2020年7月26日日曜日

「性別」という息苦しさ――ジェンダーとルッキズム:民青県委員会がオンライン学習会


民青同盟兵庫県委員会は7月12日、「「性別」、という息苦しさについて」と題して、ジェンダーとルッキズム(見た目差別)の問題についてのオンライン学習会を開催しました。講師は日本共産党中央委員会の岩崎明日香さん。

世界を変えつつある#MeTooの流れ

まず初めに、岩崎さんがスライドを使って「ルッキズム」には2300年前の古代ギリシャの時代からの歴史があること、その後、資本主義の発展とともに18世紀のヨーロッパで「観相学」が流行し、優生思想とも結びついて広がったことなど歴史的な経緯について紹介しました。
そして現代では「ミス・アメリカ」での水着審査の撤廃やJALやANAでハイヒール着用義務の撤廃が実現するなど「#MeToo」の流れが世界を変えつつあることや、さらに美容業界も画一的な「美」ではなく多様な個性を尊重する流れが広がりつつあることを紹介しました。

「社会になじむため必要?」

岩崎さんの話の後は、参加者で交流しました。
「中高生の時、周りの子たちがファッションとか化粧とかに興味を持ち出した時に自分は全く興味を持てなくて、その後、大学に入ってからも化粧をしなかったらバイト先の客から『なんで化粧してないの』と言われたり、友達からも『もっとおしゃれをしなさいよ』と言われたりした。社会になじむためにはそういうものが必要だという抑圧を受けているように思う」
「大学生になってからメイクや服装に気を使うようになって『大学生っぽくなったね』と言われた。以前の自分のことをこの人はどう見ていたのだろうかと違和感を持った。きっとその人は褒めているつもりだったけど、すでにそれが差別的な見方になっているとも思う。でも、それを気にしだすと何も言えなくなるとも思うので、複雑な問題だと思った」などの意見が出されました。

なりたい姿や品性を

それを受けて岩崎さんは、「世間が決めている美の基準から解放されて、本当の自分に似合っているものと出会ってから自己肯定感がすごく上がりました。スウェーデンでは相手を褒める時に『美人だね』とは絶対に言わなくて、『センスいいね』『似合っているね』と褒めるそうです。相手のなりたい姿や品性について言及する。同時にそれは相手との関係性も配慮しながらの言及になるので難しい問題でもあります」と話しました。

いじる人には考えるきっかけを
さらに参加者から「関西で育つと、吉本の影響があって見た目に対する「いじり」がひどい。言葉にできない「いじられ」の空気がいやだ」「上野千鶴子さんや田嶋陽子さんの著書の中で、ハイヒールが美しいという感覚そのものがマスコミによって喧伝されていると言われていた。自分はそうなのかなとも思うし、違うような気もするし、それはどう思うか」などの意見が出されました。
岩崎さんは「見た目に関しての「いじり」についてどう切り返すか、私にも難しい時が多い。アルテイシアさんが提唱してい「bot返し」*が参考になります。例えば『まだ独身なの?』と言われた時に『あ、あなたはそういうお考えなんですか?』と切り返す。すると相手も『今の発言は何かまずかったかも』と考えるようになる。あまりにもひどい時は、『それ、本当にハラスメントですからやめてください』と言うようにしています」と話しました。

美と差別は分けて考える

岩崎さんは、「#KuTooで問題にしてきたのは職場での差別的な扱いについての問題であり、ハイヒールそのものの問題とは分けて考えよう―というのが石川優実さんの考え。そうしたことを考える上で宮本百合子さんの「生活の中にある美について」**というエッセーが参考になります」として――
働き着の面白さは、働きそのものを遊戯化しポーズ化した連想からの思いつきによってもたらされるものではなくて、やはり真率に働きの目的と必要とに応えて材料の質も吟味された上、(中略)考案されて行くべきなのだろうと思う。(中略)美しいものもそれが一定の関係の下では醜いものと転化してゆく、その瞬間に対して敏感でありたいとも願うのである。
――という箇所を紹介しました。
(上園隆・民青県委員長)

[注]
* アルテイシアさんによる「bot返し」の提唱;
https://wotopi.jp/archives/101899
** 宮本百合子「生活の中にある美について」;
https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3194_10871.html

(兵庫民報2020年7月26日付)