などを案内。神戸は山と海が近接する美しい街、米軍基地撤去の市民のたたかい、函館や呉など全国に、さらにニュージーランドなど世界に広がろうとしていることなどを説明した▼小森さんは、一番=「緑連なる六甲の山」「青く広がる神戸の港」、二番=「たゆまぬ平和の署名 国中の声集め」、三番=「七つの海に平和の波を」「世界に広がれ 核のない港」と、神戸→日本→世界と広がる歌に仕上げられた▼きたがわてつさんが曲をつけた。「私の作品の中で美しいメロディーのベスト3に入る」と語るほどの出来映えだ。神戸市議会決議全文にも曲をつけた。「日本国憲法前文」を歌いヒットさせたことに続く感動の作品だ▼四十五周年記念集会では入場者制限するなどコロナ感染症対応で、いつものように全員合唱でのエンディングとはいかず、兵庫県各地の「うたごえ」と〝てっちゃん〟とのコラボが映像で流される。集会には海外からのメッセージ映像も紹介される。「広がる願い 寄せ返す叫び」で、平和に背を向ける菅新内閣を追いつめよう。(K) 

「波よひろがれ」
歌詞と楽譜:
http://bunbun.boo.jp/okera/nano/nami_hirogare.htm 
42周年記念集会(2017年)エンディング:

きたがわてつさんプロフィール(センタープロ):
http://www.centerpro.co.jp/artist/kitagawa-tetsu

(兵庫民報2020年10月18日付)

2020年10月11日日曜日

市民と野党の共闘で連合政権を:2区政策意見交流会


「兵庫二区政策意見交流会」が十月四日、長田区内で開かれ、立憲民主党のふなかわ治郎さん(兵庫県第二区総支部長)、新社会党のあわはら富夫さん(県本部委員長・神戸市議)、日本共産党の宮野つるおさん(兵庫・長田・北地区委員会常任委員)、緑の党の松本なみほさん(共同代表)が各党を代表して発言しました。立憲民主党の桜井周さん(兵庫県総支部連合会代表・衆院議員〈兵庫六区〉)、社会民主党の梶川みさおさん(兵庫県連合代表・宝塚市議)からもメッセージが寄せられました。
この交流会を呼びかけたのは、生田診療所所長の武村義人さん、番町診療所所長の松岡泰夫さん、劇団どろ演出家の合田幸平さん。最初に武村さんが基調報告を行い、来るべき総選挙で国民の生命・くらし・平和を守る政治に転換するために市民と野党の共闘をすすめようと問題提起。それを受けて、ふなかわさん、あわはらさん、宮野さん、松本さんが発言しました。(文責編集部)

立民・ふなかわさん
不妊治療を続けて、東日本大震災の時に息子を授かったことをきっかけに、政治で恩返ししたい、だれも死なない・支えあう社会をと活動してきた。野党共闘をめざして自公と対抗する政治を実現したい。市民連合の十五項目の要望書の実現にむけてがんばる。

新社会・あわはらさん
災害は社会の矛盾をあきらかにする。弱者をいかに救うかが政治の役割。前回は兵庫九区で共産党と一緒に候補者をたてた。今回は野党統一候補として一本化しようと話し合っている。共産党と政策協定を結んだ。立民とも話し合っている。共通政策に気候変動問題・被災者生活支援法の充実・などを加え、菅政権を倒して政権を変える政策を示して総選挙をと思っている。維新の動きにも注意が必要。

共産・宮野さん
生命・くらし・平和を守るために国政でたたかおうと決意した。安倍政治の負の遺産を終わらせて新しい政治を実現したい。日本共産党はコロナをのりこえた先に①ケアに手厚い社会をつくる②人間らしく働ける労働のルールをつくる③一人ひとりの学びを保障する社会④危機に強い経済をつくる⑤科学を尊重してコロナ対策を⑥文化・芸術を大事にする政治を⑦ジェンダー平等社会をつくる―ことを提案。人間を大切にする社会をつくるために頑張りたい。

