長期コロナ禍のなか、電気料金負担軽減を関西電力に求め、原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会、兵庫県労働組合総連合、兵庫県商工団体連合会、兵庫県保険医協会、兵庫県民主医療機関連合会は八月三十一日付けで、五団体連名による文書申し入れを行い、文書回答を求めています。
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コロナ禍によって人々の暮らしや生業は困難に直面しています。加えて猛暑でクーラーの使用が呼びかけられ、電気使用量が増しています。
この危機を打開する一助として、多くの市町が財政調整基金などを取り崩し、水道代の減免に踏み切っています。また政府は生業固定費をささえるため第二次補正予算で〝家賃補助〟も行います。
ところが、関西電力や大阪ガスは、公共的ライフライン産業にもかかわらず、電気代・ガス代の減免を行わず、「支払い困難者には、支払い期限の数カ月延長の相談にのる」だけの姿勢です。
関西電力の場合、電気代の回収ができない場合などに〝資産取り崩し〟の手法で対応する「貸し倒れ引当金」を今年度、七十六億円も計上していますから、電気代支払い困難者に対する減免は当然可能だと五団体は指摘しています。
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今回の要請と質問は次のとおりです。
要請事項
1 新型コロナウイルス感染拡大により、売り上げが減少する中、固定費が大きな負担になっている中小企業、商店などの電気代を減免すること。
2 コロナ禍の中で、猛暑日が続き熱中症対策としてクーラーの使用が呼びかけられ、一般家庭では電気代が大きな負担になっています。一般家庭に対する電気代の減免をすること。
3 電気代の支払いが困難な世帯に対して、電気の供給停止をやめること。
質問事項
1 二〇二〇年八月末現在、関西電力管内の一般家庭、商店、病院、諸企業などの支払い延期処置の件数、その滞納額概算数値の公表を求める。
2 全国の電力会社は、支払い期限延長処置や〝減免しない〟などで意思統一をしたのか、それはいつ行ったのか明らかにされたい。
3 一般家庭ではスマートメーターが普及しているが、関電の場合、計器の三段目電気切断部は通常空けている。関電と関係会社は「支払い遅延が頻繁な世帯」には、この三段目を取り付けに行く作業も開始していると言われているが、実態の説明を求める。
4 水道代の減免は「基本料金ゼロ」「従量料金半年分」など減免方法は解りやすい。だが電気代メニューは様々なので、例えば一般家庭(新電力移行需要家も含め)の場合、どのような減免措置があるのか、示されたい。
5 関電は「支払い延長には相談にのる」というが、どのような相談が来ているのか、具体的・リアルに公開されたい。
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関西電力はこの要請に対し「内容を検討の上、質問に対する回答を行うかどうかも含めて後日返答する」としています。
五団体は「暮らしや生業の中で電気はなくてはならないインフラです。関西電力はコロナ禍の苦しい状況を真摯に受け止めて要請内容を実行していただきたい、と思います」としています。
―速水二郎(原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会)
(兵庫民報2020年9月13日付)