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2019年11月24日日曜日

いじめ・パワハラのない学校へ:日本共産党神戸市会議員団がシンポ


神戸市立東須磨小学校で、教員同士の長期にわたるきわめて悪質ないじめ・パワハラが明らかになりました。また、パワハラから職員を守る法的責任を負う校長などの管理職や教育委員会が、逆に助長、容認していました。
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日本共産党神戸市会議員団は、この問題を受け、学校や教育をよくするため保護者や教員・住民が立場の違いを超えて語りあう教育シンポジウムを十一月十六日、須磨パティオホールで開催し、二百五十人が参加しました。

基調報告――背景に「競争と管理」


基調報告を行った党文教委員会責任者の藤森毅さんは、神戸市だけでなく、全国的に深刻化していると述べ、今回の事件は、暴力・暴言・強要などで人格を破壊し、自殺寸前まで追い詰めたものと指摘。その背景に、異常な長時間労働に加え、職員会議の形骸化、人事評価、学力テスト体制など国が「競争と管理」を強めた結果、教員の世界が本音や失敗が語れない競争的な上位下達の社会になっていることがあると解明しました。
また、藤森さんは、「この問題が子どものパワハラと表裏一体である」として、個人の尊厳や多様性が尊重される時代に逆行し、学校生活では、体罰、ブラック校則、学校スタンダードなどで子どもの人権や個性が抑制されていると指摘。「体罰は論外であり、『指導』を通すために、脅かしたり、恥ずかしい思いをさせたり、罰を与えたりしない」ような、学校づくりの大切さを訴えました。

シンポ――語りあい、手をつないで

シンポジウムは、同区選出の山本じゅんじ市議が司会を務め、藤森さん、小三と中一の子を持つ同市の尻池直美さん、元市立小学校教員の桑原敦文さん、味口としゆき市議が、フロアからの発言を交え、真剣な議論を交わしました。
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尻池さんは「今回の事件は衝撃を受けた。いじめはダメだよと教える立場なのに。親としては不安」と発言。子どもが学年をあがるたびに、授業だけでなく、日常生活までもが「めあて」として評価の対象とされ、萎縮している実態を紹介。「おかしいと思うことを保護者ががまんせず、自由に語り合うことが大事」と訴えました。
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桑原さんは「多くの教員がストレスを抱える現場で、残念ながら、教員間のいじめやパワハラはある」と述べ、①教員を追い詰める成績主義②長時間労働③人権感覚が希薄な教育委員会と管理職―などの問題を指摘。「悪い先生ばかりではない。教員は子どもと保護者、同僚に育てられるものです、手をつないでほしい」と呼びかけました。
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味口市議は、同校で加害教員による子どもへの体罰などがあり、他校でも多くの事例があることを報告。市議会の追及で「子どもの権利条約を現場に生かすことが大事」との教育長答弁を引き出したことを示し、「一人で悩まず語り合い、学校や教育委員会に声を上げよう」と呼びかけました。
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山本市議は、シンポジウムのまとめとして、「今日をきっかけに、みなさんのお住まいの区や地域などで、保護者や住民同士が語りあえる場をつくって、神戸の教育を変える力にしていきましょう」と訴えました。

(兵庫民報2019年11月24日付)

大企業労組へもリスペクトもって気軽に訪問:日本共産党伊丹市議団

日本共産党伊丹市議会議員団と同事務局は第七回中央委員会総会の呼びかけに答え、市内の労働組合に党創立九十七周年記念講演DVDとパンフレットを届け、地区委員長との懇談を呼びかけてきました。
伊丹市内にはいくつかの大企業もありますが、そこも含め気軽に訪問し懇談を進めてきました。
そういう中で労組幹部の方から率直な話を聞くことができました。
「立憲や国民と言っても組合員には『民主党』への失望感がぬぐえない。それに代わるものが必要だと思う。野党連合が魅力的な政策をぜひ打ち出してほしい」と野党連合政権への期待をにじませる発言や、職場での「働き方改革」への取り組みの苦労、定年延長で高齢者が安全に作業できる労働環境の整備への取り組みなど、労働組合活動の悩みも聞くことができました。
足を踏み出す前は「連合労組には門前払いされるのでは」などと不安もありましたが、先の総選挙では桜井周衆院議員を誕生させた「市民連合」を中心にした市民と野党の共闘に共に参加したこともあり「案ずるより産むが易し」で、気軽に、かつリスペクトの精神で臨みました。
伊丹市議団と同事務局は、引き続き市内の労組や「連合伊丹」などの組織とも懇談を進めていくことにしています。
(服部好廣=前伊丹市議)