緑の党・松本さん
大企業が政治献金をし、日本のエネルギー政策を握っている。これらの企業に融資している銀行を利用しないという声を広げたい。衆議院選挙で候補者はだせないが、野党共闘を成功させたい。
*
各党の発言に対し会場から、「もっと教育問題での具体的提案を」「PCR検査数を増やす必要・介護保険・国保料問題で国の負担を増やしてほしい」「候補者の一本化を実現してほしい」「消費税を五%に引き下げを」などの発言があり、発言者がそれぞれに応え、コーディネーターをつとめた武村さんが、大阪の都構想問題にふれ、維新政治は新自由主義そのものであることなど指摘するとともに、政治への怒りを結集して本気の共闘をしようと呼びかけました。

写真:(左から)緑の党・松本さん、共産・宮野さん、新社会・あわはらさん、立民・ふなかわさん

(兵庫民報2020年10月11日付)

市民と野党の共闘で連合政権を:7区市民と野党の政策懇談会


「連合政権をめざす兵庫七区市民連合」の呼びかけで「市民と野党の政策懇談会」が十月四日、西宮市内で開かれ、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、新社会党の各代表と市民が語り合いました。
同市民連合共同代表の冨田宏治関学教授が最初に発言し、「菅首相による学術会議会員の任命拒否に対し、急速に批判がひろがって早期解散が困難になった。その条件のもと、立憲野党がしっかりと共闘して総選挙をたたかう態勢をつくろう。市民連合が出した『十五項目の要望書』をベースに、市民と野党が要求と政策を仕上げるスタートの場としたい」と問題提起しました。
*
四党代表のそれぞれが次のように決意を披歴しました。
立憲民主党の安田真理さん(兵庫七区総支部長)は「市民連合の『要望』は全面的に同意できます」
日本共産党の庄本けんじさん(西宮・芦屋地区委員長)は「次の選挙で政権をとる構えで臨む」
社会民主党の魚谷直生さん(兵庫県七区支部長)は「自公政権を倒し立憲野党連立政権をつくろう」
新社会党の山口みさえさん(芦屋総支部書記長、芦屋市議)は「現場の声が受け止められる政治の実現を」
*
参加した市民からは、消費増税とコロナによる業者への大打撃、学校の大切さを実感させた「コロナ休校」、保育士や学童指導員の処遇改善の切実さ、コロナで露呈した低い食料自給率の怖さ、発熱外来を実施するほど経営危機になる病院など、市民連合の「政策要望十五項目」を裏付ける実態が次々と語られました。
*
参加者からは「すごく元気が出た。立憲野党がひとつにならないといかん」「貴重な現場の声が聞けた」「このような機会を重ねていきたい」「各党が信頼感をもって一緒にやっていける、と実感できた」などの感想も話されました。

写真:(左から)新社会・山口さん、共産・庄本さん、市民連合・冨田さん、立民・安田さん、社民・魚谷さん

(兵庫民報2020年10月11日付)

日本共産党が社民党・新社会党と次期総選挙へ政策協定


日本共産党兵庫県委員会と新社会党兵庫県本部は十月二日、次期総選挙にむけ、政策協定を結びました。
また新社会党県本部は、日本共産党の兵庫八区こむら潤さん、兵庫九区福原ゆかりさんの推薦を決定しました。
*
また、日本共産党兵庫県委員会と社会民主党兵庫県本部も八月十二日に政策協定を結んでいます。こむら潤さん、福原ゆかりさんの推薦も九月四日に決定しています。
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合意した政策はいずれも、①憲法にもとづき、立憲主義、民主主義、平和主義を回復する②新自由主義から転換し、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治にきりかえる③脱原発、再生可能エネルギーの拡大で、持続可能な社会をつくる④多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く――の四本の柱からなっています。 

写真:調印を済ませた(左から)新社会党県本部の菊池憲之書記長・あわはら富夫県委員長、日本共産党県委員会の松田隆彦委員長・村上亮三書記長

(兵庫民報2020年10月11日付)

