2020年2月2日日曜日

ひょうご教育のつどい2020in神戸:モノ・カネの世で考える子どもの幸せと「教師」という仕事


「ひょうご教育のつどい」―兵庫県教育研究集会―(実行委員会主催)を一月二十五日(全体会・神戸市勤労会館大ホール)、二十六日(分科会・神戸市立本山中学校)の二日にわたり行いました。
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全体会の文化行事として、兵庫県立神戸甲北高等学校のダンス部の高校生による若々しい演技で始まりました。
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「基調報告」では、この「ひょうご教育のつどい」で取り組んでほしいことが次のように提案されました。
―二〇一九年の参議院選挙では憲法改正派が三分の二の議席を割り込みましたが十八・十九歳の投票率が、三一・三%にまで下がってしまいました。今こそ主権者教育が求められています。
―アフガニスタンで長年にわたって支援活動を続けてこられた医師中村哲さんの理念は、日本国憲法九条そのものです。こうした理念を受け継いでいくことが大切です。
―今起こっている「安倍教育再生」は、憲法改正の動きと根が同じであることをおさえていく必要があります。
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記念講演では、教育研究者で高知県土佐町議会議員の鈴木大裕さんが、「モノ・カネの世で考える子どもの幸せと『教師』というしごと」と題して講演しました。
―アメリカの新自由主義教育改革では、教員格差と教育の「効率化」が拡大している。「ゼロ・トレランス方式」が進行して、低学力児や問題児を排除する傾向にある。日本でも①学校が塾化する(授業のマニュアル化とゼロ・トレランス)②「全国学力テスト」が増加する③教員不足をAIが埋める―というおそれがある。
―これに対し、「学力って何?」という疑問から考えていくべきである。これから必要なことは、①議論の枠組みを問うこと―社会における幸せや成功の価値観の多様性を認める②子どもの教育を通して社会をとうこと―「勝ち組」の先に幸せがあるのか?と考えてみる③子どもとの距離を埋めること―生徒と「固有名詞」で話すこと④学校を人を育てる場所に再構築すること―全ての子どもに「先生」を持たせたい⑤人の幸せをキーワードに教員と保護者がつながっていくこと。
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参加者からは、「教育もお金で買う時代といわれ、ニュースの数々と照らし合わせ、確かにそうだと深く感動した」「新しい発見の連続と、未来の日本の姿を突きつけられているような気持ちになりました。心当たりのあることが多すぎて、自分が認識している以上に日本の教育が今深刻な状態であることが分かりました」「今日の学びを仲間にも広げてムーブメントをおこしていきたい」などの感想が寄せられています。
(稲次寛=ひょうご教育のつどい実行委員会事務局長)

(兵庫民報2020年2月2日付)