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2020年9月27日日曜日

田村智子副委員長が神戸で街頭演説:あたりまえの政治とりもどす野党連合政権実現を


日本共産党副委員長の田村智子参院議員は九月十八日、同日閉会した国会から駆けつけ、神戸・大丸前で街頭演説を行いました。
たむらさんは、与党が、首相指名選挙のあと所信表明演説も行わず三日で国会を閉じたことを批判。
自公政権は「自助」を国民に押しつけ、維新もいっしょになって公務員削減などを進め、コロナ禍でもいまだに減収補填を行おうとしていないこと、それに対し野党が力を合わせ、支援・給付制度を一つ一つ提案・実現し、こむらさんをはじめ地方議員もそれが実行されるように力をつくしてきたことを報告。「安倍政治」継承の菅政権ではなく、公・政治の責任を取り戻す野党連合政権がいま求められていると強調し、そのためにも日本共産党を伸ばしてほしいと訴えました。 




(兵庫民報2020年9月27日付)

西宮芦屋市民アクションが合同宣伝:「安倍政治」継続許さず、憲法生かす野党政権を


安倍九条改憲NO!西宮芦屋市民アクションは九月十二日、阪急西宮ガーデンズ向かいの高松ひなた緑地で、「安倍政治の行き詰まりの結果が安倍首相退陣の本質であり、『安倍政治』継続を許さず、憲法を生かした命を守る野党政権を市民と野党の共闘でつくろう」と市民と野党の合同宣伝を行い約百人が参加しました。
日本共産党のいそみ恵子県議は、「今求められているのは安倍政治からの転換。市民と野党の共闘で野党連合政権を」と強調しました。
社民党の梶川みさお県連合代表・宝塚市議は、「菅さんは、安倍政治を前に進めていくと言っている。私たちは、国民の期待に応えられる政権をつくっていく」と決意を表明しました。
新社会党の前田辰一芦屋総支部副執行委員長は、「市民と野党の大きな力が、自民党改憲四項目を国会の場にのぼせなかった。この力で、自民党政治に終止符を」と強調しました。
市民派の田中あきよ西宮市議は、「大多数の声に流されていいのか、しっかり考えて選挙に行きましょう」と、よつや薫市議は、「政治は『公助』です。自助、共助を強要する政権をストップさせましょう」とそれぞれ呼びかけました。
立憲民主党の安田真理兵庫七区総支部長は、「コロナ対策でもまともな対策を打ってこなかった。こうした政治に終止符を打つために、市民と野党が一体になって自民党政治に立ち向かっていきましょう」と三つの転換方向を訴えました。
市民を代表してスピーチした松谷さん、山口さんは、介護現場や障がい者の実態を訴え、菅政権を倒すため命・暮らしを守る大きなつながりをつくっていきたいと述べました。
―樫村庸一(西宮革新懇)

(兵庫民報2020年9月27日付)

憲法共同センターの呼びかけで行われた「アベ政治継続NO!」緊急宣伝(9月16日・神戸大丸前)


(兵庫民報2020年9月27日付)

戦争法強行から5年:野党連合政権樹立を訴え明石・総がかり行動


二〇一五年九月の安倍内閣による「戦争法強行可決」以来、ほぼ毎月、「総がかり行動」を実施している「安保法制廃止・総がかり行動明石」はこの九月十九日、JR明石駅南で総がかり行動を実施しました。
地労協、新婦人、共産党、新社会党などの四十人が、菅内閣の〝安倍政治〟継承は支持できないこと、総選挙での野党候補の勝利と野党連合政権の樹立を訴えました。行動には日本共産党の福原ゆかり衆議院九区予定候補(写真右端)も参加し、訴えました。 ――野村俊三


(兵庫民報2020年9月27日付)

市民連合@兵庫1区の結成を!:「市民と野党の共同をめざすつどい」がアピール

市民アクション東灘、オール灘区の会、中央区革新懇、みなとの明日を拓く神戸港懇話会が呼びかけ、「市民と野党の共同をめざすつどい」を九月十八日、東灘文化センターでひらきました。
つどいでは、最初に神戸女子大名誉教授で東灘革新懇の代表世話人でもある内田樹さんが講演しました。
内田さんは、安倍政権がこれまで長年続いて来た要因を考えた時、〝国民の中にも権力を持っている人間は偉い、正しいから国民の支持を得ているのだ〟という現実を肯定する倒錯した考えが相当あるのではないかと述べ、このような国民の意識を冷静に分析しながら国民に理解を得られる政策や政治変革の展望を示していく運動が必要であろうと問題提起しました。
討論では自民党の食料政策の問題、医療の深刻な状況についての発言や、「菅政権で政治は変わるどころかさらに悪くなる。来たるべき総選挙で野党統一候補の勝利のために頑張りたい」との決意表明もありました。
最後に「市民連合@兵庫一区」の結成をめざしてただちに運動を具体化させようとのアピールを採択しました。
―田付宣雄(オール灘区の会)

(兵庫民報2020年9月27日付)


日本共産党が衆議院兵庫2区に宮野つるおさん

日本共産党兵庫県委員会は九月十八日、衆議院選挙小選挙区兵庫二区の候補者を発表しました。 


兵庫二区(神戸市兵庫区・北区・長田区、西宮市塩瀬支所管内・山口支所管内)

宮野つるお(63)=新 

鹿児島県立川内高校、名古屋工業大学二部卒。神戸医療生活協同組合職員として、医療・介護に従事。二〇一八年神戸市議補選、一九年兵庫県議選に立候補。
現在、党兵庫・長田・北地区常任委員。

(兵庫民報2020年9月27日付)

西はりま後援会第5回総会:新しいたたかいのスタート

日本共産党西はりま後援会は第五回総会を九月十九日、姫路市労働会館で開催。二十六人が参加しました。
総会は松本滋会長の力強い挨拶で始まりました。

西はりま後援会総会であいさつするこむら潤さん

来賓挨拶では、こむら潤さん(衆院比例予定候補)が、「安倍内閣は七年八カ月、憲法改定に執念を燃やしましたが、国民の力で五回にわたってくい止めました。菅新内閣が発足しましたが、安倍政治となんら変わりません。新しいたたかいのスタートです。誰もが自分らしく輝ける社会へ共に頑張りましょう」と訴えました。
太田清幸さん(兵庫十一区予定候補)は、「今年五月、六十七歳の女性が地区事務所へ電話してこられ、『モリ・カケ、桜』などアベ首相は最悪。頑張っているのは日本共産党だと入党。また、八月には三十六歳の男性が党のホームページを見て、党の頑張りがすごいと入党。日本共産党への期待が広がり、壁が低くなっています。党の躍進が必要です」と訴えました。
苦瓜かずしげ姫路市議も挨拶しました。
安積弘允事務局長が議案を提案し、全員一致で承認されました。
経験交流として「たつの市後援会」の活動報告がありました。
討論では、「パソコンネット部の活動はどんなことをしているのか?」などの質問や意見が出され、活発な総会となりました。
―高嶺正治(西はりま後援会事務局)

(兵庫民報2020年9月27日付)

日本共産党兵庫県議団が重要政策提言:社会保障削減など脆弱化した基盤の見直しを

重要政策提言を知事に手渡す日本共産党県議団

日本共産党兵庫県議団は十五日、新型コロナが広がる中、政治が役割をはたすよう二〇二一年度予算に対し、三百三十四項目にわたって重要政策提言を井戸敏三県知事に行いました。
きだ結政調会長は、「新自由主義のもと、社会保障など削られてきた部分が脆弱な基盤をつくってしまった。施策を見直すべきだ」と強調。コロナ対策について、あらゆる面でジェンダー平等の視点を取り入れることや、災害対策と位置づけ思い切った支援策や、防疫を目的としてのPCR検査の対象拡大などを示しました。
核兵器禁止条約の署名・批准と日米地位協定見直し、消費税減税などを国に求めることや、気候危機回避を加速させるため神戸製鋼石炭火力発電所増設計画中止や新温泉町巨大風力発電計画中止、中小企業支援策の拡充、来年度の県立高校入試への配慮など提言の概要を紹介しました。
各議員から、「(県営住宅跡地など)県が持っている土地を示し、イニシアチブを発揮して待機児童を解消してほしい」「保育士や学童保育指導員など、コロナ禍でがんばっている人たちへの慰労金支給を実現してほしい」「新たな感染症流行が頻発している。『行革』『兵庫県地域創生戦略』の大きな見直しがいる」「阪神・淡路大震災で解体工事が多くされ、これからアスベスト患者が増える。震災アスベスト対策を」「保健師の増員と保健所体制の強化を求めている。芦屋保健所の分室化はやめてもらいたい」「学校のエアコン設置について、コロナの影響で、繰り越しになっている事業について、きちんと事故繰り越しが認められるように国に働き掛けてほしい」などを求めました。
井戸知事は「いろいろな角度から提案をもらった。みなさんからの提言については、しっかり検討したい」と応じました。

(兵庫民報2020年9月27日付)

神戸市議会で森本真議員が質疑:積極的PCR検査――対象広げ定期的に実施を

質問する森本真神戸市議

神戸市会本会議で九月十八日、日本共産党の森本真市議が質疑を行いました。
神戸市は、新型コロナウイルス感染拡大をうけ市民の願いや日本共産党市議団の要望にも応え、中央市民病院の隣地に重症患者対応の臨時病棟を整備、軽症者宿泊療養施設の設置、対象を国基準より広げた積極的検査によるPCR検査の拡大などが行われ、今議会に上程された補正予算では、分娩前の妊産婦へのPCR検査の実施などが計上されています。
第一波の経験から無症状者の感染者が一定の感染を広めていることも踏まえ、感染リスクが高く、多くのクラスターを発生させている高齢者施設、医療機関、学校や保育所、飲食店や夜の街などについては、感染者が発生してから検査するのではなく、無症状の陽性者を早期に発見し、初期の段階から感染を抑え込むことが重要です。
森本真議員は、防疫目的でハイリスクな施設に対して、積極的なPCR検査を定期的に実施するよう求めました。

倒産・廃業を出さないため、さらなる中小業者支援策を

経済支援では、六月補正予算で編成した「中小企業チャレンジ支援補助金」「中小法人等の店舗家賃負担軽減補助金」について、予想を大幅に上回る申請で五十九億円の追加補正を行ったことは、市内の多くの事業者がコロナで窮地に陥っていることを証明しています。
森本議員は、神戸市をはじめ国・県の支援策も無くなりつつあるが、事業者は先行き不透明なコロナ禍で苦しんでおり、倒産・廃業を出さないため、さらなる支援策を求めました。