シリーズ憲法が輝く兵庫県政へ(3):深刻さ増す青年の状況

日本民主青年同盟兵庫県委員長 上園隆

民青同盟兵庫県委員会では二〇二〇年三月から新型コロナウイルスに関する青年の実態調査に取り組んでいます。九月二十六日現在百八十三人から実態が寄せられていますが、寄せられている声はいずれも深刻です。いくつか具体的な声を紹介します。
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美容師として働いている青年からは「美容室は給付金の対象外だったので営業しなければならず、お客さんは自粛しているので売り上げが激減して大変な影響を受けています。お店がつぶれてしまうのではと不安だ」という声が寄せられました。
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私立中高一貫校の非常勤講師の青年は「自粛期間中は各家庭にオンライン授業に必要なタブレット端末の用意をお願いしたが、用意できない家庭も相当数あった。そうした生徒には学校から貸し出すことにしたが、学校側もお金がないので必要数を用意することができなかった」「自粛期間が明けてからは、生徒同士の人間関係がまだ作られていない様子で授業の反応が悪い」「教員を増やしたり私学に対しても助成を増やすなど、政府はもっと教育分野にお金を使って欲しい」と切実な実態を訴えました。
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大学生からは「バイトに入れず収入がなくなって困っている」という声が多数寄せられました。自粛期間が明けて以降も、バイト求人に学生が殺到しておりなかなかすぐに採用されないという実態も寄せられています。また、バイトが決まった学生も「とにかくバイトに入れる時に入ろうと思って八月は二十六日間バイトを入れました。さすがに体調も崩した」という声も出されています。
オンライン授業に関しては「授業の質が著しく低下している」「実技科目も全てオンラインなので意味があるのかなと思ってしまう」などの声も出されています。
また、オンラインが基本だったため大学の友達がまだできておらず学生生活の相談を気軽にできる人がいないという悩みも出されています。
求める要望としては、学費そのものを値下げして欲しいという声や、受け取る給付金の拡充を求める声が相次いでいます。
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高校生からは「遅れた分の授業を取り戻すために授業の進行が早くて大変」「部活の大会がなくなってしまった」などの声が寄せられました。
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民青同盟兵庫県委員会では寄せられた声を四月に兵庫県へ、七月には県内の野党各党へ届けており、十一月には県議会請願に取り組む予定です。

(兵庫民報2020年10月11日付)



憲法県政の会が討論会:コロナ禍における政治・県政のあり方問う


次期兵庫県知事選挙を来年七月に控え、「憲法が輝く兵庫県政をつくる会」は十月四日、「コロナ禍における政治・県政のあり方討論会」を開催し、二十三の地域の会・加入団体から六十九人が参加しました。
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石川康宏代表幹事は、講演「私を助ける政治をつくろう」で、「世界でも日本でも、市民に自助を求める政治から市民の命と暮らしを守る公助の政治への転換が大きな課題になっている」として、公助の政治の到達として北欧デンマークの社会にも触れ、「市民を助けようとしない政治と生活の困難に当惑する人々に、〝私を助ける政治を一緒につくろう〟〝野党連合政権で政治を変えよう〟と呼びかけよう」と問題提起を行いました。
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日本共産党の入江次郎県議は、兵庫県が十年にわたり「行革」で県職員と住民サービスを削減したにもかかわらず、二〇一九年度単年度収支が十二年ぶりに赤字になったことに触れ、「輸出とインバウンド頼みからの転換が求められている。国の方針に沿って病院の統廃合や保健所の削減を進めてきた問題点がコロナ禍で明らかになった。公助が大切にされる県政への転換を」と報告(写真)。
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東郷泰三事務局長が、「命と暮らしを守る県政への基本政策づくり。共同も視野に入れた候補者づくり。地域の会の再開を進め、地域の要求を政策に反映させる。SNSを活用した取り組みの強化」などの行動を提起しました。
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加入団体・地域の会からは、「学区拡大によって高校の序列化が進み、成績向上に過敏となっている生徒に心が痛む。兵庫県は少人数学級が遅れており運動を強めたい」(全教兵庫)、「三宮再開発に数千億の税金をつぎ込む神戸市政を変える運動と、県政を変える運動を連携して取り組もう」(兵庫労連)、「この間、各自治体へ七十回以上の要請行動をしてきた。県は女性管理職が一〇%、賃金格差が四九%と女性施策が著しく遅れている」(新婦人)、「地域での総がかり行動を中心にした共同の広がりをさらに進めていきたい」(明石の会)、「世話人会を継続し二十三日には総会を開く。野党共闘、神戸市の自衛隊への個人情報提供問題など、国・県・市の政治を変える視点で運動している」(兵庫区の会)、「五年前に『兵庫県中小企業振興条例』が成立したが実効あるものになっていない。地域経済を守る自治体本来の役割を果たす県政の実現を」(兵商連)、「SNSを選挙戦略の一つとして位置づけることが大事。より多くの人に出会えるツールとして、SNSを役立てていこう」(共産党)などの発言・報告がありました。
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津川知久代表幹事は、閉会挨拶で「知事選まで九カ月を控え、たたかいのスタートラインの取り組みとなった。政策づくり・候補者づくりを進めるために、地域・団体の政策をまとめること。たたかう財政を確保すること。できるだけ早く県政を変える活動に立ち上がろう」と呼びかけました。
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討論会の冒頭、兵庫県自治体問題研究所の岡田裕行事務局長が「県民の生活を支える県政への思いを共有し、協力していきましょう」と連帯挨拶を行いました。
―田中邦夫(憲法県政の会事務局次長)