(兵庫民報2019年11月24日付)

「桜を見る会」追及パブリックビューイング:新長田・鉄人広場前で党兵庫・長田・北地区委員会が田村参院議員の質疑を上映`


安倍首相主催の「桜を見る会」に自分の後援会員を多数参加させていたことが国政の大問題になるなか、日本共産党兵庫・長田・北地区委員会は十一月十五日、新長田の鉄人広場前でパブリックビューイングを初めての試みとしてとりくみました。「税金私物化疑惑・国会追及上映中」の看板や十七日付「しんぶん赤旗」見本紙を準備。電源は近所のお店の協力を得て確保しました。
この問題に火をつけた、田村智子参議院議員(党副委員長)の国会質問をそのまま上映し、道行く人と対話。開始するとすぐ、立ち止まって目を向ける人、座りこんで見入る人など次々足が止まって驚きました。
座って聞いていた兵庫区の男性は「これ先週やってたやつやね。安倍政権を追い込むチャンス。今回こそは逃れられないし、逃さないで安倍政権を倒してほしい。共産党が野党共闘を支えて頑張っているのはよく知っている」と語るなど、対話が弾み、「しんぶん赤旗」日曜版読者になってもらえました。
西区に住む男性も「自分は学会員だが、公明党が自民党と一緒になってからは公明党員はやめた。以来選挙では共産党に入れている。学会員のなかにも、いまの公明党に批判を持っている人は大勢いる。今日は思っていることをたくさん話せてスッキリした。この新聞はよく読ませてもらう」と話してくれました。
(井上光孝=党兵庫・長田・北地区委員長)

(兵庫民報2019年11月24日付)

市立伊丹病院と近畿中央病院の「存続と充実を」と1万筆超える署名

服部好廣(市立伊丹病院と近畿中央病院の存続と充実を求める会事務局長)


伊丹市内の個人と団体でつくる「近畿中央病院の存続を求める会」(代表=原田雅代氏)と「市立伊丹病院と近畿中央病院の存続と充実を求める会」(代表=千住実氏)は十月に「市立伊丹病院と近畿中央病院の存続と充実を求める要望書」を両団体併せて一万筆を超える署名を添えて伊丹市の藤原保幸市長に提出しました。
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同市では建て替え時期を迎える市立伊丹病院と公立学校共済組合立「近畿中央病院」との統合再編計画が昨年春以降、にわかに持ち上がりました。
近畿中央病院は独自の建て替え計画を持っていましたが、五年前に尼崎市の県立尼崎病院と同塚口病院の統合による県立尼崎総合医療センターが高度急性期医療を担う七百床規模の病院として設立された結果、近畿中央病院は来院患者が減少し、経営が赤字に転落、建て替え計画を凍結していました。その状況を見て伊丹市長から統合再編の話が持ち込まれました。
昨年五月、伊丹市は県内の複数の公的病院統合計画に参画してきた県職員や阪大医学部、周辺市の市立病院長、公募市民による「市立伊丹病院あり方検討委員会」という諮問機関を立ち上げ、今年二月五日検討報告書を市長に提出しました。その内容は「市立伊丹病院は近畿中央病院と統合し五百~六百床の高度急性期医療を担う、阪神北医療圏域に責任を持つ病院とするべき」という内容でした。
市はこれを受け「統合を視野に入れた検討」を始めました。そして十月二十三日にその中間報告を市議会に行いました。その内容は「近畿中央病院と統合し六百床の病院を、現在の市立伊丹病院の敷地を拡張して建設する。経営形態は検討中。近畿中央病院は現在の場所には残らない」というものでした。
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問題なのは今、厚労省が全国の公立・公的病院を名指しで強引な統合再編、ベッド数減らしを行っていますが、伊丹でのこの統合再編もその一環であることを市長は一言も口にしないで「市民により良い医療を将来にわたって保証するため」とバラ色の夢を振りまいていることです。
一方で市長は昨年二月に厚労省へ赴き、二〇二〇年度期限の統合計画期限を引き延ばすよう、要望しています。統合による政府の有利な財源を確保することが目的です。
市民には隠して方針を決め、それに沿った結論を「あり方検討委員会」に出させたのではないか、と言わざるを得ません。
統合で伊丹市南部、尼崎市北部からそれぞれの地域に信頼されてきた公的総合病院がなくなり、地域の公的ベッドが二百床も減らされることは住民にとって医療の大幅な後退を意味します。性格の違う二つの病院を統合するには独立行政法人化する必要も出てきます。その場合、病院運営への市議会や市民の関与が難しくなります。
市は、十二月議会の終了後に「統合協議」の最終結論を発表する予定です。
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二つの団体は相互に連携してさらに運動を粘り強く進め「伊丹の地域医療を守ろう!」「近畿中央病院をなくすな!」の声を大いに上げていくとしています。