少人数学級で密状態の教室解消急げ

コロナ禍のなか、長期の休校でつらい思いをさせた子どもたちは、夏休みも短縮され、暑く、密状態の教室で学んでいます。いま、子どもたちには、学び、心のケア、安全を保障する必要があります。
今回の補正予算では、共産党市議団が六月議会で国の補正予算を活用して実施を要望していた小六・中三の最終学年への少人数指導のための教員の加配配置の補正予算が計上されました。
森本議員は、少人数学級の実施で、ソーシャルディスタンスを保ち、感染リスクを抑えるだけでなく、個々の児童・生徒に対しての状況に応じた指導が期待されていることから、加配教員の配置する学年をさらに拡大するよう求めました。

「特養入居者へのPCR検査拡充を検討する」と確約

久元喜造市長らは「消費動向が変化している。発令解除をへて業種業態によって影響が異なるため、飲食業や商店街、観光業への業種を絞った支援を適時適切に進めたい」「一自治体でできないものは国に要望したい」「高齢者は重症者リスクが高く、従事者へのリスクも高いと考えており、まずは特養、介護施設、新規入居者や介護者に積極的PCR検査を検討したい」と答弁しました。
長田教育長は「加配された職員は最終学年にとどまらず柔軟に支援できる仕組みにもなっている。少人数学級を持続可能にするには、人員確保と学校施設など多くの課題がある。まずは三十五人学級の対象拡大を国に要望したい」と答弁しました。

高齢者のインフル予防接種無料化も「十分検討」

森本議員は、「感染拡大や重症化を防止する観点から、一定の高齢者や基礎疾患を有する者について、市区町村において本人の希望により検査を行う場合に国が支援する仕組みを設ける」とした国の新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長は内閣総理大臣・八月二十八日)決定にふれ、特養にとどめず、PCR無料検査の拡充、高齢者に対するインフルエンザ予防接種の無料化を求めました。恩田副市長は「高齢者や基礎疾患を持つ方へのPCR検査助成を検討したい」「(インフルエンザの無料接種も)十分検討したい」と答えました。

(兵庫民報2020年9月27日付)

ジェンダー わたしの視点:ジェンダー平等社会の実現めざして


日本共産党兵庫県委員会ジェンダー平等委員会責任者 こむら潤

ジェンダーって難しそう、どんなことから始めたらいいの?と皆さんそれぞれにいろんな戸惑いがあるかもしれません。今回から始まる連載が「なるほど、それなら私にもできる」と、ジェンダーを考えるきっかけになればと思います。よろしくお願いします。

日本社会は、法律の一部や実生活で旧態依然の慣習や概念、つまり「家父長制度」「男尊女卑」が随所に根深く存在しています。女性も男性も、本当に複雑にジェンダーが絡み合いながら私たちは生活しています。
例えば小中学校の頃、誰もが将来の夢を決めていきます。子どもの時には、女の子は収入が少ないとか、産休や育休のことなど、誰も教えてくれません。クラスメイトの男の子と何が違うのか。しかし、就職や結婚、出産となると、途端に性差に直面させられるのです。
実際、私の友人は、自分の特技を活かした会社で働いていたのに、結婚し出産で産休を取ったのち、産後の復帰は前例がないと言われ、やめざるを得ませんでした。おまけに保育園は仕事をしていないからと入れてもらえず、彼女は二重の挫折を味わい、産後鬱で治療が必要になってしまいました。自分が生きがいとしてきた仕事を奪われることは、アイデンティティーを否定されたも同然だと私は思うのです。
また、我が家でも今でこそ夫も分担して家事や子どもの学校行事などこなしていますが、若い頃は「共働きなのにどうして私ばかり洗濯や食器の片づけをしないといけないのか」とイライラを募らせてきました。小さいようで、実はこういう些細なところに、ジェンダーの問題は、そこここに隠れているものではないでしょうか。もちろん、男性にも「所帯を持つ」「大黒柱、稼ぎ頭になって家族を守る」「男は強く」などプレッシャーがあり、ジェンダーの課題は大いにあると思います。
私は、誰もがその人らしく、男性女性、またどんな性であれ人間としての尊厳を守られ認められる社会を作りたいと思っています。連載の中でジェンダー平等社会実現への展望が見いだせることを楽しみにしています。

(兵庫民報2020年9月27日付)

消費税を5%に戻せ!:2020年消費税廃止兵庫県各界連絡会総会


消費税廃止兵庫県各界連絡会は九月十七日、神戸市内で二〇二〇年総会を開催しました。
開会挨拶で澤村新・代表幹事(兵庫県保険医協会)は、「コロナ禍の中、協会内の医療機関では九割で患者数が減少し、運転資金もどんどん減り危機的状況に。患者に消費税を転嫁することはできず政府に要望している。今、世界では経済政策のひとつとして付加価値税の減税が実施されている日本でも実現させよう」と強調しました。
大嶋誠・事務局長(税理士)の活動報告では、昨年十月からの増税とコロナ感染により四~六月期のGDPがリーマンシヨックを上回る二八・一%減少したこと。安倍首相が辞任したが、森友・加計・桜を見る会等の政権私物化での真相解明を行うこと。「消費税の減税」が経済危機を乗り越える最善の景気対策であること。「消費税を五%に戻せ」の要求を掲げ、共同を広げ、国政選挙で市民と野党共闘の更なる発展を求めるなど、草の根の運動を広げることが提案されました。
交流では、十月一日午後五時より神戸元町大丸前で、「一〇%増税から一年の抗議宣伝」を、東京・新宿とオンラインで行うこと。菅内閣が発足した十七日の大手新聞の一面や社説がどう報道したか。毎日は「まず強引な手法の転換を」、朝日は「安倍政治の焼き直しはご免だ」、神戸は「対話する政治を取り戻せるか」と「安倍政治」継承を掲げる同内閣の姿勢を疑問視する掲載に。八月五日の政府税制調査会では、早くも「消費税増税を中核に据えた骨太の議論が必要だ」の紹介もありました。
―藤原紀嘉(同会事務局次長)

(兵庫民報2020年9月27日付)

日中友好協会兵庫県連が香港問題学習講演会:〝国際的な場で認知される新たな統治基準の獲得を〟山本大経大名誉教授が講演


日中友好協会兵庫県連は九月十三日午後、神戸市内で「香港問題学習講演会」を開催し市民五十人が参加しました。

山本恒人大阪経済大学名誉教授が、「香港基本法=一国二制度遵守は国際公約――なぜ中国政府は〈最善手〉をふみ外したのか――」をテーマに講演しました。

十九世紀初頭、中国は世界のGDPの三分の一を占めていた超大国でしたが、英国が仕掛けたアヘン戦争に敗れ、一八四二年の中英共同声明で香港島が英国領となり、その後、新界などを英国が九十九年間租借し、香港全域が植民地化しました。

山本教授は、「中華世界が半植民地の奈落に追い落とされた恥辱は想像を絶するものがある。帝国主義の侵略に抗して新中国を建国するのに百年を要している。一九九七年香港は中国に返還され、〝一国二制度〟が開始しました。そのスタートライン〝沿海発展戦略〟は別称〝広東の香港化、中国の香港化〟とも呼ばれ新興国群の一員としての香港経済発展の経験と教訓が大きな役割を果たし、中国人の〝融通無碍〟の柔軟さに驚かされたものだ」と語りました。

現在、香港で起こっている事態は、中国の世界における存在が巨大化するにつれて、統治方式が次第に国内基準だけでは通用しなくなり、国際的な場でも認知される新たな基準を自ら開発し、獲得していく新しい時代を迎えている。日中友好運動を大切にする私たちは、中国が東アジアと世界における〝平和・反核・軍縮・自由と民主主義・環境保全〟に向かってリーダーシップを発揮する時代が来ることを願い続けている。それゆえ国際公約・五十年(一九九七―二〇四七)にわたる香港〝一国二制度〟を放棄する行為を深く憂慮すると語りました。

香港問題の報道機関の記事を紹介しながら、「香港国家安全維持法」導入への批判的記事に加え、導入必然・擁護論についてもその要点を紹介しました。

中国における「一党支配」体制と対外路線について、後発国における国民国家形成のための凝縮力としての制度「党国体制」とスターリン時代のソ連を踏襲した「プロレタリア独裁」型中央集権体制の下、肥大化する「官僚制」国家とそれを統括する超法規的存在(主権在党)としての共産党の一党支配と整理。超法規的主権在党は社会主義とは相いれないと語り、最後にスタンフォード大学のフランシス・フクヤマ氏の重要な指摘を紹介しました。「中国は、官僚制があって中央集権的で、能力本位で、さほど縁故主義ではない。中国はそうした制度をつくるのが得意です。ただ、そこには『法の支配』や『民衆に対しての説明責任』という仕組みがない。この二つは国家を縛り、国家権力が公共的な目的で使われるよう担保するものです」「権力行使に制度的な抑制がきかないため、中国に悪い皇帝(トップ)が出たときには、対処する方法がない。これは歴史的に中国が抱えている問題で、未解決なままです」。

―上田雅美(日中友好協会)

(兵庫民報2020年9月27日付に短縮版を掲載)

田川党国際委員会事務局長講師に民青同盟兵庫県委員会が香港問題学習会:〝国際社会のなかできちんと批判を〟

民青同盟兵庫県委員会は九月十三日、「香港のこれまでとアジアのこれからのために」と題し、日本共産党中央委員会国際委員会事務局長の田川実さんを講師にオンライン学習会を開きました。
*
前半で田川さんはまず、「国家安全維持法」はどういう行動が処罰される対象となるのかが不明確であることと、国際法とも矛盾する内容になっているということを指摘した上で、イギリス統治下以来の香港の歴史を説明しました。
「一国二制度」とはイギリスから中国に香港が返還される際に中国とイギリスとの共同声明で合意されたものであり、言論の自由は保証することを国際的に約束したものだと解説。国際社会のなかできちんと批判していくことが大事だと指摘しました。
前半の講義を受けた参加者の交流では「一国二制度について言葉しか知らなかったのでよく理解できた」「自民党改憲草案と中国の憲法が似ていると聞いてこわいと思った」などの声が出されました。
*
後半は「中国や北朝鮮の軍事力をどう見ればいいか」というテーマで進められました。
田川さんは、外交には軍事力による抑止力に頼る方向と、対話で解決を図る方向があるとして、現在の日本政府は前者の抑止力に頼る方法に依拠していると指摘。果たして抑止力を高めれば「安全安心」を得られるのかと問い、実際には軍事対軍事の悪循環に陥り、「安心安全」は全く得られないことを詳説しました。
ASEANで実践されている対話による信頼醸成のシステムを北東アジアにもつくることなど解決の展望を紹介。その際には、過去に日本が行った侵略戦争への反省を土台にすることが何よりも大事であると強調しました。
後半の交流では「友達と話した時に、武力を持っていないと攻撃されて危険と言われてしまったが、武力だけでは無理があるというのを知って、次に対話になった時は伝えたい」「安全保障のジレンマの視点からも軍拡というやり方は最善ではないと思った」などの感想・意見出し合いました。
―上園隆(民青同盟兵庫県委員長)

