2020年1月12日日曜日

神戸映画サークル協議会1月例会:『ロング、ロングバケーション』:生きる意味を問いかける老夫婦ふたりのロードムービー


老夫婦が人生最後の旅をキャンピングカーでボストンからアメリカ本土最南端の地を目指す様子を描きます。
妻エラは、どのような状況に至っても、夫ジョンへの愛に生き、生き抜く美学の自由を選択し続ける人です。彼女には独自の価値観を持った強さがあります。「何者の価値観にも邪魔されることのない、直感的で自由人」であったことを描いています。
ビルツィ監督は自分の人生の自由を選ぶ映画といいます。ヘミングウェイ「老人と海」にただよう誇り高き終焉はこの作品のふたりの世界にも感じられました。サザーランドとヘレン・ミレンの二人の名優も見事で、圧倒的存在感で老境の夫婦を演じています。
ユーモアと冒険に満ちた最後の日々。末期がんと痴ほう症の夫婦というと、なんだか重そうに感じるけれど、むしろユーモラスに描かれ魅力となっています。自分が自分でいられる間はそんなに長くはない。自分の人生を生き抜き、終わらせることはとても難しいことだと改めて感じました。だからこそ、今を生きる意味を忘れてはいけないのだと思います。
結婚生活の幸せと共に、難しさも知った人にぜひお薦めしたい作品です。
(桑田葉子=神戸映画サークル協議会)

『ロング、ロングバケーション』

2017年、イタリア、112分/1月24日(金)①11時②14時③19時、25日(土)①11時②14時、18時/神戸アートビレッジセンターKAVCホール/一般当日:1,700円(前売:1,300円)、シニア・障がい者・大学生以下:1,300円/☎078‐371‐8550、 http://kobe-eisa.com/




(兵庫民報2020年1月12日付)