(兵庫民報2020年10月11日付)

丹波地区演説会に140人:宮本たけし前衆院議員が訴え――総選挙勝利で政権交代、丹波市議選挙で西本・西脇の2議席を


日本共産党丹波地区委員会は、総選挙の躍進と丹波市議選勝利をめざす「日本共産党演説会」を十月四日午後、丹波市氷上町のポップアップホールで開き、百四十名が参加しました。
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演説会は、宮本たけし前衆院議員が、次の総選挙で政権交代、共産党を含む新たな政権をめざすことを強調。丹波市議選での勝利はそのためにも重要だと訴えました。
また、菅首相が日本学術会議人事に介入した問題に触れ、「学問の自由」を脅かす重大事態だと批判。宮本議員が最初に追及した森友問題は、当時の安倍政権を揺るがす大問題となったが、公文書改竄で近畿財務局の職員を自殺に追い込んだ張本人は当時の菅官房長官であると指摘し、さらなる真相解明を求めました。
さらに、大阪市を廃止・解体する「大阪都」構想の是非を問う、十一月一日実施の住民投票にも触れ、「反対」への支援を訴えました。
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十一月八日告示、十五日投票でたたかわれる丹波市議選に立候補を予定している現職の西本嘉宏市議と西脇秀隆市議もそれぞれ決意を述べ、支援を訴えました。
西脇秀隆市議は、二期目の活動を振り返り、西本市議とともに、いつも住民の利益優先の立場で活動してきたこと。地元牧山川の改修、大雪被害のビニールハウスの再建助成、保育料軽減など少子化対策、デマンド・タクシーの旧町外運行、県下一高いごみ袋料金を半額に引き下げることに取り組んできたことなどを紹介。ひきつづき、新型コロナ対策や出産祝い金復活など子育て支援、少人数学級、ごみ袋料金の半額化、デマンド・タクシーの改善に取り組むことなど決意を語り支援を訴えました
西本嘉宏市議は、今回五期目の挑戦となり、この間、保育士の給与改善や非核平和都市宣言、そして、一億七千万円の柏原支所「ホテル化」を他会派とも共同で否決したことや市教委の後援名義「要綱」違反問題など党市議団の四年間の活躍と実績を示しました。さらに、「市民アンケート」の結果に基づく「八つの基本政策」を示し、この九月議会で取り上げた、デマンドタクシーの木曜日運行の実現と乗り継ぎ環境の改善、市長のごみ袋料金の引き下げ表明など、大きく前進していることを報告。市民の苦難軽減、要求実現をめざして奮闘する決意を述べ、支持を訴えました。
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また、藤尾周作さん(氷上)が西本市議への、堂本勝利さん(山南)が西脇市議への支援をそれぞれ訴えました。


 

(兵庫民報2020年10月11日付)