(兵庫民報2020年9月27日付)


瀬戸恵子「ひなたぽっころりん」〈667〉


(兵庫民報2020年9月27日付)

神戸映画サークル協議会10月例会:『パパは奮闘中!』:社会問題を背景に家族の在り方を探る

映画『パパは奮闘中!』の一場面

主人公は通販会社倉庫で現場リーダーを務める二児の父親。仕事や労組活動に没頭する責任感の強い彼だが、家事や子どもの面倒は共働きの妻に任せきり。そして妻が突然家出し残されたオリヴィエは途方に暮れる……。格差社会の現実を映しつつ夫婦の在り方を問うている。
子どもたちの醸し出す寂しそうな雰囲気や、親として葛藤する表情を見ているうちに応援せずにはいられなくなる。家庭を後回しにしてきた彼が「僕は親失格だ」と嘆くなど親らしくなっていく過程が描かれている。
驚いたのは彼の職場の過酷さ。部門リーダーだが共働きの妻がいないとベビーシッターすら雇えない低所得者だということ。労組活動の場面は誰も関心がなく組織率が非常に低い状況が描かれる。
フランスは労働者の権利が守られる国だと思い込んでいたが、実情は共働きでないと暮らせない層がかなりあると初めて知った。劇中語られる民主主義についての言葉は含蓄がある。
原題は「私たちの闘い」。職場での闘い、家族との葛藤、ジェンダーとの闘い。私たちの日常には様々な闘いがある。厳しい状況や思うようにいかない現状を打破したい。そんな映画作家の思いを感じる作品だ。
―桑田葉子(神戸映画サークル協議会)

『パパは奮闘中!』(2018年/ベルギー・フランス/99分)

10月16日(金)①11時②14時③19時、17日(土)①11時②14時③18時/神戸アートビレッジセンター2階KAVCホール/監督・脚本:ギヨーム・セネズ/一般:事前予約1,300円(当日1,700円)、シニア・障がい者・大学生以下:予約・当日とも1,300円、会員:1,100円(当日1,200円):入会受付中/Tel. 078‐37‐8550、Email: kcc1950@kobe-eisa.com、Web: http://kobe-eisa.com/ 




(兵庫民報2020年9月27日付)

藤田佳代舞踊研究所モダンダンス公演第43回発表会:39光年のかなたに思いをよせて


藤田佳代舞踊研究所の第四十三回発表会が十月十七日に開催されます。
今年の発表会では「届ける――東北の地震と津波と原発事故で亡くなった数限りない命たちへ」と新作のモダンダンス二作品「いってみたいな あの星へ」「風の馬」が上演されます。
*
「届ける」は二〇一二年の初演から十回(十年)にわたり上演する予定で、今年を含めあと二回となりました。音楽は使わずに拍踏衆の手拍子・足拍子を伴奏に、ダンサーたちが手に手にはめた下駄を打ち鳴らして踊ります。ダンサーは九十九人、うち六人は知的障害クラスの生徒たちで、ほぼ介助なしで踊ります。
サブタイトルのとおり東日本大震災・福島原発事故で失われた命たちへの思いをこめた作品です。
*
「いってみたいな あの星へ」のお話は……地球と同じような惑星が七つ、三十九光年のかなたに見つかりました。お互いに手紙を光の速さで届けても三十九年。むこうからの手紙が発表会の日に届いたとして、そして人間がそれを読めるとしたら……。
*
「風の馬」のお話は……冬の大地で寒さに耐えた種は土を踏みしめる巫女の合図で目を覚まします。種はゆっくり溶けて広がり気体となり土の外へ現れ、巫女にかき回されて馬になり、春を告げる使者となって村中を駆けていきます。秋になると……人々は季節を運ぶその馬を「風の馬」と呼びました。
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同研究所では毎年、創作実験劇場、自作品を持ち寄り披露するダンスブーケ、発表会、ソリストによるモダンダンスステージの四つの公演をおこなっています。今年は新型コロナウイルス感染拡大のため三月の実験創作劇場は中止を余儀なくされ、今回の発表会が今年初めての大がかりな公演となりました。研究所では公演にかかわるすべての人が感染症対策に留意しながら開催準備をすすめています。
*
10月17日(土)17時開演(16時30分開場)、神戸文化ホール大ホール/無料/参加申し込み・招待券などの問い合わせは、藤田佳代舞踊研究所TEL&FAX078・822・2066まで

(兵庫民報2020年9月27日付)

こくた恵二「新自由主義の暴走許さぬ」連載エッセイ5


菅・自公内閣がスタートした。自民党総裁選で菅氏は、「自助・共助・公助」のフリップを掲げた。この国をどうするのか、どういうビジョンを持っているのかについて終始語らずじまいだっただけに、この言葉だけが印象に残った。
このフレーズについて、雨宮処凛さんは「『自助』とは、『自己責任だ。自分で何とかしろ』、『共助』とは、『一家心中するまで家族で助け合え』『共倒れするまで地域で助け合え』、『公助』は、『何もかも失わないと公的福祉は機能しないから、やっぱり自己責任で何とかしろ』という意味である」と述べている。若干過激かとは思うが、本質をついている。
この文言は、二〇一〇年改定の自民党綱領に記されている。これまで、年金、医療、介護、生活保護などの社会保障切り捨ての論理として使われてきた。
現在、コロナ危機の下で、公衆衛生や医療体制の脆弱さが露呈した。この事態を作ったのが効率第一主義、自己責任論、すなわち「新自由主義」に他ならない。今、この政治のままでいいのだろうかと、多くの国民が問い始めている。
「公」、政治の責任とは何ぞや。それは国民の命と暮らしを守ることにある。
憲法第二十五条は、「国民は健康で文化的な生活を営む権利を有する」とし、「社会保障、公衆衛生の向上」は国の責務と明記している。新自由主義の暴走を許さず、憲法が生きる社会をめざそうではないか。政治の根本的転換へ、いよいよ野党連合政権を作る決意を固める時だ。
(日本共産党衆院議員)

(兵庫民報2020年9月27日付)

観感楽学:「残念ながらまだ国民的な議論が十分に盛り上がらなかったのが事実であり、それなしには進めることはできないのだろう」八月二十八日、辞意表明の記者会見で憲法改正ができなかったことに対する質問への安倍前首相の弁。筆者はこの欄でかの人の言動を幾度となくとりあげては切り刻んできたが、今回はじめて言おう。本当の言葉を聞くことができた


「残念ながらまだ国民的な議論が十分に盛り上がらなかったのが事実であり、それなしには進めることはできないのだろう」八月二十八日、辞意表明の記者会見で憲法改正ができなかったことに対する質問への安倍前首相の弁。筆者はこの欄でかの人の言動を幾度となくとりあげては切り刻んできたが、今回はじめて言おう。本当の言葉を聞くことができた▼政権投げ出しの理由は内政・外交とも八方ふさがりだったからと言われるが、任期中の改憲は無理と自覚したこと、それが決定的だったことは間違いない。その悔しさから彼には珍しく正直な心情吐露となったのだ▼もっとも同じ会見で、改憲できなかったのは「断腸の思い」とも語っている。おっと、これは見過ごせない。断腸とは中国の故事。兵士がたわむれに子猿を捕まえたところ母猿が百里もあとを追いかけついにもだえ死んだ。そのお腹をさいてみると腸が切れ切れになっていた。母猿の子への愛の深さを表現したのだが、かの人はだれを思ったのか▼安倍さんが去り、こんな突っ込みができなくなると心配していたがそれは無用だった。アベ政治を全て継承するという方が新首相になったのだから。(T)

(兵庫民報2020年9月27日付)

2020年9月20日日曜日

衆院比例・小選挙区予定候補が元町駅頭で街頭演説


日本共産党衆院予定候補の清水ただし衆院議員(比例・大阪4区)、こむら潤さん(比例・兵庫8区)、福原ゆかりさん(兵庫9区)、太田清幸さん(兵庫11区)が九月十三日夕、 元町駅東口前で街頭演説を行いました。赤田かつのりさん(兵庫3区)のメッセージも司会のねりき恵子県議から紹介されました。
それぞれの弁士が「今、求められているのは安倍政権の『継承』ではなく『転換』です」など訴えました。中学生男女数人連れから送られた声援に清水さんが車上から「学費無料化など頑張るからね!」と応える場面もありました。
この街頭演説の録画はYouTubeの日本共産党兵庫県委員会チャンネルで見ることができます。 

福原さんの訴え 

太田さんの訴え 

赤田さんのメッセージ 

こむらさんの訴え 

清水さんの訴え 






(兵庫民報2020年9月20日付)

倉林明子副委員長招き日々の苦労など率直に:尼崎医療生協の党と有志後援会


尼崎医療生協の日本共産党と後援会は、九月十二日、日本共産党副委員長でジェンダー平等委員会責任者の倉林明子参議院議員を迎えたつどいを開催しました。
倉林議員から、安倍首相は体調を原因に辞任することになったが、敵基地攻撃能力に関し談話を発表するなど次期政権に求めて憲法蹂躙に固執していること、七年八カ月に及ぶ安倍政権のもとで社会保障は改悪に次ぐ改悪により、その脆弱さが今回のコロナ禍で明らかになったと訴えました。
長く続いた安倍政権だが良かった事もあり、それは市民と野党の共闘が大きく前進している事だとし、迫る解散・総選挙での野党の勝利、そのためにも共産党の議席を伸ばして欲しい、党に入って一緒に「安倍政治」を終わらせようと訴えがありました。
参加者からは、「日々業務の中、コロナの対応めぐって職員をまとめていくのに苦労している」「医療従事者へ慰労金支給で、病院や診療所で金額に差があることに疑問をもってしまう」「野党共闘の発展は嬉しい事だが、維新の会など一部の野党はどう見たらいいの」などの声がだされました。また、「党に入って欲しいと訴える中、忙しくてとても入党までは考えられない、応援はしているから、という人にどう働きかけたらいいか」などの質問があり、倉林議員は一つひとつ丁寧に応えました。
党委員会では、今回のつどいを準備するにあたり、後援会ニュース「私も応援しています」に登場してくれた五十人以上の職員個々に案内を配り、参加を呼びかけ、当日は十六人の参加がありました。
―日高誠(尼崎医療生協有志後援会)