(兵庫民報2019年11月24日付)

神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会第18回総会:政治を変えることも課題に


「神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会」は第十八回定期総会を、十一月十七日、六甲道勤労市民センターで開催。四十人が参加しました。
廣岡豊事務局長から活動報告と活動方針、会計報告及び新役員の提案が行われました。毎月の宣伝活動と調査活動、神戸製鋼の「石炭火力発電建設・稼働の差し止め」民事裁判、「建設を認めた国の誤りをただす」行政裁判に積極的に取り組むなどの活動の取り組み、決議(案)が採択されました。
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二部は神鋼の裁判を一緒にたたかっている神戸大学大学院法学研究科教授の島村健さんが「世界的な温暖化対策の進展と温暖化対策に関する日本の課題――特に脱石炭火力」と題して記念講演を行いました。
島村教授は、地球温暖化について、世界でも日本でも気温は上昇しており、大気中の二酸化炭素濃度も大船渡市での観測平均濃度が三十三年で一七%も増加するなど、二酸化炭素濃度の上昇が気温の上昇をもたらしていること、地球温暖化の影響で台風等の自然災害が多発していることなどを示しました。脱石炭の課題として電源構成の石炭の割合を減らしていくこととともに、市民自身もできることとして車に乗らない、関電から電気を買わないなど具体的提案も。仙台、神戸、横須賀で差し止め訴訟が行われていること、若い人たちが声を上げていることがSNSで広がって、気候変動サミットでは大規模なマーチが取り組まれたことなど、多岐にわたり詳しく報告しました。
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質問・意見では「プラスチックごみが問題となっている」「温度を一・五度や二度に抑える努力をしてもこれ以上下がらないのか」「神鋼の株主総会ではパリ協定を守らないのは安倍政権に従っているからだと神鋼側が発言。悪の根源は安倍政権にある」など多くの質問や意見が飛び交いましたが、政治が悪いという結果に会場はもろ手を挙げて賛成、国を相手に闘っている行政裁判に全力を挙げたいと決意した総会でした。
(近藤秀子=同連絡会副代表)

(兵庫民報2019年11月24日付)

神戸・市民要求を実現する会第9回総会:運動の広がり実感

神戸・市民要求を実現する会(実現する会)第九回総会を十一月十二日に開催し、加盟団体から二十人が参加しました。
日本共産党の大かわら鈴子市議が「市政報告」を行いました。
「都市空間向上計画」について大かわら議員は、同計画「素案」に四百余通・千百五十二件の市民意見が寄せられ、地域の「保守」と言われる人びとからの意見も多数あり、独自に神戸市の出前トークを行う自治会があったことなど、運動の広がりがあったと紹介。
議会では、自民党会派からも「線引きをやめるべき」「国の言いなりはやめよ」との発言があり、副市長が「主要バス路線を含めた区域の検討を行いたい」と答弁するなど「素案」の修正が余儀なくなるまで追い込まれ、その結果、十月末に発表された同計画「案」では大幅な変更が行われたと報告。この勢いで計画自体の撤回まで押し込むことが必要だと述べました。
敬老・福祉パス制度では、十月十一日に提出した二万四千筆近くの署名が大きな成果をあげ、有識者会議で発言を修正する委員まで現れる事態になっていることも報告されました。
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実現する会は、今後一年間の運動提起を行い、「敬老・福祉パス」・神戸「こども署名(給食版)」の署名について、十万筆を目標に運動を高めることや、二年後の市長選で市民の声を聴くことができる市長を誕生させるために、新たに「若者・子育て世代アンケート」を実施することを提案しました。
各団体からの報告が行われ、運動の広がりや成果が語られました。
(岡崎史典=同会事務局)