兵庫から女性国会議員を再び:宝塚市東部地域の後援会が集い


十月四日、宝塚市東部地域の日本共産党後援会は共催で「こむら潤さんを囲む集い」をピピア売布ホールで開きました。
宝塚市後援会会長の杉島幸生弁護士が「学術会議への菅政権による人事介入は学問も権力に従えという攻撃だ。弁護士会にも権力の『友だち』を推薦枠に入れた。非常に問題だ。共産党勝利で政治をまともに変えよう」と冒頭挨拶をしました。となき正勝、たぶち静子、横田正則の三市議は、「PCR検査の拡大を求めているが市は感染の実態を把握していない。改善させたい」「学校訪問を続けてきたが、老朽校舎やトイレの改善が遅れている。エアコンの壊れた学校もあり、早急な改善を求めている」「コロナ禍の分散登校で不登校の子が教室に入るなど、少人数学級の良さが分かったと現場からの声がある」と報告しました。
ねりき恵子県議は、「兵庫県の保健所が約半減された。保健師も四割削減のなか、懸命に仕事をされている。県に保健師正規職員増を要求してきた。県は前倒しで二十数名増員するとした。こむら潤さんを国会へ、共産党勝利で野党連合政権を実現し国民のための政治を実現しましょう」と訴えました。
衆院比例予定候補のこむら潤さんは、八百屋で生まれ育ち、家族で人形劇団をやっていたこと、学生時代からバリ舞踊に取り組んできたことなどの自己紹介に会場から驚きの声があがりました。
生活保護制度の改善や少人数学級、ジェンダー平等は緊急課題として取り組みたいと現職尼崎市議としての活動も踏まえて訴えました。会場から大きな拍手が起きました。
意見交流のあと、最後に「総選挙勝利に向けて、団結がんばろう」を行いました。
参加者は、「こむらさんの人柄がよく分かった。国政や総選挙の重要さを学んだ。兵庫から女性国会議員を再び送り出したいと感じた」などの感想が寄せられました。
―勝部昭義(宝塚市日本共産党後援会事務局) 

写真:がんばろーと参加者とともに決意を固め合う(左から)ねりき県議、杉島会長、こむらさん、たぶち・横田・となき市議

(兵庫民報2020年10月11日付)

須磨区白川・落合で赤田かつのりさんと後援会が宣伝ラリー


神戸市須磨区の日本共産党白川・落合後援会が、赤田かつのり衆院兵庫三区予定候補とともに十月四日、宣伝ラリーを行い、後援会員十人が参加しました。
秋晴れのもと東白川台から南落合まで十一カ所で、会員それぞれがマイクを持ち「野党連合政権実現を」など訴えました。
赤田かつのりさんは、コロナ対策、消費税減税、日本学術会議への菅政権による人事介入、大学学費、少人数学級などの問題で日本共産党の政策や見解を縦横に語るとともに、三期十二年の神戸市議の経験をこんどは国政の場で生かしたいと力強く訴えました。
*
コロナ禍のもと、後援会の行事・集会などを制約せざるをえませんでしたが、この日は、後援会員にもおおいに元気の湧く宣伝デーとなりました。
―古山千里(同後援会)

(兵庫民報2020年10月11日付)

兵庫県議会9月定例会でねりき議員が一般質問:検査体制強化・保健所増設などコロナ対策充実求める


日本共産党のねりき恵子県議は一日、兵庫県議会本会議で新型コロナ対策を取り上げて一般質問に立ちました。 

ねりき議員は検査体制の強化について質問。井戸敏三県知事は、「現時点でPCR検査一日千八百二十件の検査能力を確保。さらに一日二千五百件をめざす」と答弁。「膨大な検査を実施しても感染拡大防止に効果は薄い」との知事の認識に対し、ねりき議員は、「PCR検査は検体にウイルスがいるかどうかの判定は一〇〇%近い精度を持つ。検査を抑制し、肝心の感染力のある人を見逃して市中感染を広げていては本末転倒だ」と指摘。医療機関、介護施設などで陽性者が一人でも確認された場合は全員の検査、また感染者がいなくても定期的に全員検査を求めました。
健康福祉事務所(保健所)の体制強化と増設を求め、福祉部長は、「来年度の新規採用を増やすとともに今年中の前倒し採用をする」と答弁。
ねりき議員は、芦屋健康福祉事務所を宝塚健康福祉事務所の分室とする県方針について、芦屋市議会が「芦屋保健所の存続・拡充を求める」請願を全会一致で採択し県に意見書を提出しことを紹介し、分室化中止を要求。知事は「国の設置基準に従い統合する。ただ市民サービス低下を招かないよう対応を検討したい」と答弁。ねりき議員は「保健所設置基準が変わり全国の保健所が疲弊した。実態を把握し体制強化を」と訴えました。 

コロナ禍で苦境にたっている中小企業に対し、ねりき議員は、「生業を支えるためにも、日本経済活性化のためにも、コロナ禍の影響による営業への損失補償を国に求めるべきだ。県も準じた支援を」「消費税五%への減税を」と求めたのに対し、県当局は、融資制度ばかりを強調し、「営業損失への補償を国の責任として求めるのは困難」「社会保障の充実や幼児教育・保育無償化等を支える財源として安定的に確保する必要がある」としました。 