(兵庫民報2020年9月20日付)

子育て、環境、漁業など様々な話題で福原ゆかりさんと:淡路・北淡支部がつどい


日本共産党淡路地区・北淡支部は九月十二日、党創立九十八周年記念講演会「ダイジェスト」を視聴し、福原ゆかりさん(党兵庫九区国政対策委員長)と語るつどいを、市内の喫茶店を借りて開きました。
「ダイジェスト」DVDを視聴した後、福原ゆかりさんから共産党との出会い、消費税への怒りや、奨学金を借りないと学生生活が暮せない日本の現状、ジェンダー平等への課題、野党共闘と日本共産党の躍進への決意を聞きました。
参加者からは、「子育て世代へのメッセージは」「『パソナ』の淡路進出をどう見たらいいのか」「狭い道路なので、観光客が来たら事故が起きないか心配」「漁業者への政策はあるのか」「プラスチックゴミを減らすにはどうしたらいいのか」「淡路では車がないと生活できない」など質問や要望が出されました。
福原ゆかりさんから最後に、「共産党を応援したいと思う方には、もう一歩ふみだしてほしい」と入党への呼びかけがありました。
―岡田教夫(党淡路地区副委員長)

(兵庫民報2020年9月20日付)

いっしょに新しい日本を:日本共産党が業者のつどい:「国民の苦難軽減が立党の精神と聞き、鳥肌がたちました」と入党

清水ただし衆院議員(衆院比例予定候補)は九月十二日、芦屋市、神戸市灘区、同北区の業者後援会などの「つどい」に招かれ、ユーモアを交えながら、日本共産党について縦横に語りました。

神戸市灘区


灘区での「清水ただしさんと語り合う集い」では、「今年開業した中小業者が何回申し込んでも持続化給付金が支給されない。中小企業庁にも電話をいれたがどうにかならないか」と切実な要望が出されました。清水ただし衆院議員は、「実際に商売し、コロナの影響を受けているなら支給はできます。譲らないで、あきらめないで申請を続けてください」と激励しました。
「海外からのインバウンドがなくなるなかで、どう経済をまわしていくのか」という質問に清水議員は、「当面こうした状況が続く中で、消費税減税など内需をあたため、強い経済をつくることが必要」と詳しく経済政策の転換を訴えました。
また、集い終了後に、「清水さんの話は私の思いと一緒です」「国民の苦難軽減が立党の精神と聞き、鳥肌がたちました。人の役に立てるよう頑張りたい」と飲食店を営む女性が入党しました。
―味口としゆき(神戸市議)

芦屋市


清水ただし衆議院議員を迎え「芦屋業者のつどい」を開催しました。
清水議員は軽妙な話術で、国政の状況を報告し、総選挙についても争点は消費税増税の自公か減税を訴える野党連合かが問われると指摘。野党連合政権への展望を語りました。
業者からは、コロナ禍における支援についての切実な声や野党連合政権についての質問がありました。清水議員は、野党連合政権に日本共産党が入ることに大きな意味があると述べ、中小業者の要望を国に届けたいとの話に参加者から歓声があがりました。
清水議員は「日本共産党は世直しボランティアです。気軽に参加してください」と入党を呼びかけました。
―ひろせ久美子(芦屋市議)

神戸市北区


日本共産党北区業者後援会は「清水ただし衆議院議員を迎えてのつどい」を九月十二日に開催しました。
「コロナ禍で売り上げが四分の一になった。一回の給付金ではこの先が不安」「大学生の息子がオンライン授業になって、ずっと家にいるのに授業料は減免にならない」「一時のマスク不足などみていると国内で必要なものがつくれるようにならないといけない」「食料自給率が低くて心配」など政治や暮らしへの疑問・不安を出しあい、清水議員が応えました。
清水議員は、「安倍首相は辞任表明したが、安倍政治は終わっていない。業者が希望をもって仕事がつづけられる新しい政治に変えるためには総選挙で決着を」と強調。「そのためにも赤旗購読や入党していただき、ごいっしょに政治を変えましょう」と訴えました。
また、朝倉えつ子神戸市議は市政報告を行いました。
*
参加者から「政治の中身が良く分かった」「いっしょに頑張りたい」「希望がみえた」と感想がだされました。

(兵庫民報2020年9月20日付)

尼崎日本共産党後援会:総選挙・尼崎市議選勝利へこくた衆院議員招き総会


尼崎日本共産党後援会は第四十一回定期総会を九月十二日に開催しました。総会では、安倍首相の辞任から、解散・総選挙が遠くない時期に行われる緊迫した情勢のもと、尼崎で比例得票目標四万二千票以上を獲得し、こむら潤さんを含む近畿比例で四議席以上の勝利を勝ち取ること、さらに来年たたかわれる尼崎市議選での必勝をめざすことを意思統一しました。
こむら潤さんは――安倍政治の七年八カ月で「モリカケ」「桜を見る会」「公文書改竄」など政治の私物化で国民の命と暮らし、生業を壊してきた。こんな政治を国民が主人公の政治に切り替え、①ジェンダー平等の社会をつくる②子育てをする親として「学び、心のケア、安全」を保障する③文化・芸術を大切に守り・育てる国をつくる……の三つの目標を鮮明にして頑張ります――と訴えました。
こくた恵二衆院議員・党国対委員長は――「新しい激動の時代に入る」と志位委員長が述べているが、それは国民がコロナ危機を通じて、こんな政治でいいのか考え始めた。政治が命と暮らしに大きくかかわっていると実感したからです。保健所がなくなり、公立病院の統廃合で身近な病院がなくなる。儲けがあればいいとつぶしてきた。こんな新自由主義を続けさせていいのかが問われている。今度の選挙でも兵庫・尼崎の役割が大きい。これまで近畿ブロックの得票の伸びより兵庫・尼崎の伸びが大きく九六年に藤木洋子さん、九八年に大沢たつみさん、一四年に堀内照文さんを国会に送りだした。〝比例を軸に〟を貫き、なんとしても近畿でこむらさんを含め四議席を勝ちとろう――と訴えました。
総会では、尼崎市議六名と県議一名が決意表明、各後援会から活動報告があり、新会長に上山桂医師と役員を選出しました。

(兵庫民報2020年9月20日付)

養父市議選10月11日告示・18日投票:日本共産党が二議席回復へ全力


養父市議選(定数十六)は十月十一日告示・十八日投票で行われます。
日本共産党養父市委員会は現職の津崎和男氏と元職の竹浦昭男氏を立て、二議席回復を目指します。二氏の略歴は次のとおりです。
*
津崎和男(61)=現=市議一期、総務文教常任委員。口大屋スポーツクラブ21会長。党但馬地区委員。大阪産業大学短期大学部卒。生活相談区域=大屋・養父地域。
竹浦昭男(73)=元=一九七九年八鹿町議初当選、以降同町議・養父市議を歴任。兵庫県農民連賛助会員。党地区常任委員。島根県立大田高校卒。生活相談区域=八鹿・関宮地域。

(兵庫民報2020年9月20日付)

丹波市議選11月8日告示・15日投票:日本共産党は現有議席確保めざす


丹波市議選(定数二十)は十一月八日告示・十五日投票で行われます。
日本共産党は、現有二議席確保をめざします。二氏の略歴は次のとおりです。
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西本嘉宏(73)=現=春日町議五期・市議四期、議会運営委員長。党県委員、丹波地区委員長。柏原高校卒。
西脇秀隆(70)=現=市議二期、民生産建常任委員、氷上多可衛生事務組合議会議長。党地区副委員長。金沢大学教育学部卒。

(兵庫民報2020年9月20日付)

シリーズ 憲法が輝く兵庫県政へ「平和を創造する兵庫県に」

兵庫県原水協事務局長 梶本修史

コロナパンデミックに対する国の対応の遅れが問題になる中で、自治体の独自の取り組みが注目を受けた。平和の問題も、国の専管事項ではなく、自治体が住民の平和と安全を守る独自の努力を行うことが求められる。日本政府が「戦争できる国づくり」を推し進めている状況だからこそ、地方自治の力を生かした平和と人権を守る地方政治が切望されている。

国の「戦争できる国づくり」を優先する兵庫県でいいのか

米軍輸送機オスプレイが大阪(伊丹)空港に緊急着陸する事故が起こった(二〇一九年四月一日)。同空港の周辺市は、事故情報が国から伝えられなかったことに抗議し、市街地に位置し、安全への配慮が特に求められる空港にもかかわらず、着陸を許可したことについても抗議文を提出した。しかし、事故原因、空港までの飛行ルートなどが明らかにされることもなく事故機は離陸した。事故軍用機がどういうルートで飛来したかは、住民の安全を考えるうえで重要問題だが、兵庫県はそれを問うこともしなかった。
その後も、三田市(一九年三月)、加古川市(二〇年六月二十九日に四回)でオスプレイの飛行が目撃されており、日常的に兵庫県上空を飛行していると思われる。
兵庫県ホームページには、防衛省近畿中部防衛局から提供された「オスプレイ飛行情報」を掲載しているが、「岩国を離陸し、横田に着陸予定との情報が入りましたのでお知らせいたします」という程度のもので、兵庫県上空を通過したのかどうか、どういうルートかは触れられておらず掲載の意味は小さい。しかも、今年になってオスプレイ飛行が活発化しているのに、昨年八月以降の更新もなく兵庫県が真剣に向き合っているとも思えない。
兵庫県は、県民の平和、安全よりも、国の防衛方針、安保政策を優先させる態度をとっていることが一番の問題だ。それは、兵庫県が管理する姫路港にアメリカの軍艦を三度(二千一年八月、三年十一月、六年八月)も入港させた中で示された。入港申請した米軍艦に対して、神戸市・神戸港と同様に「非核証明書」を求めるように声があがり、県知事自身も「核兵器に対する県民の不安を払拭するため」「県民の平和と安全を守る立場から」と「非核三原則に係る状況について」米側に回答を求めた。米国からまともな「回答」がなかったが、「現行の枠組み、米政府の基本的な考え方というものを前提に判断したい」「すくなくとも日米安保条約上の相互関係からすると特定の理由なしに拒否をする理由がない」(記者会見)と、入港を認めてしまった。兵庫県は、県民の平和、安全よりも、「米政府の基本的な考え方」「日米安保条約上の相互関係」を優先するという態度をとった。