(兵庫民報2019年11月24日付)


消費税をなくす兵庫の会第30回総会:消費税5%への減税実現へ野党と市民の共闘発展させよう


消費税をなくす兵庫の会は、十一月十六日、アステップ神戸で第三十回総会を開催しました。県内各地から三十三人が参加し、大島誠税理士(消費税廃止各界連絡会事務局長)の「消費税七つの大罪・今後の運動」についての講演を聞き、藤原紀嘉事務局長からの報告と提案を受け、意見交換・活動の交流を行いました。
四年後に始まるインボイス制度は、多くの免税事業者・フリーランス等を直撃するわけですが、現在のように仕入れ税額控除を認めさせていくには「どう運動を作り広げていけばいいのか」という業者運動をしている会員からの意見や、三田、垂水、明石などの会から発言がありました。
ずっと高齢のご夫婦が駅頭宣伝を続けてこられた三田の会では、そのご夫婦が体調を壊され、新たなメンバーが「灯を絶やさないように」と毎月一回の行動を続け、参加者も広がっています。垂水の会は、昨年に続き二十二人が参加して総会を開催、「繰り返すしかない」と毎月一回の宣伝署名行動、学習会を続けています。明石の会では、民商を中心に一〇%になった十月からは毎週行動を行っていると報告されました。また、森友・加計疑惑、「桜を見る会」など「税金を私物化」している安倍政治への批判で署名をする人も多いとの発言もありました。
兵庫のなくす会では、「継続を力」に消費税の五%への減税実現へと他の野党との共闘も進め、消費税廃止の展望を切り開くために引き続き草の根から頑張っていこうと決意を固めました。
(木野下章=同会常任世話人)

(兵庫民報2019年11月24日付)

望月衣塑子記者招き講演会:兵庫労連とサンテレビ労組が共催


兵庫労連とサンテレビ労組が十一月十五日夜、神戸市内で、望月衣塑子東京新聞記者を迎え「記者から見た安倍政権 メディア規制・表現の自由」と題する講演会をひらきました。
望月氏をモデルにした映画『新聞記者』と近日公開『i―新聞記者ドキュメント―』の予告編の上映に続いて同氏が登壇しました。
望月氏は、菅義偉官房長官が記者会見で、日韓問題でも、軍事協定、徴用工問題など、望月氏の質問にまともに答えない実態を告発。そもそも質問したかったのは森友・加計問題でも伊藤詩織さんの問題でも疑惑の中心にいる安倍晋三首相だったが、首相会見はほとんどなかったため、官房長官会見に出たこと、しかし聞いても答えないので質問を繰り返すと、最後まで答えるという会見慣習を破り、妨害や排除に出、個人攻撃の文書まで張り出した―と経緯を報告。精神的圧力により質問の萎縮をねらい、政府の言う「事実」を押し通すため、表現の自由にまで攻撃していると批判しました。
記者会見は政府のためでも、メディアのためでもなく、国民の知る権利のためにあるべきだと強調しました。
「表現の不自由展・その後」の問題については、後付けで同展を含む「あいちトリエンナーレ」への補助金全額を不交付にするなどの安倍政権の暴走ぶりを紹介し、安倍政権は韓国に対して植民地支配を反省する気はなく、関係悪化は韓国に責任があると言い、徴用工問題で和解を図る企業に釘をさすなど、対立をあおり、それを政権の支持に利用していると指摘しました。
また、沖縄辺野古新基地建設だけでなく、南西諸島に自衛隊を配備してミサイル要塞化をすすめているなど、兵器爆買いとあわせアメリカの軍事戦略に組み込まれて行っている実態を紹介し、次の世代にこんな遺産を残すことはできないと批判しました。
メディアの役割は権力の監視、チェック、戦争をさせないことだと述べ、そのため記者それぞれが五感を信じて人々のために仕事をするべきであり、国民とともに考えることが必要だと強調しました。
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休みなく一気に語る望月氏の講演に満席の参加者から熱い連帯の拍手が沸き起こりました。