県教育委員会が教委が取り組んでいるアンケート調査には、小学校低学年の二割が「眠れない」と訴えるなど、深刻な状況。ねりき議員は、少人数学級とともに、スクールカウンセラーのさらなる増員など、子どもたちの心のケア拡充に取り組むことを求めました。教育長は、「国の来年度の方針において、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備などについて検討することが示され、県としても国に粘り強く要望していく」と答えました。 

最後に、ねりき議員は、大学での学びと学生生活への支援について質問。オンライン授業が続く中、不安とストレスを募らせている学生に対し、「学校が感染防止対策を行える予算をつけ、対面授業が再開できるよう国に求めよ」と要望。またアルバイトなどもできず、生活が困窮している学生に対し、国の学生支援緊急給付金の一律支給や授業料の半額免除などを求め、早期に大学学費を無償にするよう求めました。
県当局は、感染防止対策について、国に対し、国立・私立大学に運営費の支援やコロナ対策としての遠隔授業環境構築費財政支援を行うことを要望していると述べました。

(兵庫民報2020年10月11日付)

三田市議選:日本共産党3人全員当選


三田市議選は十月四日投開票で行われ、日本共産党現職の長尾あきのり(42)、新人の水元さゆみ(50)、木村まさと(56)の三候補がそろって当選し、前回獲得議席を確保しました。
日本共産党の得票合計は四千五百九十二票、得票率は9・73%。前回より百四十八票、昨年の参院比例票より一千百票あまり伸ばしました。
*
定数二十二に三十七人が立候補(前回は三十二人)。投票率は51・82%。
日本共産党以外の主要政党の当選者数と得票率は、公明三(11・90%)、自民三(8・77%)、維新二(9・67%)、立民一(3・54%)。

(兵庫民報2020年10月11日付)

ジェンダーわたしの視点:誰もが個人の尊厳を実感できる社会へ


日本共産党高砂市議 大西由紀

三十年位前、サンフランシスコへ一人旅をしました。その時、現地で暮らしていた親友に紹介された人との出会いはLGBT(性的少数者)のことを考えるきっかけを与えてくれました。当時、化粧品会社に勤めていた私は、メーキャップアーチストだったその人とすぐに打ち解けました。帰国前、ともに立ち寄ったチャイナタウンでの店員とのやり取りで、アメリカでは、性的少数者が受け入れられているのだと、驚きました。
数年後、LGBTのお客様を担当することになりました。その初めての応対の際、サンフランシスコでの記憶が甦りました。三年ほどの担当でしたが「周りの人が変な目で見るので腹が立つ」「私は私なんだ」といつも胸の内を話してくれました。
一方、男性の声でメイク方法を教えてほしいと電話がありましたが、店頭で男性にメイクを施すことはできないと判断し、「他の方の迷惑になりますので」とお断りしました。その時は、当然の対応だと思っていましたが、アメリカで感じた性的少数者への理解に感心する一方、私の取ったとっさの判断に今でも申し訳なく、胸が苦しくなります。
「ジェンダー」は女性、男性それぞれがこうあるべき、ということや役割分担を指し「社会的・文化的につくられた性差」と定義されています。日本共産党の第六回中央委員会総会で初めて「ジェンダー平等」の政策が提起され、綱領改定で「ジェンダー平等社会をつくる」「性的指向と性自認を理由とする差別をなくす」と明記されたことに背中を押され、昨年は一般質問でパートナーシップ宣誓制度を求め、今年の九月はジェンダー平等の一般質問を行いました。ジェンダーが利潤を求める財界・大企業の差別と分断に利用され、歴史的には明治時代の男尊女卑の価値観を世帯主に引き継ぎ、最近ではコロナ対策の特別定額給付金などの受け取りで様々な問題をもたらしたことなどを訴え、あらゆる人に平等と尊厳を、と求めました。

(兵庫民報2020年10月11日付)