子どもたちを「軍事組織」に送っていいのか

安倍首相が、全国の自治体が自衛隊の隊員募集事務に非協力だと非難したことを契機に、兵庫県内でも積極的に協力する自治体が増加している。兵庫県の市町のほとんどは、住民基本台帳の「閲覧のみ」を認めているが、今年二月、神戸市長は防衛省自衛隊兵庫地方協力本部と「募集対象者情報の提供に関する覚書」を取りかわし、氏名、生年月日、性別、住所の「四情報」を電子データに加工し、自衛隊に「提供」した。西宮市、芦屋市、尼崎市でも電子データでの提供が行われるようになった。住民基本台帳法では、「閲覧」と「提供」を明確に区別し、市長が国の機関に「四情報」を「提供」することは認めていない。その上、個人情報保護条例に基づいて審議会に諮問されず「四情報」の「提供」を「覚書」のみで実施することは、プライバシー権の侵害にあたり憲法違反の重大な疑義がある。
兵庫県では、中学二年生を対象にした職業体験「トライやる・ウィーク」の受け入れ先に自衛隊が選ばれている。昨年だけでも、県内六十二校で二百五十九人の生徒が自衛隊で活動している
生徒たちは、十キロのリュックを背負っての歩行訓練、ヘルメット・迷彩服を着用して、顔にドーランを塗る「ドーラン大会」を行うなど軍事訓練そのものを体験させられている。自衛隊に対する賛否の問題ではなく、子どもたちが「軍事組織」に送り込まれていることの是非が問われる。

東アジア、日本海に接する兵庫県の役割ますます大きく

広島、長崎、沖縄は、平和を象徴する自治体として有名で、平和の発信で大きな役割を果たしている。兵庫県も、国内外に「平和を発信する県」となる条件が大きい。
憲法が輝く兵庫県政の会は、先の県知事選挙で、「平和にこだわる県政」を公約にかかげ、「非核・平和条例を制定し、『平和発信基地』となる」「多面的な自治体外交を展開して『非核北東アジア』づくりに貢献」などを提案した。
日本政府が「敵基地攻撃能力」を持とうとし、戦争が起きかねない緊張関係が増大する北東アジア、日本海に接する兵庫県の役割は、これまで以上に大きくなっている。
国連が「ミレニアム・フォーラム」(二〇〇〇年五月)の結論として、世界の政府が採用するように提言した非核「神戸方式」を四十五年も継続する神戸市も存在している。
兵庫県は、「北東アジア地域自治体連合」(六か国/中国・日本・モンゴル・韓国・北朝鮮・ロシアの七十八自治体が加盟)の活動に加わっている。一九九三年に発足した同連合は、「世界平和に寄与することを目的」とされている(兵庫県ホームページから)。
兵庫県は全国四十二番目の遅さながら二〇一七年に非核宣言を行った。兵庫県はじめ日本海側十六府県の非核宣言を実現し(青森県、新潟県が未宣言)、連合加盟自治体との共同で「非核の日本海」をつくることをリードする。「非核の日本海」は、核兵器禁止条約の内容を取りこみ、この海域への核兵器の持ち込み、核兵器積載艦の通行禁止などの措置をめざす。
今、米軍艦の寄港すらできなくしている非核「神戸方式」に着目して、韓国での実施めざす平和団体(釜山SPARK)と神戸市の平和団体との共同の努力がはじまった。釜山市議会で「非核釜山港条例」が提案されてもいる。
「北東アジア地域自治体連合」が、「全ての自治体の交流協力のネットワ-クを形成することにより、相互理解に即した信頼関係を構築」することを兵庫県が実行していくことで果たせる。

(兵庫民報2020年9月20日付)



ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:「原爆症の後遺障害治療」は「別の傷病」なのか?

副島圀義

九月六日は大阪地裁でSさんの事件。九日は高裁で高橋一有さんの事件。それぞれ二回目の弁論がありました。
ここでは主にSさんの事件についてレポートします。というのも、裁判長自身が「これは先例になるから」と、問題意識旺盛な姿勢を示していたからです。

原爆症と認定され「医療特別手当」を受けていたSさんに対して、五年後に大阪府が「認定疾病については要医療性がなくなった」ということで「特別手当」に格下げしたことをめぐって提訴されました。
認定疾病の治療に伴って十分ありうる後遺障害への治療が継続しているのに、「最初に認定した『疾病』を狭く限定するような法運用は適切なことなのか?」が争点になっています。
胎内被曝であったSさんは下咽頭がんになり「声を失いたくない」と放射線治療と化学治療、ごく限定的な切除の組み合わせで声帯を温存。難しい施術自体は成功したとのことですが部位が部位ですから、嚥下障害や甲状腺機能低下症での治療を継続中です。
このような場合、「最初に認定した疾病とは別の病気になった」という法運用がたいへん機械的なものであった、と判断すべきではないでしょうか?
そこには、今年二月の最高裁のような「経過観察は治療ではない」というような機械的判断の問題とも、異なる問題があります。
原告側は過去の司法判断も引きながら「認定疾病の治療に伴う通常の後遺障害の治療は認定疾病の治療の継続とみるべき」と主張します。
裁判長は被告側に対して「このようなケースについての事務手順はどうなっているか?」とも問うていました。

「原爆症認定はしても、できるだけ早く打ち切ってしまう」行政の在り方にもメスをいれる、あらたな課題が浮かび上がってきたといえそうです。

九日の高橋さんの控訴審で裁判所は、原告弁護団からの、真鍋医師を証人とする申請を却下しました。
これに対して弁護団は「やるべきことをやりつくす構えで臨む」との決意を披歴しました。
「日本の司法が、被爆の実相にきちんとむきあうようにしていくのも『国民の不断の努力』(憲法十二条)によるのだ」と、あらためてうけとめたことでした。

(兵庫民報2020年9月20日付)


兵庫労連第60回定期大会:コロナ禍のなか、今こそ労働組合――すべての労働者を視野に組織と要求前進させ未来拓こう


兵庫労連は第六十回定期大会を九月十二日、神戸で開催しました。コロナ禍で規模も縮小、時間も短縮するなど工夫して開きました。
*
成山太志議長は開会挨拶で「コロナパンデミックで弱肉強食の〝新自由主義〟路線ではダメなことが誰の目にも明らかになった。兵庫労連は昨年結成三十年を迎えたが、結成以来一貫して規制緩和、社会保障改悪など新自由主義路線とたたかってきた。安倍首相は病気理由に退陣表明したが、あらゆる分野で行き詰まり、コロナ対策でも疑惑でも国民の世論と運動で追い詰められた退陣だ。次期首相と言われている菅氏は消費税増税を言い出した。コロナで労働相談も多く、今こそ労働組合が求められる時。組織拡大でも奮闘しよう」と訴えました。
土井直樹事務局長が運動方針を提起――「新型コロナウイルスを克服し、『安倍改憲』を阻止し、憲法がいきる社会を。雇用を守り、八時間働いて人間らしく暮らせる社会を。すべての労働者を視野に組織と要求を前進させ、未来を切り拓こう」と提案しました。
コロナ禍のなかで雇用と賃金守り、生活を守るたたかいを職場からおこすこと、最低賃金の大幅引き上げへ最低生計費調査を本格的にとりくむこと、総選挙、知事選・神戸市長選など政治を変えるたたかいをすすめること、組織拡大へとりくむこと―などを提案しました。
*
討論では十三人が発言しました。
*コロナによる集会・行動の中止など制約の中で苦労。会議を再開し、たたかいを再開した。
*街頭宣伝も、配布でなくスタンディングにするなど工夫した。
*学校休校での非正規・給食調理員へ休業補償を求め、休校中も子どもたちの見守り登校のとりくみを続けた。
*今の学校は密。分散登校で少人数学級の必要性を実感し、少人数署名に共感が広がっている。
*組合結成や拡大でも、非正規や若い人の切実な要求・声を丁寧に聞くことからはじめ、相談に乗り、いっしょにたたかうことが大切。
*組合員獲得、裁判闘争、非正規の正社員化署名などの職場でのたたかいを報告。ストライキ・集会を開催し春闘賃上げをたたかった。
*問題が起こると、たたかった歴史が生きて、いざとなったら全労連組合に相談が持ち込まれている。
*地域労連の地方議会への全国一律最賃実現の意見書を求める陳述など、地域からの取り組み。
*兵庫労連のハラスメント調査を通じて労組のある職場でもハラスメントがある実態があきらかに。ハラスメントをなくそうととりくんでいる。
*コロナでの派遣切りもある、労組教育としても十九日上映の映画「時の行路」の活用を。
―など、各職場・地域での労働組合の役割とたたかいを交流しました。
*
大会提案議案の採択の後、特別宣言を採択、成山太志議長の音頭で「団結ガンバロー」で閉会しました。役員には、成山太志議長、土井直樹事務局長、事務局次長には岡崎史典氏、西村貴史氏らが選ばれました。

(兵庫民報2020年9月20日付)

こむら潤「危険、迷彩から癒やしの色へ」:こんにちは♡こむら潤です!(7)


工事現場などで〝危険!〟と書かれた看板は、何色でしょうか。たいてい黄と黒のストライプで表されています。鮮やかな黄色と最も対比の激しい黒と交互に並べることで、見る人に注意を喚起する効果があります。それよりも危険度が高く、禁止や緊急を表す色は赤。これらは太古以来、自然界からの教訓で、人間が共通して感じる「色の効果」です。赤は火や血液の色、黄色と黒のストライプは毒針を持つハチの体色です。
ハチだけでなく、毒を持つ生き物には、文字通り「毒々しい色」をもって自分は有毒だと敵に知らせる種がたくさんいます。驚いたことに、ハチではなく毒も持たないのに、ハチに体形も色も似せることで、敵に襲われないようにしている昆虫もいます。アブや蛾の仲間です。一体だれがどうやって、ハチが毒を持っていると知り、アブや蛾に擬態させたのでしょう。自然界はまだまだ謎がいっぱいです。
同じ黄と黒のストライプで危険な動物と言えば、トラです。しかし、トラのストライプは藪の中に体を溶け込ませ、目立たないようにするためだとか。動物園で歩くトラを見ていると派手な毛色としか思えませんが、森林や茂みでは立派な迷彩色なのですね。
さて、昨年から今年にかけての流行色は「アースカラー」―ベージュやカーキ、ブラウンなど落ち着いて穏やかな天然色です。母なる大地や海の色は、コロナ禍で不安な心を癒す効果があるのかもしれません。
(衆院近畿比例・兵庫8区予定候補)