(兵庫民報2019年11月24日付)

東播2市2町「平和と文化のつどい」:笑って楽しく未来の平和を考える

副実行委員長 山崎道哉


十一月十六日、東播磨の二市二町にある九条の会が共同して、地域の皆さんのご協力を得て、十四回目の平和と文化のつどいを開催することができました。
財政は名刺広告とワンコインカンパとチケット代と会場カンパで。宣伝はポスター六百枚とビラ六万枚を九条の会の会員などで。SNSでの宣伝も心掛け、配券は、五枚づつビラとチケットを入れて会員と各種団体に依頼。プログラムには地域の労働組合や革新懇などからメッセージを寄せていただきました。
また、最近は自治体や教育委員会の後援が難しくなりましたが、サンテレビ、神戸新聞、BAN―BANテレビネットワークス(株)に加えて、今年は加古川市、高砂市、稲美町と、加古川市・稲美町の各教育委員会の後援をとりつけるなどメディアと自治体も含めて地域で支えていただきながらとり組みました。


司会は民主商工会の村上文崇さん、オープニングは東播センター合唱団、文化行事は地元の教信寺のご住職が「コントラバス和尚慈愛の辻説法」としてクラッシックから唱歌迄わかりやすい説明付きで音楽のひと時を過ごさせていただきました。


八法亭みややっこさんからは、憲法の成り立ちから人権の保障、国民主権、九条の大切さまで落語調で詳しくお話しされ、七十年間も若者が血を流していないことを他国に学んでもらうことが平和的積極主義だと強調されました。
ポスターを張らせていただいた方、友達を誘ってご参加いただいた方、ありがとうの感謝の気持ちでいっぱいです。

(兵庫民報2019年11月24日付)

芦屋市でトークセッション:憲法&平和_de_まちづくり:山中前市長もスピーカーに


トークセッション「ようこそ! 私たちの未来へ」が十一月十七日、芦屋市民センターで開かれ、約百人が参加しました。スピーカーは山中健(芦屋市前市長)、吉江仁子(明日の自由を守る若手弁護士の会)、および芦屋市在住の五人の高校生各氏が努めました。
集会第一部「まちづくり」では、四月に任期満了で退任した山中健前市長が、日本国憲法を守る信念をもって十六年にわたり芦屋市政に取り組んできたこと、阪神・淡路大震災のとき、市議会議長として大蔵省前で「被災者を救え」のデモをしたことなどを振り返りました。
「まちづくり」の問題で、高校生から「三宮や大阪から帰って来たとき、芦屋は『よい静けさ』があると感じるが、これからはどんな街づくりを考えているか」と質問が出されました。山中前市長は、「これから数年かけて、JR南側から阪神や阪急の駅へと若い人たちも楽しめる賑わいをつくり出せれば良いと思う」「無電柱化を進めていきたい」と答えました。
第二部「憲法と平和」では、吉江弁護士が紙芝居を使って、「王様をしばる」決まりが憲法で、憲法に基づいた政治が立憲主義であること、いちばん大切な条文は十三条で、個人の尊重と幸福追求権が定められているが、それらの権利は平和でなければ保障されない、と平和の大切さを訴えました。山中前市長は、安倍政権の九条改憲に触れつつ、「『九条にさわるな』と言いたい。戦争できる国づくりという愚かな選択をしてはいけない」「九条改憲の必要なし」と強調しました。
高校生から、「憲法はGHQがもって来たのでは」「アメリカはなぜ天皇制を残したのか」などの質問が出されました。これに対して、吉江弁護士は憲法前文に述べられた憲法制定の主体について説明し、芦屋九条の会代表の久保富三夫さんからも憲法制定過程にふれつつ討論がされました。
最後に、立憲主義と平和を守る西宮の会の長岡徹さんから、憲法十二条の「国民の不断の努力」、九十七条の「人類の多年にわたる自由獲得の努力」を「繋ぐ、紡いでいく」ことの重要性についての発言をまとめとして集会を終わりました。
(濱本鶴男=芦屋市在住)

