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2020年2月2日日曜日

ジェンダー、障害、国籍、セクシュアル・マイノリティ……求められる多様な視点からの災害支援:「女性の視点から災害支援を考える」シンポに参加して

佐藤 結(日本共産党国会議員団兵庫事務所)

阪神・淡路大震災から二十五年の節目を迎えるにあたり、NPO法人ウィメンズネット・こうべ主催による「女性の視点から災害支援を考える―今後各地で予測される災害に向けて」と題したシンポジウムが一月十三日、神戸市内で開催されました。
同法人代表で、阪神・淡路大震災直後に女性支援ネットワークを立ち上げた正井礼子さんの他、災害下における女性や子どもの生活実態の調査・研究や支援に奔走した女性たちが登壇し、被災した女性たちの置かれた生々しい実態をうかがい知ることができました。
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阪神・淡路大震災と東日本大震災を比較すると、「女性に対する暴力」の認知が高まり、様々な支援組織が被災地に入るという状況が生まれているそうですが、避難所の運営が男性主体のために女性が声を上げられず、ニーズが把握されにくいという状況は変わっていません。
最もショッキングだったことは、避難所や避難先の親戚宅などで起こった性暴力の被害実態です。東日本大震災における調査によると、性暴力の被害を受けた場所は避難所が最も多く、その加害者の多くは避難所住民やリーダーです。加害者も同じ「被災者」であるということが、被害に遭った女性や未成年者が口をつぐむ要因となっています。
また、住宅再建等のための支援金や貸付制度は、通常世帯主の被災状況を基準にして世帯主に支給されるため、夫によるDVを受けて別居状態等にある女性はその対象外となり、たとえ世帯に支給された場合も経済的暴力を受けるなど、もともと経済的基盤の弱い女性や子どもが被災を機に困窮する実態は変わっていないという指摘がなされました。
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被害は平等ではない、災害時には、その社会の平常の姿がそのまま反映されるということです。さらに、ジェンダーだけではなく、障害者や外国籍、セクシュアル・マイノリティといった多様な視点から災害対策・支援を検討することが求められています。いまようやく、各地の女性たちの取り組みによって社会が変わりつつあると少し希望を抱きました。
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シンポジウムとパネルディスカッションのあと、スタンディング形式のフラワーデモが元町駅東口で行われました。次回デモは三月八日(日)午後に行われる予定です。

(兵庫民報2020年2月2日付)


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