(兵庫民報2020年9月20日付)

大門みきし「今度こそ新自由主義からの転換を」:連載エッセイ54


菅義偉さんは、私が対峙する九人目の首相です。ただ、一人目の森喜朗さんは、クリントン米大統領(当時)に「ハウ・アー・ユー(お元気ですか)?」と言うのを間違えて「フー・アー・ユー(あんた誰)?」と言ってしまうような人で、対決する前に自滅しました。
二人目の小泉純一郎さんからが本格的な論戦相手でした。彼は弱肉強食の新自由主義(構造改革)を一気に押し進めました。当時、新自由主義と正面から対決した政党は日本共産党だけでした。
小泉さんの跡をついだ安倍晋三さんは病気で辞任。そのあと福田康夫さん、麻生太郎さんと首相が代わりましたが、新自由主義がもたらした貧困と格差の拡大を放置し、とうとう自民党は民主党に政権を奪われました。しかし民主党政権(鳩山、菅、野田首相)も、新自由主義的政策を堅持したうえに消費税増税に道筋をつけるなど、国民の期待を裏切りました。
政権を奪還した安倍晋三さんは株価引き上げの「アベノミクス」で国民に幻想を振りまきながら、雇用の流動化、社会保障削減などさらに新自由主義を徹底しました。そしてまた「自助」を第一に掲げ新自由主義を継続しようとする菅政権が誕生します。
しかしコロナ禍をうけて新自由主義にたいする国民の批判が強まり、立憲民主党も新自由主義批判の立場を明確にしました。総選挙にむけて市民と野党の共同をさらに広げるなら、今度こそ新自由主義からの転換は可能だと思います。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2020年9月20日付)

兵庫山河の会〈九月〉

百歳を目指して生きる母なれば娘を気遣い施設で笑顔
 加藤やゑ子

炎天下虫網もちて走る子ら日本の未来に希望をみたり
 山下 勇

あと六つ批准国が増えていく希望に輝く核廃絶を
 西澤 愼

十年かけ老いて死ぬるを教えしや母なき夏の木槿の白よ
 山下洋美

置き配というシステムに慣れていき今や欠かせぬ生活のすべ
 新井 幸

コロナ禍に自粛自粛と耳にタコおかげで苦なく粛の字書けり
 岸本 守

外壁にしがみつきたる空蝉の背なに小さき割れ目の残る
 塩谷凉子

コロナ余暇読書にあてむ予てから心にとめゐむ亡夫の蔵書を
 石井敏子

バスからの見慣れた街も旅のよう塀からのぞく木槿の白さ
 古谷さだよ

万全を期して開いた研修会講師のはなしは輝く未来
 大中 肇

ひまわりの小さいながら凜と咲き我が家の庭を明るく照らす
 鵜尾和代

為政者の資質品性あらわにし新型コロナは世界をかける
 古賀悦子

(兵庫民報2020年9月20日付)


亀井洋示「モリ・カケ・サクラ――アベソンタク号 勝ち馬にのる」



(兵庫民報2020年9月20日付)

観感楽学


元海員組合役員の藤丸徹さんが驚くべき体験を報告されている(本紙九月十三日付)。米領事らが労組を訪問し、米軍艦の神戸港寄港、非核「神戸方式」廃止を打診してきたという▼米国の神戸港への干渉が始まったのは一九九九年十一月。駐日米国大使が来阪、大阪府と兵庫県の地方議員を集め、「米艦の神戸港寄港が願い」と露骨に圧力を加えた。以後、米海軍長官、第七艦隊司令などから同様の圧力がつづく▼米大使が十六社の米企業代表を引き連れ神戸港を視察。「米軍艦が入港できないことで反米的ととられビジネス面でマイナス」と震災後に苦闘する神戸経済界、神戸市に、企業進出をエサに米軍艦寄港を迫る卑劣な圧力も▼関西在住の報道各社代表をわざわざ伊丹空港から北海道沖で演習中の空母に運び、第七艦隊司令、在大阪・神戸総領事が同艦上で記者会見を行い寄港要求▼米総領事が神戸港の労働状況の視察名目で神戸港湾、海員組合、連合兵庫を訪問し、「艦船入港に反対すると反米的ととられる」と圧力発言▼手を変え品を変えの自治体の措置への外国からの干渉。きっぱり反対した藤丸さんのように神戸市、神戸市民も毅然とした意思表示を。(K)

(兵庫民報2020年9月20日付)

2020年9月13日日曜日

日本共産党と語ろう!:WithYou#JCPカフェ丹波で

丹波市でひらかれたJCPカフェ会場のようす。

日本共産党丹波地区委員会は「ウイズ・ユー#JCPカフェ」を九月五日、丹波市氷上町の生郷交流会館で開きました。 
丹波地区委員会の青年学生対策部が、共産党に興味を持っている人たちに集まってもらい、生活の悩みや社会の矛盾などをざっくばらんに話し合ってみようと計画したものです。
当日は約三十人が、手作りケーキと缶コーヒーなどで和やかにコーヒータイムを楽しみました。
最初に日本共産党紹介のビデオ『ワタナベ・コウさん、ツルシカズヒコさんが日本共産党〝発見の旅〟でたどり着いた場所』を視聴した後、こむら潤衆院比例・兵庫八区予定候補(尼崎市議)が自分の生い立ちや学生時代のこと、入党のきっかけなどを語り、まだ入党していない人はぜひ入党をと呼びかけました。

丹波JCPカフェで語るこむら潤さん。

その後、みんなで意見を出し合い懇談をしました。「一分間スピーチ」で、自己紹介する人、共産党への質問をぶつける人、自分の入党のきっかけを語る人など様々な発言があいつぎ、有意義な時間が過ごせました。
最後に、こむらさんが参加者の意見や質問に応えました。
参加者から「こむらさんの話がわかり易く、親しみが持てました」「こんな雰囲気で共産党の話が聞けたら楽しい」「また、こんな時間が有ったら参加したい」との声も出、十一月の丹波市議選や、いつあってもおかしくない総選挙をめざして、第二回、第三回と続けていきましょうと確認し合って解散となりました。
―平山和志(丹波地区委員会)

(兵庫民報2020年9月13日付)

日本共産党垂水区後援会総会:衆院兵庫3区予定候補赤田かつのりさん力強く決意

がんばろー!と気勢をあげる赤田かつのりさんと垂水区後援会の人々。

日本共産党垂水区後援会は第四十回総会を九月五日、垂水区文化センターで開きました。
通常五月の開催がコロナ禍の中で延び延びになっていました。会場の使用制限で、八十人定員の会場を半数の入場に減らされた中での開催でした。
総会では、日本共産党衆院兵庫三区予定候補の赤田かつのりさん(前神戸市議)が力強く決意表明しました。
赤田さんは――七年八カ月に及ぶ安倍政権は、決して〝長い間ご苦労様でした〟とは言えない政治です。安倍総理は辞任を表明しましたが、今、安倍政治の悪政を一掃することが急がれています。
―日本共産党は一月の党大会で、安倍政治からの転換の方向として①憲法にもとづき、立憲主義・民主主義・平和主義を回復する②格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治にきりかえる③多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く―の三点をあげ、この方向にそって野党連合政権をつくろうと提起しました。
―地道な国会内外の全国の運動が政治の流れを変えつつあります。今こそ日本共産党の議員を増やしましょう。兵庫県には共産党の国会議員がいません。ぜひ後援会のみなさんにも協力をお願いします――と訴えました。
衆院比例予定候補のこむら潤さんのメッセージも披露されました。
また今井まさこ市議が市議会報告をし、県後援会会長の森原健一さんが「日本共産党の『改定綱領』の魅力を力に」と題し講演しました。
総会は、総選挙をたたかう方針を決め、新役員を選出しました。
―戸田晃(神戸西地区委員会)

(兵庫民報2020年9月13日付)

「7区市民連合」発足:自公政権に代わる新しい連合政権めざし

渡辺武世話人が開会挨拶。

「野党は共闘!西宮芦屋市民の会(準)」は九月六日、芦屋市内で第三回総会を開き、「連合政権をめざす兵庫七区市民連合」(略称=「七区市民連合」)に発展改組しました。立憲民主党、日本共産党、新社会党の衆院兵庫七区責任者とよつや薫西宮市議からメッセージが寄せられました。
総会では、渡辺武世話人(元大阪城天守閣館長)が開会挨拶。「新しい政治が始まろうとしている時期。安倍政権に代わる新しい連合政権をつくるための画期的な第一歩になるよう『七区市民連合』への発展改組にご協力を」と訴えました。
講演で、冨田宏治関西学院大学教授は、安倍首相の退陣表明の本質を解明し、衆参で三分の二の議席を持っていたのに改憲の入り口にも立たせなかった国民の世論と私たちの運動への確信をもつこと、その力で野党連合政権を実現することが求められており、そこに「七区市民連合」の重要性があると強調しました。コロナ禍で明らかになった問題と新しい展望を詳述し、コロナ禍が多くの人に変わるチャンスを与えており、共通政策を発展させ、投票率を上げ、野党連合政権をつくっていこうと強調しました。
樫村庸一準備会事務局長が、この間の活動経過、「連合政権をめざす兵庫七区市民連合」の結成の意義、申し合わせ事項、役員などを提案。討議を受けて確認されました。
「七区で市民連合ができ、新しい政治を実現する展望が見えた」など感想が寄せられました。

(兵庫民報2020年9月13日付)

まずは使ってみようツイッター:日本共産党明石市委員会が講習会

佐藤 結(党県委員会勤務員)