(兵庫民報2019年11月24日付)

均等待遇実現ホットライン:0120‐378‐060:11月29日(金)10時~19時

11・29「不合理な格差は禁止です。均等待遇実現ホットライン」
実施日:2019年11月29日(金)10時~19時
電 話:0120‐378‐060(フリーダイアル)
会 場:兵庫労連労働相談センター(兵庫労連事務所)
神戸市中央区栄町通3丁目6‐7 大栄ビル10階
内 容:電話や面談による「労働相談」。不合理な格差・差別を許さず、均等待遇実現に向け取り組みます。「正規」「非正規」を問わず長時間過密労働、有給休暇、労災、解雇・雇い止め、パワハラ、賃金・残業代未払いなど労働に関わるあらゆる相談に応じます。相談は無料、秘密厳守。労働問題に詳しい弁護士紹介可。面談は予め連絡をいただければ希望時間での予約可能です。
相談員:兵庫労連労働相談センター相談員、兵庫労連役員
主 催:兵庫県労働組合総連合(兵庫労連) 担当:北川伸一
電話 078‐335‐3770 FAX 078‐335‐3830

(兵庫民報2019年11月24日付)

なくそう!日米軍事同盟・米軍基地2019年:日本平和大会in沖縄:兵庫代表団51人、大会成功に貢献


「なくそう! 日米軍事同盟・米軍基地 2019年日本平和大会in沖縄」が十一月八日・九日、沖縄県内でひらかれ、兵庫県からは代表団五十一人が参加しました。
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兵庫代表団のうち三十五人は先発隊として七日、神戸空港を出発、沖縄那覇空港に向かいました。
那覇空港からはマイクロバス二台で、「米軍ヘリの部品落下事故」現場の宜野湾市緑ヶ丘保育園に直行しました。
保育園では一行を待っていた父母会の人がパネルも持って当時の状況と父母会の取り組みについて詳しく説明。その最中にオスプレイが真上を低空で飛行し、参加者一同ビックリ。「これが毎日か」と怒りがこみ上げてきました。
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八日は朝八時ホテルを出発し、最北の、やんばるの自然豊かな森に米軍がヘリパットを新設、訓練を繰り返している東村高江へ向かい、長年反対運動をしている伊佐真次さんをはじめ住民の方と交流しました。
午後は辺野古のキャンプシュワブゲート前で、瀬長和男さんから「新基地建設はまだ数パーセントの状況。建設は止められる。多くの人に辺野古に来て頂きたいし、現状を全国の多くの人に知らせてください」との訴えを受けました。
その後、辺野古海岸のテント村に移動、ここでも地元の人と交流し、説明をうけました。
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平和大会開会集会は十八時三十分から豊見城中央公民館で開催されました。玉城デニー沖縄県知事、山川仁豊見城市長、さらに沖縄選出国会議員が一堂に介して連帯の挨拶を述べ、「オール沖縄」を実感する集会になりました。
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九日は午前に「動く分科会」と「シンポジウム・分科会」が、午後には閉会集会と那覇市内の国際通でのパレードが行われ、日本平和大会は閉会しました。
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十日は沖縄戦終焉の地、平和祈念公園・ひめゆりの塔を見学して帰路につきました。
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今回の平和大会は沖縄県外から六百五十人、全体で千百人が参加。兵庫県からは五十一人の参加で、大会成功に大きく貢献できたと思います、
これから県下各地で平和大会の報告会を開き、沖縄連帯の輪を更に広げたい思います。神戸では十一月二十八日に報告会が計画されています。
(田中信一=兵庫県平和委員会)

(兵庫民報2019年11月24日付)