藤田佳代舞踊研究所公演:かじのり子モダンダンスステージⅤ:「社会の一員としてここにいたい」と


藤田佳代舞踊研究所公演、かじのり子さんのモダンダンスステージⅤが十一月七日、神戸ファッション美術館で開かれます。
「まずは自分自身の小さな出来事を踊ることによって、大きな社会とつながっていきたい。社会の一員としてここにいたい」との思いから、かじさんが創作した作品が発表されます。
新作「わたし――かのじょの延長」は、角田光代さんの小説『私のなかの彼女』(二〇一三年)の「彼女の延長である私」という文言からヒントを得た作品です。過去―かのじょ、現在―わたし、未来―あのひと――と設定し、過去、現在、未来の自身の存在を否定せず、どこが欠けてもわたしはない、という思いを踊りにしています。
「とらのいをかるきつね」も再演します。
*
今回のステージでは藤田佳代さんの新作「迸る」も発表されます。コロナ禍のため三月、五月と中止になった公演で発表する予定だったものです。――人類はアフリカを出発し何万年もかけて地球のいたるところに広がりました。「この向こうには何かある」それを見たい知りたいと進んでいったのでしょう。今、地球を離れてあの星へ行ってみたいと思う人もいるはず――。

かじのり子モダンダンスステージⅤ

11月7日(土)17時開場・17時30分開演、神戸ファッション美術館オルビスホール/当日3,500円、前売り3,000円/定員200人、事前申し込みを/主催:藤田佳代舞踊研究所 Tel.&Fax 078‐822‐2066

(兵庫民報2020年10月11日付)

みんぽう川柳〈九月〉「おやつ」

選者 島村美津子 

特 選

おやつなし胃ろう八年夏も過ぎ  神戸市 山本信行

【評】おやつを食べられることは当たり前のように思っていた私は揚句にぶつかってはっとしました、そして涙がこぼれました、淡々と事実を述べて心打たれたのはやはり実感句の強みでしょうか。
ましてコロナに脅かされている今、今回の投句にも多く見られましたが、飢えに苦しむ子供たちそして、戦中戦後の食べ物のなかった時代を思いました。
さつま芋がいっぱい出て来ました、おやつどころか大事な主食でした、それもお腹一杯食べられない。
今回も秀句を句数の制限上載せることが出来なくて残念でした。 

入 選

おやつ出て涙浮かべた戦争中  神戸市 長尾粛正
 
アフリカの子らにおやつはありますか  神戸市 小林尚子
 
清貧のオヤツ畑のトマトでした  神戸市 玉山歳子 

はったい粉昔のおやつ懐かしむ  神戸市 宇山英樹 

配給の粉です亡母のドーナッツ  神戸市 梶山洋枝
 
古き日におやつをかけた阿弥陀くじ  神戸市 長沼幸正 

老い二人コロナ太りでおやつ抜く  尼崎市 大野幸雄
 
忖度しおやつを貰う奴がいる  神戸市 高馬士郎 

老いひとり至福の三時ビスケット  明石市 上野景子 

コロナ禍よおやつ食べたら帰ってよ  明石市 川路政行 

字引には「お三時」ですとありました  芦屋市 松田良介
 
芋食べて平和願って空を見る  明石市 門脇潤二郎 

只今の声ももどかしふかし芋  神戸市 松尾美恵子
 
その昔救われましたさつま芋  明石市 小西正剛

みんぽう川柳募集

▽十月の題は「新しい」、締め切りは十月二十三日▽十一月の題は「政治」、締め切りは十一月二十七日▽一人二句まで。葉書に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記▽毎月第四金曜日必着。締め切りが迫っている場合はメール、ファクス(葉書大の枠を書き、その中に必要事項を記入)でもけっこうです。

(兵庫民報2020年10月11日付)


観感楽学


SNSとは、普段の生活では出会わなかった人たちと出会い情報交換や会話を楽しむことができるサービスのことで、パソコンやスマホの簡単な操作で利用できることから急速に普及したと前回のコラムで紹介しました。今回はSNSを利用するに当たってのマナーや注意点を紹介したいと思います▼SNSを利用して何かを発信した場合、その時点で不特定多数の人たちに発信している、世界中に発信していると理解して発信することです。自分の発信は友達などの身内だけが見ているとは決して思わないということです。インターネット上の情報発信は一瞬で世界中に広がります。それは間違った内容も発信すると一瞬で広がるということです▼個人情報やプライバシー情報の投稿は厳禁なのは当然ですが、写真投稿などでは著作権なども注意する必要があります。子どもに関する投稿にも注意が必要です。トラブルを起こさない注意点が多々あることは理解していて欲しいです▼世界中の人たちとコミュニケーションがとれる素晴らしいツールです。相手の気持ちや周りに配慮する、節度ある利用で楽しいSNSライフを築いて欲しいと思います。(ふ)

(兵庫民報2020年10月11日付)