日本共産党明石市委員会の「一から学ぶ ツイッター講習会」(九月六日)で講師をしました。参加者に、それぞれスマホを持参してもらい、その場でツイッターアカウントを作成、自分でツイートする・フォローする・リツイートするという基本の操作を一通り体験していただきました。
新型コロナの感染拡大が続き、これまでどおりの活動ができないなか、オンラインでの活動の重要性が急速に高まっています。また以前から、ビラをポスティングできないマンションが増えているなど、これまでとは違う活動が求められてもいました。
SNSを使いだしたからといって支持がどんどん増えるという簡単なものではありませんが、有権者がSNSなどで日本共産党の議員や党員の声に触れ、注目を寄せるケースも広がっています。またSNSは、テレビの政見放送やCMなどと違い、自分たちの努力で支持を広げられるツールでもあります。SNSは、あらゆる宣伝をやりつくすための一手段です。
発信が苦手という方は、まずは、「社会の動きを知るためのツール」としてSNSを使ってみましょう。慣れてきた方は、「人に届く言葉」を探求してみてください。それは、ニュースづくりや街頭宣伝にもきっと役に立つはずです。
講習会の後、「JCPサポーター明石」ツイッターアカウントも発足しました。

(兵庫民報2020年9月13日付)



兵商連第68回定期総会:「アベ政治」引き継ぎ許さず、中小業者を主人公に地球循環型経済社会へ

兵庫県商工団体連合会第68回総会会場の様子。

消費税一〇%増税と新型コロナウイルス感染症の拡大が中小業者と地域経済に甚大な被害を及ぼすなか、兵庫県商工団体連合会は九月六日、「今こそ、消費税五%減税、改憲発議NO、共同の力で安倍政権の退陣を!」をスローガンに第六十八回定期総会を開きました。
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磯谷吉夫会長は、挨拶で、「安倍首相の辞任表明は、表向きは体調不良によるものとされているが、悪政に反撃する国民の運動と共同が広がる中で、追いつめられた結果だ。誰が首相になっても、『アベ政治』が引き継がれるならば、私たちの商売と暮らしは良くならない。大企業優遇、アメリカいいなりの古い政治を、中小業者を主人公とした地域循環型の経済社会へと変えていこう」と呼びかけました。
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県下三十民商は、コロナ禍の中で、感染症対策をとりながら、地域の中小業者の切実な要求相談に懸命にとりくんでいます。相談内容も、三~四月は生活福祉資金、事業用資金、四月末から県休業要請支援金、五月からは持続化給付金、七月半ばからは家賃支援金と変化してきています。しかも、経産省の支援策の申請は、電子申請しか認めず、複雑な専門用語と硬直した制度設計です。こうした相談活動の中で、四月以降、例年を大きく上回る新入会員を迎えています。
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総会は、「感染症の拡大は、国民の生活よりも大企業の利益を優先させてきた長年にわたる自民党政治から、中小業者・国民が主人公の新しい政治への転換が喫緊に求められていることを明らかにした」として、「地域の中小業者が元気に商売を続けてこそ、雇用が生まれ、地域で経済が循環し、安心して暮らせるまちづくりへとつながる。そのためにも、さらに大きな民商・兵商連建設に挑戦しよう」との方針を決定し、運動の先頭に立つ新役員を選出しました。
―田中邦夫(兵商連事務局次長)

(兵庫民報2020年9月13日付)

革新懇、オール灘区の会、社保協がコロナ対策で区長に申し入れ:検査体制と不安に応える相談室を

近藤秀子(オール灘区の会) 

灘区長に申し入れる人々。

神戸市の灘区革新懇(革新の輪を広げる灘区懇話会)、オール灘区の会(くらし・平和・民主主義を守る灘区の会)、灘区社会保障推進協議会は九月三日、灘区長に対し、新型コロナウイルスの感染悪化を食い止めるための緊急申し入れを行いました。 
「誰でも、いつでも、何度でも」検査できる体制をつくり、感染の早期発見や治療につなげ、感染の広がりを抑えること、感染者のプライバシーに配慮しながら情報開示すること、とくに区民の「コロナに感染したら」という恐れや不安にいつでも適切に応える「コロナなんでも相談室」(仮称)を区役所に設けることなどを申し入れました。
これに対し、中西理香子区長から、「灘区には保健センターがあり、保健師も常駐ししっかり対応している。感染者の情報開示はケースバイケース、全てを公開することは難しい。かえって不安感をあおることになる」との回答がありました。
神戸市は二十四時間相談専用ダイヤルを設けていますが、区役所にも平日の時間帯、電話がかかり保健師が対応していること、また高齢者世帯の暮らしについては、民生委員との懇談がとても参考になるそうですが、民生委員のなり手が少なく困っているとの悩みも聴くことができました。
社会的に弱い立場の人が置き去りにされる今の政治、「灘区民を不安や恐れから守り、区民に寄り添う行政でなければ……」という中西区長の言葉と私たちの思いが重なります。
行政の力を借りながら、住み良い灘区にできるよう、区民の声に耳を傾け行政との架け橋になれたらと思います。

(兵庫民報2020年9月13日付)

三田市議選迫る:9月27日告示・10月4日投票:日本共産党3議席確保・得票増へ全力――野党連合政権実現の幕開けに


三田市議選(定数二十二)は九月二十七日告示、十月四日投票で行われます。 
日本共産党は長尾あきのり(42)=現=、木村まさと(56)=新=、水元さゆみ(50)=新=の三人を立て、三議席確保をめざしてたたかいます。
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三田市は「市民病院の経営はこのままでは無理。大規模化、運営形態の見直しが必要」と市民病院と神戸市北区の済生会病院との統合を進めようとしています。党市議団は「新型コロナウイルスが広がる中で、地域の病院の重要性があらためて認識されました。コロナ感染者を受け入れながら、救急患者を受け入れた命のとりで、市民病院は今の場所で充実・存続を」と訴えています。
また、いったん実現した中学卒業までの子どもの医療費の無料化を二〇一八年七月から一部有料化、二〇一八年には中学校の統廃合計画が出され、今年八月には十園ある市立幼稚園を認定こども園二園、幼稚園三園に「再編」する計画を発表するなど、市は国・県と一体に福祉・教育切り捨ての市政を進めています。
農村部では、車を運転できない高齢者が増えている中、外出支援制度を求める声が大きくなっています。
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三田市の党組織は三人を先頭に連日、街頭や駅頭での宣伝や「しんぶん赤旗」読者、後援会員、支持者との対話・支持拡大をすすめています。三人と日本共産党への有権者の期待は広がりつつありますが、新人二人を含めた三人全員を市議会に送り出すには、これまでにない大きな取り組みが求められています。
この市議選には、共産三、自民三、公明三、維新一、国民一、立民一、無所属が二十五人前後、合わせて三十七人前後の立候補で多数大激戦となると見込まれます。
安倍内閣に代わる新政権発足直後に行われる選挙戦となり、解散総選挙もいつ行われてもおかしくない状況のなか、注目の選挙戦となります。
日本共産党三田市議選闘争本部は、「今回の選挙で何としても三議席確保・得票増を果たし、選挙戦を通して党勢を大きくし、三田から市民と野党の共闘で野党連合政権実現の幕開けにしよう」と訴えています。

(兵庫民報2020年9月13日付)

宮本たけし「大阪市廃止よりコロナ対策に全力を」:連載「東奔西走」5


安倍首相が辞任し、新しい激動的な時代が始まりました。八月二十八日の辞任会見の直前、ある全国紙からコメントを求められました。首相の辞任表明は、直接は健康悪化が理由ですが、内政、外交、コロナ対応、あらゆる面での「安倍政治」の行き詰まりの結果です。
とりわけ私が追及してきた森友・公文書改竄問題は何一つ解決しておりません。「私は真実が知りたい」との声を上げ、裁判でたたかう赤木雅子さんの思いにこたえなければなりません。
同時に、九月三日の大阪市議会では、大阪市を廃止・解体して、四つの特別区に分割する住民投票が決められました。「住民投票よりコロナ対策を」という大阪府民・市民の声を踏みにじり、数の力で押し切った維新・公明の責任は重大です。
私は五年前、二〇一五年五月十五日の「衆院地方創生特別委員会」での論戦で、「現状で、東京二十三区も含めて特別区というものが一般市や政令指定都市になる、そういう道、方法は法律上存在するか」と聞きました。
当時の総務省大臣官房審議官は「現行法上、特別区を廃止し、その区域に新たに市町村を設置する手続は設けられておりませんので、大都市地域特別区設置法に基づき特別区を設置した後に、特別区が市町村に戻ることはできない」と答弁。「特別区」というものは、引き返せない「片道切符」なのです。
大阪市をこんな時期に廃止するのではなく、コロナ対策に全力をあげて取り組むべきだということを訴え抜き、必ず否決しましょう。
(日本共産党前衆院議員)

(兵庫民報2020年9月13日付)

5行の文章で核兵器積載艦船の入港を阻止している決議――非核「神戸方式」に関わるささやかな思い出

藤丸 徹(元全日本海員組合教宣部長)

今年で「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」(一九七五年三月十八日)が採択されて四十五年になります。非核「神戸方式」が決議されて以来、神戸には一隻も核兵器を積載した艦船は入港しておらず、全国から垂涎の眼差しで見られています。
一九九九年、米軍への後方支援活動を合法化し、自衛隊が日本の領土外で活動することを可能とする周辺事態法が成立しました。これを受けて米軍は、日本の主要な港湾を利用する目的で大々的な調査を行いました。
二〇〇〇年七月のある日の朝、海員組合関西地方支部(神戸)の副支部長をしていた僕に、米国大使館から「訪問したい」との電話がありました。
大使館から二人が日本人通訳を伴って組合事務所にやってきました。
はじめに、色白の小柄なスラブ系のB氏から「神戸港の状況と景気はどうか」との質問がありました。僕は、外航船の入港動静と取り扱い貨物量の推移、カーフェリー、旅客船の動静について説明し、総じてかつてのミナト神戸の盛況はない、と応答しました。
次に、大柄でハリウッド俳優然とした上役のA氏から港の雇用について質問がありました。僕は、二年前の明石大橋の完成、通行開始とともに旅客船・カーフェリーの船員三千人の解雇と再就職問題について説明し、港湾労働者数の動向については詳しくわからない、と答えました。
組合の取り組みや今後の方向性などについての質問や意見交換が続いた後、A氏から「米国も神戸港の再建に向けて協力したいがどう思うか」との問いがありました。僕は、「ありがたいが具体的にはどのようなことか」と問い返しました。
彼は、「米国企業を神戸に誘致したい。協力するには米国艦船の入港が前提」と言い、「今は米国艦船が入港していない。非核『神戸方式』をどう思うか」とたずねるので、僕は、「非核『神戸方式』は市議会の総意で決めたもの。市民の圧倒的多数が支持している」と返事しました。
A氏は、「神戸港の復活に米国としても何とか協力したい。よって非核『神戸方式』の廃止に向けて協力してもらえないか」と畳みこんできました。
「米国の協力はありがたいが、非核『神戸方式』の廃止は個人的にも組織的にも不可能。ミナト神戸は商業港。核艦船の入港は商売の阻害になるし、市民に不安を与える」と僕はきっぱり断りました。
当初は通訳を通しての会話でしたが煩わしいので、途中から僕はブロークンな英語で説明しました。当方の気配りを察したのか、それとも僕のブロークンが聞くに堪えなかったのか、二人とも流暢な日本語を話しだしたのでビックリ。同時に、少し薄気味悪いものを感じました。
その後も両氏から、安保条約をどう思うかとの質問や、米国艦船の安全性と艦船入港の必要性についての発言が繰り返されましたが、平行線となったので話し合いを打ち切りました。
神戸港は、修理ドックもあり、船具・船食の調達も容易で、海事クラスターも完備、乗組員が保養するための温泉・娯楽・保養施設もたっぷりあるので、軍港としては最高の港。それだけに米軍は、神戸港を咽喉から手が出るほどに欲しがるはず。
平和な商業港としての神戸を何としてでも守りたい。
*
(「西宮さくらんぼニュース」九月五日付掲載分を「兵庫民報」向けに書き改めました。)