西宮で平和大会報告会:沖縄のたたかいは全国のたたかい支える平和委員会を西宮でも大きく


日本平和大会の報告会を十一月十七日、西宮市内で開きました。同大会には兵庫県からは五十一人が参加、西宮からも三名が参加しました。
西宮平和委員会準備会と兵庫県平和委員会、安保廃棄兵庫県実行委員会の共催で行われた報告会では、大会に参加した西宮平和委員会準備会の樋口光冬市議が進行役を務め、自らの感想については「命どう宝」と強調しました。
続いて同じく参加した伊田こずえさんが報告。報告会は都合で欠席となった大会参加の山名孝明さんのレポートも紹介されました。
梶本修史県平和委員会代表理事が平和大会の歴史や沖縄のたたかいの進展を解説し、「沖縄のたたかいは沖縄だけだなく日本全体のたたかい。それを支える平和委員会をぜひ西宮でも大きくしてください」と訴えました。
(平野貞雄=県平和委員会)

(兵庫民報2019年11月24日付)

芦辺拓氏、エンターテイメント小説の歴史と創作への抱負を語る:日本共産党兵庫県文化後援会「秋の文化講演会」


「しんぶん赤旗」の連載小説『新・二都物語』の作者、作家芦辺拓氏を迎えて日本共産党兵庫県文化後援会は十一月十六日、兵庫県中央労働センターで「秋の文化講演会」を開催し、七十人あまりが参加しました。
講演会の初めに段野太一文化講演会会長が挨拶、続いて広瀬一葉さんがキーボードの演奏でショパンの名曲などを演奏しました。
芦辺拓氏は「小説は生きている――『新・二都物語』秘話」を中心に講演。近年の推理小説の動向や『新・二都物語』執筆のいきさつや背景など、自身の作家生活を振り返りながら九十分の講演をしました。
自身は本格的な推理小説作家である、としたうえで、戦前、戦後、そして今日に至るエンターテイメント小説の推移を、代表的な作家とその作品を紹介し、現在どのようにひきつがれているかを語りました。
芦辺氏は一九五八年生まれで、物心ついたころにマンガの興隆期を迎え、物語に興味を覚え、続いてSF小説の多様な世界に魅了され、歴史小説にも深く関心をもつようになり、それらを総合した新しい推理小説を模索して今日に至っています。
『新・二都物語』は書きながら物語がどんどん発展していき、新聞小説ならではの醍醐味を書き手も味わった。物語の中では、戦前の大阪を中心としてジャズや映画などの庶民の文化が次第に禁止に追い込まれていく経過なども紹介し、表現の自由を統制、狭めようとしている世相への警告ともしています。
売れるものしか出版されないという出版事情の中で「しんぶん赤旗」にも連載できるような本格的な小説に挑戦したい、と抱負も述べました。
準備した芦辺氏の著書は完売となり、参加者からは「推理小説の自由な作り方、作家の工房を語っていただき楽しい講演でした」などの感想が寄せられました。

(兵庫民報2019年11月24日付)

ひなたぽっころりん〈649〉

(兵庫民報2019年11月24日付)

観感楽学

小中学生のころ担任から「私物を学校に持ってきてはいけません」とよくいわれたものだ。かつては保護者が購入していたのだから教科書さえも「私物」だったのだが、センセのいうのは「勉強に必要なもの以外」という意味。しかし「学校のモノを持って帰ってはいけません」というような注意はついぞ聞かなかった▼いまやそれを時の総理大臣に対していわなければならない時代となった。「桜を見る会」である。さすがにまずいと思ったのか来年はやらないとした。が「中止はわたしが決めた」なんて、記者=国民を相手に威張ることではないだろうに▼さて、かの人の代名詞となった「私物化」という言葉を少し調べてみた。「~化」というのは名詞などにつけてそういう物・事・状態に変える/変わることをあらわす接尾語。便利なので「自分化」や「見える化」など新語が次々生まれている。いっぽう「私物」は文字通りわたしが所有する物の意だが、私利・私欲に「私腹をこやす」など「私」がついた熟語は評判のよくないものが多い▼礼にはずれた見・聞・言・行をしてはならないと孔子が弟子をいましめたが、これを「四勿」というと辞書が教えてくれた。(T)

(兵庫民報2019年11月24日付)