(兵庫民報2020年9月13日付)



参考企画

非核「神戸方式」決議45周年のつどい 
10月24日(土)〈国連軍縮週間初日〉14時、神戸市勤労会館7階大ホール/記念講演:吉田敏浩(ジャーナリスト)「米軍優位の日米地位協定と日米合同委員会の密約」/資料代: 1,000円/①会場定員150人、②Zoom配信、①②とも事前申し込みが必要/主催:実行委員会(事務局:神戸港湾共闘会議、新婦人兵庫県本部、兵庫県原水協) Tel. 078‐341‐2818、Fax 078‐371‐2427、Email hikakukobe@yahoo.co.jp 

空襲と戦災遺跡から平和を考える:芦屋平和委員会「あつまれひろがれ平和のわ」

講演する学芸員の竹村さん。

芦屋平和委員会(濱本美津子会長)は九月五日、第八回「あつまれひろがれ平和のわ『芦屋の空襲と戦災遺跡から平和を考える』」を芦屋市民センターで開催しました。 
四月に総会企画として予定していましたが、新型コロナ問題で総会を中止・延期にしたため、「平和のわ」の今年の企画に変更して開催したものです。講師は、芦屋市の「出前講座」として教育委員会の竹村忠洋学芸員にしていただきました。竹村氏は近現代の考古学が専門ですが、遺跡調査の際に見つけた穴が空襲による爆弾跡であるとの証言を近くに住む方から得たことをきっかけに、太平洋戦争に関わる遺構・遺物の調査研究に取り組んでいます。
芦屋では一九四五年五月十一日、六月五日、六月十五日、八月六日の四回の空襲がありました。竹村氏は、五月と六月は他市の攻撃の余波だが、八月の空襲は芦屋の市街地も目標とされて焼夷弾攻撃がされ、芦屋の市街地の三割が被災したことを説明。このときの空襲で八十九名が犠牲となり、四回全体では百三十九名が死亡しました。
竹村氏は参加者の質問に答えて、「近現代を調査対象としているが、太平洋戦争だけは『歴史のできごと』としてすませてはならないと思っている」と述べ、「七十五年前にあったことが信じられないという人がいるが、それだけでは今から七十五年後に『七十五年前にそんな平和な時代があったのか』ということになりかねない」「当時も平和やデモクラシーが進んでいた時代から戦争へと突き進んで行った。今からも戦時体制になることはあり得ると思っておかなければならない」と強調しました。また、行政の役割に関して「戦争遺跡は文化財にはならないので、残っているものを集約して公開していかなければならない。継承をいかにしていくかが課題です」と語りました。
今後、芦屋平和委員会では実際に戦災遺跡を見学することなどにも取り組んでいく予定です。
―平野貞雄(芦屋平和委員会事務局長)

(兵庫民報2020年9月13日付)

老朽原発うごかすな!inおおさか大集会に1600人:兵庫ではイレブンアクションで連帯

集会後、「老朽原発うごかすな!」の横断幕を掲げデモで訴える参加者。

関西電力は運転開始から四十年以上経過した高浜一、二号機、美浜三号機の再稼働に向けてコロナ禍の中でも準備を進めています。全国にある原発の六十年運転につながる再稼働を許すことはできない――と「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」(主催=9・6老朽原発うごかすな!大集会inおおさか実行委員会)が九月六日、大阪市西区のうつぼ公園で開催され千六百人が参加しました。
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主催者挨拶を行った中嶌哲演代表委員は「老朽原発を動かすなと関西電力に訴え、福島の惨禍を繰り返してはいけない。この集会の成功で原発ゼロの社会を実現しよう」と呼びかけました。
実行委員会の木原壮林さん(若狭の原発を考える会)からは、四十年以上稼働している原発は、高温、高圧の下で高放射線に長年さらされた原子炉の圧力容器や配管の脆化、腐食、減肉が進んでいることや、地震の大きさを過小評価していた時代に造られた圧力容器である点などを指摘し、老朽原発を動かし続けることで事故の確率が上がる危険性が示されました。
「関電の原発マネー還流を告発する会」や各地の原発訴訟の原告や支援者、老朽原発の地元住民、民主団体、労働組合などがリレートークを行いました。
集会の後、難波までデモ行進し、市民に「老朽原発うごかすな」「老朽原発いますぐ廃炉」のコールで訴えました。
賛同団体・個人は千三十六に上りました。原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会(原発をなくす兵庫の会)も集会に賛同しています。
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原発をなくす兵庫の会は九月十一日、毎月定例で行われているイレブンアクション(十八時から神戸大丸前)を「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」の連帯行動と位置づけ、老朽原発廃炉に向けての声をともに広げました。
―岡崎史典(原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会)

(兵庫民報2020年9月13日付)

困窮者の電気は切らず、電気代減免を:原発なくす会など5団体が関西電力に申し入れ

長期コロナ禍のなか、電気料金負担軽減を関西電力に求め、原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会、兵庫県労働組合総連合、兵庫県商工団体連合会、兵庫県保険医協会、兵庫県民主医療機関連合会は八月三十一日付けで、五団体連名による文書申し入れを行い、文書回答を求めています。
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コロナ禍によって人々の暮らしや生業は困難に直面しています。加えて猛暑でクーラーの使用が呼びかけられ、電気使用量が増しています。
この危機を打開する一助として、多くの市町が財政調整基金などを取り崩し、水道代の減免に踏み切っています。また政府は生業固定費をささえるため第二次補正予算で〝家賃補助〟も行います。
ところが、関西電力や大阪ガスは、公共的ライフライン産業にもかかわらず、電気代・ガス代の減免を行わず、「支払い困難者には、支払い期限の数カ月延長の相談にのる」だけの姿勢です。
関西電力の場合、電気代の回収ができない場合などに〝資産取り崩し〟の手法で対応する「貸し倒れ引当金」を今年度、七十六億円も計上していますから、電気代支払い困難者に対する減免は当然可能だと五団体は指摘しています。
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今回の要請と質問は次のとおりです。

要請事項

1 新型コロナウイルス感染拡大により、売り上げが減少する中、固定費が大きな負担になっている中小企業、商店などの電気代を減免すること。
2 コロナ禍の中で、猛暑日が続き熱中症対策としてクーラーの使用が呼びかけられ、一般家庭では電気代が大きな負担になっています。一般家庭に対する電気代の減免をすること。
3 電気代の支払いが困難な世帯に対して、電気の供給停止をやめること。

質問事項

1 二〇二〇年八月末現在、関西電力管内の一般家庭、商店、病院、諸企業などの支払い延期処置の件数、その滞納額概算数値の公表を求める。
2 全国の電力会社は、支払い期限延長処置や〝減免しない〟などで意思統一をしたのか、それはいつ行ったのか明らかにされたい。
3 一般家庭ではスマートメーターが普及しているが、関電の場合、計器の三段目電気切断部は通常空けている。関電と関係会社は「支払い遅延が頻繁な世帯」には、この三段目を取り付けに行く作業も開始していると言われているが、実態の説明を求める。
4 水道代の減免は「基本料金ゼロ」「従量料金半年分」など減免方法は解りやすい。だが電気代メニューは様々なので、例えば一般家庭(新電力移行需要家も含め)の場合、どのような減免措置があるのか、示されたい。
5 関電は「支払い延長には相談にのる」というが、どのような相談が来ているのか、具体的・リアルに公開されたい。
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関西電力はこの要請に対し「内容を検討の上、質問に対する回答を行うかどうかも含めて後日返答する」としています。
五団体は「暮らしや生業の中で電気はなくてはならないインフラです。関西電力はコロナ禍の苦しい状況を真摯に受け止めて要請内容を実行していただきたい、と思います」としています。
―速水二郎(原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会)

(兵庫民報2020年9月13日付)


戦争させない、9条壊すな!11.3兵庫憲法集会:ネット配信で開催(11月3日13:30~)


「戦争させない、九条壊すな! 総がかり行動兵庫県実行委員会」が主催する「11・3兵庫憲法集会」が、新型コロナウイルスの感染状況から、ことしはインターネットでのライブ配信を基本として行われます。
十一月三日(火・祝)、十三時三十分からの新井深絵さん(ゴスペルシンガー)のミニコンサートの後、十四時開会、十六時閉会。ネット配信は次のリンクから視聴できます。
https://youtu.be/Oc9vM8-llAk

 



ネット配信の視聴が困難な場合は会場(神戸芸術センター)で直接参加することができます。ただし、先着順五百人のみ(事前申し込み制度なし)。

メインの企画はパネルディスカッション「コロナ禍での憲法、平和、民主主義を問う」。パネラーは(以下敬称略)、寺脇研(文化庁文化部長など歴任、映画プロデューサー、評論家)、上脇博之(神戸学院大学法学部教授)、永井幸寿(弁護士)、コーディネーターは津久井進(弁護士)。司会は小山乃里子(ラジオパーソナリティ)。 

実行委員会連絡先はTel.078・341・3332、Fax078・361・9990

(兵庫民報2020年9月13日付)